【118】再会

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S)ほーいっ!
  アンケートの途中結果。
 
臣隆)おお!!
 
 
Sさんがくれたリストを
隆二と一緒にマジマジ見る。
 
 
臣)え、何これ!
  EXILEばっかじゃん!
隆)ほんとだ。ほとんどEXILE。
  てゆーかLDH。
臣)何これ〜〜〜
S)ファンに聞いたら
  こうなっちゃうってことかねーw
臣)TRIBE同士のカバーなら
  去年やったじゃん!
S)逆にそれかもねー
隆)え?
S)あれやったから
  これも聞きたい!これもこれもー!
  みたいな。
隆)なるほど。
臣)つまんねーー
S)あはははw
隆)あ、でもほら、
  他のアーティストもちらほらあんじゃん。
臣)うん。
隆)でも…、、
  一回やったことある曲が多いかー。
  『愛のかたまり』とかさー
臣)うん。
S)あの時の、もう一回聴きたい〜
  みたいな感じなのかなぁ?
隆)うーん。
臣)つまんねーー
隆)臣ww
  まぁ確かにね。
  期待してたのとはちょっと違うかも。
臣)あれじゃね?
  アンケートにさ、LDH以外の曲で!
  って付けときゃ良かったのかな?
隆)なるほどw
S)そっかぁ、なるほどねーー
臣)今からじゃ遅い?
S)うーん、一人2曲までにしてあるし…
  もう投票しちゃってる人はねー
臣)くそーーー
隆)じゃあ一応今からでも
  ブログとかに書いとく?
臣)うん、そうすっかー。
 
 
二人でピコピコ。
 
 
臣『みなさんアンケートご協力
  ありがとうございます🙌
  
  たくさん曲が集まってきていて
  面白いです❗️👍

  出来れば、僕らが歌ったことない曲で
  みなさんのリクエストもらえると
  嬉しいです😃✨』
 
 
隆『皆さん、カバー曲のリクエスト
  たくさんありがとうございます‼️
 
  一つ一つ見させて頂いてます✨✨
 
  LDH以外のアーティストさんの曲も
  リクエストもらえると嬉しいです。
  
  引き続きよろしくお願いします✨✨』
 
 
臣)こんなんでいんじゃね?
隆)よし。
 
 
ブログをUPして
引き続きリストに目を通す。
 
 
臣)女性の曲とかもあんねーー
隆)うん、aikoさんとか。
臣)浜崎あゆみさんとか…
  くそ高ぇじゃんw
隆)キー合わせればいいじゃんw
臣)どんなんなんだろ。
  イメージ湧かねw
隆)確かにw
  あ、こっちAKBとかあるよ!
臣)はぁ?!w
隆)あはははw
臣)俺らにアイドルになれってかー
隆)おもしれ〜〜w
S)みんな自由だね〜〜〜
隆)ほんとにねw
 
 
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
 
 
課)これ、来週入ってくる新人リストなー
  うちには二人入るからー
皆)はーい!
 
 
毎年恒例の新人リストが配られる。
 
名前と顔写真が入ってて
簡単な自己紹介付き。
 
 
M)ふむふむ、うちに来るのは
  男女1名ずつですかぁ。
K)変わった名前だねーー
  海璃ちゃん??
♡)これで「かいり」って読むんだー!
M)なかなか可愛い子ですねぇ。
♡)うん♡ なんかふわふわしてるー♡
M)あ!男の方、双子ですよ!
K)え、うっそ!
M)双子で二人入ってくるみたいです!
♡)えーー!!
M)営業部とうちにそれぞれ。
K)へぇ〜〜〜〜
  面白いことすんねぇ。
M)双子で「紅」と「蒼」だって〜〜
♡)コウとソウ??
M)なかなかイケメンだな、よしよし♡
K)うちに来んのは蒼の方か。
M)楽しみ〜〜ww
 
 
また新しい仲間が増えるのかぁ…
ほんと楽しみだなぁ〜♪
 
 
P)♡さん、研修資料これでいいですか?
♡)え??
P)来週、新人に渡すやつです。
♡)あ!そうだった!ありがとう!!
P)いえ!ほとんど直すところなくて
  ちょっと付け加えたくらいです。
♡)ふむふむ…
P)♡さんが去年作ってくれたやつが
  すごくわかりやすかったので。
♡)ありがとー♡
P)いえ…//
♡)じゃあ今回はこれでいこっか!
P)はい!
 
