［143］独り占めさせて

ドキドキしながら
エレベーターで高層階まで上がって…
　
　
♡）臣くんも初めて来るんだよね…？
臣）うん。
　
　
少し緊張しながら、チャイムを鳴らすと…
　
　
彩）いらっしゃーい♡
　
　
彩ちゃんが笑顔で迎えてくれた。
　
　
♡）わわわっ、初めまして///
彩）♡ちゃんだよね？初めましてー♡
♡）本物の上戸彩ちゃんだぁ……///
臣）お前…
　　本人を前に「彩ちゃん」はやめろ…w
♡）はっ！！
　
　
そうか！
ついいつも通り呼んじゃった！！
　
　
彩）え、なになに？
　　いつも彩ちゃんって呼んでくれてるの？
♡）はいっ///
　　TVで見てる時とか…
彩）あははは♡
♡）えっと…ごめんなさい、
　　彩さん、でした。
彩）え〜〜〜〜
　　彩ちゃんでいいよぉ〜〜〜
　　彩さんってなんか堅苦しいもん。
♡）えっ！！
　
　
でも…そんな…
　
　
彩）彩ちゃんって呼んでくれた方が
　　嬉しいなーー♡
♡）…じゃあ…えっと…彩ちゃん///
彩）可愛いーーーーw
　
　
にっこり笑った彩ちゃんに
ほっぺをむにゅむにゅされた。
　
　
Ｈ）何してんの、玄関でw
臣）あ、HIROさん！お疲れさまです！
Ｈ）上がんなよw
臣）お邪魔します！！
♡）お邪魔します♡
　
　
長い廊下を抜けると、
綺麗なリビングが広がってて…
　
　
♡）すごーい…♡
　
　
わ、お料理もたくさん並んでる…！
　
キッチンも広い！
いいなーー♡
　
　
♡）……あ、そうだ！！
彩）ん？？
♡）パン焼いてきたんです…。
彩）えーー！ほんとーー？？♡
♡）ケーキにしようか迷ったんですけど…
　　甘いもの良くないかなって思って…
彩）あ、そっか！
　　え〜〜気遣ってくれてありがとう！
　　嬉しい♡♡
　
　
そう言って彩ちゃんは
大きなお腹を撫でた。
　
　
Ｈ）♡ちゃんが焼いてきてくれたの？
彩）そうなんだってー♡
　　手作りパン、嬉しい♡
Ｈ）ありがとう。
♡）はい♡
　
　
仲良く寄り添う二人は
本当に幸せそう…♡
　
　
♡）来月なんですよね？
彩）うん！
♡）すごいなぁ……
　
　
お腹って…
こんなに大きくなるんだぁ…
　
　
♡）触ってもいいですか…？
彩）いいよぉーw
♡）…ドキドキドキ…///
彩）あははw
　　♡ちゃんみたいに可愛い子が
　　触ってくれたら
　　この子も可愛くなりそう♡
♡）女の子なんですか？？
彩）たぶんね♡
♡）わぁ…♡
　
　
彩ちゃんにそっくりな女の子だといいなぁ♡
　
　
♡）わっ！動いたぁ！
　　ね、ね、臣くんも触ってー！
臣）…いやいや…、俺は…w
　　姐さんのお腹に
　　そんな気安く触れないっすw
♡）姐さん…？？
Ｈ）俺別に登坂じゃないから
　　そんなんで怒んないよw
彩）あはっww
　　登坂くん、そんなヤキモチ妬きなの？ww
臣）……///
Ｈ）この間もさ、TAKAHIROが
　　♡ちゃんにMV出てって言ったら
　　接触禁止ー！ってw
彩）あははははっw
　　可愛い彼氏だねーー♡
♡）……///
Ｈ）結局あのオファー、受けたの？
♡）あ、はいっ！来週撮影です！
Ｈ）おおお！よろしくねー！
♡）はいっ！！
彩）あ、また動いたw
　　今日は元気だなーーw
♡）ね、ね、臣くんも触ってみて！
　　ほんとにすごいんだよ！
臣）いや、だから…
彩）ね、ね、臣くんも触ってみて！
　
　
彩ちゃんが私の真似をしてそう言うと
臣くんが困ったように笑った。
　
　
臣）……姐さん…w
♡）ねぇ、姐さんってなぁに？？
彩）あ、それね、三代目はみんな
　　あたしのこと姐さんって呼ぶんだよーー
♡）ええっ！
彩）やめてって言ってるのにーー
♡）そうなんですか？！
　
　
初耳！！
　
　
