◇)も…、っ…許し…て…っ///
岩)ダメ。
◇)やっ、あっ…///
逃げ惑う◇の腰を強引に引き寄せた。
◇)やぁっ、…んんっ///
お仕置きなんだから。
そう簡単に許してやんない。
◇)剛…典…、っ///
岩)…っ
唇から吐息を漏らしながら
◇が目を潤ませて俺を振り返った。
◇)も…う、壊れちゃ…っ
岩)何?
◇)あっ!あっ…!
岩)もう、何?
◇)や、っ!あぁっ、///
喋る隙も与えないくらい、
◇を揺さぶって。
強い快感に、我を忘れそう。
◇)あぁ…んっ!ん、んっ!///
岩)はぁ、っ
本能のままに覆いかぶさって
◇を食べ尽くす俺は
まるで獣みたいだ。
◇)あたしが…っ、好きなのは…っ
剛典だけ…だから…っ!///
岩)ふぅん…?
「そんなこと言ったらあたしなんて
毎日Jさんにドキドキしてるし
好きだって思ってるわ!」
とか言ったのは、どこの誰だっけ?
◇)剛典…だけだからっ!///
もう許してと言いたそうに◇が叫ぶ。
「Jさんとキスシーンなんてあった日にゃ
ドキドキするなって方が無理だもん!!
絶対ときめく!!」
とか言ってたしなぁ…。
さて、どうしようかな。
◇)はぁ、はぁ、っ///
岩)◇…?
◇)…っ
岩)そんなに俺のこと、好き…?
動きを止めてやって
◇の顎をこっちに向かせた。
岩)好き…?
◇)(こくん)///
岩)…っ
涙目で頷く姿にグッときた。
岩)だったら…
俺の腕の中で壊れたって文句ないだろ。
◇)あぁ…っ、剛…典…っ!///
しつこいぐらい、愛してやるよ。
もう俺のことしか、考えられないくらいに。
◇)やっ、やっ、もぉ…、っ!
もう…っ、ダメ…!///
そのまま俺に手加減なしに愛された◇は
俺の腕の中でふにゃふにゃと崩れ落ちて。
意識を失うように、ぐったりと目を閉じた。
……
…
◇)剛典、起きて…!
岩)……。
◇)今日も撮影でしょ?もう時間だよ!
岩)……ん、…っ
あれ…?
いつの間にか俺も寝てたのか。
◇)起きた?
岩)……。
もう朝か。早いな。
こいつ、ちゃっかり服着てやがる。
岩)あと1分、寝かせて。
◇)えーーー
岩)お前も一緒に。
◇)わっ!///
◇をベッドに引き摺り込んで
服の中に手を滑り込ませた。
◇)ちょっと!何してんの!///
岩)脱げ。
◇)は!?
岩)触りたい。
1分しかないから脱いで。
◇)何言ってんの!?
岩)触りたいんだって!
◇)昨日散々触ったでしょ!///
岩)今日は今日!
◇)…っ///
抵抗が弱まった◇をあっという間に脱がせて
むぎゅっと抱きしめた。
◇)せっかく…着たのに…
岩)残念だったな。
ああ、柔らかい身体。
昨夜あんなに抱いたのに、
こうして少し触れるだけで
もう離れられなくなる。
◇)や、エッチな触り方しないで///
……可愛い声。
◇)や、やだってば///
そんな甘えた声で嫌がっても説得力ないから。
◇)や、剛典、やめて、///
岩)…っ
◇が俺の手をぎゅっと握ってきた。
◇)また…してほしくなっちゃうから…
やめて…?///
岩)////
コラーーー!!///
今のは反則だろ!ずるいだろ!!
岩)一気にムラムラした!
どうしてくれんの!///
◇)はぁ!?///
岩)あ〜〜〜〜!もう!
すっげぇシたい!今すぐシたい!
我慢できない!///
◇)……ダメ、我慢して///
ぬああああ〜〜!!
◇)もう時間ないんだから、ほら、
用意して。
岩)…っ
くそ〜〜〜〜〜!!
岩)今日帰ってきたらまたお仕置きしてやる。
◇)なんでよ!///
岩)してほしくなっちゃうって言ったの
お前だろ!
◇)お仕置きって意味じゃないし!
岩)何?じゃあいつもみたいに
優しくしてほしいの?
◇)…っ
岩)優しいSEXの方が好きなんだ?
