[128]他の女はジャガイモ

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♡)トリちゃーーんっ♡
ト)♡ちゃーーんっ♡
 
 
むぎゅっ♡
 
 
♡)久しぶりだねっ♡
ト)うん!元気にしてた?
♡)うんっ♡
 
 
そんな私たちのやりとりを
ジトッと見てるMちゃん。
 
 
♡)どうしたの?
M)ヤキモチです……
ト)あははっ、私に?!w
M)だって…仲良しなんだもん…
♡)何言ってるのw
M)私だって先輩大好きだもんっ!
 
 
ぎゅむーーっっ
 
 
♡)わかったから!知ってるから!w
 
 
今日はトリちゃんとの雑誌撮影。
 
 
5月に家出した時に泊まらせてもらって
それからずっと直接会ってはいなかったから
久しぶりの再会で。
 
メイクしてもらってる間も
近況話に花が咲いた。
 
 
佐)う〜〜〜ん、可愛いっ♡
  最高のコンビだわ♡
ト)佐伯さんが現場来るの珍しいですね?
佐)ふふふ…
  私、♡ちゃんの時は
  割と現場入りしてるのw
ト)そうなんですか?w
佐)そうだ!ちょっと!♡ちゃん!
♡)え?
佐)♡ちゃんのお母さんって
  レイコさんだったのね!!
  昨日びっくりしたわよ〜〜!!
♡)えっ
 
 
どうしてそれを……
 
 
佐)家族写真!上げてたでしょ?
♡)あっ……
 
 
そうだった!
 
 
M)見てくれてありがとうございますー♡
佐)弟君もイケメンだしほんと美形家族!
  驚いたわ〜!
M)昨日の写真は反響もすごいんですよー♡
♡)……
 
 
そうだったんだ…
全然知らなかった。
 
 
佐)レイコさんね、ずっとモデルとして
  オファーしてるんだけど
  フラれっぱなしなの!
♡)あ……
 
 
そういえばそんなこと言ってたっけ。
 
 
佐)あんな綺麗なお母さん、いないわよ〜〜
♡)えへへ♡
佐)私、諦めないから!
  まだまだ口説き続けるわよ!
♡)あはははw
ト)♡ちゃんと一緒に載ったりしたら
  面白いのにね♡
♡)えっ
佐)!!!!!
 
 
トリちゃんの言葉に
佐伯さんはまたハッとした顔をして
ドタバタといなくなった。
 
 
♡)……
ト)……
 
 
このパターンは……
 
 
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
 
 
今日は『Unfair World』のMV撮影。
 
二日間スケジュールを取ってて
初日の今日はそれぞれのソロシーン。
 
 
「撮影には何も準備しないで来てください。」
 
紀里谷監督にはそう言われてて。
 
 
「ただ、たった一人、一番大事な人、守りたい人だけを決めて来てください。」
 
そう連絡が来てた。
 
 
そんなの、俺は迷うことなく
♡しかいないわけで。
 
 
臣)……ふぅ。
 
 
衣装に着替えて、メイクを済ませて。
 
 
いつもと違う監督に撮ってもらうってとこも
緊張するけど…
 
それが紀里谷監督ってとこも…
俺的には緊張感が高まる。
 
 
現場もいつもより心なしか
空気が張り詰めてる気がして。
 
 
臣)おはようございます。
  よろしくお願いします。
紀)おはよう。
  大切な人はイメージできてる?
臣)はい。
紀)ああ、いい顔してるね。
臣)……
 
 
どんな顔だ?
 
