今日は会社の忘年会。
ホテルの宴会場を貸し切って、大盛り上がり。
久々の飲み会だし
「忘年会」ってこともあって
結構みんな酒のペースが早い。
〇)今市さん、飲み過ぎですよ…っ
隆)へへー♡らいじょーぶー♡
〇)あ、登坂さん、
おかわり何にしますか?
臣)ビールー!!
〇)はいっ!!
健)〇〇ちゃーーん、俺も〜〜♡
酔っ払った同僚たちに絡まれながら
甲斐甲斐しく働く、可愛い彼女。
岩)〇〇さん、こっちはいいよ、
俺がやるから。
〇)あっ…岩田さん…//
岩)少しは座って休んだら?
〇)はい…//
臣)岩田やっさし〜〜♡
健)〇〇ちゃん、騙されたらあかんで〜
〇)えっ
健)岩田はな、こんな可愛い顔して
良い人ぶってるだけや!
ほんまは狼なんやでw
〇)えーと…あははは//
岩)失礼しちゃうなぁ…
ねぇ、〇〇さん?
〇)はい…//
とりあえず彼女は俺の隣に座った。
隆)〇〇さんそっち行っちゃったのー?
隣戻ってきてよぉ〜〜
〇)あ…っ
岩)隆二さん、飲みすぎですって。
隆)ぶ〜〜〜
彼女に触れようとした
隆二さんの手を遮った。
臣)何お前、酔ってんの?かわいーw
〇)あ、いえ…っ
岩)臣さん、気軽に触らない!
臣)はーいはいw
岩)……
女子が少ないうちの会社。
先輩たちは何かにつけて
女子にベタベタ絡もうとする。
健)ん〜〜〜♡
〇〇ちゃん可愛い〜〜♡
ほら、また!!
〇)きゃぁっ//
岩)健二郎さん!触らない!!
健)ちっ、岩田のガードがうざいわっ
岩)ったく。
この会社はどいつもこいつもー!
酒が入ったらマジで節操ねぇな!
直)遅れてごめんねーー
〇)あ、部長!!
皆)お疲れさまです!
遅れてやってきた直人さん(部長)は
何やらにんまり封筒を抱えている。
直)皆に発表があります!!
隆)え〜〜〜
臣)なんだ?
直)下半期の目標、本日遂に達成です!
皆)うお〜〜〜!!!!
直)皆、本当によく頑張ってくれた!
今日は会社の奢りだ!
好きなだけ飲め〜〜!!
皆)やった〜〜〜!!
大喜びの社員たち。
好きなだけ飲めって…
言われなくてももう、皆飲んでるけどね…
直)よっこいしょっと♪
岩)直人さん、お疲れさまです。
直)お、ありがと♡
俺の左隣に座った直人さんに
ビールを注ぐと
俺越しに彼女を見て
直)嬉しいけど出来れば
〇〇さんに注いでほしかったなぁ♡
なんて、ニヤリと笑う。
〇)あ、ごめんなさい!気が利かなくて!
岩)直人さんひどいじゃないですかぁ〜w
俺じゃ不満ですか?w
直)不満不満!女子がいい!w
岩)あはははw
なんて笑いながら
彼女を直人さんからガードする。
直人さんもなんだかんだで
酔っ払うとタチが悪いから。
直)いや〜でもほんと良かったよ。
岩ちゃんも頑張ってくれてありがとう。
岩)いえ。
直人さんは「部長」だけど…
休みの日には一緒にダンスしたり
共通の趣味があるから
社員の中でも特に俺を可愛がってくれてる。
岩)直人さんのご指導のおかげです。
直)またまた〜〜w
俺、調子乗っちゃうよ〜?♡
岩)あはははw
俺も早く直人さんみたいに
なりたいっす。
直)あははは♡
じゃあ直人さんのお願い
一個聞いてくれるー?
岩)え??
もう酔ってる?
赤い顔であひる口で甘えてくる直人さん。
岩)なんですか…?
直)席、変わって♡
岩)…っ
それは…
絶対ダメ!!!
だって…
岩)……
チラッと右隣を振り向くと…
〇)はぅ……//
岩)あーーー!!!
俺が直人さんと話してる間に
飲まされてるし!!!
臣)いい飲みっぷりだね〜〜w
もっといけんだろ、ほらw
〇)あぅ……//
岩)ちょっと、臣さん!!
臣)なんだよ。
岩)もうこれ以上、〇〇さんに
飲ませないでください!
俺は臣さんが渡しかけていたグラスを
取り上げた。
臣)いちいちうるせ〜な〜w
岩)〇〇さん、大丈夫?
〇)はい……//
全然大丈夫じゃなさそうじゃん。
目がトロンとしてるし…
直)大丈夫大丈夫。
酔って帰れなくなっちゃったら
俺が送ってあげるからねー♡
岩)!!!
お持ち帰りする気かよ!!
マジで…油断も隙もねぇ…
その後も浴びるように酒を空けていく
みんなの様子を横目で見ながら
俺はタイミングを見計らって
彼女を連れ出した。
〇)岩田さん…//
岩)いいから。
会場を出て
人目のつかないところで彼女を休ませた。
岩)ほら、ここ座って。大丈夫?