◇)別に…そういうわけじゃ…///
岩)じゃあやっぱりお仕置きの方が
好きなんじゃん。
◇)違うってば!もう!///
◇は俺の胸をぽすんと叩いて
甘えるようにもたれてきた。
◇)どういうのが好き、とか…
そういうの…あんまりない…。
岩)え…?
◇)剛典とのHは…、全部、好き…///
岩)…っ
◇)////
岩)////
な、な、何これ。
すげぇ可愛いんですけど…
◇)全部、大好き…///
岩)////
どくん…どくん…どくん…
◇)剛典のことが…
大好きだからだよ…?///
岩)////
こんな朝っぱらから
そんなくっそ可愛いデレを炸裂させてくるとは
どうなってんだよオイ!!///
岩)やっぱり今から…
◇)ダメだってば!!///
んが〜〜〜〜〜〜ッ!!!
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
ほんと男って羨ましい。
どんなに寝坊しても
顔洗って歯を磨けばもう外に出れるもんね。
女とは違うぜ。
剛典だって結局優雅に
早朝のコーヒーを飲んでるし。
……ちょこん。
岩)ん…?
剛典は今日も一日中撮影かぁ。
岩)ちょっと。
◇)ん?
岩)何してんの。
◇)え?何って…
剛典の今日のスケジュール見てた。
岩)いや、そうじゃなくて。
◇)え?
岩)今の可愛い「ちょこん」はなんだよ。
◇)ちょこん!?
岩)可愛い猫みたいに
俺の隣に座って甘えてきて!
◇)え…。
全然無意識だった。
◇)ダメだった…?
岩)可愛いからもっとしろ!
◇)何それ!あはははっw
口を尖らせてる剛典が可愛くて
あたしはそのまま剛典にもたれて
スリスリした。
◇)えへへ、大好き♡
岩)……可愛いな。
◇)大好き♡大好き♡
岩)////
いっぱいスリスリしたら
剛典がなんか照れてる。
◇)どうしたの…?
岩)可愛いからもっとしろ///
◇)あはははw
剛典の方が可愛いんですけど。
この人ほんとに昨夜
あんな強引にあたしを抱いた人ですか?w
◇)♡ちゃんと臣さん、
ちゃんと仲直り出来たかなぁ?
岩)さぁねー。
今頃地球の裏側だし。
◇)連絡なし?
岩)なし。そっちは?
◇)なし…。
岩)…ってことはまだ仲直りしてないか
仲直りし終わってバカップルに戻って
俺たちの存在忘れるくらい
イチャイチャしてるかのどっちかだな。
◇)……後者であってほしい。
岩)まぁ確かにw
剛典はクスッと笑って
あたしの髪に指を通して遊んでる。
岩)臣さんは…
お前の説教が効いたはずだから
大丈夫じゃない?
◇)別に説教したつもりは…//
岩)ははははw
◇)だって…
臣さんが家出して
♡ちゃんから逃げてるってわかって、
許せなかったんだもん。
岩)うん。
◇)♡ちゃんが部屋に閉じこもっちゃった時…
臣さんもちょっと可哀想だなって
思ったけど…
それは臣さんが一生
向き合わなきゃいけない事だと思うから。
岩)うん。
自分が作ってきた過去って
結局は全部自分の責任だからね。
反省したからって消えるわけじゃない。
◇)…っ
岩)逃げてもダメだしちゃんと向き合うことが
本当の意味での反省なんじゃない?
俺も臣さんも。
◇)うっ…
岩)うっ、ってなんだよw
◇)いや、自分のことも含めて
言ってたのか…って思って。
岩)そりゃそーだよw
俺も臣さんも元クソ野郎仲間だし。
そんな自分を嘲笑するように
剛典は腕を組んでソファーにもたれた。
岩)でもさー
隆二さんってそういうネタで
モメてないよねー、♧さんと。
◇)え?
岩)あの人だってそれなりに遊んでたのに。
◇)…っ
確かに。
あの二人が喧嘩したとかは
聞いたことないかも…。
岩)臣さんは家出までされて
破局の危機に陥ってさ?
俺なんて優助に心変わりまでされて
一回マジでフラれたのに。
◇)うっ…
岩)うっ、ってなんだよw
◇)いや、ええと…、ほら、
隆二さん達はあたしらが知らないだけで
実はもう喧嘩済みかもよ?
岩)えーー、絶対ないよ。
◇)なんで?
