Like a flower 〜後編〜

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……はぁ、疲れたなー。
 
 
遅番の人が急に体調を崩して来れなくなって
急遽、通しで入ることになった私。
 
家には連絡したけど、大丈夫かな。
ちゃんと晩御飯食べてるかな。
 
 
……きっとお弁当を買ってきてるに違いない。
 
かわいそうだから
明日は二人の好物を作ってあげようかな。
 
 
そんなことを考えながらも…
どうしてかな。
 
 
「……マジで美味い。」
 
 
思い出すのは、
美味しそうに私の料理を食べてくれる
登坂くんの顔。
 
 
〇)ダメダメ…。
 
 
私は邪念を振り払うように
頭をふるふると横に振った。
 
 
〇)ええと…明日の注文は…、、
 
 
伝票を手に取ってカウンターを出ると
ドアのベルが小さくチリリリンと鳴って。
 
 
〇)いらっしゃいま…
 
 
言いかけて、止まった。
 
 
入ってきたのは、彼だったから。
 
 
〇)どうし…て…
臣)お疲れ。一人?
〇)あ、…うん。
臣)こんな時間まで働いてんだ…。
〇)えっと…、今日は…ピンチヒッターで。
臣)そうなんだ。
〇)……どうして…ここ、わかったの?
 
 
私、花屋で働いてるとしか
言ってなかったよね。
 
お花屋さんなんていっぱいあるのに…。
 
 
臣)俺の直感。
〇)ええっ!
臣)すごくない?
〇)……すごい。
臣)会いたかった。
〇)え…?
臣)死ぬほど会いたかった…。
〇)…っ
 
 
死ぬ…ほど…って…、
……私に…?
 
 
〇)////
 
 
その言葉を確かめるように彼の顔を見たら
すごく真剣な眼で
私を真っ直ぐに見つめてて。
 
そんな眼で見られたら、
私は戸惑いを隠せなくなる。
 
 
〇)と、登坂くん…っ
  今日なんだかいつもと違うね!///
 
 
慌てて目を逸らして
誤魔化すようにそう言った。
 
 
臣)違うって、何が?
〇)か、顔!///
臣)顔?
〇)頭も!!///
臣)ああ、ヘアメイクのこと?w
  今日撮影だったからね。
〇)////
 
 
いつものすっぴんの登坂くんとは全然違う。
「登坂広臣」が目の前にいる。
 
 
臣)変?
〇)……ううん、カッコイイ…///
臣)えっ…
 
 
思わず本音を漏らすと
登坂くんは照れたように顔を赤くした。
 
 
臣)まぁ、いつもは指名手配犯だし?w
 
 
それを誤魔化すように笑って見せて。
 
 
臣)〇〇がカッコイイって言ってくれんなら
  ずっとメイクしとく。
〇)何…言ってるの///
臣)少しはドキッとしてくれたってことでしょ?
 
 
そんなことを言って
私の顔を覗いてくるから、
私は慌てて背を向けて、花の横を通り抜けた。
 
 
〇)////
 
 
「少し」…なんかじゃない。
この間から、ずっとドキドキしてる。
 
 
「……そばに、いて…。」
 
そう言って素直に甘えてくれたあの日。
 
 
彼は一緒に眠ってしまった私を
優しく抱きしめてくれてて…
 
その後も。
 
ありがとうのハグ、って言って…
キッチンで後ろから抱きしめられた。
 
 
彼に触れられて、
そのぬくもりを感じてしまって…
 
私は誤魔化せないくらいドキドキしていた。
 
 
ただ添い寝してあげてた時とは、全然違う。
 
 
甘えん坊で子供みたいな彼を
初めて男の人として意識してしまったから。
 
 
でも、それに気付いちゃいけなくて。
気付きたくなくて。
 
自分の気持ちに蓋をするように
彼からの連絡をずっと避けていた。
 
 
臣)ねぇ…、返事してよ。
〇)…きゃっ///
 
 
背中に彼のぬくもりを感じて、
私は飛び上がるようにして距離を開けた。
 
 
〇)と、登坂くんっ!///
  変装しなくていいの!?
臣)はい??
〇)だって…バレちゃうよ。
臣)〇〇しかいないんでしょ?w
〇)そうだけど…
  もしお客さんが来たら…
臣)大丈夫。どっから見ても
  花買いに来てるだけにしか見えないから。
〇)そう…かな?
犬)ワンッ!
〇)あっ!ルナ…っ!!
 
 
登坂くんの後ろから
ひょっこり顔を出したルナ。
 
 
〇)一緒に来てたの?気付かなかった!
  随分静かだったね?
犬)くぅぅぅん!
 