 
紀)登坂くんにはこの道を走ってもらう。
臣)はい。
紀)彼女が裸足で逃げながら走って
  最後はそこで力尽きるんだ。
臣)……
紀)君はそれを追いかけるけど、
  助けられない。間に合わない。
臣)……
紀)大切な人が泣きながら苦しんでるのに
  ただただ、何も出来ない。無力だ。
臣)……
紀)彼女が倒れたら、
  登坂くんはここで止まって。
臣)…わかりました。
 
 

 
 
一通りの流れを聞いて
頭の中でイメージして。
 
 
紀)カッコ悪いとかそういうのは
  どうでもいいから。
  いくら無様でもいいから。
  悲しみの感情を全部剥き出しにして。
臣)……はい。
 
 
それから準備が整って
スタンバイして。
 
 
目の前にいる白いドレスを着た
髪の長い女性に、♡を重ねる。
 
 
臣)……
 
 
♡が苦しんでるのに…泣いてるのに…
 
俺は何もしてやれなくて
抱きしめてやることも出来ない。
 
 
裸足で必死に走るその後ろ姿を
追いかけて…
 
 

 
 
♡が倒れる姿を見た瞬間、
勝手に涙が出てきた。
 
 
臣)……うああぁぁぁッッッ!!
 
 
涙が溢れて、天を仰いで…
 
何も出来なかった自分が
悔しくて、情けなくて、やるせなくて。
 
 
♡を失う悲しみが
鋭い刃のように胸に突き刺さる。
 
 
臣)……ッッ
 
 
止まらない涙で滲む♡の姿を
ただただ、見つめて…
 
 
紀)はいカット!
 
 
その声も、どこか遠くで聞こえたようだった。
 
 
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
 
 
女)トリちゃんありがとう。
  じゃあ次は姫ちゃんに色々聞こうかな。
♡)はいっ!
 
 
撮影を終えて
トリちゃんとの対談式インタビューが
始まった。
 
 
女)事前アンケートの回答は
  なんだか彼氏だらけだったけど…w
♡)はっ!すみません!///
 
 
忘れてた!
そういえばそのまま出しちゃったんだ!
 
 
女)姫ちゃんは彼氏とラブラブって
  ことなのかな?
♡)…えっと……ハイ……///
ト)ふふーー♡
女)彼氏のどんなところが好き?
♡)……全部…好きです…///
ト)あははは♡
 
 
どうしよう!
こんなの慣れてないから恥ずかしい!
 
 
女)そういえば姫ちゃんは
  昨日誕生日だったんだよね?
♡)あ、はいっ!
ト)おめでとう〜〜〜♡
♡)えへへ、ありがとう♡
女)写真もあげてたけど…
  家族でお祝いしたのかな?
♡)えっと…彼がサプライズで
  パーティーしてくれて…
  家族や友達がたくさん集まって
  くれました。
ト)サプライズだったんだ!
♡)うん♡
ト)やさし〜〜〜〜♡
♡)えへへ♡
女)彼は結構サプライズしてくれる人?
♡)えっ…
 
 
どうだろう。
 
えっと…えっと…
 
 
♡)そう言われてみると…そうかも…
ト)♡ちゃんは騙し甲斐がありそう♡
女)あはははw
  プレゼントは何かもらった?
♡)あ、はい!♡
女)聞いてもいい?
♡)えっと……
  ……内緒…です……///
ト)えー!なんでー!w
♡)なんか…恥ずかしい……///
  あ、でも……
女)ん?
♡)プレゼントもすごく嬉しかったけど…
  …彼が言ってくれた言葉が
  一番嬉しかったです。
女)なんて言ってもらったの?
♡)えっと…///
ト)教えて教えてーーー♡
♡)……宝…物だよ…って……
  世界で一番大事だよ、って///
ト)きゅーーーーん♡
女)素敵な彼ねぇ……
♡)////
 