岩)そんなことになったら絶対わかるもん。
隆二さん隠しておけないタイプだから。
メンタルダダ漏れタイプだから
周りが絶対にすぐ気付く。
◇)そうなのか。
岩)昔、付き合ってた彼女にフラれた時なんか
見てられなかったよ、マジで。
◇)えっ…
そうなんだ…。
隆二さんにもそんな過去があるのか。
岩)相当引きずってたしね。
◇)そうなの?!
初耳なんですけど!
岩)まぁ今はほら、あの通り。
♧さんとラブラブで超絶幸せそうだから
いいんだけどさ。
◇)……。
その元カノが今更登場して
一波乱起きたり…なんてことはないよね?ね?
ピロピロ♪ピロピロ♪
岩)あ、橘来たわ。行ってくる。
◇)はっ
そういえば橘が剛典担当になったんだっけ。
◇)お疲れさまです…。
岩)おう…。
剛典はすっごぉ〜〜〜く嫌そうな顔をして
仕事に向かった。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
橘)おはようございます。
岩)おはよ。
最低限の挨拶だけ交わして
俺は後部座席で目を閉じた。
今日も早朝からハイローの撮影。
眠いなぁ…。
橘)登坂さん、今頃ボリビアですね。
岩)……。
橘)ボリビアって標高が高いらしくて
体調崩す人多いらしいですよ。
岩)……。
橘)昨日気になって調べちゃって。
岩)……。
怖すぎだろそれ。
相変わらずストーカー絶好調だなオイ。
橘)登坂さん大丈夫かなぁ…
心配だなぁ…。
心配なのはお前の頭だっつーの。
橘)岩田さん、
何か私に協力してくれたり
しませんか?
岩)は??
ずっとシカトしてたのに
意味わかんないこと言うから
つい返事しちゃったじゃんよ。
橘)だって…
私が登坂さんのこと好きだって
打ち明けたの…
岩田さんと◇さんだけですもん///
岩)は??
あれって…
「打ち明けた」ことになんの??
橘)協力してくれたら嬉しいです///
は??
こいつマジで何言ってんの?
お前が臣さんにしたこと
俺が知らないとでも思ってんの?
メンバーもマネージャーも
みんな知ってるっつーの!!
橘)私…、本当に大好きなんです。
登坂さんのこと…///
ヤバイヤバイヤバイ。
マジでぶっ飛んでる。
橘)登坂さんってほんとに…
岩)台本読んでるから静かにして。
集中したいから。
橘)あ、ごめんなさい…っ
ほんと何しでかすかわかんねぇなコイツ。
ちゃんと見張っとかないと。
伸)いやーーー
マジで寒いっすね。
大)息吐いた瞬間から凍りそうっすよね!
健)なんやそれ、やってみてw
大)えっ!
健)凍らせてみてw
大)ちょ、ちょっとやってみます!!
寛)やるの!?w
今日もチーム山王はみんな元気だけど、
本当にただただこの寒さがキツい。
岩)あー、腹減った。
寛)朝食ってないんすか?
岩)いや、軽く食ったけど…もう減った。
健)寒いと体力消耗するから腹減るねんなー。
大)北極とか1日5食食べるって
言いますもんね!
健)おう、よう知っとるやん。
橘)岩田さん、何か買ってきましょうか?
岩)いや、いい。
橘)そうですか。
橘がぺこっと頭を下げて戻っていくと
寛太がその後ろ姿を見ながら
ぼそっと言った。
寛)橘さんって可愛いですよねー。
岩)はぁ?!!
思わずとんでもない声が出たわ。
寛)え、ダメですか?
岩)いや、ダメとかそういう次元の話じゃ…
大)普通に可愛いですよね。
部長の姪っ子さんなんでしたっけ?
岩)うん…。
健)なんや寛太も大樹も。
あんなんがタイプなん?
お前らの専属にしたろか?w
健二郎さんが皮肉っぽくそう言うと、
大樹が手をブンブン振って否定した。
大)俺のタイプではないです!すいません!
伸)じゃあ大樹のタイプって?
どんなん好きなの?
大)…っ
健)お?お?お?
誰やねん。
大)ええと…、///
伸)赤くなってる!誰だよ!w
寛)マジ恋か?w
ノブと寛太にからかわれて
大樹は赤くなりながらゴクリと喉を鳴らした。
大)マジ恋とかじゃなくて…
でも、こんな可愛い人見たことない
ってくらい衝撃を受けた人が実はいて///
健)誰や誰や!
大)もうほんっとに!可愛くて綺麗で!
