(7)サッカー観戦

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今日はやっとサッカー観戦の日。

 

サッカーも楽しみだけど
俺は2週間ぶりにやっと♡に会えんのが
めっちゃ楽しみで。

 

スタジアムの南ゲートで
4人で待ち合わせしてると
♡から4人のグループLINEに
メッセージが送られてきた。

 

♡『ごめん!!🙏
  遅れそうだから先入っててー!💦
  ほんとにごめん!!(:д;)』

 

さ)あーりゃりゃ。どうしたんだろ。
賢)寝坊か?
さ)あの子…
  時間に遅れたりとかしないから…
  寝坊じゃないと思うんだけど…
臣)なんかあったのかな?
賢)わかんねぇけど…
  じゃあとりあえず先入ってる?
さ)そうだね。席取っとこうか。

 

俺たちは先に3人で、中に入った。

 

スタジアムはすごい人で
家族連れもたくさん来てる。

子供たちがみんなユニフォームを着て
試合が始まるのを今か今かと待ってる。

みんなすげぇ可愛いなー♪

 

臣)やべぇ。
  テンション上がってきた♪
賢)ははっw
臣)生の試合、すっげぇ久々だし。
賢)ああ、なんだ。
  ♡に会えるからかと思った。
臣)えっ!
賢)……
臣)……///
賢)そっちもまんざらでも
  なさそうだけどww
臣)なんだよ!うっせーな///
賢)あはははw
さ)二人はその後どんなカンジなの?
臣)どんな…って…別に…
さ)偶然会うとかすごいよね。
  LINE見てびっくりしちゃった。
臣)ああ…あれはほんとにびびった。
賢)花とかあげちゃってねー♪
さ)そうそう!いいないいな~♡
  あれ何だったの??
臣)撮影でもらった花。
さ)あ、そうだったんだ!
  びっくりしたーw
  ♡が先月誕生日だったから
  それでかと思っちゃったw
臣)……

 

それも…あげたけど…

 

賢)脈ありそ?
臣)うーーーん…
さ)あたし探り入れてみよっか?♪
臣)え!いや、いい!いい!
さ)え~なんで~!
臣)いや…多分…
  俺が好意あるってのは
  わかってると思うから…
さ)そうなの???
臣)うん。
賢)ふーーーん♪
  そうなんだ。
臣)多分…

 

ピロリロリロ♪ピロリロリロ♪

 

さ)あ、♡だ!

 

さ『もしもし?
  あ、着いた?今どこ?
  え?わかんない??
  ゲートの名前書いてない??
  そうそう…ん??西??
  赤い旗が立ってるとこ?
  なんじゃそりゃ。』

 

臣)俺、迎えに行ってくるわ。
さ)え!あ、ちょ…っ
賢)行っちゃった。

 

さ『臣くんが今
  迎えに行ってくれたから
  動かないで待ってなー
  あんた方向音痴なんだから。
  うん、そう。じゃあね。』

 

賢)え、迷子?
さ)うん、たぶんw
賢)あいつほんっと方向音痴だなw
さ)臣くん行ったから大丈夫だよね?
賢)飛んでったからねーw
さ)あははは♡

 

臣)…は…ぁ…っ

 

ほんとすげぇ人だな。
♡はどこだ?

 

西ゲートの赤い旗…赤い旗…

あ、あそこか??

 

♡は…いないか…
電話してみっかな…

 

臣)…あ…っ!いた!!

 

え…っ
なんかいつもと全然違う格好してる。
  
全然違うのに…

なんでこんな遠目でわかったんだろ…俺。

 

臣)♡!!!

♡)!!??

臣)こっち!!!

♡)…あ!!臣くん!!