〇)うん…//
岩)ほんとに〇〇は…
断れない性格なんだから…
〇)……ごめんね?//
そんな可愛い上目遣いで
ごめんねなんて言われたら…
岩)いいよ//
ポンポン。
岩)今日は俺が送ってくから。
頭を撫でてそう言うと
〇)ありがとう、剛典♡
赤い顔をしてニッコリ笑った。
岩)……//
ああ、もう…可愛いなぁ…
だからほっとけないんだよ。
いつ誰に何されるかわかんない。
そう思ったらもう
ずっと俺の側に置いておきたくなる。
岩)〇〇…
俺は彼女の隣に腰掛けた。
〇)剛典…?//
岩)ん、こっち向いて…
〇)…っ///
彼女の顎を引き寄せて
唇を重ねた。
〇)……ん、んっ//
急なキスに戸惑いながら
俺のジャケットを握る小さな手が可愛くて
〇)剛…典…っ//
俺の名前を呼ぶために
少し開いた唇の間に
すかさず舌を滑り込ませた。
〇)んんっ、…ん…ぅっ///
アルコールの甘い香りが
キスの興奮を高めていく…
〇)は…ぁっ、ダメ、剛典…っ///
彼女から漏れる吐息に
さらに欲情した俺は
そのまま彼女を抱きしめた。
〇)剛典…?//
岩)ごめん…あんまり可愛いから…
〇)////
俺がそう言うと
腕の中で小さく静かになる彼女。
そんなところも可愛くてたまんない。
〇)こんなとこで…こんなキス…
ダメだよ…//
岩)ここじゃなきゃいいの…?
〇)…っ///
岩)泊まっていこうか、今日…
〇)え…っ
岩)ほら、丁度ホテルだし。
〇)////
きっと赤い顔してる。
わかるんだ。
そっと身体を離して、その顔を覗き込めば
ほら。
岩)なんでそんな赤いの…?w
〇)酔ってるんだもん…//
岩)…俺に、でしょ?w
〇)……ばかっ///
岩)くすくすw
ああ、可愛いなぁ…ほんと。
〇)こんな一緒にいるところ見られたら
バレちゃうよ…//
岩)……
そう。
俺たちが付き合ってることは
誰にも言えない。
秘密の社内恋愛。
岩)でも…まだ離したくない。
〇)ダメだよ、剛典…//
そんな色っぽくダメとか言われたら
男が余計興奮するって、
わかってる?
もう一度その頬に触れて
唇を重ねようとしたその時。
ピロリロリロ♪ピロリロリロ♪
岩)……げ、臣さんだ。
〇)…っ
電話に出ると
どこにいるんだと怒鳴られて
渋々、会場に戻った。
隆)あ〜〜岩田おかえり〜〜〜
岩)完全に出来上がってますね…
隆)なにがぁ〜?w
真っ赤な顔の隆二さん。
臣)お前早くビンゴやれよ!
俺はこの景品のために
今日来たんだからな!!
岩)はいはいw
幹事も企画も司会進行も
全部下っ端の俺の仕事。
岩)ではみなさん〜〜〜
ビンゴ大会始めますよ〜〜〜
って言っても
酔っ払いたちは全然聞いてない。
ビンゴカードを手に持って
目を輝かせてるのは、臣さんだけ。
臣)岩ちゃん!早く!!♡
岩)……
可愛いな、この人…
岩)え〜〜!皆さ〜〜ん!!
ビンゴやりますよ〜〜〜!!
マイクで声を張ると
ようやく俺に注目が集まり始めた。
グダグダのビンゴ大会がスタートして
俺は箱から番号を取り出して、読み上げる。
そんな横で俺の視界にチラチラ映るのは
直人さんに絡まれてる〇〇の姿。
岩)31番!
あ!!また肩組んだ!!
岩)次は…53番!!
あ!こんにゃろ!!
触んなっつーの!!
岩)え〜〜〜、25番!
隆)やった〜!俺ビンゴ〜〜!!
臣)はぁ?!お前ふざけんな!
インチキじゃねーの!?
隆)ほんとに揃ったも〜ん!!
二人が1位の景品を取り合ってる隙に
気付けば直人さんと〇〇の姿はなくて…
岩)!!!!
やられた!!!
俺はマイクをぶん投げて
会場を飛び出した。
どこだ!
どこに連れてった!!
岩)はぁ…っ、は…ぁっ
一通りフロアを走り回って
やっと見つけた二人の姿。
直)本当に〇〇さんは
頑張り屋さんだよねぇ♡
〇)ありがとうございます…//
エレベーターの前で
壁側に追いやられてる、〇〇が見えた。
直)今日は部長とお泊まりしちゃお?
ねっ?
〇)あの…っ//
直)ん〜〜可愛い♡
〇)ダメ…です、部長…っ//
直)ん〜〜〜♡
グイッッ
直)うおっっ
口をすぼめたまま
振り向く直人さん。
岩)何してんすか。
直)えっと〜これはその〜〜
岩)セクハラですか?