 
言っても良かったのかな?!
……はぁ、顔が熱い…///
 
 
女)彼はいつもそういうこと
  言葉にしてくれるタイプなのかな?
♡)……(こくん)///
女)姫ちゃんも?
  言葉にして伝えるタイプ?
♡)はい…///
女)姫ちゃんはさっきからずっと照れてるけど
  恥ずかしがり屋さんなのかな?w
♡)はわわ…ごめんなさい///
ト)でも♡ちゃんは甘えんぼなんですよー♡
女)え?
ト)彼にもたまに
  猪って言われるんだもんね?w
女)イノシシ?!w
♡)あ、えっと……
  大好きが爆発したら
  彼に猛突進しちゃうんです。
女)そしたら彼は?
♡)呆れながらぎゅむぎゅむしてくれます。
ト)あはははっ♡
♡)こんなことも雑誌に載っちゃうんですか?
女)うんw
♡)恥ずかしくて死んじゃいます///
女)あはははw
 
 
それからインタビューも終えて
トリちゃんと一緒に写真を撮った。
 
 
ト)インスタに載せよーっと♡
M)もう一枚いいですか?
  先輩のホームページにも載せるので。
ト)はーい♡
 
 
もう一度並んで、別のポーズ。
 
 
ト)「♡ちゃん」って書いていいの?
  「姫ちゃん」の方がいい?
♡)あ、えっと……
M)みんな先輩の名前は
  わかってるみたいなんですけど、
  姫呼びが浸透してるんですよねー。
ト)そうなんだぁ!
  じゃあハッシュタグは姫ちゃんにするね♡
 
 
そう言ってトリちゃんがインスタに
ツーショットを載せると
数分でいいねがいっぱいになった。
 
 
『今日は♡ちゃんと撮影でした📷💕
 来月号チェックしてください😊✨
 
 #プライベートでも仲良し
 #姫ちゃん
 #これから二人でご飯
 #姫ちゃんのおうち初訪問』
 
『トリちゃん姫と仲良しなの?!😳✨』
『ツーショット可愛すぎ!!😭💓』
『二人とも天使みたい😍神ショット💕✨』
 
 
ト)わぁ、コメントもいっぱい来てるーー
M)さすがトリさん…。
佐)あ、♡ちゃん!
  来週の特集ページもよろしくね!
♡)はい!ありがとうございます!
佐)♡ちゃんだけで8ページ
  たっぷり使うからね〜〜♡
♡)はわわっ…///
佐)楽しみだわ♡
 
 
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
 
 
今日の分のMVの撮影は終わって、
今度はレコーディングに向かった。
 
 
ハイローの広斗の歌をどれにするか
前々から話し合ってて…
 
いくつか歌ってみたんだけど…
満場一致で
『CHAIN BREAKER』に決まった。
 
 
レコーディングが終わったタイミングで
丁度NAOTOさんから電話が来て。
 
 
某スポンサーの社長さんの
誕生会やってるから
顔出せたら顔出して、って。
 
 
臣)今日はなんか精神的に疲れたから
  もう帰りたいんだけど…w
S)ああ、MVの撮影やっぱり疲れたー?w
臣)なんかげっそりしたw
  明日もあるし。
S)ELLYと直己も無事、
  撮影終わったみたいよー。
臣)そうなんだ。
S)紀里谷監督、アツかったってw
臣)はは…っw
 
 
明日の7人一緒の撮影はどうなるやら…
 
 
臣)ふぅ…。
 
 
移動の車の中でスマホを開いてると…
 
 
臣)お!?
 
 
トリちゃんのインスタに♡が載ってて…
 
 
『#これから二人でご飯
 #姫ちゃんのおうち初訪問』
 
 
これは…
我が家ってことですよね?
 
じゃあ…
家に帰ったらトリちゃんがいるのか?w
 
♡からは何も連絡来てないけど…
 
 
S)あーい、着いたよーー
臣)ほーい。
 
 
パーティー会場に着くと
モデルやら何やら、女が多くて。
 
 
N)あ、臣来たーー
臣)遅くなってすみません。
N)レコーディング終わったのー?
臣)はい。
社)おお!登坂くん!
臣)どうも、ご無沙汰してます。
 
 
もう結構ほろ酔い気味の主役。
 
 
臣)すいません、仕事終わりに急いで来たんで
  手ぶらで申し訳ないです…
社)いいよいいよそんなのw
  こんなトップスターが来てくれただけでw
C)あっ!登坂さんだぁ〜〜〜♡
 
 
げっ!!!
出た、おっぱい!!!
 