こんな人この世に存在するんだってくらい
すごくて!
伸)だから誰だよw
岩)もったいぶんな!w
俺が肘でつつくと、大樹は真剣な顔で頷いた。
大)登坂さんの、彼女さんです///
岩健)ぶっ!w
♡ちゃんかよ!!w
大)あの人の顔を嫌いだって言う人は
この世にいないと思います!
伸)え、登坂さんの彼女?
寛)わかんない。会ったことないもんw
大)ポカリのCMに出てます!
伸)え、
寛)ポカリ…の?
伸寛)ああああああ!!!
ノブと寛太は顔を見合わせて
謎にハイタッチしてる。
伸)あの女の子!わかる!すっげぇ可愛い!
寛)可愛い!俺もCM見てすげぇ子出てきたな
って思ってた!!
大)でしょ!?
伸)あの子が登坂さんの彼女なんすか!?
健)せやでw
寛)ええええ!すっげぇ!!
岩)……。
なんで健二郎さんが自慢げなんだろうw
健)まぁ確かに♡ちゃんは可愛いやんなぁ。
大)可愛いなんてもんじゃないですよ!
神レベルですよ!
伸)うん。わかる。
岩)そうか。
大樹が♡ちゃんをそんな目で見てたとは。
臣さんに言っとくわ。
大)やめてください!///
寛)あはははw
♡ちゃんはどこに行ってもモテモテだなぁ、
ほんと。
臣さんが心配する気持ちもわかるよ。
伸)でも登坂さんとすげぇお似合いかも。
今、頭ん中でイメージしちゃった。
大)そう!ほんとお似合いなんすよ!!
寛)美男美女だ…。
大)しかも普段クールなあの登坂さんが
彼女の前では違って!
伸)え、何それ…気になるw
大)なんつーか…
彼女さんのことすげぇ大事にしてて
大好きなんだなーっていうのが
見てるだけで伝わってくるっていうか…
寛)えーーー、
そんな登坂さん想像したら
なんか照れる///
伸)登坂さんが彼女にベタ惚れなの?
大)そう!それがダダ漏れなんです!
健)あははは!w
大)でもそれがまたすげぇ良くて!
カッコイイんですよ!///
寛)でもあんな可愛い彼女なら
誰でもメロメロになっちゃいそうっすね。
伸)確かに。俺なら毎日鼻の下伸ばしてるわw
岩)……。
今頃あの二人、くしゃみしてるかな。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
多)はぁ…。
◇)どうしたんですか?
ランチを終えて食後のコーヒーを飲みながら
深いため息をついた多田さん。
実は今日は朝からずっと
ため息づくしなんだよね。
本人気付いてないと思うけど。
◇)何か悩み事ですか…?
多)悩み事っていうか…、はぁ…。
多田さんはがっくり項垂れて
頬杖をついた。
多)今日、食事するの。
◇)え?誰とですか?
多)娘と。
◇)いいじゃないですか。
多)その彼氏と。
◇)はっ!
彼氏って…
前に言ってたバツイチ子持ちのおじさん!?
多)どうしても挨拶したいって言われて
断れなくて…、ね。
◇)そうなんですね…。
多)結婚したいとかお嬢さんをくださいとか
言われちゃったら…どうしましょ。
◇)言われる…でしょうね、きっと。
多)やっぱり!?
いやぁぁぁ〜〜〜!!
多田さんはそのままテーブルに
突っ伏しちゃった。
◇)でも…
あれだけ反対してたのに
よく会う気になりましたね。
多)……だって…。
あの子があそこまで折れないなんて
初めてなんだもの…。
◇)え?
多)私がいくら反対しても…
それでも好きだ、って何度も言うのよ。
◇)…っ
多)なんでそんなわざわざ苦労するような相手
選ぶのかしらって思うけど…
よくよく考えたら
◇ちゃんもそうじゃない?
◇)え?
多)岩ちゃんはそりゃイイ男だけど…
苦労する相手に違いないでしょ?
◇)…っ
苦労…してるのかな?あたし。
そりゃ普通の恋愛とは違う部分が
多々あるけど…
多)でも◇ちゃんは全然幸せそうだし…
娘ももしかしたらそうなのかな、って。
◇)…っ
多)私がいくら反対したって
他にいい人がいるでしょうって諭したって
本人が好きならどうしようもないのよね。
◇)……。
確かに…そうかも。
あたしだってもし親に反対されてたとしたって
そんなんで剛典と別れないもん。
多)あの子ももう立派な大人なのよね…。
子供じゃない。
自分の将来くらい
自分で決めれる歳なのよね。
◇)寂しい…ですか?
