臣)TAKAHIROさん…
俺…マジで不能になるかも…
T)……
臣)……
T)どえええええ!!!??
TAKAHIROさんの声が、ジムに響いた。
T)ちょ、ちょ、どゆこと!??
臣)……
昨日は結局、あれこれ考えてたら
あんまり寝れなくて
今日の午前中、♡と一緒に映画を観てたら
そこで爆睡しちゃった俺。
起きた時には
映画はもう終わってて
慌てて謝ると
♡は拗ねた様子もなく
にっこり笑って
「疲れてるんだよね?寝てていいよ?♡」
って…
臣)……
そのまま膝枕してくれたけど
柔らかい太ももの感触に
俺は無駄に興奮して…
全然気持ちが休まらなかった。
触りたくて…
うずうずして…
そしたら♡がまた言ったんだ。
「ごめんね?」
って。
T)勃たなかったの?!
昨日チャレンジしたの!?
臣)え?
T)不能になるかもって…
臣)ああ、…そうじゃなくて…
T)何!!!
臣)……
俺は昨夜のことを話した。
T)え、♡ちゃんが「シたくない」って
ハッキリ言ったの?!
臣)いや、そうじゃないんですけど…
T)拒まれたって…
「やだ」って言われたの?
臣)いや、なんか…
「やぁ…っ」って。
T)え、それ、拒絶なの?
臣)えっ
T)普通の喘ぎじゃないんすか?
臣)ぶっ
T)被害妄想じゃないの?
臣)……
だって…
臣)こう、身を引かれたんですよ。
T)いや、だからさ、それも。
普通の反応でもありえるじゃん?
臣)……
そう言われると、確かに。
臣)でも…「ごめん」って…言われたし。
T)……
あれって…そういう意味だよな?
T)そっか、謝られたのか。
臣)はい…
T)でも…考えすぎだと思うけどな〜
臣)……
T)たまたま昨日は気分じゃなかった、
とかじゃないのー?
臣)……
今まで…そんなことなかったのに…?
T)登坂っちのことが嫌だとか
そんなんじゃないと思うよーー
臣)……
T)だってチュッチュッしたんでしょ?
臣)はい。
T)嫌だったらキスもしないでしょ。
臣)……
確かに寝る前も…
♡からしてくれたけど…
臣)キスはできても…
身体に触られるのは嫌、とか…
T)う〜〜〜〜ん……
臣)なんか俺、結構心折れて…
T)うん。
臣)次もし拒否られたら
マジで不能になりそう…
T)ああ、そういう意味ね?w
臣)はぁ……
T)だからほら、そーゆー時は
他の女で、ね。
臣)いや、ないっすから。
T)頑なだね〜〜!!w
臣)……
T)ま、今日もっかいトライしてみなよ!
臣)……
それでダメだったら…
俺ほんとに…
T)で、明日、結果聞かせて♡
臣)あ、俺明日、収録っす。
T)え!!ジム来ないの??
臣)はい。
T)え〜〜!!寂しい〜〜〜!!
臣)TAKAHIROさん、明日も来るんですか?
T)来るよ……
臣)……
T)…って、俺別に
暇なわけじゃないからねっ!!
臣)いや、わかってますよw
T)今、憐みの目で見たでしょっ!!
臣)見てないっすから!!w
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
佐)ねぇ、♡ちゃん。
そろそろ雑誌に名前載せたいんだけど…
♡)えっ!!
撮影終わりに、佐伯さんに呼ばれた。
佐)やっぱり未だに編集部の方にも
♡ちゃんの名前教えてって問い合わせ
すごく来るのね?
♡)はい…
佐)それだけならいいんだけど…実は…
♡)……
佐)再来月号で、
トリちゃんと♡ちゃんの企画を考えてて。
♡)えっ!!
トリちゃんと?!
♡)わぁっ!楽しみですっ!!♡♡
佐)そうでしょ♡
私もすごく楽しみなのよw
♡)わぁ〜〜〜♡
佐)でね?
その企画的にも、
♡ちゃんだけ名前がないと
どうしてもやりにくくて…
♡)なるほど…
そっか…
そうだよね…
佐)本名が嫌なら芸名でもいいし
ちょっと考えておいてくれない?
♡)はい、わかりました。
どうしようかな…
松浦さんにお返事するのも
来月いっぱいになってるし
色々ちゃんと考えなくっちゃ。
ーーー
撮影を終えて
Mちゃんと約束してる店に向かうと…
M)あ、先輩!来た来た〜〜!♡
♡)えっ…
Mちゃんがいるテーブルには
男の人もいて…
♡)えっ!先生?!