 
社)知り合いなのかい?
C)はいっ♡
臣)……
 
 
おっぱいは社長に胸を押し付けながら
その腕にしがみついてる。
 
てゆーかいつから知り合いになったし。
 
 
C)今度遊びましょうって約束したのに
  登坂さん全然遊んでくれないんですよぉ〜
臣)は?!
 
 
いつそんな約束したよ!
NAOTOさんか健ちゃんじゃねぇのかよ。
 
 
男)社長!こちらお願いします。
社)はーい。
  じゃあ登坂くんもゆっくりしていって。
臣)はい。ありがとうございます。
 
 
社長が別のテーブルに行くと
今度は俺にしがみついてくるおっぱい。
 
 
臣)離して。
C)いやーーん♡
 
 
いやーんじゃねぇよ!
おっぱいを押し付けてくるなっ!
 
…って…
相変わらず半分モロ出しだな…オイ。
 
 
C)またおっぱい見てるぅ…♡
臣)見てねぇ!///
 
 
勝手に目に入っただけだし!
 
 
臣)ほら、あっち!!
  NAOTOさんいるからあっち行ってこい。
C)ええ〜〜ひどぉい……
 
 
お前はNAOTOさんのセフレだろーが!
 
 
C)登坂さんはぁ…
  いつ遊んでくれるんですかぁ?♡
臣)……
 
 
いつHしますかみたいな感じで
上目遣いしてくるんですけど…
 
 
臣)遊びません。
C)ええっ!!
 
 
俺がそのまま逃げようとすると
また俺の腕にしがみついてきた。
 
 
C)人がいないところだったら
  触ってみたいって言ったくせにぃ!
臣)は?!
C)この間のパーティーで!
臣)……
 
 
言ってねぇし。
 
 
C)興味ないですか…?
 
 
そういって俺の右腕を
おっぱいで挟んできた。
 
 
臣)やめろ!///
C)やーだーー♡
 
 
マジでしつけぇ!!
 
 
臣)あのさぁ。
  俺別におっぱいに興味ないから!
 
 
やたら胸をアピールしてくるけど!
 
 
C)えっ…
  そんな男の人…いるんですか…?
臣)……
 
 
俺はCの腕を振り払った。
 
 
臣)彼女の身体しか興味ないってこと。
C)…彼女って…この間の人…?
臣)そ!!!
C)私よりおっぱいちっちゃかったもん。
臣)はぁ!?
C)絶対私の方が気持ちいいもんっ!
臣)……
 
 
こいつ…バカなのかな…?
いや、今更なんだけど…
 
 
臣)いや、ほんと…悪いけど
  俺あいつ以外、興味ないから。
C)昔は悪さしてたくせにぃ〜〜
臣)……
C)彼女にちょっと内緒で遊ぶくらい
  いいじゃないですかぁ〜〜
臣)遊びたかったら
  NAOTOさんと遊んで。じゃ。
C)やん!待って!
 
 
だ〜〜!!しつけぇ!!
 
 
C)彼女に内緒で一回だけ遊んで?♡
臣)だから!彼女以外無理!!
  他の女なんかみんなジャガイモにしか
  見えねんだよ!!
C)…それって…私も?
臣)そ!ジャガイモ!じゃあな!
C)ひっどい!
臣)離せ!
C)NAOTOさんだって山下さんだって
  満足してくれてるもん!
臣)……
 
