電車を降りて
4人でパーティー会場まで歩いた。
K)ねぇ。
ほんとあんたのドレス可愛いね。
♡)え!!ほんと??
J)似合ってる♪
♡)わぁ!嬉しい♡♡
J)あれ…、素直。
♡)あのね、あのね、これね!
臣くんが選んでくれたのー♡♡
K)あ!そうなの?!
♡)うん!!
それでね、それでね、
ドレスすいすいって選んでね、
プレゼントしてくれてね、
すっごいカッコ良かったの~♡♡
K)わかったわかったw
あんたは学校での出来事を
おかんに話す小学生か!w
♡)だってだって//
K)良かったねw
♡)うん!!♡♡
J)その「臣くん」とやらが
彼氏さんですかー?
♡)え!!
聞いてたんですか…
J)聞こえるよ!!w
ほんと周り見えてないなーw
♡)そうですけど…
J)ふーん♪
T)じゃあ彼氏に選んでもらったドレス着て
髪も彼氏にやってもらって…
ってわけ。
♡)そうだよ…えへへ♡///
T)はぁ…マジテンション下がる…
K)ばっかじゃないの?
あんたほんと諦め悪いね~~
着いたのは
大きなホテルのパーティー会場。
立食形式になってて
たぶん…200人以上くらいいるのかな…?
すごいなぁ…
T)ちょっとJさん、近いんすけど!
J)はい?
T)♡との距離が!
Tくんが私とJさんの間に
割って入って来た。
J)いやいやだって、
悪そうなのから守らなきゃいけないしね~
あのへんとか…
ちょっとタチ悪そうだし…
K)あ、ほんとだ。
なんか少しガラ悪そう…
T)俺がついてるんで大丈夫です。
J)とか言ってTくんが一番
危険だったりしない?w
T)なんでですか!!
♡こっち来とけ。
♡)え…
J)俺の隣にいるのが
一番安全だと思うけど。
T)そんなことないっす!
K)だ~~!!
こんな所で女を取り合うな!!
アホ!!
私とKちゃんが料理を取りに行くと
Jさんはあっという間に
女の子たちに囲まれてて…
K)げ。やっぱモテんだ、あの人。
♡)そうなんだね…
K)あの余裕なカンジと俺様感が
鼻につくんだけどな~~
♡)あ、Tくんも囲まれてる。
K)え??あ、マジだ…
まぁ、あいつも黙ってりゃ
顔はいいからね。
♡)黙ってりゃって…w
K)それより今日はいっぱい食べよ~~
♡)そうだね♡
私たちが料理を取ってテーブルに戻ると
さっきのガラの悪そうな人たちが
同じテーブルに料理を置いた。
男)どーもどーも♪
♡)え…
男)初めまして~~♡
♡)は、初めまして。
男)どこの会社の子達かな~?
K)どこでしょうね~?
男)お~っと♪
教えてくれないカンジ~?
K)ちょっとすいません。
食べるのに忙しいんで。
男)あははは!!
面白いね~黒髪美人ちゃん♡
男)こっちの子は色白美人ちゃん?
男)あははは♪
♡)…っ
なんか距離が近い…
やだな…
男)お酒飲んでる~?
おかわり持って来てあげよっか。
♡)結構です。
男)そんな冷たくしないでよ~~
♡)や、やだ!!
無理矢理、肩を掴まれた瞬間、
後ろから声がした。
J)おっと!危ない危ない。
お兄さんたち、うちの姫
返してもらっていいですか~?
Jさんが男の人の手を掴んで
私を横によけてくれた。
男)……
男)あっちで飲もうぜ。
男)だな。
男の人たちはあっさりいなくなった。
J)大丈夫?
♡)あ、ありがとうございます。
J)女性に気安く触らないでほしいな~
怖かった…
J)気付いてる?
♡)え??
J)周りの男が二人のこと
チラッチラ見てるの。
K)気付いてまーす。
Kちゃんがお肉を頬張りながら答えた。
J)ほんとに狙われてんだから…
俺の側から離れないこと。
K)へーい。
Kちゃんはお構いなしで
ごはん食べてる…
♡)Kちゃん…ww
K)はひ?もぐもぐもぐ…
♡)なんでもないw
私も食べよ…
Jさんはまた女の子たちに
名刺を渡されて忙しそうだったけど
私たちの側にいてくれた。
K)この人もこーゆー時は役に立つね。
♡)え??