 
K)よーっし!じゃあランチ行こーー
♡)うん!
M)あ、私今日同期とランチ会なんですー
K)へぇ!めずらしー!行ってらっしゃい。
M)行ってきまーす!
♡)じゃあ二人で行こっか♡
K)今日はスポンサー来ないかなーー
♡)ちょっと、Kちゃん!w
K)ランチ代浮くの地味にありがたいしw
♡)もう〜〜〜
 
 
今日はKちゃんと二人で
ちょっと離れたビルまで来てみた。
 
 
K)会社の周りのランチ飽きてたから
  たまにはいいね!
♡)ねっ♡
K)今日はまた練習か〜〜
♡)もう覚えたぁ?
K)一応一通りね。
  やっぱりくそ難しいけど。
♡)あはははw
K)あんたはー?
♡)覚えてきたよー!
  でもね、まだ一回も歌いながら
  踊ってないの。
K)ああ!あたしも!
♡)ダンスの振りに頭がいっぱいいっぱいで
  歌詞出てこなそうw
K)だよね…どうしよ…
  もうダンスは体で覚えちゃうしか…
♡)大変だぁぁっ
K)臣広たちすげぇな。
  こーゆーこと余裕でやってんだもんな。
♡)すごいよねぇ…
K)そーいやこないだの雑誌、
  いつ出るんだろ。
♡)え?
K)あのエロいやつ。
♡)ちょっと!!w
K)だってエロかったもん。
♡)もう〜〜〜!!//
K)臣広めっちゃヤキモチ妬いてたし。
  ぶくくくw
♡)えっ!!うそ!!
K)え?
♡)臣くん…何か言ってたの??
K)何かっつーか
  一人でブツブツ言ってたよ、たしか。
♡)え?
K)くっつきすぎだの、なんだのって。
♡)……//
 
 
そう…だったんだ…
全然知らなかった。
 
 
K)やーっと自分の番になって
  俺の女だーみたいな顔してたもんね。
♡)あ、違うよ、あれは…
  そういう顔してくださいって
  指示されたの。
K)えーー?
♡)スタッフさんに!
K)…それだけじゃないと思うけど。
♡)え?
K)いやー?w
♡)……。
 
 
あの日は…
私ばっかりモヤモヤしてると思ってたけど
 
臣くんも…一緒だったのかな…?
 
 
K)でも雑誌出たら
  またみんなうるさそうだねー。
♡)会社の人たち?
K)うんw
♡)バレるかなぁ…?
K)だって隆二と山下健二郎と
  撮ったやつは
  あんた顔映ってるじゃん。
♡)でも正面じゃないし…
K)そっか…
  目閉じてたりしたしね、
  わかんないかなぁ?
♡)あまり見つかりたくない…w
K)はははw
 
 
それからランチを終えて
駅を抜けて会社に戻る途中…
 
 
「♡!?」
 
 
懐かしい声が
私の名前を呼んだ。
 
 
♡)…っ
K)どうした?
 
 
今の…声は…
もしかして…
 
 
「♡!!」
 
 
振り向いて
その顔を見た瞬間…
 
どうしてだろう
すぐにわかった。
 
 
お互い…大人になってて
見た目だって…変わってるのに…
 
どうして…一瞬で…
 
 
♡)……ハル…くん…
 
 
こんなにたくさん人がいる駅の中で
まるで時間が止まったみたいだった。
 
 
♡)……
 
 
驚いた顔で私を見てる。
 
どうして…
 
 
どうしてこんなところにいるの?
 