 
そんなん知らねーよ…
 
 
臣)俺、彼女じゃないと勃たないから。
  お前じゃ無理。諦めて。
 
 
しつこすぎるから暴言吐いたら
さすがにおっぱいの顔色が変わった。
 
 
C)何それ…
N)こーらこら、何モメてんのw
C)NAOTOさぁんっ!ひどいんです!
N)何がw
C)登坂さんってば私じゃ勃たないって!
N)ぶっ!!何の話だよ!!w
臣)ちょっと面倒臭いんでパス。
N)は?ちょ…っ
 
 
俺はその場をNAOTOさんに任せて逃亡。
 
他の知り合いの人たちに挨拶をして
一旦会場から出て♡に電話した。
 
 
プルルル…プルルルル…
 
 
♡『はいもしもしっ♡』
臣『ああ、俺ーー。今、家?』
♡『うん!』
臣『トリちゃんまだいんの?』
♡『えっ!!!!』
臣『なんだよ。』
♡『なんで知ってるの!!??』
臣『なんでって……』
 
 
堂々とインスタに書いてただろーが!w
 
 
♡『サプライズにしようと思ってたのにぃ〜!』
臣『ぶっww』
 
 
アホやん!!
 
 
臣『今パーティー来てんだけどさ、
  もう帰るわ。』
♡『ぶぅ……』
臣『何がぶぅだよw』
♡『もうサプライズに出来ないから
  つまんない。』
臣『わがまま言うなw』
♡『気をつけて帰ってきてね…』
臣『はーーいw』
 
 
ピッ。
 
 
すげぇがっかりしてたなw
アホだなあいつほんとw
 
 
臣)すみません、じゃあお先に失礼します。
社)ああ、来てくれてありがとうね!
 
 
社長に最後の挨拶をして
NAOTOさんにも声をかけて
 
俺は一人でホテルを出た。
 
 
C)登坂さーーーんっ♡
 
 
どんっ!!
 
 
臣)は?!
 
 
いきなりおっぱいが後ろから抱きついてきた。
 
 
C)もう帰っちゃうんですかぁ?
臣)そうだけど…。
C)泊まっていきましょうよぉ♡
臣)はい??
 
 
こいつ、しつこすぎない?
ストーカーかよ。
 
 
俺の腕に胸を押し当てながら
ホテルに戻ろうとするCの手を
引き剥がそうとすると
 
そこにまたおっぱいを押し付けてきて…
 
 
C)あ〜〜〜
  おっぱい触られたぁ♡♡
臣)……
 
 
もう付き合いきれん。
 
 
臣)俺、帰るから。
 
 
ずるずるとついてくるCを無視して
タクシー乗り場に向かうと…
 
 
C)じゃあ私も帰るぅ♡
 
 
そう言うから、
 
 
臣)ああ、じゃあ先に乗れよ、ほら。
 
 
Cをタクシーの中に押し込んだ。
 
 
臣)じゃあな。
 
 
バン!
 
 
邪魔者がいなくなってせいせいして
俺もそのすぐ後ろのタクシーに乗り込んだ。
 
 
まさかこれが、罠だったなんて
気付きもせずに。
 
 
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
 
 
♡)花火久しぶりで楽しいーー♡
ト)私もーーー♡
 
 
二人でベランダで線香花火をパチパチしてると
車の音がして…
 
 
♡)あ!臣くん帰ってきた!
ト)きゃーー!w
 
 
慌てて部屋の電気を消して
二人で洗面所に隠れた。
 
 
♡)ふふふふ…w
ト)臣くんびっくりするかなーw
♡)ドキドキw
 
 
しばらく息を潜めて待ってると…
 
 
ガチャッ。
 
 
玄関のドアが開いた。
 
 
臣)あれ…?
 
 
ふふふふ…
 
 
臣)なんで暗いんだ?
  ……ただいまーー!!
 
 
シーン…
 
 
臣)トリちゃんの靴…?は、ある…よな。
  なんでいないんだ??
 
 
靴を脱ぎ終えた臣くんが
廊下を真っ直ぐに歩いてきて…
 
 
♡ト)わっっっ!!!
 
