♡)臣くーん…
臣)……
♡)臣くん、まだ寝てるー?
臣)……
部屋の入口から呼びかけても
全然起きる気配のない臣くん。
ベッドまで近付いてみると
まだぐっすり寝てる…
♡)臣くん、今日仕事何時からー?
臣)……
♡)臣くーん?
臣)……
だめだ…どうしよっかな…
昨日聞いておけば良かった。
一応朝ご飯作ったんだけど
食べれるかな?
♡)臣くん…
ぐっすり眠ってる臣くんのほっぺに
そっと触れると…
いきなり手を掴まれた。
♡)きゃあ!!!!
臣)あっはははww
♡)ちょ、ちょっと!!
起きてたの?!!
びっくりしたぁ!!!
臣)ははは!お前の顔!w
♡)もう!ばかっ!!//
臣)めちゃめちゃ
びっくりしてやんのーw
♡)も~~!!
心臓止まるかと思った!!
子供みたいに
イタズラな顔して笑ってる。
♡)そうやってたまに寝たフリして
驚かすんだから!きらいっ!
臣)なんつった?
♡)え…きらい…
臣)え?なに??
♡)きらいっ
臣)あ~聞こえね~~
♡)もう!好きっ!//
ばかっ!!!
臣)ははっw
よ~しよしよしよしw
臣くんが私を抱き寄せて
頭をわっしゃわしゃしてくる。
♡)ちょっとぉ!
なに人をわんこみたいに~!
臣)え?わんこじゃないの?
♡)ちがう~!!
臣)だって髪とかふわっふわだし。
よ~しゃしゃしゃ~w
♡)もうっ!!やめてよ~!
臣)あっはは!w なんか
トイプードルみてぇになったw
♡)も~!ぐちゃぐちゃ~!
臣)かわいーじゃんw
♡)わんこじゃないもんっ
直して~!
臣)はいはいw
臣くんは私の髪を手ぐしでとかして
おでこにチューしてくれた。
♡)///
臣)おはよ。
♡)おはよ///
朝ご飯、食べれる?
臣)作ってくれたの?
♡)うん。
臣)食う!
♡)仕事何時から?
臣)昼から。
♡)え!そうなの?!
臣)うん。
♡)……
臣)なんでそんなニヤニヤしてんの。
♡)ニヤニヤしてない!//
臣)ニコニコ?
♡)ニコニコ♡
臣)ふはっw
俺といれんのが
そんな嬉しいのー?
とか言って臣くんが
ぎゅーってしてきた。
♡)そうだよ♡♡
臣)お、素直w
♡)嬉しいもーん♡♡
臣)おっ!懐いてきた。
♡)懐いてきたってなに!w
わんこじゃないってば!w
臣)くっついてきたからw
♡)も~!
臣)じゃあ飯食うか。
♡)うん♡食べよー!
臣)ん。顔洗ってくるわ。
♡)うん。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
俺が洗面所に行くと
♡がついてきた。
臣)なんでついてくんの?
♡)え?あ!なんでだろ!
ついてきちゃった!
臣)やっぱりわんこじゃん!w
♡)あれ…
臣)ばーかw
♡)ご飯の用意してくるー!
そう言ってキッチンに走って行った。
ほんと面白い奴…w
リビングに戻ると
テーブルに並ぶ、美味しそうな朝飯。
臣)いただきまーす♪
♡)どうぞー♡
臣)お前今日何してんの?
♡)今日はお買い物行こうかなーって
思ってた。
臣)買い物?
♡)うん。今週ね、
仕事でパーティーがあるのと、
来月友達の結婚式もあるから
新しいドレス買おうかなーって思って。
臣)あ、そうなんだ。
俺も行こっかな、それ。
♡)え?臣くんも何か買うの?
臣)いや、買わねーけど。
お前の買い物
付き合おっかなって。
♡)え!!え!!!
臣)なに。
♡)臣くんと
お買い物デートってこと?!
臣)ぶっw
デートっつーか…まぁ、うん。
♡)えー!えー!!♡♡
めっちゃ嬉しそうに喜んでる。
臣)行く店決まってんの?
♡)ううん!全然!
臣)じゃあ適当に連れてってい?
♡)え!うん!!
えー!えー!!
…臣くん、バレないかな?
臣)買い物ぐらいいつも行ってるし。
サングラスかけてりゃ大丈夫。
♡)で、でも私と一緒にいたら…
臣)もしバレたら犬のフリでもしてろw
♡)何それ!!w
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
どうしよう、どうしよう♡♡
お昼まで一緒にいられるだけでも
嬉しかったのに…
一緒にお出かけ~!!♡♡
嬉しくて顔がニヤけちゃう…
臣)あ、そーだ、話変わるけど…
♡)ん?