♡）おうちでは彩ちゃんって呼んでるのに…
臣）バラすな！！w
Ｈ）あはははw
彩）そうなのーー？
　　じゃあ登坂くんも彩ちゃんでいいのに。
臣）それはこいつに合わせて
　　呼んでるだけで…///
♡）姐さんって…なんか極道みたい…
彩）だよねーーやだよねーー
臣）……
Ｈ）TAKAHIROももうすぐ着くって。
彩）よし、じゃあ二人とも座って座ってー♡
　
　
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
　
　
それからしばらくすると
すぐにTAKAHIROさん達も来て。
　
　
Ｔ）すいません！仕事で遅くなりました！
Ｈ）お疲れさま。
咲）お邪魔します。
　
　
TAKAHIROさんの後ろから
顔を覗かせた咲ちゃんに、
♡は目を丸くした。
　
　
♡（TAKAHIROさんの彼女って…
　　武井咲ちゃんだったの？！）
臣（うんw）
♡（なんで教えてくれなかったの！）
臣（びっくりするかなって思ってw）
♡（びっくりしたよ！！）
臣（あはははw）
　
　
♡はずっとドラマも見てたしな。
　
　
咲）彩さん、ご無沙汰してます。
彩）久しぶりだねーー♡
咲）体調いかがですか？
彩）元気だよーー♪
　
　
同じ事務所の先輩後輩の二人は
仲良く話してて…
　
しばらくすると、咲ちゃんが♡を見た。
　
　
咲）えっと…
Ｔ）この子がねぇ、♡ちゃん。
　　登坂っちが溺愛してる彼女ーー♡
　
　
TAKAHIROさんが
後ろから割り込んできて…
　
　
咲）♡さん、初めまして。
　
　
咲ちゃんが頭を下げると
♡は俺の腕をぺしぺし叩いて…
　
　
♡）本物の二人だよぉ！！///
　
　
そう言った。
　
　
咲）本物…？
臣）ああ、こいつね、
　　ドラマずっと観てたからw
咲）ええ！ほんとですか？
　　ありがとうございます！！
Ｔ）いい子だねぇ、♡ちゃんw
♡）あのドラマ楽しくて大好きでした♡
咲）え〜〜！嬉しいです！
彩）爺や〜〜
　　お腹空いたよーーもう食べよ〜〜
　　座って座って〜〜
Ｔ）ああ、お嬢、はいお土産。
彩）わぁ！ありがとー！
♡）じ、じいや…？？？
Ｔ）ああ、うんw
♡）…お嬢……？？
臣）TAKAHIROさんはそう呼んでんのw
♡）いろんな呼び方があるんだね…
臣）ははははw
　
　
そんなこんなで始まった食事会。
　
　
酒が進んだTAKAHIROさんは
俺の20万タクシー事件を
姐さんと咲ちゃんにまでバラして。
　
ほんとに♡ちゃんのこと
大好きなんだね〜〜♡♡
なんて、姐さんにからかわれる始末。
　
　
登坂くんが彼女にメロメロって噂は
何度も耳にしてたから
会ってみたかったんだ〜♡♡
なんて、言われた。
　
　
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
　
　
彩）ふぅ…。
咲）大丈夫ですか？疲れました？
彩）ああ、全然大丈夫だよー。
　　女子はこっちで女子会しちゃおー♡
♡）わーーい♡
　
　
臣くん達はお酒も進んで
HiGH&LOWとか仕事の話で盛り上がってる。
　
私たちは3人でソファーに移動してきた。
　
　
♡）えへへ…♡
　
　
なでなで。
　
　
彩）あははw
　　♡ちゃんがまた撫でてくれてるw
♡）元気に産まれてきてねー♡
彩）楽しみだなーー♡
咲）いいなぁ…♡
彩）咲ちゃんは結婚願望あるの？
咲）ありますよぉ！
　　私、若いママになるのが夢なんです。
♡）そうなんだ！
咲）23までに電撃結婚したいなーって
　　10代の時から思ってますw
彩）相手が爺やだったら
　　いつ結婚しても電撃だよ。
♡）確かに！！
咲）ふふ♡
　
　
23までって…
あと数年で結婚するのかな？
