お店を出て
また車に乗って…
家まで送ってもらう途中…
私は何を話していいのかわからなくて
ずっと黙ってた。
J)何考えてるの?
♡)えっ…、えっと…
J)……
♡)Jさんのことです。
J)ははっ、何それ…嬉しいなw
♡)だって…!
あんなこと…言われたら…
考えちゃうもん…
頭から…離れていかない…
だって…
結婚って……
J)少しでも…
俺のこと考えてくれるとか
それだけで嬉しいよ。
♡)え…っ
あ…、また…
すごく優しい顔をして笑った…。
♡)……///
J)ほんと好きだなぁw
♡)…あ、あのっ//
J)なに?
♡)そんな…っ
好き好きって言わないでください///
J)なんで?
♡)……///
J)だって好きだよ?
♡)やだぁっ///
なんだか恥ずかしくなって顔を隠すと、
Jさんが隣から覗き込んできた。
J)可愛いw
いじめたくなるw
♡)えっ…
J)なんて…w
♡)…っ
Jさんはクスッと笑って
また前を向いて車を走らせる。
♡)……
いつもは…
誰かに好きって言われても…
私のどこが好きなんだろうって
そう思う告白ばっかりだったけど…
Jさんは…
いっぱい話してくれた。
私のこと…見ててくれたんだ。
♡)心が…キレイになるって…
J)んー?
♡)どういう意味…ですか?
J)どういうって…
♡)……
J)♡ちゃんの心がキレイすぎるから
一緒にいたら…
俺の真っ黒い心まで
浄化されるってことw
♡)え、え、真っ黒…??
…なんですか?
J)うん。
俺なんて真っ黒だよー?w
自分でも嫌になるくらい。
♡)…っ
そんなの…
私は…思ったことないもん…。
♡)Jさんは…
人の不幸を願ったり
誰かを傷つけようとしたり
するんですか?
J)え??
……しないけど…
♡)じゃあ…真っ黒なんかじゃないです!
J)え…?
♡)Jさんは…仕事も一生懸命だし
J)いや、出来ちゃうだけだよ?
♡)いつも困ってる人助けてあげるし
J)いや、♡ちゃんだけだよ?
♡)いつもニコニコ笑ってくれるし
J)世渡り上手いからね?
♡)だから、Jさんは
真っ黒なんかじゃないもんっ!
J)……
♡)絶対!
私がそう断言すると、
J)ぷっ…w
Jさんはくすくす笑って…
J)何それw
♡)え?
J)なんでそんな力入るの?w
♡)だっ…て…
Jさんが笑ってる…。
なんか…
恥ずかしくなってきちゃった…//
J)そういうとこなんだよなぁ…
♡)え?
J)俺が好きなの。
♡)……っ
J)ほんとさ…、
また真っ直ぐ見つめられて…
J)着いたよ。
♡)あ…っ
気付いたら車はもう
私のマンションの前だった。
ピロロロロ♩ピロロロロ♩
J)あ…。
Jさんは携帯が鳴って…
Jさんは着信画面を見て、
そのままポケットにしまった。
♡)さっきの…子ですか?
J)うん。
♡)……
J)気になる?
♡)えっ…
えっと…
♡)気になるっていうか…
すごいなって思って。
J)え?
♡)あんな風になれるほど
私…誰かのこと
好きになったことないなって…
J)……
すごく必死だった、あの女の子。
♡)あの人は…本当に
Jさんのこと好きなんだなって…
びっくりして…
J)冷静な分析をどーもw
♡)えっ?
J)あの子がどうしてあんなに
俺にハマってるか、知りたい?
♡)え?
J)教えてあげようか?
♡)え??
J)なんなら…試してみる?
♡)え???
J)♡ちゃんもハマってくれるかも
しれないし…
♡)え?え?え?
意味が…わからない…
…ガタン。
♡)きゃあっ!
