「剛典……」
ん…?
「剛典……」
誰…だ?
「ねぇ……」
わかんねぇけど…
なんか安心する声…
ずっと…抱きしめてた
あったかいぬくもり……
「剛典…、起きて……」
あれ…
ずっと…大事に抱きしめてたのに…
腕の中に…
いない……
……
いな…い???
岩)!!!
ガバッ!!!
◇)やっと起きた!!
岩)えっ
◇)…おはよっ//
岩)えっ
◇)起こしてるのに
全然起きないんだもん。
岩)えっ
◇)大丈夫?頭起きてる?w
ここ、あたしの家だよ?
岩)……
◇)……
岩)……
頭が…ハッキリしてきた。
俺…いっつも絶対先に起きんのにな…
◇)ご飯、作ったけど…食べれる?//
岩)え…っ、朝飯?
◇)うん。
岩)食いたい!!
◇)じゃあ…起きて…//
岩)うん。
ベッドから起きて
リビングに行こうとする俺の前を
◇がちょこちょこ歩いて
こいつ…いつの間に起きてたんだよーー
俺、ずっと抱きしめてたのに…
いつ脱走したんだ?
くそーー
後ろ姿も可愛いし。
抱きしめてやろうかな。
◇)あっ
岩)!!!
いきなり振り返られて
下心がバレたみたいで一瞬焦った。
◇)先に顔洗う?
シャワー入りたい?
タオルとか全部好きなの使ってね!
岩)…うん、ありがと。
なんか…態度が全然普通だな。
昨日は…なんか照れてたり…
寝る直前とか…すげぇ可愛かったのに…
もう通常モードっすか?
顔を洗ってキッチンに行くと
◇がびくっと飛び上がった。
◇)びっくりした!//
岩)へ?
◇)あ、えっと、ご飯今運ぶから…
待ってて//
岩)……
あれ…?
やっぱり…意識してる?
◇岩)いただきます。
◇が作ってくれた和食は
白米と味噌汁があるだけで
感動できる俺にとっては
十分すぎる朝飯だった。
岩)すげぇ美味い。
◇)……ありがと//
岩)……
なんか…目を合わせようとしないな…
岩)朝からめっちゃ健康になれそう。
◇)…そ…っか//
岩)……
◇)……
岩)なんで俺の顔見ないの?
◇)え…っ
岩)……
◇)見てる…もん…//
…って言って
また目を逸らした。
岩)じーーーーっ
◇)///
岩)じーーーーっ
◇)み、見ないでよ!!//
岩)なんで。
◇)恥ずか…っ、なんでもない!//
そう言ってプイッと横を向いた。
「恥ずかしい」って…言いかけたよな。
一緒に寝ただけで何もしてないのに
まるで初Hした後のようなこの反応。
可愛すぎる…///
いや、今時…初Hした後でも
こんな可愛い奴いないよな??
岩)何照れてんのー?
◇)は、はぁ!?///
岩)かわいw
◇)て、て、照れてなんかないし!//
岩)ふーーん?ww
◇)ニヤニヤすんな!//
岩)そんな可愛い反応されたら
ニヤけるわw
◇)か、か、可愛いって…///
岩)あ、また照れたw
◇)照れてない!!///
岩)はいはいw
あああ〜〜〜
マジで可愛い///
いつもは俺のことなんか
全然意識してくれなくて
口も悪くて
なのに何このいきなりの女の子モード。
やっと…
俺のこと…男として見てくれたのかな。
一緒に寝る作戦、大成功か?
朝飯を食べ終えて
マネージャーが迎えに来るまで
まだ少し時間があるから
俺はソファーに座って◇を呼んだ。
◇)……なに//
岩)いいからこーこ。
隣をポンポン叩くと
少し戸惑った様子で
小さくちょこんと座った。
「泊めてくれてありがとう」とか
「ご飯ありがとう」とか
そんな言葉よりも先に出てきたのは…
岩)もっかい…ぎゅってしていい?
自分でも意外で驚いた。
◇)えっ!!!!
え、え、え…何、それ…っ///
驚いたのに
◇が相変わらず可愛い反応を見せるから
たまらなくなって
返事も待たずに抱きしめた。
岩)……
◇)…っ///
小さな身体をぎゅっと抱きしめて
◇の好きな「なでなで」を繰り返す。
なんか…すげぇ…
愛しくなってくる……
そっと離すと
◇はうつむいたまま顔を上げない。
岩)…顔…、真っ赤w
◇)…っ///
頭を撫でながら
最初に言うはずだったお礼を伝える。
岩)泊めてくれて…ありがとね?
◇)……//
岩)ご飯も…ありがとう。
全部美味しかった。
◇)……//
岩)ありがと。
◇)……
岩)……
◇)…お礼の……なでなで?//
岩)え…?
やっと顔を上げたかと思えば
うるうるした大きな瞳で俺を見つめる。
か、可愛い…///
別に…お礼だけじゃないし…
てゆーか別の意味の方が大きいけど…
岩)うん…
俺が頷くと
ホッとしたような嬉しそうな顔で
素直に頭を差し出した。
◇)なでなで…嬉しい♡♡
岩)!!!
か、可愛すぎる!!!///
ぎゅっっっ
◇)ひゃっ///
俺が思わず抱きしめると
腕の中で小さな声を上げた。
こみ上げる愛しさを
「なでなで」に存分に込めながら
小さな頭に触れる。
岩)……どうしよう…
◇)…な…に?//
岩)離したく…ない…
◇)…っ
岩)……やべーな//
◇)////
甘い甘い幸せな時間は
到着を知らせるマネージャーの着信音で
終わりを告げた。
岩)じゃあ…行くわ。
靴を履いて
名残惜しさを堪えてそう告げると
◇は俺の顔を見ずに小さく頷いた。
岩)ん……
ほっぺを撫でると
ぴくんと動いて
やっと俺を見上げた。
岩)また…連絡する。
◇)…っ
岩)また…来るから。
◇)え…
岩)泊まりに。
◇)…っ
ご飯を食べにじゃなくて…
「泊まりに」を強調すると
◇はまた俺から目を逸らした。
俺は…
ほっぺを撫でてた手を後頭部に回して
ぐいっと引き寄せる。
◇)…っ///
キスできるスレスレまで顔を近付けて
目を見つめて
◇が真っ赤になったのを確認して
ほっぺにキスをした。
チュッ…
◇)!!!
ほっぺをおさえてパクパクしてる。
岩)じゃあね♡
◇)////
バタン。
さて。
いい加減俺の下心に気付いたお姫様は
次はどんな反応を見せるかな。
その前に…
あまりの可愛さに理性を失わないように
俺も気をつけなきゃいけないんだけどね。
ーendー
コメントを残す