俺は結婚願望なんてサラサラない。
結婚は人生の墓場だなんて
男はよく言うけど…
本当にその通りだと思う。
一人の女にずっと縛られるなんて、ごめんだ。
女)ねぇ…こっち来てよぉ…
J)どうしたの?
女)もう一回…///
J)え?
女が後ろから抱きついてきた。
J)足りなかった?w
女)そうじゃないけど…
J)……
女)どうしてJさんて
そんなに上手なの…?///
J)あはは、何それw
可愛いこと言うね?
女)だって…
J)いいよ?もう一回する?
女)うん…///
J)おいで?
女)あ…っ、…や…ぁっ///
J)嫌じゃないでしょ?
女)んんっ/// …はぁっ///
女がまた可愛い声をあげる。
適当な女と
適当にSEXするのが一番いい。
後腐れがないからだ。
女)ねぇ…っ///
あたしのこと好き?
J)好きだよ?
女)あっ…/// ん…っ///
愛してる?
J)どうしたの?
いつもそんなこと聞かないよね?
女)や…っ/// は…ぁ…// だって…っ
J)……
女)愛してるって…言ってよ…
J)もう黙って。
女)ああっ…ん…/// やぁっ///
愛してるわけがない。
可愛い女の子は好きだけど…
「愛」じゃない。
お互い割り切って
身体だけの関係が一番ラクなのに…
深入りされると面倒だ。
この子は…もうダメだな。
……
…
朝…。
女がまだ寝てるうちに俺はホテルを出て
会社に向かった。
眠いな…。
目をこすりながら
会社のエントランスに入ると
走ってきた女の子が俺にぶつかって
書類をぶちまけた。
♡)わ!!ごめんなさい!!
J)大丈夫?
♡)はい!本当にすみません!
あ、大丈夫です!自分で拾います!
J)いいよ、手伝うよw
♡)わーん!ごめんなさい!!
俺が書類を拾い集めて手渡すと
やっと彼女は顔を上げて、俺の顔を見た。
♡)あ!MVPの人!!
J)え?
♡)あ、すみません!
えっと…、Jさんですよね?
J)うん。
♡)ありがとうございました!
J)あ、待ってよ。
俺は思わず彼女の肩をつかんだ。
♡)??
J)あ…ごめん。なんでもない…。
気をつけてね?
♡)はい!!
ありがとうございます♡
そう言って笑顔を見せると
また彼女は走っていった。
なんで俺…、呼び止めたんだろう?
俺が昨日、本社集会で表彰されたから
俺のことは知っていたんだろう。
俺も彼女のことは知っていた。
名前は♡ちゃん。
昨日の新人挨拶の時に
彼女とKちゃんという女の子の時だけ
会場が湧いたのを覚えてる。
確かに二人はとてもキレイだった。
俺は面倒なことはごめんだから
社内の女には手を出さない主義だ。
でも…
この二人ならアリかな…
と思うくらい、二人とも可愛かった。
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俺は後日、まずKちゃんを誘ってみた。
J)どうも♪
K)あ、お疲れさまです。
J)Kちゃんて彼氏いるの?
K)は?
彼女は怪訝そうな顔で俺を見てきた。
「は?」って…w
俺一応先輩なんですけど…ww
J)俺と付き合わない?
K)彼氏いますけど。
J)あ、そうなんだ、残念だな~w
K)いなくても付き合わないですけど。
J)なんで?w
K)全然タイプじゃないです。
J)あっはははw
ハッキリ言うねぇ?w
K)あなたモテそうだし…
面白半分で声かけただけでしょ?
失礼します。
そう言うと彼女はすぐにいなくなった。
面白いな~w
あーゆー裏表のないキツいカンジの子も
好きだけど…
俺はこっちの子の方が気になってる。
J)お疲れさま。
♡)あ!お疲れさまです。
J)この間はどうも♪
♡)あ…拾ってくださって
ありがとうございました♡
うわ~~
何回見てもやっぱり可愛いな…
こんな子…連れて歩いたら自慢だよな~
J)可愛いね。
♡)え?何がですか???