 
二人で同時に洗面所から飛び出ると、
 
 
臣)うわぁぁっっ!!!
 
 
臣くんは虫を見つけた時くらい飛び上がった。
 
 
♡ト)あははははっww
臣)…っ
♡)わーーい!w
ト)サプライズ成功〜〜!w
臣)……
 
 
臣くんはびっくりしすぎて
声が出ないみたい。
 
 
♡)トリちゃんがいるのバレて悔しいから
  原始的に驚かせてみました♡
臣)原始的すぎるわ……
♡)ひっひひ〜〜〜
臣)このやろ〜〜〜
♡)わわわっ!助けてトリちゃん!!
ト)あはははっw
 
 
臣くんに後ろから羽交い締めにされて
そのままリビングにずるずる連行された。
 
 
臣)心臓に悪いからやめろ!w
♡)えへへーーw
臣)つーかなんで
  俺帰って来るタイミングわかったの?
ト)♡ちゃんとベランダで花火してたんだよー
臣)何それ。女子二人で楽しそう。
♡)楽しかったーー♡
臣)そんでもってなんかイイ匂いする。
♡)今日は二人でご飯作ったのー♪
臣)えーーーー食いたかった。
ト)まだあるよーー
♡)パーティーで食べなかったの?
臣)食べたけど、軽く。
♡)じゃあ用意してあげるー!
臣)ありがと♡
 
 
キッチンでアクアパッツァを温め直してると
臣くんとトリちゃんがソファーで
久しぶり、なんて話してる。
 
二人が会うのは
映画のテラハの収録以来みたい。
 
 
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
 
 
臣)今日撮影どうだったの?
ト)楽しかったよーー♡
臣)そっか。
ト)うん!
臣)……ええと…
  その節はお世話になりました。
ト)……ううん。
 
 
トリちゃんは…
♡の家出の時のことだって
すぐに察してくれたみたいで…
優しくニコッと笑ってくれた。
 
 
ト)今日♡ちゃん、臣くんの話
  いっぱいしてたよーーw
臣)えっ!!
ト)いっぱいノロけてた♡
臣)……
 
 
そうなんだ…///
 
 
ト)♡ちゃんね、再来月号で
  初の特集ページも決まって
  絶好調なんだよーーー
臣)は??特集???
 
♡)あ、報告するの忘れてたのーー
 
臣)おいっ!!
 
 
マジかよ。すげーじゃん!
 
 
ト)今日いっぱい恋愛トークしちゃったし
  また根掘り葉掘り聞かれるかもねー♡
♡)ええっ!そうなのかな?///
臣)……
 
 
どうぞ存分に語ってください。
 
そして変な男が寄ってこないように
してください。
 
 
♡)はい、臣くん、できたよーーー
臣)さんきゅーー
 
 
ダイニングに移動すると
二人も向かいに座ってくれて
 
きゃっきゃきゃっきゃ楽しそうにしてる。
 
 
臣)……美味い。
♡)ほんと?良かった♡
ト)また今度何か作ろうねー♡
♡)うんっ♡
臣)……
 
 
ほんとに仲良しだな。
 
 
ト)あれ?臣くん…
  Tシャツの袖、なんか光ってる。
臣)え??
 
 
そう言われて確認すると…
 
 
臣)なんだこれ…。
  ストーン…?
 
 
ラメみたいな…
 
 
ト)ネイルのストーンみたい。
臣)!!!
 
 
あいつか!!!
 
何回もしがみついて来てたから
その拍子にきっと引っかかって取れたんだ!
 
 
♡)見せて。
臣)…っ
 
 
取られた…。
 
 
♡)……
臣)……
 
 
こ、こわい。
 
ジーーーーッと見られてる。
 
 
♡)なぁに?これ。
臣)……ネイルの…ストーン…?
♡)誰の?
臣)……
♡)……
臣)……
 
 
どうしよう。
 
 
♡)パーティーでまた悪い女の人に
  誘惑されてきたんでしょ!
臣)!!!
 