士)お疲れさまです…//
♡)え…っ、なんで…
あ!!そういえば!!
今日ってMちゃんが先生を
合コンに誘ってた日?!!
男)うわ、すっげぇ可愛い子来た///
男)ヤバくね?///
M)先輩♡座ってくださぁい♡
♡)え、ちょっと、Mちゃん!
これって…
♡(どーゆーこと?!合コン!?)
M(はい♡嘘ついてごめんなさい♡)
♡(ちょっとー!私帰るからね?)
M(ダメですっ!!)
ガシッッ
♡)…っ
M(先輩には彼氏がいるって
ちゃんと言いますから♡)
♡(それでもダメ!!)
M(お願いしますよぉ〜〜!!
今日久々の当たりなんですよ〜!!)
♡(私いなくてもいいでしょ!)
M(先輩を連れてくることが
交換条件だったんです!)
どーゆーこと??
M(先輩は参加しなくていいですから!
士道さんとお話してるだけで!)
♡)…っ
M(それなら知り合いと話してるだけだから
登坂さんだって怒らないですよ!)
男)どうしたのー?座らないのー?
男)はい、ドリンクメニュー。
♡)…っ
どうしよう。
ここで帰ったら空気壊しちゃうかな…
M)先に言っておきますねー♡
この先輩には超絶ラブラブな彼氏が
ちゃぁんといますんでー♡
男)ええっ!!
男)そうなの?!!
男)なんだぁ……
M)今日は人数合わせで来てくれただけです♡
男)そうなんだぁ…まぁ座んなよ。
♡)…っ
帰るって言い出せなくなって
私はとりあえず一番端に座った。
向かいは先生。
そっか、先生と話してれば
合コンって感じじゃないし…
臣くんには後から説明しよう、うん。
♡)お疲れさまです。
士)はい…///
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
仕事を終えて、家に帰ってくると
♡はまだ帰ってきてなくて…
真っ暗な部屋に、また一瞬
心臓がドキッとした。
臣)……
なんでまたこんな風に
不安になるんだろう。
♡はもう帰ってきたのに。
毎日、帰ってきてくれって祈りながら
暗い部屋のドアを一人で開けてた日々が
こうしてふと頭をよぎる。
臣)はぁ……
なんか情けない。
気持ちを紛らわせるように
一人で風呂に入りながら、音楽を聴く。
しばらくすると
♡が帰ってきた音が聞こえて…
洗面所のドアが開いたのがわかった。
♡)ただいまぁーーっ!!
臣)おかえりーーー
風呂の中から返事をした。
♡)お風呂入ってるのー?
臣)うん。
お前も入るーー?
♡)うん!あとで入るー♡
臣)……
そういう意味じゃなかったんだけど。
気分転換に風呂に入ったのに
♡が帰ってきたとなると
早く顔を見たくて
いそいそと風呂から上がった。
ガチャッ。
臣)おかえり。
♡)わっ…///
ん…?
♡)ただいま…//
俺から目を逸らす♡。
なんで…?
あれ、少し顔が赤い。
臣)酒飲んだの?
♡)あっ…
臣)どこで飲んでたのー?
♡)あの…
臣)ん…?
♡)あのね、今日…っ
Mちゃんと…
臣)うん、飯食ってたんでしょ?
♡)あの…そのはずだったんだけど…
臣)……
なんだ??
♡)合コンだったのっ!!!
臣)……
♡)……
臣)は…??
合コンって…合コン???
♡)でもね、私、誰とも話してないよっ!!
臣)え、ちょ、待って。合コン?
♡)合コンだったんだけど
私、先生としか話してないから!!
臣)……
意味がわからなくて
ソファーに座って一から説明させると
どうやらMちゃんが♡を騙したようで。
でも「彼氏がいる」って宣言は
してくれたみたいで…
♡)だから私は先生とずっと話してたの!
そう言ってニコッと笑う♡。
何かを隠してるわけでも
嘘をついてるわけでもないのは
無邪気な笑顔でわかるけど…
俺的には他の男共より
「ずっと話してた」先生が
気になるんですけど…
臣)先生って…俺と同い年なんだよな?
♡)うん!そうだよー!♡
臣)……
♡)ジムでしか話したことなかったけど
いろいろ話してみたら
すっごく良い人だったー!
臣)……
♡)えへへ♡
臣)……
こんな顔で笑ったんだろうか。
酒も入ってて
なんかふにゃふにゃしてるし
こんな可愛い女が
目の前でずっと自分と話してて
可愛く笑ってたら
普通に、惚れない?