 
ルナは嬉しそうに私にスリスリしてる。
 
 
〇)お花の匂い、大丈夫かな?
臣)最初しかめっ面してたけどw
〇)わ、ほんと?
  だから静かだったのかな?
臣)でも今はご機嫌、
  〇〇に撫でてもらって。
犬)ワフッ♡
〇)あははは♡
  ごめんねー、匂いキツイよね?
犬)ワフッ♡
臣)〇〇に会えたから
  もうどうでもいいってさw
〇)えーー?w
 
 
可愛くすり寄ってくるルナに
私もスリスリと頬を寄せた。
 
 
〇)久しぶりだね、ルナ…、
  会えて嬉しい♡
犬)ワフッ♡
〇)あははは、くすぐったいw
臣)……久しぶり、だよね。
〇)え?
臣)自分で言ったじゃん、今。
  「久しぶり」って。
〇)あ…、…うん。
臣)……。
〇)……。
臣)なんで…会ってくんないの?
〇)……。
臣)全然来てくれねぇじゃん…。
〇)……。
臣)俺が不眠症で倒れてもいいの?
〇)…っ
 
 
少し口を尖らせて拗ねたような彼は
やっぱり甘え上手。
 
可愛くて、ずるいもん。
 
 
〇)……ごめんね…。
  なかなか時間が合わなくて。
 
 
なんて、嘘。
 
 
……だって…
これ以上一緒にいたら、
もっと彼を意識してしまいそうで、怖いから。
 
私はそんなことが許される立場じゃない。
 
 
臣)今日は…?
〇)…っ
臣)もう、閉店でしょ?
〇)……あ、
 
 
本当だ。もう22時だ。
 
 
〇)今日は…ダメだよ。帰らないと…。
臣)…っ
〇)家族が待ってるから。
臣)…っ
 
 
そんな切なげな目で…見ないで…。
……胸が苦しくなる。
 
 
臣)……ルナが…寂しがってるよ。
〇)…っ
 
 
登坂くんがそう言うと、
ルナは本当に目を潤ませて
寂しそうに私を見つめてきた。
 
 
〇)……旦那さんと子供が…
  寝た後でいいなら…、
臣)何時でもいい!!
〇)…っ
臣)〇〇が来てくれるなら何時でもいいから!
  ずっと待ってる!!
〇)…っ
 
 
そんなに…眠れないのかな…?
 
 
〇)わかった。
  じゃあ遅くなっちゃうけど…行くね?
 
 
少しためらいながら答えたら、
いつの間にか私は登坂くんの腕の中にいた。
 
 
臣)嬉しい…///
〇)////
 
 
ドキドキドキドキ、
鼓動が速くなって、熱くなる。
 
 
臣)ありがとう、〇〇///
〇)////
 
 
どうしよう…。
……ダメなのに。
 
こんな風に抱きしめられちゃ、ダメなのに。
 
 
臣)待ってるから///
〇)……(こくん)///
 
 
ダメってわかってるのに、頷いてしまう。
 
どうしよう。
どうしよう。
 
 
 
それから私は店を閉めて、家に帰って。
 
一通りの家事を済ませて
夫と子供が寝静まったのを確認してから
息を潜めるように、家を出た。
 
もし家にいないことがバレても
ちゃんと誤魔化せるような嘘まで
完璧に用意して。
 
 
……私、何してるのかな。
 
これって…浮気なの…?
違うよね?
 
だって…
私と登坂くんは…別に…何も…、、
 
 
……そうだよ。
私が勝手にドキドキしてるだけ。
 
そんなのも今だけだよ。
 
 
彼の不眠症が治れば
私はもう必要ないんだから。
 
 
彼が求めてるのは、私じゃなくて「安眠」。
ただそれだけ。
 
 
何度も自分にそう言い聞かせながら、
久しぶりの彼の部屋に、足を踏み入れた。
 
 
〇)遅くなってごめ…っ
 
 
言い終わる前に、抱きしめられて…
 
 
臣)ほんとに来てくれた…っ
〇)////
臣)ありがとう…っ
〇)……うん、///
 
 
強く強く、抱きしめられて…
ドキドキ音を立てる心臓に
必死にブレーキをかける。
 
 
臣)ベッド…行こ?
〇)……(こくん)///
 
 
添い寝するだけ。
添い寝するだけ。
 
彼が寝たら私はすぐ帰るんだから。
 
 
〇)……あ、あれ…?///
臣)はぁ…、……すげぇ落ち着く///
〇)////
 
 
どうして私が抱きしめられてるのかな?
 
 
〇)逆じゃ…ない?
  いつもは私が…
臣)これでいーのっ!
〇)…っ
臣)俺が抱きしめたいの、〇〇を。
〇)////
 
 
胸の音が聞こえないように、
気をつけなくちゃ…。
 
 
臣)ねぇ…。
〇)なぁに…?
臣)なんで花屋でバイトしてんの?
〇)どうしたの?急に。
臣)聞いてみたくて。
〇)……小さい頃からの夢だったの。
臣)へぇ!
〇)……バカにしてるでしょ…///
臣)ううん、してない、似合うなぁって。
  可愛い。
〇)か、可愛いの!?
臣)うん。
  将来の夢はお花屋さんです♡
  って言ってるミニ〇〇を想像したら
  可愛すぎた。
〇)勝手に想像しないで…///
臣)あはははw
 