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

場所が全然わからなくて
一人でオロオロしてると…

臣くんが私の所に走ってきてくれた。

 

臣)はぁ…っ、やっと見つけたw
♡)わ、わ、ごめんね?
臣)いや、全然いいけど…

 

走って探してくれてたのかな?
わわわ…

 

♡)場内地図見ても、全然わかんなくて…
臣)もしかして方向音痴?
♡)はい……
臣)ぷっww
♡)……//

 

また鈍臭いって
思われちゃったかな…

 

臣)行こ。
♡)うん、ありがとう。
臣)あ、一応LINEしとこ。

 

そう言うと臣くんは
4人のグループLINEにメッセージを送った。

 

『♡確保👍』

 

♡)確保ってなにー!w
臣)あはははw

 

さ『よくやった!✨』
賢『えらいぞ広臣!✨』
さ『ついでに…』
賢『なんか食いもん買ってきてくれたら
  もっとえらいぞ!👍』

 

臣)なんだよそれ!w
♡)あははっw
  あ、でもお腹空いたかも。

 

臣『何食いてーの?』
賢『何でもいいっすー!』
さ『あたしもー(*^o^*)🎵』

 

臣)じゃあ適当に買ってくか。
♡)うん!

 

私たちはそのまま売店に向かった。

 

臣)なんか今日雰囲気違うね。
♡)えっ!変??
臣)いや、全然変じゃないけど。
♡)びっくりした…

 

今日は動きやすいような
格好にしたんだけど…

ほんとに変じゃないかな?
おろおろ…

 

臣)何食べるー?
♡)あっ、えっと…っ
臣)4人いるし
  とりあえず全種類買ってく?
♡)あはははw そうだね♡

ス)フランクフルト売り切れでーす!
ス)了解です!

 

私たちが買った物を受け取ると、
後ろに並んでた男の子が
大きな声で言った。

 

子)え!!売り切れだって!!
親)仕方ないから違うのにしなさい。
子)え…フランクフルト…
  食べたかったよぉぉぉ…
親)売り切れたんだから
  しょうがないでしょ!
  そんなことで泣かないの!
子)ううう…っ

 

え!え!どうしよう!
私たちが最後の買っちゃったってこと?汗

 

臣)おい、泣くな!w
子)…っ
臣)ほら、これやるから。
子)え!!フランクフルト!!
  くれるの?
臣)ん。
子)わぁ!!

 

男の子の表情が一気に輝いた。

 

臣)ごめんな、最後の買っちゃってw
親)いいんですか?
臣)全然いいですよ。
親)あ…じゃあお金…
臣)いいですいいですw
親)えっ…でも…っ
子)お兄ちゃんありがとう!!
臣)おう。男が簡単に泣くなw
子)うん!!
親)本当にすみません…
  ありがとうございます。
臣)いえ、それじゃ。

 

臣くんはニコッと笑って…

 

子)ありがとう!
臣)おう!じゃあなw

 

フランクフルトを頬張って
ニコニコ笑顔の男の子の頭を
優しくポンポンしてあげた。

 

♡)あはは♡すごく喜んでたね♡
臣)かわいーなーw
♡)ねーー♡

 

臣くんって…
ほんとに優しいなぁ…♡

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

臣)♡、落とすなよ?
♡)えっ、なに?急に。

 

両手に食べ物を抱えながら
二人で歩いてて。

 

臣)そういえば鈍臭いんだったと
  思ってさ。
♡)何それー!ひどーい!w
臣)あはははw

 

またほっぺを膨らませてる♡は、
今日はポニーテール。

この間、風呂上がりで
髪をおろしてたのも
なんかすげぇ可愛かったけど…

ポニーテールも…めっちゃイイ///

 

しかも…なんか
スカートのイメージ強かったけど
こんなショーパンとかも似合うんだ…

ヒールじゃないのに
こんなカッコ良く着れるとか…
脚めちゃめちゃキレイだな!

 

♡)落とさないってばーー
臣)え?
♡)じろじろ見てるからっ!
臣)ああ、……///

 

じろじろ見てたのは
そういう意味じゃないんだけど…

 

♡)あ!!太一くん!!
太)こっちこっちー!
  ♡、久しぶり!!
♡)久しぶりー♡
さ)あ、来た来た。
賢)おわ!すげぇいっぱい
  買ってきてくれてるw
  さんきゅー!
臣)おう。
太)おお!ほんとに登坂くんだ!
臣)あ、初めまして。

 

食べ物を賢司に渡して、頭を下げた。

 

太)今日観に来てくれるって
  賢司に聞いてたけど…
  うわー本物だ!!
  俺、三代目めっちゃ好きです。
臣)え!マジっすか?!
太)マジ!
臣)うわーー
  ありがとうございます!