俺の考えすぎ?
俺、彼氏バカ?
臣)そもそも…なんでお前は
Mちゃんに騙されたの?
♡)あ、そういえば…
なんで嘘ついたんだろう…
聞くの忘れちゃった…
そこ大事だろが!!
ったく…あの子は何考えてんだよ…
♡)交換条件…?とか言ってたけど…
よくわかんないから
また明日聞いてみるね!
臣)うん……
交換条件って…
??
♡を連れてくることが
合コンをする交換条件だったってこと?
じゃあ誰か、♡を連れてきてほしい人間が
いたわけで…
そんなの…「先生」しかいねぇじゃん。
彼氏がいるのわかってて
それでも合コンに連れてきてほしいって頼んで
狙い通り、♡を独り占めして
♡とずっと喋ってたってことか?
臣)……
え、なんかすげぇモヤモヤしてきた。
何その男。
♡)じゃあ私もお風呂入ってくるねー♡
臣)…っ
そう言って立ち上がった♡を
俺の腕は勝手に捕まえて、抱きしめてた。
♡)どうしたのっ?
臣)…っ
♡)私、くさいよー?
お店の匂い、ついてるでしょ?
臣)……
そんなのどうでもいい。
抱きしめたい。
♡)お風呂入ってくるから
綺麗になったらぎゅってしてー♡
臣)やだ。
♡)えっ!!
臣)もうちょっとだけ…
♡)……
後ろから抱きしめてるだけじゃ
足りなくなって
♡をこっちに向かせると
♡)わっ//
臣)え…?
♡)ちょ、もうやだっ//
臣)…っ
♡)お風呂入ってくるから!!///
♡はそう言って
俺の腕から逃げて
風呂場に走って行った。
臣)……
なんで…?
俺、しつこかった?
また「やだ」って言われた。
なんか…泣きそう。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
びっくりしたよぉ///
臣くん、ずっと上半身裸なんだもん///
あんなんで正面からぎゅってされたら
ドキドキして死んじゃう!
ただでさえ…
最近、臣くん免疫が低下中なんだから…///
♡)はぁ…///
お風呂に浸かりながら
大きく息を吐いた。
今日は…
臣くん、疲れてないかな?
H…したいなぁ…
♡)……//
なんか、恥ずかしい///
私、おかしいのかな??
なんかエッチだよね!??
Hしたいなぁ、なんて…
わーーーん!!!///
ばかばかっ!
ごめんなさいっ!!
でも…
♡)////
そろそろ…臣くんが足りないんだもん。
家出から帰ってきて
やっと臣くんといっぱいぎゅむぎゅむできて
それだけですっごく満たされて、幸せだった。
幸せだったはずなのに…
昨日、あんなチューしたから
忘れてたドキドキに
一気に火がついて…
♡)////
ううん、忘れてたわけじゃない。
ずっと…
癒されるなぁっていう、安心感の方が強くて
それだけで満足してたけど…
やっぱり…
もっと触れ合いたい。
私、贅沢なのかな…///
そうだよね。
ワガママ言っちゃダメだよね…
臣くんは仕事で疲れてるのに。
昨日もあまり寝れなかったみたいだし
今朝の映画も、途中から爆睡してた。
やっぱり…
福岡のLIVEの疲れが
まだ残ってるのかなぁ…?
Hって…激しいもんね///
体力使うよね…
疲れちゃうよね…
♡)ううう///
臣くんが元気になるまで
我慢しなくっちゃ///
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
♡は風呂から上がってくると
すぐ俺のところに飛んできた。
♡)ぎゅーしよーー♡♡
臣)……
そう言って両手を広げるから
俺はそのまま、ほかほかの♡を抱きしめる。
♡)えへへー♡
もうイイ匂いになったよー♡
やっと思う存分、ぎゅーできるー♡
臣)……
俺のこと…
嫌なんじゃないの…?
どっちなのか、よくわかんなくて…
♡)ぎゅむぎゅむ♡
臣)……//
嬉しそうに
俺の胸にすり寄ってくるから
可愛くて…
♡)……
臣)…っ
♡が俺を見上げて
俺の目を、じっと見つめる。
♡)チューは…、いい…?//
臣)…っ///
え、何が…?
チューは…、って何?
何かよくわかんないけど
めちゃくちゃ可愛い…どうしよう///
♡)んーー///
臣)…っ///
え、え、目ぇ閉じてきた!
可愛い!!