臣)NAOTOさんと直己さんが
お前に会いたいんだって。
あ、あとELLYも。
♡)えっ!!
私に?!どして??
臣)付き合ってるからじゃん。
♡)えっ!!
臣)HIROさんも…
会わせてって言ってた。
♡)ええええ!!!
ひ、HIROさん!!!
臣)うん。
♡)すごーい!すごーい!!
嬉しい!♡♡楽しみ~♡♡
臣)え?
♡)え?
臣)楽しみなの?
♡)え…うん。え、嘘なの?
臣)いや、嘘じゃねぇけど!w
何が楽しみなの?
♡)だって…!
私も会ってみたいもん♡♡
臣)そうなの…?
緊張とかしねぇの?
♡)どうして?
え…!ほんとはすごく怖い人とか?
臣)いやw
めっちゃいい人たちだけど…
♡)そうでしょ?♡♡
臣くんが大好きなのも知ってるし
私も大好きだもん♡♡
臣)そか…
♡)うん♡♡
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
なんか意外な反応だった。
NAOTOさんや直己さんはまだしも
HIROさんの名前出してもケロッとしてる。
俺でも話す時、緊張すんのに。
臣)お前肝据わってんなー
♡)え??
あ!!でも!!
…どうしよう。
臣)なにが
♡)ELLYって何て呼んだらいいの…?
臣)気にすんのそこかよ!w
♡)だ、だって…
いつも勝手にELLYって呼んでるけど
いきなり呼び捨て、失礼じゃない?
臣)いいじゃんそのまんまでw
♡)えーえー
でもELLYくんとかELLYさんも
なんか変だし。
臣)うん。気持ち悪ぃ。
♡)あはは!ひどいw
それからご飯も食べ終わって
服も着替えて
♡の用意が終わるのを
リビングで待ってるけど…
全然出てこねぇ。
臣)おい!
♡)はいっ!!
臣)開けんぞ!
♡)え!!わ!!
臣)まだ?
♡)だって…
ちょっと待って~~
臣)おま…服出し過ぎ!w
♡)だってだって…
どれにしようか迷っちゃって…
臣)服買いに行く服を
そんな迷ってどうすんだよw
♡)だってだって…
せっかく臣くんとお出かけなのに…
臣)時間なくなんぞ。早くしろ。
♡)えー!待って~!!
えっとえっと…
これとこれだったらどっちがいい?
臣)今日、髪型それ?
♡)うん。
臣)決まり?
♡)うん。
臣)じゃあ服はこれとこれ。
あと上はそれ着ろ。
♡)は、はい!!
臣)3分以内に出てこなかったら
置いてくかんな。
♡)えー!!!!
バタン。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
ど、どうしよう!!
急いで着替えなくっちゃ!!
なんであんな一瞬で選べちゃうの?!
これと…これと…
♡)あ……
着てみて鏡で見てみると
服もピッタリだし髪型とも合ってるし
びっくりした。
臣くんすごい…
♡)お待たせ!!
臣)ん。行くぞ。
♡)可愛い?
臣)は?
♡)これ♡♡
臣)俺が選んだんだから当たり前。
♡)へへー♡♡
臣くんはサングラスにハットスタイル。
こんな変装?で
大丈夫なのかな?
どこからどう見ても
臣くんなんだけど…
タクシーに乗ると臣くんは
マネージャーさんに電話をかけた。
臣)Sさんごめん。
今日買い物行くから
スタジオ直接行くわ。
13時?了解。
じゃああとで。はーい。
電話を切るとそのまま
臣くんが手を繋いでくれた。
ドキドキするー♡♡
臣)なに
♡)え?
臣)さっきからあほな顔してるw
♡)あほってなに!ひどい!w
臣)はははっw
嬉しくて顔に出ちゃってるのかな…
でもほんとに嬉しいんだもんっ♡
臣)あ、そこ右に曲がって下さい。
そこの車の前で。
タクシーを降りると
来たことないお店の前。
あの…
なんか高そうなんだけど…
どうしよう。
先に階段を上った臣くんが
振り返って私の顔を見た。
臣)何してんの。ん。
差し出してくれた手を掴んで
一緒に階段を上った。
ドアを開けると綺麗な店内に
可愛い服がたくさん並んでて…
♡)臣くん、どうしよう!!
