【72】ママへのお願い

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臣)ただいまー。


あれ?


臣)ただいまー?


♡が飛んでこない…
寝てんのか??


リビングのドアを開けると
♡はパソコンを開いたまま
その上にうつ伏せで寝てた。


臣)おーい。
♡)……
臣)爆睡??


俺が少し触れたせいで
パソコンの画面がついた。


臣)ん?


見てみると
観光サイトとか旅行サイトを
いっぱい開いてた。


臣)ぷっww
  おいっ、起ーきーろーw
♡)う…ん…
臣)ただいま。
♡)あ…お帰りなさい…
  寝ちゃってたぁ…
臣)旅行の調べてたの?w


俺がそう聞くと


♡)あ…うん!!そう!!


♡の目がパチッと開いた。


♡)調べてたのー!!♡♡
臣)行きたいとこあった?
♡)あのね、あのね!
  ホットロードツアーしたい♡
臣)はい??
♡)ロケ地巡り~~♡♡
臣)ほ~~
♡)臣くんも懐かしいでしょ?♡
臣)懐かしいけど…w
♡)行きたい行きたい~~♡♡
臣)湘南かぁ…
  じゃあそのまま箱根とか
  伊豆あたり行く?
♡)わぁ♡いいね♡♡
臣)じゃあホテルは俺探して
  予約しとくわ。
♡)ほんとー??
  わーい♡ありがとう♡♡
  じゃあ…私は…
  ロケ地の下調べしとく!!
臣)いや、俺覚えてるってw
♡)ほんと?場所とかも?
臣)はい。
♡)じゃあ全部臣くんに
  任せちゃおーっと♡♡
臣)りょーかいw
♡)えへへー♡ありがと♡♡


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


嬉しくって
臣くんに抱きつこうとした瞬間
電話が鳴った。


♡)あれ?ママからだ。
臣)え!


♡『もしもし?うん、大丈夫だよ?
  あ、日曜日?
  うん!大丈夫!!わかったー♡
  はーい!じゃあまたね♡』

ピッ


臣)日曜??
♡)うん!
  今月ね、ママとごはん行こうって
  約束してたんだけど
  日曜日になったー♡
臣)え、それ俺も行きたい!
♡)え?!!


臣くんも?!


臣)え、ダメ?
♡)え!え!ダメじゃないけど…
臣)だって俺、
  会いたいって言ってたじゃん。
♡)うん…
  私もママに話してみようって
  思ってたけど…
臣)会わして。
♡)えっと…
  断られるかもしれないよ?
臣)うん、いいよ。
♡)じゃあ聞いてみるね?
臣)うん。


プルルルル。プルルルル。

ピッ。


♡)どうしよう!
臣)何が!
♡)あ、プルルって鳴らしたのに
  切っちゃった。
臣)イタ電じゃん!w
♡)だって!え!
  あのね、臣くんだって
  先に言った方がいいのかな?
臣)え?
♡)言わない方がいいかな?
  どうしよう…
  わ!わ!
  ママからかかってきちゃった!
臣)そりゃかかってくるだろw
♡)わ!わ!


ピッ

♡『も、もしもし!』
マ『どうしたー?』
♡『あ、ごめんね!えっと…あの…』
マ『なに?』
♡『日曜日ね、彼氏も一緒でいい?』
マ『はい?』
♡『か、彼氏…』
マ『……』


ち、沈黙が…怖い…


マ『何。結婚でもすんの?』
♡『そうじゃないけど…』
マ『じゃあ結構ですー。』
♡『え~!!!』


あっさり断られた!


♡『ママに会って欲しいんだもん!』
マ『……』
♡『彼もね、ママに会いたいんだって。』
マ『ほ~~~』
♡『……』
マ『別に会いたくないって言った?』
♡『言ったけど、それでも会いたいって。』
マ『……』
♡『私も…会ってほしいんだけど。』
マ『……』
♡『お願い!!!』
マ『…しゃーねーな~~~』
♡『会ってくれるの??』
マ『わかったよ。連れてきな。』
♡『ほんとー?!!
  やったぁ~~!!♡♡』
マ『じゃあ日曜にね?』
♡『あ!ママ、待って!!』
マ『なに?』
♡『えっと…あの…ね?
  彼氏なんだけど…』


先に…言った方がいいよね?