気付くとシートが倒されていて…
目の前にはすぐ、
Jさんの顔があった。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
磨りガラスの向こうから
シャワーの音が聞こえてくる。
最近…ぶっちゃけ俺も
全然女とヤってねぇよな。
ヤリてぇ~~~
思い出すのは、海で触った♡の肌。
すげぇ柔らかかったよな…
もっと…触りたかった…
ああ~~抱きたい…
あいつ…どんな風に乱れんだろ…
酔った頭でそんなことばかりを
ぼんやり考えて。
臣)……
つーか…
ここホテル…だよな?
最後にヤったのいつだっけ…
♡に会う少し前、か…。
あいつと会ってから
なんだかんだで誰ともヤってねぇから
正直たまってんだよな…。
俺がここで適当な女とヤったって
あいつにバレるわけじゃねーし…
つーか…
こんなSEX、別に何の意味もねーし…
ヤったらとっとと帰ろ。
…ガチャッ。
女)あ…登坂くん寝てる~
臣)起きてるし。
女)ほんと?良かったw
臣)つーかヤんだろ?脱げよ、それ。
女)え?
俺は女の手を掴んで、ベッドに押し倒した。
女)ちょっと…//
臣)早く脱げよ。
女)今日は脱がせてくれないの…?
臣)は?
女)前は脱がせてくれたのに…
臣)は??
お前とヤったことあったっけ?
女)ひどーい!
覚えてないのぉ?
臣)いちいち顔覚えてないし。
女)最低…w
でも…いいよ?
登坂くん…上手なんだもん…
派手なネイルの手が、俺に伸びてくる。
あ…
あいつの匂いが…消えてる…
女)登坂くん?…あっ…//
俺が触ると女がエロい声をあげた。
女)や…んっ//
ヤバ…
久々だから興奮する…
女)あっ…//
臣)……
女)やぁ…、ん…っ///
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
♡)や、や、や…っ
な、な、何これっ!!
何が起きてるの??!
Jさんの顔が近付いてきて…
♡)やっ!!
私は必死に腕でガードして
ギュッと目を瞑った。
♡)……っ
J)……
♡)……
J)……
♡)…え……
そっと目を開けると…
Jさんは運転席に体勢を戻してて…
♡)…びっ…くり…した…
私は慌ててシートを元に戻した。
J)何されると思ったの?w
♡)え…っ
J)…
♡)キ、キス……
じゃ…ないの…?
J)それだけ?
♡)え??
J)……
♡)え??
それだけ…って…
どういう意味??
J)そんな警戒しないでよw
好きな子に無理矢理
そんなことしないよ。
♡)…っ
J)♡ちゃんが…やたら冷静だから…
少しも妬いたりしてくれないから
ちょっと意地悪したくなっただけ。
♡)え…っ
J)少しは男として意識してくれた?
♡)え…、え…っと…
び、びっくりしました…
J)はははw
♡)冗談ですよね?
J)まぁキスはいつでもしたいけど。
♡)えっ!!!
J)キスだけでも…試してみる?
♡)は、はい????
Jさんの手が、私に伸びてきて…
♡)やっ、やっ、
キスは好きな人とするものですっ!///
J)うん、だからしようとしてる。
♡)え?え?…あっ…
両手を掴まれた。
♡)やっ、離してくださいっ///
J)ちゃんと気持ちいいキス、
したこと…ある?
♡)え?え?ちょ…っ、やっ///
J)大人しくして…
♡)やっ!!!!
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
俺の動きに反応して、女が声をあげる。
女)やん、あぁん…///
つーか…
聞きたいのはこの声じゃない。
臣)声出さないで。
女)え??