 
♡)……
 
 
視線が捉われたまま
…言葉が…出てこない……
 
 
ハ)…♡…だよね?
♡)……うん…
 
 
私の名前を呼ぶ…懐かしい声。
 
 
ハ)びっくり…した…
♡)う…ん…
ハ)こんなとこで…会えるなんて…
♡)……
ハ)…すぐに…わかった…
♡)……
 
 
私も…すぐにわかった。
どうしてだろう…
 
 
ハ)大人に…なったね…
♡)ハル…くん…も…
ハ)……
♡)……
 
 
私が知ってるハルくんとは
全然違う…
 
 
いつも目線は一緒だったのに
今は私が見上げてる…
 
 
♡)……
ハ)……
♡)…元気…だった…?
ハ)……
 
 
そう聞いた瞬間に…
 
胸がいっぱいになって…
涙がこぼれた。
 
 
ハ)♡…っ
♡)…っ
 
 
会えなくなってから
ずっと思ってた。
 
ハルくんはどうしてるんだろう…
元気なのかなって…
ずっと…
 
ずっと思ってた。
 
 
昔の気持ちが一気に溢れ出したみたいに
涙がこぼれてきて…
 
 
♡)ごめん…ね…っ
ハ)…っ
 
 
私は慌てて涙を拭いた。
 
 
♡)元気…だった?
 
 
顔を上げてもう一度そう聞くと
 
ハルくんは
泣きそうな顔で笑った。
 
 
ハ)……うん…
♡)……
ハ)元気…だったよ…
♡)……
 
 
どうして…
ハルくんまで…泣きそうなの?
 
 
ハ)♡は…元気だった…?
♡)……
 
 
ハルくんにそう聞かれて
 
ずっと会いたかった気持ちとか
寂しかった気持ちとか
あの頃の感情がいっぱいこみ上げてきて…
 
 
私は返事ができなかった。
 
 
また…涙が…こぼれてくる…
 
 
♡)…っ
ハ)♡…っ
 
 
ぎゅっ……
 
 
♡)…ハル…くん…?
ハ)…っ
 
 
何が起きたのか
一瞬わからなかった。
 
 
ハ)♡……、♡……っ
 
 
気付いたら私は
ハルくんの…腕の中にいて…
 
 
私の名前を呼ぶ大好きだった声が
耳元で聞こえて…
 
 
♡)ハル…くん…
ハ)♡…っ
 
 
昔…
 
私が泣いてると
ハルくんはいつも側にいてくれて
頭を撫でてくれた。
 
ぎゅって…抱きしめてくれた。
 
 
覚えてる…
懐かしいぬくもり…
 
 
ハ)会いた……
♡)……
ハ)……
♡)…ハル…くん…?
ハ)……
 
 
私がハルくんの腰を掴むと
ハルくんがそっと腕をゆるめてくれて…
 
 
ハ)ごめん……
♡)……
ハ)……
♡)……
 
 
見上げると
 
ハルくんがまた…
泣きそうな顔で笑った。
 
 
私は
ハルくんのほっぺに、手を当てる。
 
 
♡)…大丈…夫…?
ハ)…っ
 
 
そんな顔…しないで…
 
 
♡)……
ハ)……
 
 
ぎゅっ…
 
 
♡)…っ
 
 
ほっぺに当てた私の手を
ハルくんが握った。
 
 
ハ)大丈夫…だよ……
♡)……
 
 
でもやっぱり…
泣きそうな顔してるの…
 
 
プルルルル!!
 
 
ハ)あっ…
♡)……
ハ)ごめん、行かなきゃ。
♡)…っ
 
 
ハルくんにそう言われて
胸がズキンってした。
 
 
まるであの日
突然会えなくなったみたいに
 
置いていかれるような…気持ちになって…
 
 
ハ)♡、これ…っ
 
 
ハルくんは慌てて名刺を取り出して
私の手に握らせた。
 
 
ハ)連絡して!!
♡)…っ
ハ)それじゃ…
♡)……
 
 
そう言ったのにハルくんは
少し止まって
 
最後にもう一度だけ、私のほっぺを撫でて…
少しだけ笑った。
 
 
それから走って、改札の中へ消えていった。
 
 
♡)……
 
 
ハル…くん……
 
 
本物の…ハルくん……
 
 
♡)……
K)…おーーい…
♡)……
K)もしもーーし…
♡)はっ!!!
K)あ、よかった、戻ってきた。
♡)わっ、あ!!、あの、わ、ごめん!!
K)うん。
  完全にあたしの存在忘れてたしょw
♡)ごめん!!!
K)いや、いいんだけどさw
♡)ごめん!!!
K)いいってw
  ほら、会社戻るよ。
♡)……うん。
 
 
身体が固まったみたいな私の背中を
Kちゃんが優しくぽんぽんって
叩いてくれた。
 
 
♡)……
K)……
 
 
ハルくん……
 
 
K)なんかドラマ見てるみたいだった。
♡)……え?
K)…ハルくんが…
  あんなイケメンだったとは。
♡)……
K)……
♡)……
K)…気持ち…、再燃した?
♡)え…っ
 
 
気持ち…?
 