 

差し出された手を握ると、
ガシッと力強く握手された。

 

太)じゃあ今日はよろしく!
  登坂くん来てくれてんなら
  勝たなきゃなー♪
  喝入れてくるわw
賢)あははw じゃーな。
太)おう!

 

たくましい後ろ姿を見送って
席に着くと。

 

さ)お腹空いたー!

 

さくちゃんが早速色々漁ってる。

 

臣)好きなのどうぞ?
さ)わーい!
臣)あの人、コーチなんだっけ?
賢)そうそう。
臣)何歳?
賢)俺らの1個上。
臣)そうなんだ。
  すげぇいい人そう。
賢)うん。めっちゃいい奴!w
さ)今日もタダで観れてラッキー♪
  太一のおかげ~~♪
賢)あははww
♡)臣くん、焼きそば開けてもいーい?
臣)あ、いいよ。はい。
♡)ありがとー♡
臣)……っ

 

俺は…
隣に座った♡を見て、一瞬びっくりした。

 

あ…そっか…

 

最初に会った店も照明暗かったし…
その後も夜に会ってばっかりだったから…

こんな明るい日光の下で
ハッキリ顔見んの初めてだ…。

 

臣)……

 

めっちゃ肌キレイなんですけど…
何これ…
赤ちゃんか!って…

すげーな…。

 

つーか…
顔だけじゃなくて
なんか肌がとにかくキレイなんだよなーー

 

ショーパンから出てる生脚が
チラチラ視界に入って
気になってしゃーない。

気付いたら
見ちゃってんだよな……

……って俺は変態か!!

 

♡)臣くん?
臣)え??
♡)どうかした?
臣)どうもしない!//
♡)あはは♡変なのーw
臣)…っ

 

あ、またいい匂いした。

なんだろこれ…香水なのかな…

 

女)おや!お嬢ちゃん!
♡)あ!おばあちゃん!

 

え??知り合い??

 

階段から♡を見つけて
声をかけてきたのは
70歳近く?のおばあちゃんだった。

 

女)さっきはどうもねぇ~。
♡)いいえ!なんかごめんなさい…
  全然役に立てなくて…
女)全然だよ~~助かったよ~~
  ありがとうねぇ!!
♡)はい♡♡

 

笑顔でそう言うと
おばあちゃんは孫?と一緒に
階段を下りていった。

 

臣)さっきって?
♡)あ…えっと…
  駅前で道に迷ってたの。
さ)あのおばあちゃんが?
♡)うん。それで道案内しようと
  思ったんだけど…
  私も一緒に迷子になっちゃって…
賢)ぷっ!!ww
♡)なんとか辿り着けたんだけど
  遠回りしちゃって申し訳なかった…
さ)あ、だから遅れて来たの?
♡)うん。
賢)方向音痴なお前が道案内って…ww

 

賢司が爆笑してる。

 

♡)だってーー!!
さ)そして困ってる人をほっとけないという
  相変わらずのお人好しw
賢)ほんとなw
臣)それでその後も
  一人で迷子になったの?
♡)……ハイ…。
臣)あはははっw

 

どんだけ方向音痴だよ!w

 

♡)迎えに来てくれて
  ありがとうございました…//
臣)どういたしましてw

 

なんか…
この子らしいエピソードだな~w

困ってる人いたら
すぐに声かけそうだし。

 

……

 

 

それから試合が始まると、
♡は目を見開いて夢中になってて…

 

♡)わ、わ、わ…!キャーー!!!
臣)……
♡)わぁ!!!びっくりした…
臣)……
♡)あ!あ!!あーーー!!!

 

いちいちリアクションが…w
やべーおもしれ~〜w

 

子)お姉ちゃんサッカー好きなの?
♡)うん!好きだよ!
子)僕も好き!
♡)ほんとー?
子)うん!!