K)一応背もでかいしさ。
壁みたいになってくれてw
♡)Kちゃん、壁って…!w
K)ぬり壁と名付けよう。
♡)あはははっw
K)さっきもさ、Jさんがちょっと
一睨みしただけで、
あいつらいなくなったし。
♡)うん。
K)あ、Tが戻って来た。
振り向くと、
少しやつれた様子のTくん。
T)…めっちゃ疲れた。
K)モテモテやん。
T)ちげーし!
名刺交換してただけだし!
K)今度合コンしましょー♡♡って?
T)ちげーよ!
今度…異業種交流会しましょうって…
言われただけ。
K)一緒じゃん!!w
名前ちげーだけだし!w
T)いや、俺合コンとか
行かねぇからな?!
♡)??うん。
T)ってかお前、ストール
ほどけかけてんぞ?
♡)え??
T)ほら。
Tくんが少し引っ張ると
首からストールがほどけて
スルリと落ちた。
T)あ、ごめん。
♡)ううん、大丈夫。
ストールを拾って顔を上げると
驚いた顔のTくんが
私を見ながらオロオロしてる。
T)え…え…///
っつーか、え?!!
♡)え???
Tくんが私の胸元を見てる。
♡)……
あ!!!!!!
♡)わ、わ、私、
お化粧室行ってくる!!!!
バタバタバタ!!
K)赤い顔してどーした。
T)だ、だってよ…
なんかあいつ…//
キスマーク…つけてたんだけど…
K)へ??マジ!?
T)二箇所も…
K)あっははw やるね~♪
T)彼氏…、だよな?
K)でしょーね。
T)彼氏と…そーゆーことしてんだ…
K)…はぁ。
あんたバカ??
T)え?
K)こないだ飲みに行った時も
言ったでしょ!!
♡は彼氏がいんの。
ラブラブなね!!
だからあんたの出る幕はなし!!
とっとと諦めろ!!
T)そんなんわかってるっつーの!
K)わかってねぇから凹んでんじゃん。
T)わかってるけど…
あんな生々しいもん見たら
さすがに凹む…
K)彼氏が朝まで離して
くれなかったんじゃん?♪
T)お、お前…鬼だな…
俺の傷口に塩をぬりこむ…
K)あっはははw
トイレで慌ててストールを巻き直す。
これ…
Tくんに
見られちゃった、よね?
♡)////
恥ずかしすぎる…
もう!臣くんのばか~!!!
なんでこんなのつけたの~!!////
でも…
鏡に映ってる自分の
肩と胸元のキスマーク。
なんか…これ…
臣くんのものっていう「印」みたい…
ドキドキドキ…
…って、私バカ!??
恥ずかしいよ~!!////
♡)はぁっ…//
ポーチを閉じて振り向くと
後ろから声をかけられた。
佐)♡ちゃん??
え…?
♡)わっ!!佐伯さん?!!!
佐)顔隠して何一人で暴れてるのw
♡)あっ、いえ…、あの…///
見られてた!!
恥ずかしい~!!!////
佐)ドレスすっごく可愛い♡
似合ってるわ♡
♡)あ、ありがとうございます///
佐)これ…
あそこのお店のじゃない?
♡)あ!そうです!
先日お会いした時の…!
さすが佐伯さん…
やっぱりわかるんですね。
佐)わかるわよ~♪ それに…
登坂くんのプレゼントでしょ?♡
♡)えっ!//
はい…♡ えへへ♡
佐)あ~!!
やっと笑ってくれた!!
佐伯さんの瞳が大きく開いた。
佐)♡ちゃん、一回も私に
笑ってくれてなかったの。
♡)え?え??
佐)お友達と話しながら笑ってる姿が
すっごく可愛くて声かけたんだけど
私には一回もその笑顔、
見せてくれてなかったから…
♡)え…ご、ごめんなさい…
佐)いいのよ♡今見れたし♡
あなた、本当に笑顔が素敵ね♡
♡)えっ!!
…ありがとうございます///
佐)でもこのパーティーで会えるなんて
びっくりしたわ。
♡)あ、会社で招待していただきまして…
佐伯さんは…?
佐)私は姉妹雑誌の
創刊パーティーですから♡
♡)あ!!そうなんですか??
佐)そうよ~♡
ねぇ、ちょっと!
♡ちゃんの会社の人たちにも
挨拶させてもらえる?
♡)はい!もちろんです!!
佐伯さんと二人で会場に戻ると
Kちゃんはまだお料理を食べてて
JさんとTくんはお酒を飲んでた。
♡)あの…
K)あ、お帰り。
J)姫が戻って来た。
♡)あの、雑誌■■の佐伯さんです。
佐)ちょっと!何?
あなたたち4人!!
♡)え…
佐)イケメン美女四人組じゃない~!