 
登坂くんは笑いながら
その手は優しく私の頭を撫でていて…
私の胸はやっぱりまだ、ドキドキしたまま。
 
 
〇)……お花を渡すって…
  大事な気持ちを届けることと同じでしょ?
臣)え…?
〇)普段は言えないような気持ちも
  お花と一緒になら素直に伝えられたり…
臣)……。
〇)バレンタインでも誕生日でも
  クリスマスでも、母の日でも。
臣)…っ
〇)お花を渡すその先に、
  きっとみんな、大事な人の笑顔を
  思い浮かべてると思うの。
臣)……うん。
〇)そんな素敵な瞬間のお手伝いが出来るって
  幸せだなぁって思って…。
臣)うん…。
 
 
登坂くんはゆっくり相槌を打ちながら
また私をぎゅっと抱きしめた。
 
 
〇)どうして…ぎゅってするの…?///
臣)……愛しいから。
〇)えっ…
 
 
愛しい…って、……私が?
 
 
臣)ありがとう。
〇)え…?
臣)〇〇の仕事は人を幸せにしてると思うよ。
〇)…っ
臣)その笑顔で癒されてる人もいるし…
  さっき言ったみたいに。
  〇〇に背中を押されて
  素直に気持ちを伝えることができた人も
  たくさんいると思う。
〇)…っ、
 
 
登坂くんがそう言ってくれて…。
 
その言葉に、私は胸を打たれたように
感動してしまった。
 
 
臣)……なんで泣きそうになってんの。
〇)だって…///
 
 
登坂くんがそんな嬉しいことを
言ってくれるから。
 
 
〇)ありがとう…///
臣)だからありがとうは俺だってw
〇)……どうして?
臣)んー?……ひみつw
〇)なぁにそれーー!
臣)あはははw
 
 
登坂くんは嬉しそうに笑って
また私の頭を撫でてくれた。
 
 
〇)登坂くんは…
臣)それ、やだ。
〇)えっ…
臣)「登坂くん」って、やだ。
〇)…っ、……ルナくんの方が…良かった?
臣)ちげーよ!w
  なんで今更そこに戻んだよ。
〇)えっ…
 
 
じゃあどうすれば…
 
 
臣)「臣」って呼んで。
〇)…っ
 
 
そう言われた私は、
それを素直に聞き入れることが出来なかった。
 
 
……だって…
そんな風に呼んだら…
 
今よりもっと、気持ちを引っ張られそうで……
 
 
臣)呼んで。
〇)どうして…?
臣)……。
 
 
言うことを聞かない私に、
登坂くんはゆっくり起き上がって…
 
私の身体を跨ぐようにして、私を見下ろした。
 
 
臣)呼んで?
〇)////
 
 
……逆らえないような…この体勢は、
一体、何?
 
 
臣)呼んで、〇〇。
〇)////
 
 
ダメ。
意識しちゃダメ。
 
 
〇)登坂くん、で…いいじゃない。
臣)やだ。
〇)どうして?
臣)理由なんか…いいじゃん…。
〇)…っ
 
 
そう言った唇が…
私の耳に触れそうなくらい、
近いところまで下りてきた。
 
 
臣)呼んで?
〇)////
 
 
耳にかかる息…。
 
優しく響く声…。
 
 
……こんなの、もう…、逆らえない。
 
 
〇)…っ
臣)……。
〇)……お、…み///
 
 
目をぎゅっと瞑ったまま、
小さく呼んだら…
 
彼は何も言ってくれなくて。
 
 
ゆっくり目を開いて、確認したら…
 
 
臣)////
 
 
すごく嬉しそうな
照れたような表情を浮かべて
私を見つめる彼がいた。
 
 
〇)////
 
 
どうしよう。
……まるで、胸を鷲掴みにされたような気分。
 
 
臣)……可愛い///
〇)え!?///
臣)すげぇ可愛い///
〇)////
 
 
彼は本当に嬉しそうで…
たまりかねたように
優しく私の頬をそっと撫でた。
 
 
臣)もっかい…呼んで…?///
〇)////
 
 
見つめられるだけで、頬が焼けそう…。
 
 
〇)お…、み…、///
臣)////
 
 
どうして…?
 
……どうして名前を呼ぶだけで
そんな顔をするの?
 
 
臣)……ほんと可愛い…、どうしよう…///
〇)きゃ…っ///
 
 
まるで愛おしい宝物を抱きしめるようにして
優しい腕の中に、包まれた。
 
 
……こんなの、無理だよ…。
ドキドキしないなんて…、無理だよ。
 
 
〇)…ほ、ほらっ…、早く寝なさい///
 
 
胸の高鳴りを必死に隠すように
そう言ったら…
 
彼は拗ねたように口を尖らせた。
 
 
〇)そんな可愛い顔して…、ずるい///
臣)は??
  可愛いってなんだよ。
〇)だって…可愛いもん…。
  お…み…は、甘え上手だよね。
臣)んなことねーし。
  子供扱いばっかしてないで
  男として見てよ、俺のこと。
〇)…っ
 
 
どうして…
そんなこと…言うの…?
 