 

♡の隣に座ってる男の子が
♡に話しかけてきた。

 

♡)ユニフォームカッコイイね♡
子)ほんと??
♡)うん♡似合ってるよー♡
子)へへ…//
  僕ね、大きくなったら
  サッカー選手になりたいんだ。
♡)おお!すごーい!頑張ってね♡
子)うん!
母)ちょっと、俊!
  すみません…なんかうちの子が…
♡)いーえー♡
  俊くんていうの?
俊)そうだよ!
♡)うちの弟と同じ名前だー♡
俊)お姉ちゃん弟いるの?
♡)そうだよー♡
臣)……

 

へぇ…そうなんだ。
お姉ちゃんなのか。

 

俊)僕ももう少しで
  お兄ちゃんになるんだよ。
♡)え!あ…お腹……
母)はい…二人目が。
♡)わぁ♡俊くん!楽しみだね♡♡
俊)うん!!

 

さ)なんか…♡がまた
  知らない人と仲良くなってる。
賢)な。
臣)くくくw

 

♡)あっ!何今のー!!!

 

ホイッスルが鳴ると
♡が驚いて声を上げた。

 

臣)今のは…
俊)今のはね!
  ラインから出てたのに
  そのまま蹴ったんだよ。
♡)え!ほんと?
俊)そう。もうお姉ちゃん、
  ちゃんと観てなよー!
♡)はい!ごめんなさい!

 

ピピーーッ!!

 

♡)え!今のは何??
臣)今のは…
俊)オフサイドだよ。
  お姉ちゃんサッカー好きなのに
  ルール知らないの?
♡)うん…ごめんなさい。
俊)しょうがないから
  僕が教えてあげるよ。
  あのね…

さ)ぷくくくw
  臣くんが子供に♡取られてる…
賢)せっかく隣に座ってんのにww
臣)おい!笑ってんな//
さ)だって~~ww
賢)しかもサッカーとか
  めっちゃお前の出番なのになw
臣)いいんだよっ//

 

俺も話したいけど…

子供めっちゃ可愛いし…
♡も楽しそうだし…

俺は♡が笑ってれば
それでいいんですーー

 

♡)わ、わ、あ~~~もう
  観てるだけでドキドキする~~
俊)お姉ちゃんちょっと落ち着きなよ。
♡)はい。
臣)ぷっww
♡)え…っ
臣)さっきから…
  どっちが子供かわかんねぇww
♡)ちょっとぉ!!
  バカにしてるでしょー//
臣)いやー?してませんw
♡)もう~~〜!
  あ、あ、あー!!キャーー!!!
  ゴール決まったぁぁ♡♡
俊)やったぁぁぁ!!!
♡)やったねー!!
俊)うん!!すごいっ!!

 

♡と俊くんは
嬉しそうに二人でハイタッチしてる。

無邪気だなーーほんと…w

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

初ゴールが決まって大興奮!

 

♡)ね!!臣くん観てた?今の!
臣)観てたよw
♡)すごかったねー♡
臣)トラップからのパスとみせかけて
  自分でいくっていう…
  かっけーよな~~
♡)え?え??
臣)見てたんじゃないんかい!w
♡)見てたけど…
俊)お兄ちゃんも
  サッカー好きなの?!
臣)おう。サッカーやってたよ。
俊)え!!上手??
臣)どうだろうねー?w

 

おお…っ
俊くんが臣くんに食いついている…!

 

俊)サッカー選手にならなかったの?
臣)うーーん、そうだねーーw
俊)どうして?ねぇ!
母)ちょっと俊!もういいでしょ!
  やめなさい…さっきから。
俊)だって…!
臣)全然いいですよw
母)え……え!!!
  と、登坂さんですか?!
♡)…っ

 

お母さんが気付いちゃった!

 

臣)シーーーッ!!

 

臣くんは慌てて人差し指を
口に当てた。

 

母)わ!ほんと…すみません!!
俊)え?ママの友達?
母)違うわよ!ばか!///
♡)あはははw

 

そんな話をしてると、
そのまま前半が終了して。

 

賢)俺らなんか飲みもん買ってくるけど
  いるー?
臣)あ、お茶飲みたい。
♡)私オレンジジュースがいい!
さ)おっけー♪ 買ってくるわ。
♡)ありがとー♡

俊)ねぇお兄ちゃん!
  いつからサッカーやってたの?
臣)おっ
俊)いつまでやってたの?