ドキドキ…
　
　
彩）♡ちゃんはー？
♡）えっ
彩）登坂くんと♡
♡）えっと…結婚ですか…？//
彩）うん♡
♡）いつか…出来たらなぁって…
彩）いつかなんて言ってたら
　　あっという間に時間過ぎてくよぉ〜
♡）えっ…
　　でも…今は…仕事頑張りたくて…
彩）仕事と恋愛は別！
　　仕事を頑張るのはいいけど
　　そっち優先しすぎて恋愛が疎かになったら
　　あたしみたいになるよーー
♡）え…？
彩）あたしも本当はもっと早く
　　結婚したかったんだもん…。
♡）……
　
　
そうだったんだ…。
　
　
彩）男の人は何歳になっても自由だけど
　　女性にはタイムリミットがあるでしょ？
♡）……
彩）30過ぎたらどうしても
　　妊娠しにくくなるし…
　　でも仕事に没頭してる間に
　　30なんてあっという間だから。
♡）……
咲）男の人は何歳になっても子供が授かれて…
　　いいですよねぇ…
彩）不平等だよねぇ…
　　ってたまに思っちゃう。
♡）……
　
　
そこまであんまり考えた事なかった…。
　
　
彩）あたしはずっと子供も欲しかったから
　　やっと念願叶ったの♡
咲）ふふ、ほんと楽しみですね♡
♡）……
　
　
臣くんとの…子供かぁ…
　
臣くんもまだ全然考えてなさそうだよね…。
　
　
彩）ね、ね、爺やとはどうなの？
　　上手くいってるー？
咲）ええと、はいw
彩）爺やなら大事にしてくれそうだよね♡
咲）……うーん、…でも…
彩）ん？
咲）優しいんですけど…
彩）けど…？
♡）？？？
　
　
咲ちゃんの顔が少し曇った。
　
　
咲）なんか…連れていってくれるお店が
　　全部前の彼女と行ってたお店みたいで…
♡）えっ！！
彩）飲食店ってこと？
咲）はい。
　　もちろん私には
　　そんなこと言わないですけど…
　　店員さんが話してるの聞こえちゃって…
彩）えーーーそれはやだなぁ。
　　なんでわざわざ同じ店連れてくの？
咲）聞けないです…。
　　でもどうしてここにしたの？って聞いたら
　　「美味しいから！！」って
　　笑顔で言われて…
彩）えええ〜〜！！
　　美味しいからって…ねぇ？
♡）うーーん……
彩）元カノと通ってた店はないでしょ！
♡）確かに……。
　
　
TAKAHIROさんは
気にしてないから連れて行くのかな？
　
私だったら…
臣くんが連れて行ってくれるお店が…
元カノといつも行ってたお店だったら…
　
　
♡）……
　
　
もやもやもや…
　
やっぱり少し嫌かも…
　
　
彩）男ってたまにそういうとこ鈍感だよね…
咲）はい……w
彩）あたしもさぁ…
　　同じ事務所に元カノいるとか
　　ぶっちゃけやだよねーー
♡）えっ？！
　
　
HIROさんの元カノ？！
　
　
♡）いるんですか？
彩）いるのーーー
咲）それは…嫌です…、うん。
♡）……うん。
　
　
誰かわかんないけど…
　
仕事で会ったりするのかな？とか
考えたりしちゃいそう…。
　
　
彩）はぁ。
咲）はぁ。
♡）……
　
　
みんな…幸せそうなのに…
やっぱりカップルそれぞれにしか
わからないこととかって…あるんだな…。
　
　
咲）私はこの間撮られちゃってから
　　事務所がうるさくて…
♡）え！撮られたの？！
咲）はい…。
　
　
知らなかった！！
　
　
彩）週刊誌ってほんとやだよねぇ…
咲）ほんと疲れます。
彩）登坂くんも大変だったよね。
♡）え？
彩）最近撮られたばっかりでしょ？
♡）…っ
　
　
何…それ……
　
　
彩）わざわざ捏造して
　　ハメようとしてくるなんて
　　ほんとタチ悪いよね！！
♡）……
　
　
捏造…？
　
　
咲）ガセネタだったんですか？
彩）そうだよ〜〜！
　　♡ちゃんもいっぱい
　　撮られてたみたいだけど。