 
彼を異性として
意識する女性なんてたくさんいるだろうし
彼はそれを求めてないってわかってた。
 
だから私は…、
 
 
臣)男なんだよ。
〇)////
 
 
真っ直ぐに見下ろされて…
私は逃げるように視線を逸らした。
 
 
〇)だって…!
  臣…のこと…、知らない方が
  良かったんでしょ?
臣)…っ
〇)既婚者の方が都合が良かったんでしょ?
  …なのにどうして…っ
臣)最初はそうだったけど今は違う。
〇)…っ
臣)今は…違うんだよ。
 
 
必死に気持ちを抑えてるのに…
そんな目で、私を見ないで。
 
 
臣)ちゃんと見ろよ、男として、俺のこと。
 
 
切なげな声は
色気と憂いを帯びて、私の耳を侵していく。
 
 
〇)……お…、み///
 
 
また近付いてくる身体を、
両手で押し上げようとしたら…
 
力で敵うはずなんて、なくて。
 
 
私はまた、彼に強く抱きしめられていた。
 
 
臣)そう呼んでくれんの…すげぇ嬉しい///
〇)…っ
臣)もっと…呼んで。もっと…聞きたい。
〇)////
臣)……ね、お願い。
 
 
耳元で甘えるように囁かれて…
 
 
〇)……臣、///
 
 
そう呼ぶたびに、
気持ちが溢れ出しそう。
 
 
臣)〇〇…、///
〇)////
 
 
そんな愛おしそうに、呼ばないで…
私の名前を。
 
 
臣)〇〇、///
〇)////
 
 
彼の手は相変わらず
優しく優しく、私の頬を撫でていて…
 
その綺麗な瞳は
熱を宿して、真っ直ぐに私を見つめてる。
 
 
ゆっくりと吸い寄せられるように
近付いてきた唇を、
避ける術なんて、なかった。
 
 
……だって…、
 
私が、それを望んでたから。
 
 
こんな甘い気持ちに包まれて…
そのまま欲しくなってしまっていたの。
 
彼の、キスを。
 
 
臣)////
〇)////
 
 
一度、離れた唇。
 
見つめ合う瞳。
 
 
しばらく視線を重ねた後、
私たちはどちらからともなく唇を開いて…
 
また吸い寄せられるように、キスをした。
 
 
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
 
 
ダメだってわかってる。
わかってるから…
 
必死に、キスだけにとどめたんだ。
 
 
本当は欲しかった。
その先が。
 
もっと欲しかった。
〇〇のことが。
 
 
でもダメだ。
わかってる。
 
 
必死に理性を働かせて
自分にブレーキをかけて…
 
でもあふれる気持ちはとめどなくて…
俺たちは何度も夢中でキスをした。
 
 
……同じ気持ち…なんだろうか…。
 
 
そんな期待まで、抱いてしまうほどに…
 
彼女とのキスは、甘くて、甘くて、
幸せだった。
 
 
ためらいがちに俺を「臣」と呼ぶその声は
あまりに色っぽくて…
 
可愛くて、たまらないんだ…。
 
 
〇)……も…、…ダ…メ…///
臣)なんで…?
〇)帰れなく…なっちゃう…
臣)帰るなよ。
〇)…っ
臣)帰さない。
〇)////
 
 
俺はベッドの中、
そのまま彼女を腕の中に閉じ込めて…
 
朝が来るまで、離さなかった。
 
 
 
それから俺たちは
会うたびにキスを重ねるようになって…
 
 
彼女は添い寝だけして
すぐに帰ってしまう時もあったけど…
 
できる限り、俺と一緒にいてくれた。
 
 
不眠症は治ったとはいえ、
やっぱり一人で眠るのと、
彼女を抱きしめて眠れるのとでは
全然違って。
 
彼女のぬくもりを感じられる夜は
眠るのがもったいないくらい、
俺はその幸せを噛みしめた。
 
 
「好き」だなんて言わない。
「好き」だなんて言えない。
 
 
でも、消せない気持ちは
切ないくらいにどんどん募っていく。
 
 
このまま降り積もっていったら
どうなるんだろう。
 
いつか雪みたいに溶けて消えたり
するんだろうか。
 
 
……そんなこと、あるはずがない。
 
 
〇〇を想うこの気持ちは
もう一生俺の中から消えることはない。
 
そう確信できるほど、
俺の〇〇への想いは日々確かなものへと
変わっていった。
 
 
この恋に、未来なんてない。
それはわかっているのに。
 
 
〇)今日は…すぐに帰らないと…。
臣)…ルナが行かないでって…言ってる。
〇)…っ
 
 
俺の気持ちはルナに代弁してもらうばかりで
自分で言葉になんて出来るわけなくて。
 
 
臣)寂しいって言ってるよ。
犬)くぅぅぅん……
〇)……。
 
 
彼女はルナの頭を撫でた後、
立ち上がって俺の頬をそっと撫でた。
 
 
〇)寂しがってるのは…ルナだけ…?
臣)…っ
 
 
俺が寂しいって言ったら…
側にいてくれんの…?
 