 

俊くんが目をキラキラさせて
臣くんに話しかけてる。

 

♡)私、席替わろうか?w
臣)え?
♡)はい♡
臣)ああ…ありがとw
俊)ねぇねぇお兄ちゃん!
臣)はいはいw 俺はね、
  幼稚園から高校までやってたよ。
俊)わぁそうなんだ!
臣)うん。
俊)練習とか大変だった?
臣)そうだなー。
  結構キツかったなー。
俊)サッカーやめたくなった?
臣)それはないかな。
  好きだったし。
俊)そっか…
臣)練習キツいの?w
俊)うん…でも上手になりたいから
  練習は好きだよ!
臣)おお!偉いじゃんw
俊)でも…いっぱい練習してるのに
  友達より練習してるのに…
  友達より上手になれないんだ…
臣)友達、上手なんだ?
俊)うん。
  僕…こんなんで本当に
  サッカー選手になれるのかなって…
臣)今何年生?
俊)僕2年生だよ。
臣)まだまだわかんねぇじゃんw
俊)でも…3歳くらいから
  やってる子もいるんだ。
  …僕は…始めたの去年からだし…
臣)始めた時期なんて関係ねーよ。
  その分、巻き返しゃいいじゃん。
  諦めんな。
俊)…っ
臣)サッカー好きなんだろ?
俊)うん。…でも……
  これ以上上手になれなかったら…
  どうしよう…
♡)……

 

俊くんがしょんぼりうつむくと
臣くんが俊くんの頭を優しく撫でた。

 

臣)どうせやるんならさ、
  「やっても上手になれないかも」
  って思いながらやるより
  「絶対上手くなってやる!!
   絶対負けねぇ!!」
  って強い意志持ってやんなよ。
俊)負けねぇって…友達に?
臣)自分に。
俊)え…っ
臣)どんなに頑張っても
  夢が叶わない時だって
  もちろんあるけど…でも…
俊)……
臣)一生懸命頑張れば、
  そこから生まれる新しい夢もあるし
  努力は絶対無駄にならない。
  絶対成長できるし、次に繋がる。
俊)……
臣)それに…必死で頑張ってるお前を
  見てくれてる人が必ずいる。
  応援してくれたり、
  自分も頑張ろうって思ってくれたり…
  一生懸命なお前の姿が誰かの勇気になるよ。
俊)そう…かな…
臣)うん。
♡)……

 

臣くん……

 

臣)それにさ、
  「あの時全力出しておけば良かった」
  って後悔することはあっても
  「あの時全力出さなきゃ良かった」
  って後悔する人間なんか絶対いないから。
俊)……
臣)だから…、全力で頑張れ。
俊)うん…、っ…僕、頑張る!
  諦めないよ…っ!
  ……ママは見てて…くれる?
母)当たり前じゃないの!
  俊が頑張るならママはいつだって
  応援してるわよ!
俊)そっか…//
  ありがとう。
  お兄ちゃんも…ありがとう。
臣)おう。

 

臣くんが頭をポンポンすると
俊くんはニッコリ笑って…

その笑顔は、すごく眩しかった。

 

賢)ほいほい!買ってきたで~~
  あれ?席替わってる。

 

賢司くんの声に
臣くんがこっちを振り向くと
バチッと目が合って…

 

♡)…っ
臣)どうした?
♡)ううん、なんでもない//
臣)賢司さんきゅー。
賢)ほいよ。1万円。
臣)たけーわ!!w
賢)あはははw

 

臣くんはお茶を飲みながら
また俊くんとお話してる。

 

♡)……

 

臣くんがさっき言ったこと…
なんか胸がじーんとした。

本当に…
臣くんの言う通りだなぁって思って。

 

でも…私だったら
こんな上手に…言葉で伝えてあげられない…

臣くんってすごいなぁ……

 

賢)♡、どうした?
♡)え…っ
賢)そんな広臣見つめて、惚れた?w
♡)え!!!
  み、見つめてないもん!!
賢)あははw 冗談だけどww
♡)……///
さ)あはは♡赤くなってるw
  かわい~~w
♡)やめてよぉ!///
臣)ん?
♡)えっ…

 

臣くんがまたこっちを振り向いた。

 

臣)なんか言った?
♡)言ってない!///
臣)そ?
♡)うん!!