多)親としてはやっぱりね…。
そう言って微笑んだ多田さんは
寂しいながらも、もう許してあげる覚悟をした
顔をしてた。
それからオフィスに戻って
定時までひたすらパソコンと向き合って。
今日は残業しないって決めてたから
テキパキと帰る準備をしてビルを出た。
明日は久々に
剛典にお弁当作ってあげようかなー
なんて思って。
何作ろうかなって頭の中で考えてたから、
自分の名前を呼ばれてることに
すぐに気付けなかった。
了)◇ちゃん!◇ちゃん!
……◇っ!!
誰だ?
と思って振り向いたら…
◇)ええと…、
……お見合い、した人だよね?
◇)了さん?
了)よ、久しぶり!w
◇)どうしたんですか?
こんなところで。
了)◇に会いにきたw
◇)は??
了)会いたかったから会いに来てん!
◇)意味がわかんないんですけど…
了)せやから、◇に会いたかってん!
◇)なんでですか?
お見合いしたのなんて
もう3ヶ月も前だよね?
了)やっぱり忘れられんかった、◇のこと。
◇)はい??
了)俺と付き合って!
◇)はいぃぃ!??
こんな道の往来で
いきなり何言い出すねん!!
◇)あたし彼氏おる言うたやん!
了)わかってるよ?
◇)了さんとは付き合えません!
了)嫌や。付き合うて。
◇)はぁ!?
了)俺の方が絶対幸せにしたるから。
◇)…っ
どんだけ強引やねん!!
◇)あたしは今十分幸せやもん!!
了)せやったら俺がもっと幸せにしたる!
◇)いらない!
了)絶対後悔すんで、俺選ばんかったこと。
◇)はぁ!?
せぇへんし!!
あたしは彼氏が好きやねん!!
どんだけ自信満々やねんこの男!!
了)とりあえずご飯行こ。
◇)は!?
了)今から。
◇)行かへんし!!
了)行こ。
◇)行かん!!
了)行くねん、ほら。
◇)…っ
この強引さ…
日本語が通じない感じ…
剛典みたい!!!
◇)ちょっと、離して!!
優)◇…?
◇)…っ
後ろからまた名前を呼ばれて振り返ったら…
◇)優…助…?
うそ、なんでこんなとこにいんの…?
了)なんや。これが噂の彼氏か?
◇)…っ
了)どうも初めまして。
どう〜〜〜〜しても◇と付き合いたいんで
俺にくれませんか?
優)は??
了)君の代わりに俺が幸せにしますから。
優)…っ
◇)離してってば!
あたしは了さんの手を振り解いた。
いきなりわけわからんこと言われた優助は
一瞬、目を丸くしたけど…
優助の得意技。
きっとまた一瞬で察してくれたんだ。
優)◇は誰にも譲るつもりありません。
そう言って、
あたしを力強く抱き寄せてくれた。
優)俺が責任持って幸せにしますので。
ご安心ください。
了)…っ
優)行くぞ、◇。
◇)うん…っ
優助に肩を抱かれたまましばらく歩いて
角を曲がったところで、
一旦立ち止まった。
優)いなくなったかな。
◇)ごめんね、優助…!
優)なんだったの?あの男。
ナンパされたの?
◇)違うの、前にお見合いした人で…
優)お見合い!?
◇)あ、えっと…
優)なんでお見合い!?岩ちゃんは?!
◇)ええと、その…、
気付けば目の前はカフェだ。
◇)立ち話もなんだから…
少しだけお茶しない?
そんな風に軽い気持ちで誘ったことを
すぐに後悔したのは、
お店に入って、二人で話し始めた時に
あたしを見る優助の目が
前と何も変わってなかったから。
優)そっか、そういうことだったのかw
◇)うん、ごめんね、
いきなり優助にまで迷惑かけちゃって…
優)俺は全然いいよ。
でもすごくしつこそうな男だったから
あれで諦めてくれたらいいんだけど…
また来るかもよ?
◇)それは勘弁…
優)ははははw
優助は笑いながらコーヒーに口をつけて
すごく優しい目であたしを見つめた。
優)良かった…、元気そうで…。
◇)…っ
優助はまだ…あたしのことが好き…。
自惚れじゃなくて…
それが嫌でもわかるくらい、
優助の目が優しいの。
あたしに好きだよって
何度も言ってくれた時と同じ目で
あたしを見るから…
なんだか複雑な気持ちになる。
優)あんなとこで偶然会えるなんて
思わなかったから…びっくりしたよ。
◇)あたしも…びっくりした。
優助は元気だった?