そんなわけない。
〇〇には家庭があるんだから。
 
 
〇)……臣、
臣)……。
 
 
彼女が俺をそう呼ぶたびに
嬉しさと切なさが胸にこみ上げる。
 
 
〇)……ごめん…ね?
臣)…っ
 
 
それは、何に対して…?
 
 
〇)週末…なら…、ゆっくりできるよ…?
臣)え…?
〇)家族が…田舎に帰るから。
臣)〇〇は行かないの?
〇)うん。
臣)…っ
 
 
胸が期待に弾む音がした。
 
 
臣)じゃあ…うち来てくれるの…?
〇)臣が…望むなら。
臣)来て。
 
 
俺は迷わずそう言った。
 
 
臣)一緒にいたい。
 
 
縋るように、その柔らかな髪に触れて。
 
綺麗なまつ毛が伏せられていくのを見届けて、
その唇にそっとキスをした。
 
 
キスをする度に、
気持ちが通じ合ってる気がする。
 
 
でも、どちらも言わない。
「好き」だとは。
 
言えるわけがないことは、わかってるから。
 
 
だからその分も、キスで埋め合うように…
 
夢中で互いの唇を求めるんだ。
 
 
 
それから約束の週末、
俺は少しでも彼女と一緒にいたくて、
仕事を全部調整してもらって
二日間、ほぼオフな状態にしてもらった。
 
 
昼間はルナも一緒に少し遠くの公園に出かけて
走り回ったりして…
 
疲れて帰ってきたら〇〇が
美味しい料理をパパッと作ってくれて。
 
 
〇〇が俺の彼女だったら
こんな感じなのかな、とか…
 
叶いもしない夢を、思い描いたりした。
 
 
〇)ふふふ、臣ってばーー
  ちゃんと噛んで食べてね?w
臣)だって美味いんだもん。
〇)もぉーーーw
 
 
相変わらず俺のことを子供扱いするけど…
そんな〇〇もたまにおっちょこちょいなんだ。
 
 
臣)ほーら、危ないって。
  届かない時は俺呼べよ。
 
 
高い棚に食器をしまおうとして
一生懸命背伸びをしてる彼女を
後ろから支えた。
 
 
〇)ありがとう、///
 
 
どさくさに紛れて、そのままハグをして。
 
 
一番最初にここでハグした時、
彼女が真っ赤になったのをふと思い出した。
 
 
〇)臣、いつまでこうしてるの?///
 
 
全然離そうとしない俺を、
困ったように振り返ったその顔も可愛くて。
 
 
臣)キスしてくれたらいいよ。
〇)えっ…
臣)そしたら離してあげる。
〇)////
 
 
こんな風に〇〇を困らせるのも、
いつものこと。
 
だって、反応が可愛くて。
 
 
〇)困ったな…、///
臣)何が?
〇)キス…してもいいけど…
  ずっとハグもしてたいの///
  ……贅沢…でしょ?///
臣)////
 
 
こうやって…可愛いことを言って
俺をメロメロにしてくるのも、いつものこと。
 
 
ピロリロリロ♪ピロリロリロ♪
 
 
〇)あ…っ
 
 
その時。
 
 
俺たちの幸せな時間を引き裂くように
彼女の携帯が鳴った。
 
 
〇)……ごめんね、
 
 
彼女は気まずそうにそう言って
窓際で電話に出た。
 
 
相手は旦那だろう。
なんとなく、そんな気がして…
 
俺は会話が聞こえないように
一人で寝室に入って、その扉を閉めた。
 
 
………なんだよ。
 
普段好きなだけ〇〇を独り占めしてるくせに。
 
 
今日くらい…
 
今日くらい…
俺のことだけ考えていて欲しかった。
 
 
なんで電話してくんだよ…。
 
 
臣)はぁぁぁ……。
 
 
自分勝手な考えばかりが
頭の中を支配していく。
 
 
どうして彼女は既婚者なんだろう。
 
今の旦那より
俺の方が早く出会ってたら…
 
俺との未来も、あったんだろうか…。
 
 
〇〇の笑顔に心癒されて…
そんなことも忘れた数年後に再び出会って、
また癒されて。
 
俺はこんな出会い、運命だと思ってる。
 
 
〇〇じゃなきゃダメなんだ。
 
……好きなんだよ、こんなに。
 
 
……ガチャ。
 
 
臣)…っ
 
 
ドアが開く音に顔を上げたら、
困り笑いを浮かべた彼女が
ゆっくりとこっちに歩いてきた。
 
 
〇)ごめんね…。
臣)ううん。
〇)別に用事じゃなかったみたい…。
臣)え…?
〇)寂しかったんだって…。
臣)は??
〇)普段そんなこと言う人じゃないのに…
  どうしたんだろう…。
臣)…っ
 
 
意味がわかんねぇ。
 
寂しくて電話してきただけ?
なんだよそれ。
 
普段、散々〇〇と一緒にいるくせに。
それが許される立場で…
好きなだけ〇〇を独占できるくせに。
 
 
〇)臣…?
 
