とくん…
とくん…
繋がれてる、手と手。
♡)……
臣)……
私…
自分の気持ちが
まだよくわかんないけど…
でもやっぱり…
もっと臣くんのこと、知りたい。
♡)……臣くん……
臣)……ん?
名前を呼んだら
こっちを向いてくれた臣くんが
すごく優しい顔をしてて…
♡)……///
私は思わずまた、下を向いた。
臣)……どうした?
♡)……///
なんだか…
声まで優しい気がする。
とくん…
とくん…
♡)……えっと…、、
臣)うん。
♡)…臣くんの夢って…なぁに?
臣)え?……急に何w
♡)えっ、あ…えっと…
聞いてみたいなって思って。
臣)夢かぁ…
♡)うん。
少しでも…
臣くんのこと、知りたいんだもん。
臣)いっぱいあるけど。
♡)いっぱい?
臣)うん。
♡)どんなー?
臣)小さい夢?大きい夢?
♡)全部聞きたいっ♡
臣)ははっw
うーん…そうだなー
まずは三代目で代表曲を作りたい。
♡)代表曲?
臣)うん。
これはいっつもメンバー皆で
言ってんだけどさ。
♡)代表曲って…
『花火』じゃないの?
臣)うーん。
今のところ一番認知されてんのは
『花火』だと思うけど…
EXILEでいう『Choo Choo TRAIN』
くらいの代表曲。
♡)わぁ…!
臣)世代問わずわかってくれて
盛り上がってくれるような…
三代目といえばコレ!!
っつーくらいの代名詞みたいな、
そんな代表曲が欲しいなぁって。
♡)なるほど…
臣)あとは…三代目が…
HIROさんの武器になれるような
LDHの武器になれるような、
そんなグループになりたい。
臣くんが、強い瞳でそう言った。
臣)今はまだやっぱり俺らのこと
知らない人なんてたくさんいてさ、
番組とか出させてもらっても
絶対『EXILEの弟分』っていうワードが
ついてくんだよね。
♡)うん。
臣)でも…しっかり一つ一つ
目の前の目標をクリアしていけば
いつか『EXILEの弟分』って言わなくても
三代目としてちゃんと
認知してもらえる日がくるからって、
いつもHIROさんが言ってくれてて…
♡)うん。
臣)俺たちもそう信じて頑張ってる。
♡)……
臣)だからいつか…三代目として
これが代表曲です!!
って言えるようなのが出来て
世代に関係なく色んな人に知ってもらえて
俺たちの歌とか想いを
伝えられる日が来たらいいなぁって。
♡)…うん。
夢を語る臣くんは
すごくキラキラしてて…
そんな日が来たらいいなって
私も強く思った。
臣)あとは…レコ大も取りたいし
ドームツアーもしたい!
三代目で。
♡)わぁ!!レコ大??
臣)うん。
♡)すごーい!
臣)今年はさ、HIROさんの勇退もあるし
EXILEがレコ大狙いにいってて
LDHもそれでめっちゃ動いてんだ。
♡)『EXILE PRIDE』?
臣)うん。そう。
まだどうなるかわかんないけど
絶対取れるって俺らは信じてるし…
いつか俺ら三代目でも
取りたいねっていうのは話してて。
♡)そうなんだ。
臣)うん。
♡)すごいなぁ…。
臣)今年はEXILEのドームツアー
一緒にまわってるけど…
ドームも…三代目単独で
まわれる日が来たらいいなって。
♡)うんっ!
臣)そんでいつかは世界進出!!
♡)わぁ!!世界??
臣)うん、でっかい夢だけどw
♡)すごーい!!♡
臣)出来たらいいなって
いつも皆で話してるw
♡)すごいね!!!
臣)出来ればねw
♡)わぁぁ♡
夢はどんどん広がっていくんだ。
臣)まぁそのためには
一人一人がもっと頑張んなきゃいけないし
7人の絆ももっと
深めていかなきゃなーって
思ってるけど。
♡)そっか…
でもみんなすごく頑張ってるよね?
本当に仲良しだし…
臣)まぁ仲はいいけどねw
次のツアーでまた結束強まりそう。
♡)そっか!ツアーあるもんね。
臣)うん。
♡)忙しくなる?
臣)うーん、そうだなー。
つーか俺は11月から
映画の撮影も始まるから…
ツアーのリハと両立が大変そう…
♡)あ…っ、
そうか!そうだった!!
♡)『ホットロード』だよね??
臣)うん。
♡)わ…わ…ほんと大変だね。
臣)うん。
♡)でも…臣くんご指名だったんだもんね?