 

ふぅ…、びっくりした…///

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

後半戦が始まって、試合は接戦だったんだけど
結局1点リードのまま
こっちのチームが勝った。

 

俊)やったぁ!!勝ったよー!!
臣)やったなー♪
俊)わーい!!

 

俊が大喜びしてるw

 

♡)わーいわーいっ♡

 

こっちの子供も…w

 

さ)あ、選手きたよーー!
♡)わぁ♡

 

試合が終わると
選手がスタンド側に挨拶に来てくれて…

反対側を見てると
選手が頭をさげた瞬間、
サポーター達からすごいブーイングが起きた。

 

♡)え?え?何あれ…
臣)うーん…
♡)さっきまですっごく応援してたのに
  なんで急にブーイングなの??
臣)もっと頑張って欲しいって
  意味じゃない?
♡)ええ!!でも…っ
  選手の人たちだって
  一生懸命頑張ってたのに…
賢)それだけ応援側も真剣ってこと。
♡)そうなの?
  え~~~~
賢)見たことなかった?
♡)うん。
  サポーターって…
  LIVEでいうならファンみたいな
  人たちなのかと思ってた。
賢)それはちょっと違うなーw
♡)そうなんだ…
  頑張ってたのに…
  あんなにブーイングされたら辛いね…
賢)まぁ…それがスポーツ選手だから。
♡)……
臣)……

 

♡が悲しそうに
向こうのスタンドを見てる。

 

LIVEでいうファンか…。

確かにサポーターは
それとは全然違う…。

 

臣)なんか…気が引き締まるな。
♡)え?
臣)俺らはさ、こんな風に
  ストレートにブーイングされること
  ないから…
♡)??
臣)同じようにトレーニング積んで
  限られた時間の中で最大限の
  パフォーマンスをするっていうのは
  LIVEも試合も似てるしょ?
♡)うん。
臣)でも…俺たちは…
  応援してもらうばっかりで
  失敗したり調子悪くてもこんな風に
  ブーイングされるわけじゃないから…
♡)うん。
臣)そんな環境に甘えてちゃ
  ダメだなーって。

 

改めてそう思った。

 

♡)臣くんは甘えてないでしょ?
臣)甘えてないつもりだけど…
  もっと頑張んなきゃなって。
♡)…そっか……。
臣)うん。 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

臣くんはそう言って
向こうのスタンドを見てるけど…

私はキリッとした臣くんの横顔に
見とれてて…

 

臣くんって…
すっごく前向きなんだなぁ…って。

なんだか今日は何度もハッとさせられる。

 

臣)ん?
♡)…っ///

 

あまりにジッと見てたから
臣くんがまたこっちを振り向いて…

 

♡)なんでもないよっ!//
臣)???

 

私は慌てて目を逸らした。

 

賢)じゃあそろそろ行きますか~
さ)そうだねー♪

 

みんなで荷物をまとめて席を立つと
俊くんも慌てて立ち上がった。

 

臣)俊、じゃあな!
俊)うんっ!!
♡)俊くんバイバイ♡
俊)バイバイ!!ありがとう!!

 

俊くんはニコニコ笑って
元気いっぱいに手を振ってくれて。

可愛いな~~♡

 

♡)臣くんにすっごい懐いてたね♡
臣)めっちゃ可愛かったわ~
♡)ふふふ♡

 

…ん?
あれ?

臣くんが止まっちゃった。

 

臣)どうした?先行きなよ。
♡)えっ?
臣)危なっかしいもん。
♡)えっ…何それー!もう!
臣)あはははw

 

臣くんは笑いながら、
私が先に階段をのぼるまで
待っててくれてた。

 

やっぱり…紳士だな…。

 

 

ー続ー

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