全部可愛い~~♡♡
臣)ははっw
って言うと思った。
お前好きそうなテイストでしょ?
♡)好き!♡ときめく!♡
キャ~!!♡♡
臣)目がハートになってる…w
全部可愛くて
見てるだけで幸せ~♡
何このお店~!♡♡
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
臣)どんなんがいいの?
♡)え?
臣)パーティーに着てくんだろ?
♡)あ、そうだった!
臣)おいw
♡)どうしよっかな…
どんなのがいいかな…
……あ、これすごい好き♡
♡が手に取ったドレスは
キレイな桜色のワンピースドレス。
似合うじゃん…
と思って見てたら
値札を見た♡がすげぇ顔になった。
臣)ぶはっw どうしたw
♡)お、臣くん…
ここ…私がいつも買ってる服の
軽く2~3倍はするんだけど…
臣)いいじゃん別にw
♡)よくないよ~!
臣)好きなの選べば?
♡)え?
臣)買ってやるって言ってんの。
♡)えー!!!!
ど、ど、どうして?!!
どうして…って言われても…
♡)いいよ、こんな高いの!
臣)いいって。
♡)だめー!
臣)あ、じゃあホワイトデーの
お返しってことでどう?
ちょっと早いけど。
♡)え!!
臣)だったらいいっしょ?
♡)……
臣)いいだろ!w
早く好きなん選べ!
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
ホワイトデーのお返しって言ったって
これじゃあ…何倍返しになっちゃうの??
高いけど…
やっぱり自分で頑張って買おう!!
♡)臣くん!やっぱり…
あれ??いない…
臣くんの姿を探すと
向こう側のメンズコーナーに
大好きな後ろ姿。
臣くんも何か買うのかな…
よし!私も選ぶぞー!!
でも…本当に全部可愛くて
迷っちゃうよ~~~
どうしよう~~~
……
臣)おい
♡)わっっ!!!!
臣)決まった?
♡)えっと…
これとこれと…
あれとあれと…
あとそれも気になってて…
臣)気になり過ぎだろ!w
♡)だって…
全部可愛いんだもん…//
臣)優柔不断だな~
ほんと隆二みてぇw
♡)え?
あ、でも本当に迷ってるのはこの3つ!
臣)ふーん、これね~
お前自分に似合う色は
わかってんじゃん。
♡)え?ほんと?
臣)うん。
とりあえず全部試着すれば?
♡)えっ!!
臣くんに背中を押されて
フィッティングルームの前に。
臣)この色なら
こっちの形の方がいいわ。
お前、脚綺麗だからこっちの方が
シルエットが綺麗。
♡)はい?
臣)あと、こっちはもっとラインが
細いやつの方がいい。これとか。
♡)これ背中がいっぱい開いてるけど…
臣)いいじゃん。
お前背中綺麗なんだから出せば?
♡)え??
臣)あとこっちも。
ここがドレープになってる方が
ウエストのライン出る。
♡)え??え??
出してどうするの??
臣)ウエスト細いんだからいいじゃん。
綺麗なもんは出せ。
♡)えっ、えっ、
臣)すいません、試着いいですか?
すぐ側にいた店員さんが
ドレスをハンガーから取ってくれた。
♡)こ、これ…
どうやって着たらいいんですか…?
店)ふふっw お手伝いしますよ♡
店員さんが一緒に
フィッティングルームに入ってくれた。
♡)えっ!
フィッティングルームも広っ!!
何ここ~!!
♡)ほわわ…
なんだか怒濤のごとく
褒めていただいた気がして
嬉しいやらびっくりやらで
私が放心していると
くすくす笑う、店員さん。
店)彼氏さん、すごいですね~♡
♡)えっ
店)アドバイスが的確だし
すごくセンスいいですよ~♡
♡)あ…ほんとですか?
店)はい~♡
そして…愛されてますね♡
聞いてて照れちゃいましたけどw
♡)えっ…私も恥ずかしすぎて
死にそうです…///
店)あははは♡
じゃあファスナーあげますね?
♡)はい!お願いします…
フィッティングルームの
カーテンを開けると
臣くんがニッと笑った。
臣)いいじゃん。
♡)ほ、ほんと…?
臣)ほんと。はい次。
♡)えっ
2着目を試着すると
臣)うん。似合う。
じゃあ次。
♡)は、はい!
最後の3着目を試着すると
臣)うん。よし。
♡)よ、よし?
どれが一番いい?
臣)お前はどれがいいの?