 
枕から顔を上げない俺の頭を
彼女の手が、優しく撫でていく。
 
 
臣)……見ないで。
〇)…っ
臣)たぶんひどい顔してっから。
〇)え…?
臣)嫉妬に狂いそうな顔。
〇)…っ
 
 
心配そうに顔を覗いてくる彼女に
そう言って…
 
俺は優しいその手を、押しのけた。
 
 
臣)触んないで。
 
 
……好きすぎて、苦しい。
 
 
どんなに望んでも、手に入らない。
叶うことのない、この想いが。
 
 
〇)……お…、み…、
 
 
そんな声で…俺を呼ぶなよ…。
 
 
〇)……ね、臣…。
臣)…っ
 
 
ためらいがちに肩に触れたその手を、
俺は思わず掴み取った。
 
 
臣)触るなって…言ったじゃん…
〇)…っ
 
 
そのままベッドの上に、彼女を押し倒した。
 
 
臣)俺が…どんだけ我慢してるか…
  知ってる…?
〇)…っ///
 
 
こんなに好きで、好きで、触れたくて。
 
 
臣)いつもいつも、キスだけで…
  必死に抑えてんだよ…。
〇)////
 
 
本当は、俺のものにしたい。
〇〇の何もかも、その全てを。
 
 
臣)欲しくて…仕方ないのを…
  必死に…、
 
 
そう言いながら、涙がこぼれてきた。
 
 
〇)…っ、お…み…、っ
 
 
俺の名を呼ぶ甘い唇を、キスで塞いで。
 
 
臣)好きすぎて…狂いそうなんだよ…っ!
 
 
……遂に、口にしてしまった。
 
言ってはいけない、その言葉を。
 
 
……もう、抑えられなかった。
 
 
抱きしめてる彼女の身体は
小さく震えていて…
 
 
……俺の耳に、頼りなく届いたのは…
か細い、泣き声だった。
 
 
〇)臣が…、…す…き…っ
 
 
確かにそう聞こえて、顔を上げたら…
 
 
〇)……臣が好き…っ!
 
 
彼女も泣いていた。
 
 
俺と同じように涙をこぼして…
俺と同じように、
その言葉を口にしてしまった。
 
 
臣)〇〇…っ、
〇)臣…っ!
 
 
……その日、俺たちは初めて…
 
心も身体も、結ばれた。
 
 
熱く深く、繋がって…
確かなぬくもりを、感じ合って。
 
 
それを何度も何度も、確かめ合って。
 
 
手に負えないほどに、幸せだった。
 
 
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
 
 
初めて結ばれた夜から、
私たちは、何度も何度も、愛し合った。
 
会うたびに、お互いを求めて、止まらなくて。
 
 
添い寝だけだから浮気じゃない…
なんて言い訳してた頃の自分が、嘘みたい。
 
 
もう、わかってる。
 
どうやったって誤魔化せないくらい
私たちの今の関係は
「罪」と呼ばれるものだって。
 
 
でももう、抑えられないの。
 
 
だって…
ずっと、我慢してた。
 
好きだなんて言えない。
言っちゃいけない、って。
 
 
でも私たちは、その線を、超えてしまった。
 
 
想いを言葉にしてしまった。
伝え合ってしまった。
 
……そして、心も身体も、結ばれてしまった。
 
 
一線を超えてしまったら
もう何もかも、戻れない。
 
好きな気持ちは加速するばかり。
 
 
〇)臣…、もう…ダメ、///
臣)無理…。
〇)////
 
 
長めに一緒にいられる日は、
臣は私を離してくれない。
 
 
〇)……あ、…ダ…メ///
臣)やなの?
〇)…っ
臣)ねぇ。
〇)あっ…、ダメだってば…///
臣)ダメとかじゃなくて…
  嫌かどうか聞いてんの。
〇)……そんなの、ずるい…///
臣)嫌なの?〇〇。
〇)////
 
 
色気を含んだ甘い声で
色気を纏った甘い瞳で
 
臣は私を、骨まで溶けるくらい
愛してくれる。
 
 
臣)……可愛い、〇〇///
〇)////
臣)好きだよ、愛してる…。
〇)////
 
 
幸せすぎて、泣きたくなるの…。
 
 
こんな気持ち、知らなかった。
臣に会うまで、知らなかった。
 
 
ただただ平凡に暮らしていただけの
そんな私に
 
突然舞い降りてきた、甘い幸せ。
 
 
〇)臣、大好き…、愛してる///
臣)……ん、///
 
 
離れられるわけが、ないよ…。
 
 
私の臣への想いは、日に日に増していって…
臣と愛し合う時間が、何より幸せで。
 
 
私はもう、何も考えられないくらい…
臣との愛に、溺れていった。
 
 
夫)聞いてる?
〇)ああ、うん。
 
 
家族で食事をしていたある日、
夫がふと寂しそうに、私を見つめてきた。
 
 
夫)お前の心は最近…
  一体どこにあるんだろうな…。
〇)…っ、…何…言ってるの?w
 
 
笑顔でごまかしたけど…
ちゃんと笑えているのかも自分でわからない。
 
 
夫)俺が好きなお前の笑顔は…
  そんなんじゃないよ…。
〇)…っ
 
 
その悲しげな顔に、胸が痛む。
 
どうしたらいいの?
 