 
K)あんなに大好きだった人でしょ?
♡)……
K)こんな…
  運命みたいな再会して…
♡)……
K)気持ち戻ったのかなって…
♡)……
 
 
気持ちって…
ハルくんのこと
大好きだった……気持ち?
 
 
K)てゆーか頭働いてる?
  大丈夫?w
♡)あ、うん…っ
K)……
♡)……
 
 
でもまだ…びっくりしてて…
 
 
K)あんた…ポロポロ泣いてたし…
♡)……
K)向こうも…
  泣くのこらえてる感じだったし…
♡)……
 
 
言葉と気持ちを飲み込むように
 
口をつぐんだハルくんの顔が浮かぶ…
 
 
K)…やっぱり…好き?
♡)……
 
 
Kちゃんの言葉が
どこか遠くに聞こえる。
 
 
ずっと…会いたかった人。
大好きだった人。
 
 
ずっとずっと会いたくて
大好きだったあの頃の気持ちは
 
今思い出しても、本物だけど
 
 
それは…「今」の気持ちじゃない…
 
 
 
♡)…なんか…ね、
K)うん…
♡)昔の気持ちがいっぱい
  こみ上げてきて…
K)……
♡)涙が出ちゃったけど…
K)……
 
 
でもそれは…
 
 
♡)…違う…よ?
K)……
 
 
だって
私が今好きなのは
 
臣くんだもん。
 
 
K)そう?
♡)……え?
K)お互いすごく好きなようにしか
  見えなかったけど。
♡)……
K)……
♡)…だって…好きだもん。
K)……
♡)大好きだもん…
K)……
 
 
上手く言葉にできないけど…
 
 
♡)今でも…
  あの頃の気持ちは忘れてないから…
  ハルくんのことは…好きだよ?
K)……
♡)でも……
K)……
♡)……
K)…恋愛感情じゃ…ない?
♡)……
 
 
恋愛感情…?
 
恋愛感情って…
 
 
一緒にいて嬉しくて
 
キスしたくなって
触れたくなって
 
あったかくて幸せな
 
私がいつも
臣くんに感じてる気持ち。
 
 
♡)うん、違う。
K)…そっか。
♡)ハルくんは…恋愛感情じゃなくて
  ただ……大事な人。
K)……
♡)……
K)連絡…するの?
♡)……
 
 
私は
ハルくんにもらった名刺を見た。
 
 
修ちゃんに聞いてた通りで
代表取締役社長って…書いてある。
お父さんの…会社の名前もそのまま。
 
 
♡)連絡…しない。
K)…しないの?
 
 
だって…
連絡しても何を話せばいいか
わからない。
 
 
♡)しないよ。
K)そっか……
 
 
ハルくんが…
元気なら…それでいい。
 
それでいいの。
 
 
 
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
 
 
  
T)お、登坂っち仕事上がりー?
臣)はい。
T)一杯どうですかw
臣)はいw
T)なんか俺今おっさんくさかった?w
臣)サラリーマンっぽかったですw
T)あはははw
 
 
仕事も終わって
二人でいつものバーに行った。
 
 
T)なーんか飲みたい気分だったんだよねー
臣)いつもじゃないですかw
T)あ、バレた?w
臣)はははw
T)女の子呼ぶー?
臣)いや、いいですw
T)男二人でいいの?w
臣)全然いいですけど。
  つーかTAKAHIROさん、ペース速っ!!
T)いやー美味いね〜〜
 