 
なんでわかんの!?
 
 
♡)〜〜〜〜っ
臣)…っ
 
 
あああ…
♡のほっぺが膨らんでいく…
 
 
ぺしっ!ぺしっ!!!
 
 
臣)…っ
 
 
♡はプリプリしながら
俺のTシャツの袖をはたいて
 
そのまま席に着いた。
 
 
ト)私、そろそろ帰ろうかな……
臣)え!今?!!嘘でしょ!?
 
 
こんな空気で二人にする気!?
爆弾落としたのトリちゃんよ?!
 
 
♡)なんでそんな慌ててるの!
臣)いや、だって…
  せめて食い終わるまでいて!汗
ト)……
 
 
って言っても…
無言のトリちゃんと
ほっぺを膨らませたままの♡に
じーっと見られながら食うのも地獄で
 
俺は急いで全部かき込んだ。
 
 
臣)ごちそう…さまでした…。
 
 
俺がそう言うと
トリちゃんはにっこり笑って
 
 
ト)じゃあ帰るね♡
 
 
そう言った。
 
 
玄関まで見送ると、
 
「悪い事してないならちゃんと話せば大丈夫だよ」
 
って俺にだけこそっと言ってくれたけど…。
 
 
ト)じゃあね、♡ちゃんまたねー
♡)うん!
ト)お邪魔しましたーー♡
 
 
バタン。
 
 
トリちゃんが帰ると
♡がくるっと振り向いて…
 
 
♡)……
 
 
え、今度は何?汗
 
 
♡)くんくん。
臣)えっ!
♡)変な香水の匂いがする。
臣)!!!
 
 
あいつの匂いか?!!
 
 
臣)もう風呂入るわ!
 
 
慌ててTシャツを脱ごうとすると
それを止められて…
 
リビングに連れていかれた。
 
 
臣)……
♡)……
 
 
怖い。
 
 
♡)誰に誘惑されたのっ!
臣)……えっと…
  誘惑っつーか……
♡)誰!
臣)……C。
♡)Cって…
  この間のパーティーにいた子?
臣)うん。
♡)おっぱいむぎゅむぎゅしてた子?
臣)……うん。
♡)…今日もむぎゅむぎゅされたの?
臣)……されてません。
♡)……
臣)……
♡)……
臣)…されました…。
♡)……
 
 
怖いから正直に言ったけど
やっぱり怖い。
 
 
♡)またデレデレしてきたんだ…
臣)してない!それはしてない!!
♡)おっぱい見たんでしょ!
臣)視界には入ったけど見てない!
♡)……
臣)興味ない!ほんとあんなの
  ただの脂肪のかたまり!!
♡)……
臣)俺ちゃんと言ったもん!
  彼女のおっぱい以外興味ないって!!
♡)えっ…
  …そんなこと…言ったの…?
臣)……うん。
  彼女以外ジャガイモにしか見えないって
  言っといた。
♡)…っ
 