ああああ〜〜〜////
チュッ…
♡)……
臣)……
軽く触れたキスの後に、
交わる視線。
♡の腕が…
俺の首にするりと巻きついて…
誘われるように、腰を抱いた。
♡)ん…、、
臣)…っ
こんなに身体を密着させて
キスを始めれば
もう止まらなくなりそうで…
ためらうように
唇だけのキスを続けてると
♡の柔らかい舌が
俺の唇に、小さく触れた。
臣)////
「もっと」って…催促されたみたいで…
ドクン…ッ
身体が一気に、熱くなった。
♡のそれを合図に
キスは次第に、昨日みたいな
深いキスに変わっていく。
♡)…ん…っ、…ぅ//
臣)…っ
触れる舌も唇も、
その全部が柔らかくて…気持ち良くて
夢中になるほど、息が上がってくる。
♡)…は…ぁっ//
もう…抱き上げて…
このままベッドに連れていきたい。
いいのかな…
触っても…
熱く絡み合うキスに
我慢の限界になった身体が
♡を欲しがってる。
臣)♡……
息継ぎと同時に、唇が離れた瞬間だった。
♡)もう…ダメだ…//
臣)え…?
♡の唇が、そう呟いた。
♡)もう…ダメ///
臣)…っ
♡)ごめんね…?///
臣)……
ごめんって…
何が…?
これ以上はごめんって、そういう意味?
♡)もう、寝よっか///
そう言って♡は
そそくさとベッドに向かった。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
これ以上キスしたら、
我慢できなくなっちゃう…
臣くんが欲しくて…
おかしくなっちゃいそう…
♡)ううう///
恥ずかしい。
臣くんが疲れてるのはわかってたから
チューするだけのつもりだったのに
少しチューしたら
なんかもう…物足りなくなって
昨日みたいなチューが…したくなって…
もっと、って
無意識に求めたら
臣くんはそれに応えてくれて
キスはどんどん深くなった。
気持ち良くて…
何も考えられなくなって…
いつもだったら
このままHするのになって…
頭のどこかで期待したけど
臣くんは全然触ってくれないから
やっぱり疲れてるんだって…
これ以上キスしたら
私が我慢できなくなっちゃうから
途中で逃げてきちゃった。
♡)はぁ…///
私、臣くんのことが
大好きすぎるのかな…
今更だけど。
ずっとずっと大好きだけど。
こんなに触れたいって、
触れてほしいって…
物足りない気持ちになるなんて
臣くんが…足りないよぉ……
キィッ…
♡)あ…っ
バタン。
臣くんが寝室のドアを閉めた。
臣)ん…、、
♡)…っ
臣くんは後ろから私の頭をポンポンして
そのままベッドに入った。
臣)何してんの…寝ないの?
♡)あ、うん…//
臣)何ボーッと立ってんのw
♡)……//
臣くんに促されて、私もベッドに入ったけど
さっきのキスの余韻がまだ残ってて
臣くんの匂いに、ドキドキしちゃう。
臣)ん…、来ないの…?
♡)…っ
今くっついたら…
またキスしたくなっちゃう…
臣)……
♡)……
でも…やっぱりくっつきたい!!
ぎゅむぅっ///
臣)ははは、来た来たw
♡)ううう…///
臣くん…好き…
大好き。
♡)……
私ばっかり好きで…
♡)ごめんね…?
臣)…っ
♡)……
臣くんに…触りたいよぅ…
♡)ううう///
臣)……
♡)おやすみなさい…///
臣)……
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
♡に「ごめんね」って言われる度に
胸が痛くなる。
応えられないから
「ごめんね」って言ってるんだろうけど
でも…それでもこうして
ぎゅってくっついてくるし
キスだってしてくる。
俺は…
♡が好きだし
抱きたくておかしくなりそうだし
でも、
「ごめん」って言われたら
無理矢理になんてできない。
♡が嫌がることなんて
絶対したくないし…
臣)……
♡は…なんで俺が嫌なんだろう。
俺のことが嫌いだとか
そういうんじゃないと思う。
普通に笑ってくれるし
Hを拒否られる以外は
別に全部、今まで通りだし…
Hだけが…嫌なのかな…
あ、でも…違うか。
さっきは…ハグだけでも
「もうやだ!」って…逃げられたし…
臣)…っ
ダメだ。
ほんと泣きそうだし…
♡がわかんない。
ふと腕の中の♡を覗けば
長いまつ毛を伏せて、スヤスヤ眠ってる。
臣)……
俺、どうしたらいいんだろ…
ーendー
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