　　気持ち悪いよね！
♡）…っ
　
　
私も…いっぱい…？？？
　
　
♡）えっと…
　　その話…なんですか…？
彩）えっ！
♡）……
彩）…聞いて…なかった…？
♡）…はい。
　
　
私がそう言うと
彩ちゃんは気まずそうに顔をしかめて
　
　
彩）ごめん、聞かなかった事にして。
　　…そっか……
　　登坂くん、♡ちゃんに心配させたくなくて
　　言ってなかったのかな…。
　
　
そう言った。
　
　
♡）…教えてください…っ！！
彩）えっと…
　
　
私…
何も知らなかったもん！！
　
　
彩）一応…知らないふりしてね…？
♡）はい。
　
　
そう言われて
彩ちゃんが教えてくれた話は…
　
最初はびっくりしたけど…
今考えると辻褄が合うところもあって…。
　
　
「……あのさぁ…。…引っ越そうか。」
　
　
急にあんなこと言い出したのも…
　
　
「…もし、俺たちが付き合ってることが
　バレたりする日が来ても、
　絶対にお前のことは守るから。」
　
　
ああ言ってくれたのも…きっと…
　
　
♡）……
　
　
そうだったんだ…。
　
　
♡）どうして…言ってくれないんだろう…。
咲）♡さんに心配かけたくなかったんですよ。
♡）…でも……
　　二人のことなのに……
　
　
臣くん一人で悩んでたのかな…。
　
一人で悩んで…考えて…
答えを出したのかな。
　
　
♡）二人のことは…一緒に考えたいもん…
彩）うん…、そうだよね…。
♡）……
彩）でも…きっと…
　　男の人たちってあたし達には
　　言ってないような事、
　　たくさんあるんだと思う。
♡）…っ
彩）HIROさんも仕事の話とか
　　家では全然してくれないし。
♡）そう…なんだ…。
彩）守られてる、大事にされてる、って…
　　感じる事はたくさんあるけど…
　　少し寂しいよね。
♡）……
咲）私たちの知らない世界かぁ…。
　　でも私たちにも
　　女子にしかわからない世界が
　　ありますもんね…。
彩）そうそう。
♡）……
　
　
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
　
　
臣）はぁ〜〜〜飲んだなぁ〜〜〜〜♪
　
　
明日も仕事だし女子もいるからってことで
夜中になる前には帰ってきたけど。
　
　
♡）……
　
　
HIROさん家から帰ってきてから
♡がやけに俺のことを見てくる気がする。
　
俺の気のせい？
　
　
臣）えっと…パンありがとな。
♡）え？パン？
臣）焼いてきてくれたじゃん。
♡）ああ！
臣）……
♡）……
　
　
なんだろう…
　
俺が飲みすぎて…怒ってるとか…？
　
　
臣）女子会は…楽しかった…？
♡）…うん。
　　3人でいっぱい話したよー。
臣）そっか、良かったな！
♡）…男性陣は何話してたの？
臣）仕事の話ばっかだよ。
♡）…そっか…。
臣）……
　
　
なんか浮かない顔してんな。
　
　
臣）一緒にお風呂入ろっか♡
♡）……
臣）…やだ…？
♡）…入る。
　
　
なんでか少し口が尖ってて…
可愛いw
　
　
臣）じゃあ待ってて♡
♡）私洗うよ！
臣）いいからいいから♡
♡）…ありがとう…。
　
　
それからパパッと準備して
二人で風呂に入って。
　
俺は酒も入ってるから
浅めに浸かった。
　
　
♡）…臣くん……
臣）んー？
　
　
俺の膝の間に
後ろ向きですっぽり収まってる♡。
　
うなじの後れ毛がなんか可愛い。
　
　
臣）どうしたー？♡
　
　
つんつんすると
ぺしっと叩かれたけど。
　
　
♡）…っ
臣）ん？？
　
　
ばしゃんとこっちを向いて…
俺をじーっと見てる。
　
　
♡）臣くん、何か悩んでなぁい？
臣）へ？？？
　
　
なんだいきなり。
　
　
♡）……