J)何がって…w
♡ちゃんが。
♡)えっ!!
J)……
♡)え、え、え…///
あの…//
ありがとうございます…//
え、何この反応…。
散々可愛いって言われて
ちやほやされて育ってきたんじゃないの?
J)俺と付き合わない?
♡)えっ!!
俺の言葉に
彼女は驚いたように、目を丸くして。
♡)えっと…私、彼氏います。
J)あ、そうなの?
♡)はい。
J)そりゃそうか…
こんだけ可愛いんだしw
♡)えっと…//
赤くなって俯いて。
いちいち可愛い反応するな~~
いじめたくなる…
J)彼氏に飽きたら俺のとこおいでよw
♡)え!??
J)じゃあね♪
なんだか面白くなりそうだな~♪
俺がそのまま会社を出ると、電話が鳴った。
また別の女からだ。
会いたいと呼び出されて
女の家に行くと
玄関でいきなり抱きつかれた。
J)なーに。
女)なにって…
わかってるくせに…w
J)……
女)シよ?♡
俺は誘われるままに女を抱いた。
J)彼氏出来たんじゃないのー?
女)出来たよ?
J)じゃあこんなことしてちゃ
ダメじゃん?w
女)そんなこと思ってないくせにw
J)え?
女)どうでもいいんでしょ?
人のことなんて。
J)……
女)彼氏とは…
あんまり相性良くないの…
J)身体の?
女)うん。
J)ふーん。
女)彼氏とは…っていうか…
他の男でも…なんかダメ…
J)え?
女)Jくんじゃなきゃダメみたい…//
J)可愛いこと言うねー?
女)だって…ほんとなんだもん//
全然違うんだもん///
J)でも…俺にあんまりハマんないでね?w
女)なんでぇ?
J)面倒臭いのは嫌いだから。
女)…ほんと冷たいのね。
J)知ってたでしょー?w
女)そうだけど…
本当に誰も好きにならないの?
J)好きだよ?
女)え?
J)でもみんな同じ。
いなくても困らない。
女)何よそれ…、ほんとひどい男…
J)でしょ?w
だからもう離して?
女)いや。
J)……
女)もっと抱いて?//
J)…ほんと女の子ってタフだよね?w
女)え?
J)いや?w
いいよ。こっち来なよ。
女)あ…っ///
……
…
次の日、俺がまた寝不足で出社すると
エレベーターで♡ちゃんに会った。
♡)あ!Jさん!
おはようございます!♡
J)あ、♡ちゃん…、おはよう。
寝不足の身体に
♡ちゃんの笑顔は少し眩しすぎる…。
♡)疲れてますか?
J)うん。ちょっとねw
好きでもない女と
結局3回もヤッて寝不足だって言ったら
この子はドン引きしそうだな…w
♡)大丈夫ですか?
J)大丈夫だよw
あ~あ…
可愛い顔して無邪気に俺の顔を
覗きこんでくる。
J)やっぱり大丈夫じゃないかも…
♡)え?
J)って言ったら癒してくれる?w
♡)え!どうやってですか??
そこ…普通に聞き返すんだw
J)ハグでもキスでもなんでもいいけどw
♡)え!?!
J)ぷっw
♡)もう!!
Jさんてばまたふざけてる!!//
J)あはははw
俺がデスクに向かうと
もうTくんの姿が見えた。
相変わらず早いな…。
J)おはよう。
T)あ!おはようございます!
J)早いね?w
T)Jさんも…いつも早いですよね?