直)そうそう、セクハラ…、って、
違うよ!!///
岩)……
直)ち、違うって…やだなぁ…岩ちゃんw
岩)……
直)そんな怖い顔で睨まないでよ…w
セクハラなんかじゃないよ!
ね、〇〇さん?
〇)…っ
直)ね?!
〇)はい…、岩田さん、誤解です…//
岩)……
直)じゃあ俺、先戻ってるね〜w
岩)……
逃げるようにいなくなった直人さん。
目の前には真っ赤な顔をして
俺を見つめる〇〇。
岩)何、その顔。
〇)え…?//
岩)……
〇)……//
そんな赤い顔して…
目を潤ませて…
岩)ここで待ってろ。
〇)…っ
俺はそのまま会場に戻って
自分の荷物と〇〇の荷物を手に取った。
臣)岩田ぁ!隆二がインチキだった!
隆)違うもん!当たりだもん!
臣)景品は俺のだ!!
隆)だめ〜〜!!
まだそんなことをやってる二人を放置して
会場を出た。
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「ここで待ってろ。」
そう言われて
私が動けずにいると
荷物を持って戻って来た剛典。
〇)あっ…//
岩)行くぞ。
剛典の手に腕を掴まれ、
エレベーターに引き込まれた。
〇)……//
岩)……
お酒で…頭がポーッとして
フラフラする。
剛典…怒ってるの…?
射抜くような視線に
身体が動けなくなる。
〇)剛…典…?//
岩)……
エレベーターが止まって扉が開くと
連れて来られたのは
ホテルの一室。
トスッ
私をベッドに座らせると
荷物を置いてネクタイを緩めた。
〇)え…?
岩)俺が見つけなきゃ
こうして直人さんに
部屋に連れ込まれてたかも
しれないんだよ?
〇)……//
シュルシュルとネクタイを外し
私に近づく剛典。
岩)もう少しで…キスされそうだった。
〇)…っ
剛典の瞳に、嫉妬の色が滲んでいるのが
酔っている頭でも、わかって…
岩)それとも、キスされたかったの?
〇)…っ
岩)直人さんに…
〇)…っ
必死にフルフルと首を横に振ると
岩)ほんと悪い子だね…?
〇)…っ///
両手をネクタイで縛られた。
〇)剛…典…?//
私の前に立ちはだかる彼は
もうジャケットを脱いでいて…
〇)…っ///
誘惑って…何のこと…?
〇)や、…だめ、…剛典…っ///
両手の自由を失った私を
ベッドに押し倒した彼に、そう呟くと…
岩)だから、それ…
〇)…っ
岩)そんな顔して「ダメ」なんて…
男を余計、興奮させるだけだから…
〇)あ…っ、や…ぁっ//
シャツのボタンを外すのと同時に
私の胸元に唇を落とし始める彼。
〇)やっ、やぁっ、んっ…//
岩)そんな色っぽい顔…
〇)…っ///
岩)直人さんに見せて…
〇)ちがっ…
岩)俺、おかしくなりそうだった。
〇)…っ
岩)そんな顔、俺以外に見せないでよ…
〇)////
嫉妬の入り混じった低い声と
切ない表情に
胸がきゅぅっと音を立てる。
〇)あ、…待っ…て…っ///
彼の唇が与える快感に
小さくそう呟くと
岩)ダメだよ…?
〇)…っ///
私を見下ろして、そっと頬に触れる手。
その指先が唇をくすぐる。
岩)今日は…「ダメ」も「待って」も
何も聞いてあげない。
〇)…っ///
岩)抵抗なんてできないでしょ?
〇)////
縛られたまま頭上にある私の両手首は
彼の右手に優しくシーツへと沈められる。
岩)動けないまま…
俺に感じてたらいいよ…
〇)…っ////
そう言って…
思いのままに私の身体を遊んで
私を甘い快感の海で泳がせる彼に
私はただただ、
切ない声をあげることしか出来なくて…
いつもは優しい彼の「嫉妬」という感情に
彼の深い愛を感じながら
ぬくもりと幸せに包まれて…
ふと目を覚ました頃には
私に腕を乗せたまま
うつ伏せで眠る、彼の姿が
視界に広がった。
〇)……
岩)……
〇)…剛…典……
腕の重みすら愛しくて
汗で濡れた彼の前髪を
そっと指先ですくえば
岩)…〇〇…?
その綺麗な顔が、目を開いた。
〇)…っ
岩)……
起こしちゃった…
〇)ごめんね…?おやすみ…
岩)……
〇)……
岩)なに…言ってんの?
〇)……え?
〇)////
ぐいっと抱き寄せられた、腕の中。
岩)朝まで離さないから。
〇)////
そんな甘い囁き声が
また私の胸を優しく、締め付ける。
ーendー
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いつもドキドキしながら読んでます岩ちゃんが大好きなのでやばすぎです❤写真も最高です岩ちゃんに朝まで離さないから。って言われたいドキドキが止まらなくてまじヤバイです