 
平気な顔してガンガン飲む
TAKAHIROさん。
 
 
臣)最近どうですか?
T)何それー
臣)どんな仕事してるんですか?
T)最近ー?…はねぇ…
  いろいろ準備ぃーー
臣)準備?
T)ソロのやーつ。
臣)あ、そっか!それか!
T)そうそうーー
臣)楽しみだなーー
T)登坂っちには
  俺からちゃーんと
  愛を込めてプレゼントしますから♡
臣)あはははw
  ありがとうございます。
T)登坂っちも…
  次のツアーで初ソロでしょー?
臣)ああ、はい。
T)楽しみやねぇw
臣)ははははw
T)何、あれはやっぱり
  ♡ちゃんを想って書いたの?
臣)あ、違いますね。
T)即答かいw
臣)え、いや、ほんとに違うんでw
T)なーんだ。
  ♡ちゃんにヤキモチ妬かれないの?
臣)え?
T)これ、誰のこと想って
  書いたのよぉぉぉ!!って。
臣)ぐえっ
 
 
TAKAHIROさんが
俺の首をガクガク絞めてきた。
 
 
臣)苦しいっす!!w
T)言われないー?
臣)言われませんよ!w
T)そっかーー
臣)TAKAHIROさん、言われるんすか?
T)……うーん
  こんなテンションじゃないけど
  「こーゆー恋愛してたの?」とか
  聞かれたことある。
臣)へぇぇ……
T)まぁそりゃーところどころ
  実体験も入りますよねぇ。
臣)そうですねぇ。
T)ですよねぇ。
臣)www
T)よし、やっぱり女の子呼ぶか!
臣)いや、いいですってw
T)なんで!
  ♡ちゃんに怒られんの?
  一緒に飲むくらいいいじゃん!
 
 
とか言ってる間に
TAKAHIROさんはもう電話をかけてて…
 
しばらくしてすぐに、女が何人か来た。
 
 
女)あ、登坂くんもいるー♡
女)ほんとだーw
臣)どうも。
T)あれ?3人??
女)一人来れなくなっちゃったぁ。
T)ま、いいや、ほら飲も飲もw
女)カンパーイ♡
 
 
女)久しぶりだよねーー
臣)え?
女)え、覚えてないのぉ?w
臣)いや、覚えてる覚えてるw
 
 
誰だ?覚えてねぇ。
 
 
女)前もTAKAHIROさんと一緒に
  飲んだのにぃ〜〜
臣)覚えてる覚えてるw
女)もぉ〜〜〜
 
 
こんな香水くさい女いたっけ。
 
 
臣)ちょっと俺トイレ。
女)えーーー
 
 
少し抜けて外に出た。
 
携帯を見ると♡からLINEが来てて…
 
 
♡『お疲れさまっε=ε=(ノ≧∇≦)ノ
  私もうお風呂入って準備万端です💕✨』
 
臣)えっ!!!
 
 
準備万端ってなに?!
もしかしてH!?生理終わった??
 
 
俺は即行で電話した。
 
 
♡『もしもしー?』
臣『おう!』
♡『お仕事終わったのー?♡』
臣『ああ、終わってる。
  今TAKAHIROさんと飲んでる。』
♡『あ、そうだったんだ!二人で?』
臣『うん。』
♡『じゃあ朝まで?』
臣『いや。つーか準備ってなに!!』
♡『健二郎くんのラジオ聞く準備ー♡』
臣『…ああ!!それか!!なんだ…』
♡『なんだって何!!w
  健二郎くんに失礼でしょ!!』
臣『ははははw』
♡『臣くんは帰ってこないんだよね?
  じゃあ私一人で聞こうっと♡』
臣『途中で寝るくせにw』
♡『頑張るもーん!
  でも今日はベッドで聞くーw』
臣『そっか。』
♡『うん。あ、ごめんね?電話ありがとう。
  早く戻ってー!』
臣『ああ、いや、大丈夫だけど。』
♡『TAKAHIROさんと飲んでるんでしょ?
  私は大丈夫だからー!
  楽しんでねー♡』
臣『うん。』
♡『じゃあね♡』
 