J)朝の方が色々はかどるからね~
T)なるほど…
今回入った新人は、
男も女もキレイどころが集まっていて
人事が顔で採用したんじゃないかと
噂になっていた。
その中で俺が興味を持ったのは
♡ちゃんとKちゃん。
そしてうちの営業部に配属されたこの子だ。
ジャニーズ系の甘いマスクに似合わず
ものすごいガッツがある。
配属されてから約1週間。
毎日俺より早く来てて…
朝早めに会社に来て
誰もいないオフィスで新聞を読みながら
とっとと仕事を片付けて
夜は早めに帰るのが
俺のスタイルだったんだけど…
そんな俺より早く来て
彼は色々頑張ってた。
ことあるごとに俺に色々質問してくるし
俺から色々学ぼう…っていうより
盗もうっていう気迫をすごく感じる…。
それにどうやら、朝だけじゃなくて
夜も遅くまで残ってるらしいと
部長から聞いた。
どれくらい持つかなー♪
と思って見ていると
1ヶ月経っても
3ヶ月経っても
それは変わらなかった。
そして気付いたのは…
♡ちゃんも毎朝早く来てることだった。
この二人…すごい頑張るな~
ある朝俺が♡ちゃんに話しかけに行くと、
♡ちゃんが元気良く立ち上がった。
♡)おはようございます!!
J)ああ、おはようw
朝から元気だねw
♡)はい!!
どうしたんですか…?
J)顔見たくなって来ただけw
♡)えっ!!
J)あははw
♡)もう…
そうやっていつもからかうの
やめてください//
J)だっていちいち可愛いからさw
♡)……//
J)仕事どう?慣れた?
♡)全然です…
J)何かあったらいつでも相談に乗るから
何でも聞いてね?♪
♡)えっ!ほんとですか?!
J)うん。
♡)ありがとうございます!!
そう言った次の日の朝、
早速♡ちゃんが俺のデスクまで来た。
J)お!おはよ♪ どうしたの?
♡)あの…
教えて欲しいことがあって…
J)あははw 何でもどうぞ?♪
♡)どうしたらJさんみたいに
ものすごいスピードで仕事できるのか
教えて下さい!!
J)え?
♡)Jさんは人の何倍も仕事してて
成績も一番で…
なのに夜は割と早めに帰ってて…
どうしたらそんな時短できるのかなって…
T)俺も聞きたい!!!
J)えっ…
♡T)教えて下さい!!
J)…っ
二人してメモ帳片手に
真剣な目をして聞いてきた。
仲良しかってw
一生懸命色々吸収しようと
こんなストレートに聞いてくるんだ。
こんな頑張る子たち…
最近ずっといなかったよな~~。
俺が業務効率化のコツを
素直に教えてあげると
二人は小犬みたいな目をして喜んだ。
♡)すごーい!!
T)うわ!!俺さっそく
今日から真似してみよう!!
♡)私もー!!
T)頑張ろ!!
♡)うん!!
♡T)ありがとうございました!!
J)はいはいw
ほんと可愛いな…
憎めない二人だよな~~w
それからも二人は毎日仕事を頑張ってて。
多分この二人は似てる。
そんなに器用じゃないのに
根性でそれをカバーするくらい
やる気と熱意があるタイプだ。
俺は昔からなんでも
器用にこなせてしまうタイプだから
そーゆーのはよくわからない。
でも…
がむしゃらに頑張る人間は好きだ。
見てて気持ちがいい。
俺がもしいつか…
営業成績で誰かに抜かれる日が来るとしたら
それはTくんなんじゃないかなと思ってる。
ま、簡単には抜かさせないけど♪
それから♡ちゃんとも
たまにご飯に行ったりするようになったけど
彼女は大抵、仕事の話ばかりだった。
俺がちょっかいを出すと、照れたりするくせに
俺のことは全然男として見てくれない…
こんな女の子は初めてだ。
俺が言い寄ったら、大体の子は落ちる。
もちろん俺の中身なんて見てない。
俺の家が金持ちだからとか
俺の見た目とかで
女は簡単に落ちる。
今まではそうだったのに…。
少し悔しくて
落としたくなる反面…
彼女の笑顔が見られれば
それだけでいいやと
満足している自分もいた。
それくらい彼女の笑顔は可愛くて
真っ黒い俺の心を
簡単に浄化してしまうような…
そんな感覚を覚えた。
ー続ー
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