臣）悩んで…ないけど…
　
　
あれ？
なんか悩んでたっけ？
　
悩んでないよな？
　
　
♡）本当は…？
臣）……
　
　
え…
何も思いつかないんだけど…。
　
　
臣）悩んでないよ？
♡）…っ
　
　
急にどうした？？
　
　
♡）ほんとに…悩んでないの…？
臣）うん。
　
　
何度そう言っても、
俺の回答に納得いかないような顔してる。
　
　
あ、もしかして…
　
　
臣）お前は…なんか悩んでんの…？
　
　
そう言って頭を撫でると、
違うよって、ブンブン首を横に振った。
　
　
♡）もし…っ
臣）……
♡）もし何かあったら…っ
　　一人で悩んだりしないでね！！
臣）…うん…？
♡）困った事とか…なんでもいいから…
　　もし何かあったら…
臣）……
♡）私も…いるから…っ！！
臣）……
♡）臣くんは一人じゃないんだからね！
臣）…うん…。
♡）私が隣にいるし…
　　一緒に考えて、一緒に悩んで…
　　ちゃんと臣くんの力になりたいもん…っ
臣）……
　
　
よくわかんないけど…
必死な顔して一生懸命そう言ってくれる♡が
可愛くて。
　
　
臣）ありがとな…♡
　
　
♡のほっぺをむにむに撫でると、
♡がようやく笑ってくれた。
　
　
♡）えへへ…臣くん大好き…♡
臣）俺も大好きーー♡
　
　
風呂の中でぎゅむぎゅむ。
　
　
臣）彩ちゃんほんとお腹おっきかったよなー
♡）あ！彩ちゃんって呼んでるー！
臣）いや、家だからいいじゃんw
　　てゆーか彩ちゃん、最後には
　　「登坂くん」じゃなくて
　　「臣くん」になってたんだけど。
　　あれ完全にお前の影響でしょw
♡）あはははw
臣）赤ちゃん、楽しみだな。
♡）ねっ、絶対可愛い女の子だよ♡
臣）はぁ……。
　
　
♡もいつか…あんな風になるんだよなぁ…。
　
実際に産まれた後に会ったりしたら
羨ましくて…
俺、ますます結婚したくなりそう。
　
　
臣）子供…欲しいなぁ……
♡）えっ！！
臣）え？
♡）欲しいの？！
臣）そりゃ欲しいでしょ。
♡）え、今！？？
臣）…今じゃ…ないけど……
　
　
と、言いながら
俺はいつでも欲しい。
　
てゆーか早く♡と結婚したい。
　
　
♡）じゃあいつ欲しいの？
臣）えっ…
　
　
今日はすげぇグイグイ聞いてくんな…。
　
　
臣）うーん…、お前は？
♡）え？
臣）いつ欲しいの？
♡）…っ
　
　
確か…
付き合う前は、まだ全然考えられないとか
言ってた気がするけど…
　
　
♡）なんか…
　　漠然としか考えてなかったんだけど…
臣）うん…。
♡）今日いろいろ話してたら…
　　少しリアルになってきた…。
臣）……
　
　
それは…
　
　
臣）俺との子供、欲しくなったー？♡
♡）……
臣）……
　
　
あれ？違うんすか…？汗
　
　
♡）…欲しい…けど……
臣）……
　
　
けど…？？
　
けど、何…！？汗
　
　
臣）…えっと……
　　でも俺はまだ二人がいいかなっ
♡）え…？
臣）まだ二人でイチャイチャしてたいし…
♡）……
　
　
♡の答えが少し怖くて、
先に自分から誤魔化した。
　
二人の時間がまだまだ欲しいっていうのは
本音だけど。
　
　
♡）二人でイチャイチャ？
臣）うん。
♡）そっか、えへへ…///
臣）……
　
　
子供いたら、
子供に♡を取られそうだし。
　
　
臣）今は独り占めさせて。
　
　
そう言って後ろから抱きしめたら、
♡は嬉しそうに俺の腕をきゅっと掴んだ。
　
　
♡）独り占めされるーー♡
臣）ははは♡
♡）私も臣くん独り占めするーー♡
臣）いくらでもどうぞ♡
♡）えへへ♡
　
　
あーあ、可愛いな…。
　
大好きだよ、ほんと。
　
　
お前にならいくらでも独り占めされたいよ。
　
　
　
　
　
ーendー