宿に戻ると
♡はまた元気に笑って
夕食もたくさん食べた。
あいつの話をしなければ
あいつのことは封印して
笑っていられるんだろうか…
でも…そんなの…その場しのぎで…
♡は絶対また泣くんだ。
T)…っ
どうしたら…いいんだろう…
女)晩御飯めっっっっちゃ
美味しかったーーー!♡
女)ほんと!最高!!
男)腹いっぱいだーーー
K)ほんと!はちきれる!
♡)あはははっw
男)酒も美味いし!!
女)宴じゃ宴じゃ〜〜♪
♡)わーーいっ!!
♡は…ありえないペースで
ガンガン飲んで…
K)ちょっとあんた飲みすぎじゃない?
♡)いいのーーっ♡
K)もうやめときなって…
♡)やだぁ!!飲むーっ!!!
K)もう…
♡)えへへ♡
Kちゃぁん♡だぁいすき♡
K)はいはい…
男)♡、俺は俺はー?
♡)好きだよ♡
男)///
女)聞いといて照れんなよw
男)だって…w
俺にも抱きついていいぞー♡
♡)やだぁっ!気持ち悪いっ!!
男)ガーーーン!!!!
女)ぶはっっww
♡)Kちゃーーーんっっ
K)はいはい。
気持ち悪かったねーーー
男)おい!!ww
女)あっはははww
♡)Kちゃんがいい♡
Kちゃんと結婚するー♡
K)すまんがあたしはポールと結婚するぞ。
♡)ひどーーーいっ!!
そう言いながら
またガンガン飲んでる…
大丈夫かよ……
♡)ふにゃぁ……
K)はいはい、そろそろ没収。
♡)ほわぁ……
それから、お客さんから電話が来て
俺がちょっと席を外してる間に、
♡はいなくなってた。
T)あれ??
あいつどこ行った??
女)あ、もうべろんべろんだから
Kと部屋に連れてったよ。
女)寝かせてきたーーー
T)まじか……
あれ、Kは??
女)トイレじゃない?
T)そっか。
…俺、♡に水とか持ってこうかな。
女)ああ、あったらいいかも。
T)部屋どこ?
女)あ、はい、鍵。
T)さんきゅー。
大丈夫かな、あいつ…
女)あ、ねぇ!
T)ん?
女)あたし今日隣の部屋で寝るから
戻ってこなくていいよ。
T)……は??
女)そのまま朝まで
一緒にいてやれば?
T)…っ
男)うんうん、こんなチャンスねーぞ。
T)何…言って…
女)いいこと教えてあげる。
T)は?
女)女ってね、次の人と身体重ねたら
前の男とか意外と簡単に
吹っ切れるんだよ♡
T)…っ
男)お前が忘れさせてやれよ。
女)そうだよ!
あんたの方がいい男だ!よっ!
女)♡は頼んだよーー!
T)……
何…言ってんだよ…
みんなもう酔ってんだな…
俺は売店で水を買って
♡の部屋に向かった。
「あたし今日隣の部屋で寝るから」
「朝まで一緒にいてやれば?」
T)…っ
違う!
俺は心配だから…様子を見に行くだけだ。
コンコン。
ガチャッ…
T)♡…?
シーン…
返事がないから部屋に上がると
♡はベッドで静かに寝てた。
顔が…すげぇ赤い…
T)大丈夫かよ…
ぴと……
赤い頬に手を当てると、少し熱かった。
T)……
ギシッ
俺はベッドの淵に座った。
♡)スー……、…スー……
T)……
ぐっすり寝てんな…
相当酔ってたし…
朝まで起きないかもな。
T)水…冷蔵庫入れとくぞ…
静かにそう伝えて
立ち上がろうとすると
♡が動いた。
♡)ん……
T)…っ
横向きに寝返って…
その目からは涙がこぼれた。
♡)…ぐす…っ
T)…っ
夢の中でまで、泣いてるんだろうか。
俺は胸が痛くなって
♡の頭をそっと撫でた。
T)……泣くなよ…
♡)…ぐす…っ
そのまま頬をそっと撫でると
♡の小さな手が、俺の手を掴んで…
♡)ん……
T)……
俺の手をほっぺに当てて
少しだけ笑った。
T)♡…?
なでなで…
♡)ん……♡
T)…っ
またにっこり笑った。
♡)んーっ
T)えっ……
♡)んーっ
T)……
♡が俺の腕を引っ張ってきた。
♡)ぎゅって…して…♡
T)…っ
♡)んんっ!ぎゅーってしてぇっ//
T)////
寝ぼけてんのか?
酔ってんのか??