臣)……
女)何それ…
その方が興奮するの?くすくすw
別にいいけどw
臣)……
女の身体に触りながら…
頭に浮かぶのは、♡の顔。
ああ…あいつを抱きたい…
女)んぁ…ぁっ///
♡の顔と一緒に…
♡の言葉が次々と頭をよぎる。
「遊んでる?」
「チャラいですか?」
俺…
なんて答えたっけ…
「チャラい人やだもん!」
「好きじゃない人に
何かしようとしたりとか…」
好きなのは♡だけ…
こんなのは…気持ちとは関係ない。
別に浮気とかでもねーし…
「付き合ってない時なら
何してもいいみたいな考え方、私嫌い。」
「胸を張れる自分でいたいから
その人に対して恥ずかしいことは
私はいつだってしたくない。」
男と女はちげーんだよ…
別にこんな女…
なんとも思ってない…
ただ…性欲を吐き出したい、
それだけ…。
女)ん…、ねぇ…
臣)……
女)ねぇ…っ//
臣)声出すなっつったろ。
女)だって…
臣)何。
女)もっと…優しくして…?//
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
J)って、ここでキスしたら
俺のこと大っ嫌いになるでしょ?w
♡)え…っ
Jさんが笑いながら手を離してくれた。
J)ちょっとはドキドキした?
♡)~~~~////
もう!Jさんなんか嫌いっ!!!
ほんとに…びっくりしたのに…
J)怒んないでよw
♡)……
J)怒ってるのも可愛いけどw
♡)……
J)ほんとに嫌いになった?w
♡)……
J)どうせ嫌われるんなら
キスしちゃうけど。
♡)えっ!!!!!
その言葉にびっくりして
Jさんの方を見ると
いつものイタズラな顔で笑ってる。
J)くくくくww
♡)もう!!
ほんとにいい加減にして下さいっ!///
J)わかったわかった、ごめんw
♡)もう~~~~!!
J)ま、今日は…さ、今日くらいは…
俺のことで頭いっぱいにしてよw
♡)え…っ
J)ね?
そう言ってJさんは
また優しく私の頭を撫でた。
♡)触るのっ、禁止です!!
J)え…いつから?
♡)今から!!
J)えーーーー
♡)もうっ、帰ります!!
私は急いで車を降りた。
♡)送ってくれて…
ありがとうございました!!
ご飯も…ごちそうさまでした…。
J)うん、またデートしてねw
♡)デートじゃないですっ!!
しませんっ!!
J)はいはいw
♡)ほんとに…
J)おやすみ♡
♡)…っ
そう言ってまた優しく笑うと
Jさんはそのまま帰っていった…。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
♡を頭に浮かべながら…
必死にあいつへの言い訳を
無意識に探してる自分に気付く…。
女)あ…っ、あん///
女が俺の首にしがみついてきて…
俺がその手を離そうとすると、
そのまま唇を近付けてきた。
その瞬間…
「臣くんのそういうところ…
大好きだよ♡♡」
♡の笑顔が頭をよぎって…
臣)ああ…っ、くそっ
俺は気付いたら
女を押しのけてた。
女)ちょ、ひどーい!何よ急に!
臣)…っ
女)キスしてよぉ!
臣)…わり、無理だわ。
女)はぁ??
俺は女から離れて、横に寝転がった。
女)え、急にどうしたの?
臣)やめた。
女)え??なんで??
臣)……
女)抱いてくれないの?
臣)……
女)ここまでしといて…?
臣)……
女)じゃあ…いいよ♡
その気にさせてあげる♡
臣)は?
女はいきなりカチャカチャと
俺のベルトに手をかけてきた。
臣)ちょ、やめろって!
女)なんでぇ?
臣)離せ。
女)やだっ…だって…
登坂くんとシたいもん///
臣)わり、帰るわ。
女)え??ちょっと!!
臣)金置いとくから。じゃーな。
女)え…っ
バタン。
臣)はぁ…っ
俺はホテルを出て
すぐにタクシーをつかまえて、家に帰った。
なんだ俺…
どうしたんだ…。
今まで…
好きな時に適当な女抱いてきたし…
女なんていくらでも寄ってくるから
彼女がいる時だって…
バレなきゃいーだろって
浮気したことだってある。
別に…
ただヤりたいだけで
こんなの何の意味もないし…
他の女とヤッたところで
♡とは関係ない。
♡のこと好きな気持ちにも
変わりないのに…
なんで…
無意識に…
あいつにうしろめたいことしたくない、
次あいつに会う時に
やましい気持ちを抱えていたくないって、
瞬間的にそう思った。
俺…
どんだけ好きなんだよ……
臣)……っ
あ~~~~~
もう!!!