優)うん…。
相変わらず仕事忙しくて
バタバタしてるけどねw
◇)そっか…頑張ってるんだね。
優)そういえば、見たよ、年末。
三代目、またレコード大賞取ったね。
◇)あっ、
優)おめでとう。
◇)ええと…、ありがとう…?
あたしが取ったわけじゃないけどw
優)あはははw
岩ちゃんは元気にしてる?
◇)うん、元気だよ。
優)◇は幸せ?
◇)うん!!
あたしがどこか必死に頷くと、
優助も柔らかく笑って頷いた。
優)良かった、◇が笑顔で。
◇)…っ
……まだ、会っちゃいけなかった気がする。
優助と別れたのは真夏の暑い日だった。
一度は好きになった人。
「俺は◇を好きになったこと、
後悔してないよ。」
「だから…笑って。
……幸せでいて。」
そう言ってくれた、優しい人。
◇)えっと、そうだ!
桜がなんか迷惑かけてるみたいで
ごめんね?
あたしは慌てたように話題を探して
コーヒーに口をつけた。
優)あははは、桜ね…w
あ。
「桜ちゃん」って呼んでたのに
「桜」になってる。
優)ほんとタフなんだよなぁ…あいつは…。
◇)……。
少し困ったように笑う優助は、
あたしの知らない顔。
◇)猪突猛進だから…、あの子。
優)うん、ほんとそんな感じw
俺が何言っても引かないんだもん。
◇)何言っても…?
優)うん。
俺は桜のことそんな風には見れないし
今は誰とも恋愛する気ないからって
何度も言ってるんだけど…。
◇)…っ
優)それは今の話であって、
その「今」がいつ変わるかわからんやろ!
って。
変わる時がきたらその時は一番に
桜を見てほしいから
桜はそのチャンスを見逃さへんように
いつでも優ちゃんのそばにおんねん!
って…w
◇)…っ
桜…、そんなこと言ってたんだ。
優)たまにお弁当作って持ってくるんだけど…
◇)あ…、
優)この間からいきなり上達して…
見た目がすごく綺麗になったんだよ。
彩りが。
◇)……。
ちゃんとアドバイスした通り
頑張ってるんじゃん…。
優)俺なんかのこと待ってないで
他に目を向けたらいいのになって…
思うんだけど…
◇)でも桜は優助が好きなんだよ。
優)…っ
あんなに頑張ってるの、初めてだもん。
◇)桜は…っ
優)ごめん。
◇)え…?
優)◇がそれ…言わないで、ごめん。
◇)…っ
……そう…、だよね…。
あたしが桜をオススメするなんて…
無神経すぎる。最低だ。
◇)ごめんね…。
そんな悲しそうな顔、しないで。
優)そんな顔、しないで。
◇)え…?
優)笑ってて、◇は。
◇)…っ
優助は悲しそうな表情を
一瞬で笑顔の中に隠して
あたしの頭を撫でてくれた。
優)じゃあ俺、そろそろ行くね。
◇)あっ、……うん。
ごめんね、時間もらって…。
優)ううん、会えて良かったよ。
じゃ、また。
◇)うん。
また、なんて…きっとない。
でもそう言って笑ってくれるのは
優助の優しさ。
どうして今日、偶然会ったりしたのかな。
神様って意地悪だ。
どうか優助があたしのことなんて
早く吹っ切って…
次の恋に進めますように。
あんなにいい人なんだから…
お願いだよ、神様…。
ー続ー
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♢ちゃんの隆二くんの元カノ登場って予想絶対当たるんですよね??(´;︵;`)
でもこの2人はらぶらぶそーでよかったぁ(〃▽〃)久しぶりに幸せもらいました!ありがとうございます♡♡
そうですねぇ…登場しそうですねぇ…(ฅ¯ω¯ฅ )ふふふ…
更新やぁぁぁぁぁ
岩ちゃんの激しいところを想像したらヤバい!!!鼻血止まらん!
優助くんと桜ちゃんがくっついてくれることを望みます!ww
次の更新楽しみに待ってます!
おおおお…
優助と桜を応援してくれてありがとうございます。゚(゚^∀^゚)゚。♡