私は…家族も大切だけど…
……でも。
 
 
今の私はもう、
臣と離れることなんて、出来ない。
 
こんなに深く、愛してしまったから。
 
 
夫)俺のこと…まだ愛してる…?
〇)……もちろん、愛してる。
 
 
家族として、大切に思ってる。
 
 
夫)子供のことは?
〇)愛してるわ。
 
 
子供は私の宝物。
そう思ってた。
 
誰より何より大切って、
ずっとそう思ってた。
 
思ってたはずなのに…
 
 
私が今、この世で一番愛してるのも
一番大切なのも…、
 
いつの間にか、臣になってしまった。
 
 
その事実に、涙があふれて、止まらない…。
 
 
夫)どうして…泣くの…?
〇)…っ
 
 
私はもうそれ以上、
何も話すことが出来なくなって…
 
ただ、ずっと、泣き続けた。
 
 
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
 
 
臣)どうした…?元気…ない?
〇)……(ふるふる)
 
 
最近の〇〇はいつもこうだ。
 
 
俺と一緒にいても、ふと気付けば
泣き出しそうな顔をしてる。
 
 
〇)臣のことが…大好きなの…。
臣)うん…。
〇)こんなに…好きになって…ごめんね…?
 
 
そう言って、俺の腕の中…
身体を震わせて泣いている〇〇。
 
その「ごめんね」は…誰に対して…?
 
 
臣)……。
 
 
わかってる。
〇〇を苦しめてるのは俺なんだ。
 
 
「家族が災いなく健康に暮らせることかな。
 多くは望まないよ。それだけで、幸せ。」
 
 
初めて出会った日、
〇〇はそう言ってた。
 
〇〇の幸せな日常を壊したのは、俺なんだ。
 
 
俺と愛し合えば愛し合うほど
〇〇は罪の意識に苦しんでしまう。
 
 
……でも。
それがわかっていても、
俺はもう〇〇を手放せない。
 
どうしようもないくらい、
こんなにも愛してしまったから。
 
 
臣)……俺、最低だな…。
〇)え…?
臣)……愛してる。
〇)…っ
臣)愛してるよ、〇〇。
〇)……お…み…、っ
 
 
最低だってわかってる…。
それでも。
 
どんなに罵られようと蔑まれようと…
この想いは消せないんだ。
絶対に。
 
 
臣)〇〇。
 
 
俺は彼女の手を取って
その綺麗な瞳を真っ直ぐに見つめた。
 
 
臣)俺のものになって。
〇)…っ
臣)全部全部、俺が責任取るから。
  引き受けるから。
  だから…、……頼む、
  俺のところに来て、〇〇。
〇)…お…み、っ…
 
 
悪いのは、俺だから。
罪は全部、俺が一人で背負うから。
 
 
臣)全部捨てて、俺と生きて…。
〇)…っ
 
 
〇〇はぽろぽろと涙をこぼして
俺にしがみついた。
 
 
臣)愛してる、〇〇…。愛してる…。
 
 
俺は何度もそう繰り返して…
 
自分の愛情全てを〇〇に注ぎ込むように
何度も何度も、〇〇を愛した。
 
 
時間も忘れるほどに抱き合った翌朝。
 
彼女は本当に全てを捨てて、
俺の元へ来てくれた。
 
 
ずっと〇〇を独り占めしたくて
狂いそうだったのに…
 
いざそれが叶うと、
こんなに切ない気持ちになるなんて。
 
 
でも、後悔させないから。
絶対に、幸せにするから。
 
 
 
 
……
 
 
 

 
 
 
〇)……あ、起きた…?
臣)……。
 
 
〇〇の優しい声が頭の上から聞こえてきて…
 
 
犬)ワンワンっ♪
 
 
庭からはルナの楽しそうな声が聞こえる。
 
 
〇)臣はほんと…朝弱いねw
 
 
頭を撫でてくれるその手が気持ち良くて
俺はまたゆっくりと目を閉じた。
 
 
〇)……可愛いなぁ…。
臣)可愛いって何。
〇)あれ、まだ起きてたの?///
臣)起きてるよ。目ぇ閉じてるだけ。
〇)……臣の寝顔が…可愛いなぁって。
臣)……じゃあぎゅってして。
〇)わっ…///
 
 
ベッドを背に座ってる〇〇の膝の上に
無理やり頭を乗せて、抱きついた。
 
 
〇)出た出た、甘えん坊。ずるいやつ///
臣)なんだよそれw
〇)可愛くて、ずるいんだもん///
 
 
そう言いながらも、その声は嬉しそう。
 
 
〇)私ね、初めてだったの…。
臣)……何が…?
〇)男の人のこと…、こんな風に…
  可愛いなって思ってキュンとしたり…
  愛しくて仕方ない気持ちになるの…。
臣)……。
〇)何があっても守りたいって、
  そう思うくらい大切に感じるのも。
臣)……。
〇)臣のこの笑顔は、私が守るんだ…♡
臣)……///
 