 
ピッ。
 
 
臣)……。
 
 
電話はあっさり切られたけど…
 
 
帰りたい。
 
一緒にラジオ聞きたいなー。
 
 
俺は携帯をポッケに入れて
中に戻った。
 
 
女)あ、おかえりーー♡
臣)うん。
T)あ!登坂っちーー♡
臣)わぁっ
T)んーーー♡
 
 
チュッ
 
 
女)あー!チューしてるーw
T)登坂っちに愛のチュー♡
臣)ははははw
女)ずるいーーw
T)なーに、してほしいー?w
女)きゃははは♡
T)ほらほら、チュー♡
女)やぁだ〜〜ww
 
女)ね、ね、明日仕事早いのー?
臣)……。
 
 
女が俺の腕に絡んできた。
 
 
臣)早い。
女)そっかぁ……
T)あ!岩ちゃんじゃーん!
 
岩)あ!TAKAHIROさん!
  お疲れ様です!!
 
 
お!!いいとこに来た!!
 
 
T)どうしたのどうしたのー!
岩)ちょっと飲みたいなってw
  臣さんも来てたんだーー
臣)ちょ、俺帰るからあとよろしく。
岩)え、ちょ、臣さん!
臣)TAKAHIROさん、お先です。
T)おう!お疲れ〜〜♡
 
 
酔ってるから
あまり引き止められなかった。
 
俺は急いでタクシーに乗って
家に帰った。
 
 
 
玄関を開けるとリビングの電気が消えてて…
 
もう寝室か?
 
 
荷物を置いて
リビングの電気を点けると
 
寝室から話し声が聞こえてきた。
 
 
……電話してんのかな…?
 
 
♡)何人くらい集まるかなー♡
  楽しみだね!!
  うん、うん、わ、ありがとーー!!
  それは修ちゃんが決めていいよーー
 
 
あ、やっぱり電話だった。
 
 
♡)え、ハルくん??
  ……うん。
  あ…、……うん、そっか…
 
 
ハルくん?!
 
ハルくんって確か…
 
家族かよっつーレベルでアルバムに登場してた
♡の初恋の男の子。
 
 
♡)今日…ね、ハルくんに…会ったの。
 
 
……え?
 
 
♡)うん。
  ……会社の近くで…、うん。
 
 
え、え、ちょっと待った。
会ったって…
え!!??
 
ハルくんに…会ったのか??

 
え、え、それは…どーゆー流れで…
 
 
♡)わかん…ない…
  わかんないけど…
 
 
え、二人で…会ったのか??
飯とか…食いに行ったってこと??
 
 
♡)何も…話せなかった。
 
 
カツン。
 
 
♡)あっ…
 
 
俺のリングがドアにぶつかって
♡が俺に気付いちゃった。
 
 
♡)おかえりなさい!
臣)ただいま…
 
♡)あ、彼氏帰ってきたの。
  うん。わかった。
  とりあえず6月ね!うん。
  ありがとう。うん、またね。
 
 
ピッ。
 
 
♡)おかえりなさい!!
臣)ただいま。
♡)どうしたの??
  飲んでたんじゃないの??
臣)うん、帰ってきた。
♡)おかえりっ♡♡
  お風呂あるよーー!!
臣)…うん。
 
 
♡がベッドから降りて
俺に抱きついてきた。
 
 
♡)…あれ?
臣)ん?
♡)なんか…違う香水の匂いがする。
臣)…っ
 
 
げ…
さっきの女かな。
 
 
臣)TAKAHIROさんの香水じゃない?
♡)TAKAHIROさん、
  こんな匂いだったっけ??
臣)香水ぐらいいくつか持ってるっしょw
♡)そっか!!
臣)風呂入ってくるわー
♡)うんっ♡待ってるねっ♡
 
 
別に何もないし
変な心配させたくないから
余計なことは言わないけど
 
それより何より
俺はさっきの会話が気になってしゃーない。
 
 
そもそも俺は
ハルくんのことを全然知らん。
 
 
小学校の時ずっと好きだったって
その後はどうなったんだ??
 
つーか付き合ってたのか?
元カレ!??
 
でも…それならあんなニコニコ
話さない気が…
 
てゆーか今でも会ってるってことだよな…
別れた後も友達…とか??
 