♡『あの…えっと…』
マ『……』
♡『その…』
マ『なんだよ!w』
♡『……臣くんなの!!』
マ『はい?』
♡『三代目の…』
マ『三代目?』
♡『うん。』
マ『臣くん???』
♡『そう…、三代目のヴォーカルの。』
マ『登坂くんのこと?』
♡『そう。』
マ『登坂くんに似てるの?』
♡『え!あ…』
マ『ふーん♪イケメンなんだ~』
♡『あ、違うの。本人なの。』
マ『はい?』
♡『臣くん本人です…。』
マ『……』
♡『……』
マ『はぁ~~!?!?
  何それ!!
  は?!!ほんとに!??』
♡『う、うん…』


ママの声が大きくて
臣くんが心配そうに見てる。


マ『ほ、本人って
  三代目の登坂広臣くん?!』
♡『うん。』
マ『ホットロードの?!!』
♡『うん。』
マ『あんた登坂くんと付き合ってたの?!』
♡『はい…』
マ『うっそ!!!!!』
♡『ほんと…』
マ『瞬は知ってんの??』
♡『あ、まだ言ってないの。』
マ『瞬聞いたら
  ひっくり返るんじゃない?』
♡『あ、ちゃんと私から言うから…』
マ『いや~びっくりした。
  信じられない!!』
♡『あの…』
マ『マジか!!
  ほえ~~~!!!』
♡『えっと…』
マ『じゃあ日曜日楽しみにしてるわ!』
♡『あ!うん!ありがとう!』
マ『じゃ!』

ピッ


とりあえず、無事報告は終了。


♡)ほわ~~~~
  緊張した……
臣)会ってくれるって?
♡)うん!!
  臣くんって聞いて
  びっっくりしてたよ。
臣)そっか…
♡)ドキドキ…
臣)俺の方がドキドキだっつーのw
♡)ほんと?
臣)だってお前のおかんだし…
  元ヤンだし…
♡)あははw
  元ヤンはもう忘れて~ww
臣)今じゃ名残ないの?
♡)ある…けど…
臣)あんじゃん!w
♡)は~~でも…
  瞬にも言わなきゃなぁ…
臣)弟?
♡)うん。
臣)EXILEファンなんだっけ?
♡)そうなんだけど
  最近は三代目が好きって言ってた。
臣)おお!ありがたいじゃん!
♡)しかも…臣くんが好きなんだって。
臣)えー!!!!
♡)どうしよ~~~
臣)弟も会いてーなーw
♡)え~~~


会わせたら
どうなっちゃうんだろう…


臣)どんな子なの?
  歌やってんでしょ?
♡)うん。元々ジャズやってて
  最近はボサノヴァにも手を出してる…
臣)すげーな!
♡)でも好きなのはEXILE…
臣)幅広っ!!w
♡)とにかく音楽ならなんでも好きみたい。
臣)そうなんだ。
♡)性格は素直でいい子だよー♡
臣)そうなんだ!
  お前に似てる?顔。
♡)全然似てないよー!
  私はパパ似で、瞬はママ似だもん。
臣)へ~~~
♡)瞬と歩いてると
  いつもカップルに間違われるの。
臣)そうなの?!w
  あ…でも俺も姉ちゃんと
  間違われたことあるわw
♡)あははw ほんとー?w
臣)うん。
♡)そういえばお母さん元気かな?
臣)ああ。誕生日に電話したし
  俺の誕生日にも電話来たけど。
  元気そうだよ。
♡)そっか♡
臣)♡ちゃんは元気なのー??
  って言ってたw
♡)え!ほんと?
臣)うん。母ちゃんいっつも
  電話の最後に
  ♡ちゃんは元気なのーって
  聞いてくるw
♡)あはは♡嬉しいなー♡
臣)お前のこと大好きだからなーw
♡)私もお母さん大好きだよー♡♡
臣)はははw




ーendー

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