え…
Mちゃんと同じチーム名、付けられた…
佐伯さん…
佐)私、■■の編集長をやってます、
佐伯です。
J)どうも初めまして。
○○社のJと申します。
みんなが順番に名刺交換してる。
え…
え…?!!
佐伯さんて…
編集長だったの?!!!
名刺、全然ちゃんと見てなかった…!!
J)♡ちゃん、
編集長と知り合いなんて、すごいね?
♡)えっ!あ、あの…
佐)この間ね、街で偶然出会って
スカウトしたの♡
今、口説き中なのよ~♡
T)え!!すげーなお前…
佐)なるほど…♡ちゃんは
勝山さんの所の子だったのね~
♡)え!!
うちの社長、ご存知なんですか?
佐)知ってるわよ~♪
うん、よし!わかったわ。
♡ちゃん、またね!!
♡)はい!
佐)あ、そうだ!!
♡ちゃんの名刺もちょうだい?
登坂くんにまた電話するのも悪いし…
♡)わわわわ!!!!!
佐)え??
♡ (さ、佐伯さん、内緒です!!)
佐 (あ!ごめん…、名前出しちゃった。)
♡)名刺…どうぞ…
佐)ありがとう!じゃあまた!♡♡
♡)はい。
佐伯さんはにっこり笑うと
別のテーブルに向かった。
T)ほえ~~~
カッコイイ女編集長だな~~
めちゃ美人だし。
K)ね。
♡)ショートカットが似合うよね♡
J)俺は姫のロングヘアの方が
好きだよ?
T)だぁっ!近い!!!
J)おっとっと…
K)ってゆーかもうお腹いっぱい。
帰ってもいい?
J)あはははw
Kちゃんはほんと面白いね!
もうパーティーに用はないですかw
K)だって。
一通り挨拶したし
一通り食べ尽くしたし。
T)お前のその潔さ、好きだわ…
♡)じゃあ私もそろそろ帰ろうかな…
ブブブブブ…
臣くんから丁度電話が来た。
K)じゃあ♡、お疲れ!
♡)うん!Kちゃんお疲れさま!!
ピッ、
♡『もしもし?』
臣『おう、おつかれ。』
♡『お疲れさま!』
臣『どんなかんじー?』
♡『えっとね…そろそろ帰ろうかなって…』
臣『あ、ほんと?
俺も今収録終わったとこだから
丁度いいな。』
♡『ほんと?』
臣『うん。じゃあ…
今から着替えっから15分後くらいに
迎えに行くわ。』
♡『わかった♡』
T)なぁ、お前ほんとにもう帰んの?
♡)えっ!
ごめん、今電話してる。
T)あ、わり。
♡『あ、臣くんごめんね?』
臣『……』
♡『あれ?臣くん…?』
臣『…着いたら電話する。』
♡『うん、ありがとう♡』
臣『じゃ、あとで。』
♡『うん、じゃあね。』
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
ってゆーか今の男、なんだ?
一緒にパーティー行ってる
会社の男…?
臣)……
人の女…
「お前」呼ばわりしてんじゃねーよ…
N)すいませ~ん!!
健)はい、NAOTOさん!
N)臣様が電話切ってから
超怖い顔してるんですけどぉ~
隆)電話、♡ちゃんでしょ?
臣)うん。
N)臣様おこなのー?
臣)やめてくださいw
S)あ、みんなごめん!
言い忘れてたけどMさんが
熱出て帰っちゃったから
今日帰り一台ね?ごめん。
直)全然いいけど…Mさん大丈夫?
S)うーん、なんか
疲れたまってたみたい。
Mさんはマネージャーの一人。
最近確かに寝不足そうだったし…
大丈夫かな。
臣)あ!っつーか、帰りじゃあ7人?
S)うん。
臣)やべ…
直)どうしたの?
臣)いや…、帰りあいつ
拾ってこうと思ってたんすけど
いつもみたいに2台じゃないなら…
N)え!え!!
臣の彼女?!!!
臣)はい…
N)それはもう今すぐ迎えに
行きましょう!!
臣)いや、でも、みんな待たせるの悪いんで…
N)場所どこ?
臣)ビッグサイトです。
健)すぐ隣やんけ~!!w
臣)いや…でも…、車も狭いし…
E)8人くらい余裕で乗れるっしょ!
俺も彼女会いたい♪
直)なんなら俺の膝の上に
座っていただいても…
臣)いや、それはないっす。
岩)わははは!即答!!ww
N)よっし!じゃあ臣の彼女
迎えに行きますか!!
臣)なんかすいません…
N)ぜ~んぜんよ!!
ー続ー
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