俺が♡の手をほどこうとすると
ぎゅっと抱きついてきた。
T)うわっ//
♡)んーーっ♡♡
T)ちょ、ちょっ…//
♡)もっと…ぎゅって…して?//
T)///
目は閉じたまま…
しゃべり方も…寝ぼけてる感じで…
♡)ちゃんとぎゅってしてぇっ…
T)えっ…
♡)ふぇっ……
T)わ、わかったから!///
ぎゅっ…
♡)……
T)///
♡)えへへ…♡
T)///
な、なんだこれ…
ドクン…ドクン…
落ち着け、俺の心臓!!///
T)…っ
抱きしめてる♡の柔らかさとか…
耳元に響く声とか…
首筋に感じる息遣いとか…
そのすべてに…
頭がおかしくなりそうで…
♡)旅行…楽しかったね…♡
T)えっ…
♡)いっぱい…写真も…撮ったし…
T)……
写真なんて…
撮ってたっけ…?
♡)お風呂も…気持ち良かったね…//
T)……
俺だってわかって…喋ってんのかな?
♡)指輪も…本当にありがとう…
T)…っ
ああ、違う。
やっぱり…夢見てるんだ…
♡)すっごく…嬉しい…♡
T)……
あいつと旅行した夢でも
見てるんだろうか…
♡)ね…もっと…ぎゅってしたい…
T)…っ
♡)足りないよぉ…
T)///
甘えた声で可愛くすり寄られて
心臓がバクバク暴れ出す…
いつもこんな風に…
あいつに可愛く…甘えてるんだろうか…
「お前やっとチャンスなんじゃねぇの?」
「奪うなら今かもねーー」
T)…っ
俺が欲しくて欲しくて仕方ない
♡の愛情を
一身に受けながら
♡を泣かせるような真似をするあいつが
本当に許せない。
「あんただったら絶対泣かせないし
死ぬ気で幸せにすると思うから。」
T)……
それは自信がある。
何が何でも絶対に幸せにする。
♡が笑っててくれるなら…
俺はなんだってする。
ほんとに…
本当に好きなんだ。
こんなに…
♡)んん…っ
T)…っ
♡)…だぁい…すき…♡
すりすり…
T)////
どうしよう…
すげぇ可愛い…
死ぬほど可愛い…
こんなん…俺、無理なんだけど…///
♡)んん…♡
T)!!!
浴衣が…はだけてる!!
ちょ、どうしよう!///
ブラなんか…つけてねぇよな?
見える!!
危ないって!!
ど、ど、どうしよう…
谷間が…っ
「いいこと教えてあげる。」
T)…っ
「女ってね、次の人と身体重ねたら前の男とか
意外と簡単に吹っ切れるんだよ♡」
何言ってんだ…ありえない。
ダメだ、絶対。
しっかりしろ、俺。
♡の浴衣の襟元を直そうとすると
♡が勢い良く抱きついてきて
浴衣の中に手が入った。
T)うあっっ!!////
どっ、だっ、わっ、えっ
うわぁぁぁぁ!!!!!
♡)ん……
T)////
慌てて手を抜こうとしたのに…
♡の柔らかさに捕まって、
動けなくなった。
T)…っ
触れたい…
もっと…お前に…
本当は…触れたくて…仕方ない…
「女ってね、次の人と身体重ねたら前の男とか
意外と簡単に吹っ切れるんだよ♡」
T)…っ
ダメだってわかってるのに…
何度も頭に浮かぶ言葉…
「あんただったら絶対泣かせないし
死ぬ気で幸せにすると思うから。」
絶対泣かせない。
死んでも泣かせない。
絶対に…絶対に…幸せにするから…
♡)ん…っ
T)…っ
♡)もっと…ちゃんと触って…
T)…っ///
♡)んん…♡
♡が…はだけてる俺の浴衣の隙間から…
胸にすり寄ってきた。
♡)触って…?
T)////
♡)ぎゅって…して…?
T)////
誰か…助けてくれ…
♡)いっぱい…ぎゅって…
ぎゅっっっ
俺は力一杯、♡を抱きしめた。
好きだ。
お前が好きだ。
死ぬほど好きだ。
触れ合う肌…
柔らかい身体…
もう…俺は……
♡)チュー…したい……
T)…っ
♡)……ね…ぇ……
T)////
俺が起き上がって頬を撫でると
♡は目を閉じたまま、にっこり笑った。
♡)だぁいすき…♡
T)…っ
♡)んんっ…、…んっっ//
T)…っ
タガが外れるのなんて…
簡単だった。
「お前が忘れさせてやれよ。」
♡)はぁ…っ、んん…っ//
T)…っ
俺は…
夢中でキスを重ねた。
触れ合う唇は柔らかくて…
夢にまで見た…♡とのキスは
甘くて深くて、溶けてしまいそうで…
♡)はぁ…、…もっ…と…//
T)…っ///
もう、止まらない。
忘れさせてやる…俺が…
あいつのことなんか…
T)♡…
♡)ん…っ//
T)♡…
♡)大好き…、臣くん……
T)…っ
♡)もっと……、して…?
T)…っ
♡)はぁ…っ、んっ、ぁっ…//
ギシッ…
♡)んん…っ///
ーendー
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