 
でも…
さっきの…
 
 
「今日…ね、ハルくんに…会ったの。」
 
 
あの♡の言葉が…
テンションが…
 
 
ただの友達なんかじゃない、
そんな雰囲気が満載だった。
 
 
臣)はぁぁ……
 
 
すっげぇ気になる。
 
 
風呂に入りながらも俺の頭ん中は
ずっとそのことばかり…。
 
 
 
♡)あ、おかえりーー♡
  ラジオもうすぐだよー♡
臣)うん。
♡)臣くんと一緒に聞けると思わなかったー
  わーーいっ
臣)……。
 
 
まだ…時間はあるよな。
 
 
臣)……。
 
 
俺がベッドに入ると、♡が抱きついてきた。
 
 
♡)ほかほか臣くんようこそー♡
臣)……。
♡)むぎゅー♡
臣)……。
♡)どしたの…?
臣)え?
♡)無反応。
臣)ああ、ごめんw
♡)しょぼん…。
臣)ごめんごめん!!w
  ほら、ぎゅーーーw
♡)えへへへ♡
 
 
♡を抱き寄せながら、頭を撫でる。
 
 
臣)さっきの電話、友達?
♡)あ、うん!!
  小中一緒だった友達!!
  今度クラス会しようって。
臣)へぇ!
♡)……。
臣)……。
 
 
…あれ?
なんか止まったぞ…?
 
 
♡)……はぁ。
臣)どうした?
♡)え??
臣)ため息。
♡)え!!ため息なんかついてないよ!?
臣)ついたじゃん、今w
♡)え、ついてないよ!
臣)…っ
 
 
自覚ないんかい。
 
 
臣)クラス会、楽しみじゃないの?
♡)え!楽しみだよ!!
臣)小学校のクラス会?
♡)うん。
臣)じゃああの子も来んのー?
  ハルくんだっけ?
 
 
よし!俺さりげない!ナイス!
 
 
♡)…わかんないけど…来るかも。
臣)……。
 
 
明らかにテンション変なんですけど…
 
 
臣)会いたくないの?
♡)えっ!!
臣)……。
♡)…そんなんじゃ…ないよ…。
臣)……。
♡)あの…ね、今日……
  会ったの。ハルくんに。
臣)…っ
 
 
まさかのカミングアウト、来た!!
 
 
臣)会った…って?
♡)駅で…偶然…、
 
 
駅で!!偶然!!
良かった!飯とかじゃなかった!!
 
 
臣)偶然?すげぇなーー
♡)うん、ほんと…びっくりした…。
 
 
びっくり??
 
 
臣)たまに会ったりすんの?
♡)……。
 
 
今の…大丈夫か?
俺うざいカンジ出てる?大丈夫だよな?
 
 
♡)会わないよ?
  今日会ったのは…小学校ぶり。
臣)え!!!!!
 
 
小学校ぶり?!!
じゃあ…ずっと会ってなかったってこと?
じゃあ…友達でもなんでもねぇんじゃん!
 
 
臣)そっかーー
  じゃあ何年ぶりだ?すげーなーw
♡)うん。
臣)あ……、
 
 
ラジオの音楽が流れた。
 
 
♡)始まったね!
臣)うん。
♡)よーし!今日は最後まで聞くぞー!
臣)…っ
 
 
♡の様子が少し気になったけど
 
それ以上何を聞いていいのかもわからなくて
ハルくんの話は終わった。
 
 
♡)先週よりは緊張してないねっw
臣)そうだなw
♡)健二郎くんがんばれ〜〜♡
臣)……。
 
 
別に…昔の話だし…
小学校の時だろ?
 
初恋なんて…可愛いもんだし
誰にだってそんな経験はあるんだし、
 
 
♡)臣くんのフォロワー数
  超えたいって言ってるよー!
臣)……。
 
 
そんな…気にしなくてもいいよな?
うん。
 
 
臣)超えさせませんw
♡)えーー!!宣戦布告??
  あはははは♡
 
 
♡を抱きしめてれば…
そんなのも…どっか飛んでくし…
 
 
♡)あれ…臣くん…?
臣)……。
 
 
俺は健ちゃんのラジオを聴きながら
気付けばそのまま眠りにおちてた。
 
 
 
 
 
 
 
ーendー

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