なんだこれ!!
くそ~~~
ほんとはヤリてぇのに!!
信じらんねぇっ!
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
なんか…
頭がいっぱいいっぱいで…
家に帰って来ると、
丁度さくちゃんから電話が来た。
♡『はい…』
さ『どうした!!
何そのテンション!!w』
♡『え…っと…
なんか今…頭がカオスで…』
さ『どうしたの!!
臣くんとなんかあった??』
♡『あ…違うの…えっと…』
さ『???』
臣くんじゃ…なくて…
♡『さくちゃんは、何かあったの??』
さ『あ…、あたしは大した用事じゃないの!
それよりあんた!!』
♡『え…』
さ『話してよ。何あったの??』
♡『あ…えっと…』
私はいっぱいいっぱいになりながら
今日のことをさくちゃんに話した。
さ『何その人~~!!!』
♡『え…?』
さ『超カッコイイんだけど!!』
♡『は、はい???
えっと、私の話、聞いてた??』
さ『聞いてた聞いてた!!
要はプロポーズされたわけでしょ?』
♡『えっ!!あ…そっか…
そういうことになるのかな…』
さ『結婚しようっつってんだから
それ以外何があるよ!!w』
♡『わわわ…』
そっか…、
プロポーズだったんだ…。
さ『しかもさ~~そのキスの攻防戦、
こなれてるっつーか、一枚うわてっつーか
出たね、臣くん越え!!』
♡『え???』
さ『いや…臣くんの話聞いた時も
キュンキュンだったけど
その人の方がヤバーい♡』
♡『え…え…っ』
さ『だって♡もドキドキしたんでしょ?』
♡『ドキドキっていうか…
よくわかんないよ!//
Jさんのこと好きだから
ドキドキしたわけじゃないもん!//』
さ『いや~~いいねいいね!
面白くなってきたねw』
♡『もうさくちゃんっ!!』
他人事だと思って面白がってる…っ
さ『ごめんごめんw
つーかこんなこと言ってたら
怒られるな、あたしw』
♡『え??誰に??』
さ『いや…、何でもないw』
♡『…はぁ…だからね…、
なんか今日はドッと疲れちゃった…。』
さ『お疲れさんw』
♡『聞いてくれてありがとう…』
さ『いや、ごめんw
ろくなこと言ってないけど。』
♡『ううん…聞いてくれただけで
ちょっと整理できたかも…』
さ『そっか。』
♡『うん。』
一人で頭の中…
ごちゃごちゃになってたから…
さ『あ、あたしの用事はさ。』
♡『うん!』
さ『そろそろ寒くなってきたから
鍋しようぜってお誘い。』
♡『鍋ーー?したいっ!!』
さ『じゃあまたLINEするよ。』
♡『うん!…えと…ほんとにそれだけ?』
さ『うん、ごめんw』
♡『ううん!全然!ありがとう。』
さ『うん。じゃあおやすみ~♩』
♡『おやすみー♡』
ピッ。
鍋かぁ…
鍋…
鍋…
…プロ…ポーズ……
♡)……
「俺と結婚しない?」
「♡ちゃんのこと…ずっと見てたよ、俺。」
♡)…っ
「俺、YES以外聞く気ないから。
本気だから。」
「ほんとに…好きだから…。」
♡)……///
はっ!!
また考えちゃってた…!!
わ、わ、やっぱり…
Jさんの言葉が頭から離れないっ…
やだぁっ!!
「今日くらいは俺のことで頭いっぱいにしてよ」
♡)…っ
ほんとに…
考えちゃうよぉ…
ーendー
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