 
俺がそう言うと、
怒ってた♡は笑い出して。
 
 
♡)何それっww
臣)いや、だって…
  ほんとにそうだし…
♡)あはははっww
 
 
やっと笑顔になった♡は
俺にぎゅっと抱きついてきた。
 
 
♡)他に変な事されてない?
臣)されてないよ。
♡)他の人には?
臣)誰も。
♡)誘惑されてない?
臣)うん。
♡)……
 
 
ぎゅぅぅぅ……っ
 
 
♡)…私の…臣くんだもん…っ
臣)……
 
 
そう言って俺をぎゅってしてくる♡が
可愛くて…
 
 
臣)お前のだよ…?w
 
 
背中をポンポンと叩くと…
 
 
♡)誰も触っちゃ…ダメだもん…っ
 
 
今度は耳元で可愛くうなってる。
 
 
臣)はははっw
 
 
向かい合って座ってた♡を
そのまま抱き上げて、ソファーに座った。
 
 
抱っこする形で
背中をトントンすると
♡は俺にしがみついたまま。
 
 
臣)俺はお前だけだよ?
♡)……(こくん)///
臣)心配しなくても、絶対何もないから。
♡)……
臣)一生お前だけ。ほんとに。
♡)……///
 
 
俺がそう言うと
♡がようやく顔を上げて…
 
 
♡)ほん…と…?///
 
 
可愛くそう聞いてきた。
 
 
臣)ほんとだってw
  昨日だって何回も言ったろ。
♡)……///
 
 
そう言うと、♡の顔が赤くなった。
 
 
臣)……今、思い出したしょーー
♡)えっ///
臣)昨日のH。
♡)…っ///
 
 
ばふっ
 
 
臣)ふはははっw
 
 
♡は恥ずかしそうにまた俺に抱きついた。
 
 
臣)昨日お前可愛かったもんね♡
♡)…っ///
臣)泣いちゃったもんね♡
♡)////
臣)俺のこと大好きなんだもんね♡
♡)……いじ…わる……///
 
 
そう呟いた♡が
やっぱり可愛くて…
 
 
臣)Hしよっか♡
♡)////
 
 
おでこを合わせて…
鼻をくっつけて…
 
唇がちゅっと触れると…
 
 
♡)……(こくん)///
 
 
♡が素直に頷いた。
 
 
臣)はぁ……かわいw
 
 
 
心配しなくても
 
俺が今更他の女なんか
見るわけねーじゃん。
 
 
こんなにお前のことが好きで
お前しか見えてないのに。
 
 
 
 
 
ーendー

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  1. さゆがん より:

    あぁーパパラッチじゃなくてネイルストーンでよかったー◌♡◌*⃝̥☆隆二もタカノリもみんな闇が来るかと思いました(笑)ここのHP見てから寝るのが寝る前の日課です(❁´3`) ♡

    • マイコ より:

      ネイルストーンだけで…終わればいいんだけど…(ฅ¯ω¯ฅ )ふふっ
      毎日ありがとうございます♡

  2. 三代目妄想love より:

    あのCっておっぱい腹立つんですけど!!!!!!!!!!!!!!!!
    コロコロ変わる♡ちゃんの態度もよんでいて面白いです!
    ストーリー読みながらソフトテニスと勉強頑張ります!
    寒いのでお身体お気をつけくださいね!

    • マイコ より:

      ♡ちゃん!Cなんかに負けるなーー!!(/≧ロ≦)/
      ソフトテニス??頑張ってね(❁´ω`❁)♡

  3. Omilove Morning より:

    はぁ幸せストーリーやっぱ大好きー!
    罠って言葉めっちゃ気になるー!!Cやだ、嫌い!!これはおみくん♡ちゃんのだけど
    私も取るなー、誘惑するなー!って画面にむかって言ってしまいましたw
    暗黒期にならなくて良かったー、いやなるわけないか!おみくん気持ち入れ替えたんだもんね。今回のストーリーも最高でした。次も楽しみにしてます♥

    • マイコ より:

      こんなんで引き下がるCではないのであった…(ฅ¯ω¯ฅ )にやり

  4. 明日花 より:

    臣くん、Cに言いたい放題だったwww暗黒期から真面目になって嬉しいです!

  5. のんちゃん より:

    お昼休憩中に読んでます。あっ良かったぁまた臣くんに暗黒期がやって来ると思ってしまった!(◎_◎;)でも、罠って言葉が気になる・・・なんてったって臣くんおモテになりますから(≧∇≦)

  6. NATSUKI より:

    こんにちは❗
    臣くんたちラブラブでよかった‼
    今日学校のテスト終わったのでstory 最初から読みます❗
    毎日お疲れ様です
    体調に気をつけてください。

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