♡)え~~
どれも可愛かった…
全部好き…迷う~~
店)彼女さん、本当にスタイルがいいんで
どれもとってもお似合いですよ~♡
♡)えっ!!//
あ、ありがとうございます。
とりあえず元の服に着替えて
フィッティングルームを出ると
臣くんがいなかった。
あれ??
振り返ると
バッグに付けてたヘアクリップが外れて
カランコロン、転がっていった。
♡)あわわっ
慌てて追いかけると
メンズ側にいたお客さんが
拾ってくれた。
♡)ごめんなさい!!
ありがとうございます!!
女)あら…?あなた…
♡)え…? …あ!!
昨日名刺をくれた
ファッション雑誌■■の女の人!!
すっごく美人な人で
カッコイイショートヘアが
印象的だったから覚えてる。
もらった名刺…、確か…
「佐伯さん」だっけ??
佐)すごい偶然!良かった!
あの後も私どうしても
あなたにもう一度
会いたいと思ってたの!!
♡)えっ…
佐)ねぇ、本当にモデルやってみない?
♡)えっと…、ごめんなさい。
佐)何か出来ない理由とか…あるの?
♡)そういうわけじゃないんですけど…
佐)あら?登坂くん?
臣)えっ!?
後ろから来た臣くんが
びっくりしてる。
え?!知り合い?
臣)佐伯さん!
佐)久しぶりね!
臣)はい、ご無沙汰です。
私がきょとんとしてると
臣)前に撮影でお世話になった佐伯さん。
知り合いだったんだ…!
びっくり…!!!
佐)もしかして…
登坂くんの…彼女?
臣)ああ、はい。
佐)え、本当に?!!
すごい偶然!!♡♡
臣)え?
佐)なんだ~~!!もう~~!!
じゃあ話早いじゃない♡♡
♡)え…
佐)今ね、彼女口説いてたの♡
モデルやってみないかって。
登坂くんからも言ってよ~
臣)え??モデルですか!?
佐)そう!
昨日街で偶然見かけて
思わず車から降りて声かけたんだけど
あっさりフラれちゃって。
え!!
スカウトの人じゃなかったの?!
わざわざ車から降りて
声かけてくれたなんて…
知らなかった。
佐)でも今日また会えたし
登坂くんの彼女だって言うし
これはもう運命だと思うのよね~♡
臣)はぁ…
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
色んなモデルを見てきてる佐伯さんが
そこまで言うなんてすげーな…
佐)これから売り出せるような
若い子探してたのよ~♡
臣)えっ!!
佐)え?
臣)こいつ…そんな若くないですけどw
佐)え?ハタチくらいでしょ?
臣)ぶはっw
♡)ち、違います~~
もう社会人です!!
佐)え~~!??
学生さんだと思ってた!!
臣)また学生に間違われてやんのw
♡)ちょっと臣くん!
臣)ぶははw
佐)え~!!
だってこんなにお肌だって…
十代って言っても全然いけるくらい…
臣)それ言い過ぎっすよ、佐伯さん!w
佐)いやいや、本当に!
プルルルル
臣)あ、やべ、Sさんだ。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
臣くんが電話に出ていなくなった。
佐)ね、とにかく一度話だけでも!
♡)私、ハタチじゃないです!
佐)そんなのいいの!
この世界じゃ実年齢なんかより
見た目が全てなんだから!
♡)え…でも…
臣)♡、わり、俺もう行くな?
♡)え?あ!もうこんな時間だ。
臣)はい、これ。
♡)え??
渡されたのは、大きな紙袋。
♡)え?え??これ…
臣)お前のドレス。
♡)え!!
臣)重いと思うからタクシーで帰れよ。
♡)え…、あ…っ
臣)あ、佐伯さん、じゃあまた!!
佐)はい。行ってらっしゃい♡
臣)失礼します。
臣くんが走って行っちゃうと
佐伯さんも腕時計を見て、
佐)あ、私も行かなくちゃ。
じゃあ、ええと、名前教えて?
♡)♡です。
佐)じゃあ♡ちゃん、考えておいてね?!
また登坂くんにでも連絡するわ!
それじゃ!
♡)は、はい。
嵐のように去って行った。
♡)……はぁ…
知り合いだったんだぁ…
すごいなぁ…
スカウトって全部怪しいと思ってたけど…
ってゆーかこの紙袋!!
臣くん、買ってくれたの…??
どうしよう~~
自分で買おうと思ってたのに…
そしてなぜか…すごく重い。
臣くん、自分の服も買ったのかな?
地下鉄で帰るには
荷物が大きくて重かったから
私は言われた通り、タクシーで帰った。
ー続ー
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