 
幸せそうに微笑むその姿が愛しくて。
 
 
臣)子供扱いすんなって言ってんだろ///
  守るのは俺だし!
〇)えー?w
 
 
俺は起き上がって、
〇〇をグイッと膝の上に乗せた。
 
ビーチから吹く潮風が
窓から心地良くそよいでる。
 
 
臣)抱いていい?
〇)えっ…
 
 
俺の言葉に、〇〇の頬は
みるみる赤く染まっていく。
 
 
〇)ずるい///
臣)何がw
〇)そうやって急に…
  男らしくなるの、///
  さっきまで子供みたいに可愛かったのに…
  …っ、きゃっ!///
 
 
ドサッ
 
 
臣)お前が勝手に子供扱いしてんだろ?
〇)////
臣)どうすんの?
  抱かれる?抱かれない?
〇)////
 
 
俺の意地悪な質問に
〇〇は答えを出さずに…
 
 
〇)……臣、大好き、///
 
 
ただそう言って、
俺の首に腕を回してきた。
 
 
臣)////
 
 
相変わらず可愛すぎて、困る。
 
 
臣)……じゃあ遠慮なく抱くから。
〇)////
 
 
さっきまで涼しいと感じていた部屋の中も
二人が愛し合えば、一気に熱が上がって。
 
気付けば汗を流しながら
ただただ夢中で、身体を重ねてる。
 
 
〇)臣、愛してる、愛してる…っ///
臣)俺も愛してるよ、〇〇、っ…
 
 
幸せすぎるこんな時間が
永遠に続けばいい。
 
 
俺たちが犯した罪は一生消えることはないし…
 
〇〇は俺のために全てを捨てたことを
今でも忘れていないし
 
その苦しみだって、しっかり残ってる。
 
 
でも、だからこそ。
 
その分も俺は…
命をかけて、〇〇を守りたいんだ。
幸せにしたいんだ。
 
 
臣)……渡したいものがあるんだけど。
〇)え…?
 
 
俺に愛されすぎて
ベッドの中でくたーっとしてる〇〇は
ぼんやりとその目を開いた。
 
 
臣)……はぁ、可愛いなぁ…///
〇)え?
臣)また抱きたくなってくる。
 
 
そう言ってその頬にキスを落とせば…
 
 
〇)今はもう…無理だよ…///
 
 
〇〇は恥ずかしそうにシーツに潜り込んだ。
 
 
臣)マジで可愛い。なんなの?///
〇)やーっ、めくらないでー!///
臣)ダメ。可愛いからお仕置き。
〇)やんっ!///
 
 
柔らかい素肌を抱きしめて、
腕の中に閉じ込めて。
 
この幸せを、噛みしめる。
 
 
臣)……やっぱもっかいする?///
〇)しないよ!///
臣)じゃあ昼食べたらしよっか。
〇)……うん、///
臣)後でならいいんかい!w
〇)だって!///
 
 
〇〇は照れたように俺にしがみついてきて…
 
 
〇)臣に愛されるの、
  すごくすごく…幸せだもん///
 
 
甘えた声で、そう呟いた。
 
 
臣)////
 
 
……はぁ、ほんと可愛すぎて困る。
何年経っても、〇〇は可愛い。
 
 
〇)渡したいものって…なぁに?
臣)んー、…じゃあそろそろ起きよっかw
 
 
二人で仲良くシャワーを浴びて
白いシャツを羽織って。
 
 
犬)ワンワン!♪
臣)お、来たなルナ。
 
 
尻尾を振ってご機嫌なルナに
合図を送ったら、
 
ルナがそれを咥えて持ってきてくれた。
 
 
〇)わっ、どうしたの?これ!///
臣)はい、どうぞ。
〇)////
 
 
ルナから受け取ったのは
〇〇が大好きな花の、大きな花束。
 
それを差し出すと、
〇〇は嬉しそうに顔を綻ばせた。
 
 
俺が好きになった、この笑顔。
 
 
〇)どうして…?
臣)今日、なんの日か知らない?
〇)え…?……ええと…
  え?母の…日?
臣)うん。母の日だけど、
  それだけじゃない。
〇)え?
臣)俺たちが、出会った日。
〇)え?
 
 
目を丸くしてる〇〇は
なんのことか全然わかってない。
そりゃそーだ。
 
 
俺と出会ってくれてありがとう。
 
想い合えたことの奇跡に感謝して、
この気持ちを贈ります。
 
 
〇)カードも…臣が書いてくれたの…?
臣)俺の字でしょw
〇)うん…っ
 
 
〇〇の目からこぼれる綺麗な涙を
そっと拭った。
 
 
臣)これから先も、ずっとそばにいて。
  愛してるよ、〇〇。
 
 
出会った時から
俺の心を掴んで、離さない。
 
 
花が咲いたように笑う
その眩しい笑顔を…
 
ずっとずっと大切に、守っていくから…。
 
 
 
 
 
 
ーendー

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