臣)…うん。
♡)すごいなぁ…
臣)ほんとは…何で俺なんだって思ったし
三代目の活動と並行して
出来る気もしなかったから
最初は…断ろうと思ってたんだ。
♡)そうなの?
臣)うん。……でも…、
♡)……
臣)HIROさんが…
すげぇ背中押してくれてさ。
♡)うん。
臣)ホットロードって作品のすごさとか
色々教えてくれて。
♡)うん。
臣)原作者の紡木先生も…
そのままの俺でいいって
言ってくれて…
♡)……
臣)なんか心動かされたし…
そーゆー個人活動って
グループにもプラスになると思うし…
演技とかやったことねぇけど…
それも絶対歌に返せると思ったから。
♡)だから決めたの?
臣)うん。
♡)「歌に返せる」かぁ…
なんか臣くんらしいなぁ♡
臣)そう?
♡)うん♡ 楽しみだね!!
……緊張する?
臣)そりゃーなw
♡)そっか…
頑張ってね♡ 応援してます♡
臣)うん。ありがとw
そう言って臣くんが優しく笑った。
臣くんってすっごくいっぱい
色んなこと考えてるんだなぁ…。
そして…
どれに対してもすごく真摯っていうか…
やっぱりLDHの人なんだなって思う。
本当に真剣に向き合って、頑張ってて。
私も…
頑張らなきゃって思えてくる…。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
手を繋ぎながら話してたら…
なんだかすげぇ素直な気持ちで
いろいろ話せた。
臣)♡は?
♡)え?
臣)夢。
♡)え…っ、私の夢?
臣)うん。
♡)いっぱい…あるよ?
臣)いっぱいあんの?w
♡)うん!
臣)聞かせてよ。
♡)えっと…
臣くんみたいにまとまってないし…
やりたいことバラバラすぎるんだけど…
臣)いーよw
♡のことが、もっと知りたい。
♡)えっとね…
私、絵本作家になりたいの。
臣)え!絵本作家??
♡)うん。
イラストも物語も自分で描いて
子供たちが笑顔になれるような
そんな絵本が作れたらなぁって…
臣)え…すげぇ…
あ!だから絵本もいっぱいあったの?
部屋に。
♡)あ、うん!そう!
臣)へぇ~~~
♡)あとはね…
心理学の勉強もしたいの。
臣)し、心理学??
♡)うん!
臣)それはどんな…?
♡)えっと…
最近、心が病んじゃう人が多いでしょ?
臣)うん。
♡)だから…
いつ自分の大事な人たちも
そうなっちゃうかわからないし…
臣)……
♡)そうなった時に
何も知識がない自分と
色々知ってる自分が関わるのだったら
全然結果が違う気がして…
臣)……
♡)たとえば相談一つ聞くにしても
違う気がしない?
臣)うん…、確かに。
♡)私…今の会社に入社した時…
最初結構仕事がハードで…
身体壊したりメンタルやられて
辞めてく同期の子とかが多くて…
臣)そうだったんだ…
♡)うん…
だからそれがキッカケで
そう思うようになったんだけど…
もっと困ってる人とか
悩んでる人にとってプラスになれる
存在になりたいなぁって。
臣)そっか…
♡)うん。
なんかすげぇ♡らしいなって思った。
♡)あとは…
これはちょっと現実味ないんだけど…
臣)うん?
♡)洋服のデザインとかも
してみたかったなー♡
臣)へぇ!!
♡)こんな服あったらいいのになぁとか
いつもデザインがいっぱい思い浮かぶの♡
臣)おお!すげぇな!!
♡)だから…、デザイナーとかにも
なってみたかったーって♡
臣)そうなんだ。
見てみたいな、♡のデザイン。
♡)あとは…
って…こんないっぱい喋っていいのかな…
臣)なんで、全然いいじゃんw
♡)なんか一貫性がないし…
臣)でも全部興味があって
やりたいことなんでしょ?
♡)うん!
臣)じゃあ聞かせてよw
♡)えへへ…//
♡のことなら何でも知りたい。
俺に話してくれるのが嬉しいから。
♡)あとはねっ、
この歳からじゃ遅いけど
演技とかもしてみたかったなー!
臣)え!!そうなの??
女優ってこと??
♡)うーん…女優っていうか…
なんでもいいんだけど
お芝居してみたかったなぁって。
臣)なんで??
♡)全く別の人の人生を
生きられるのって、面白くない?
臣)……
♡)私…すぐ感情移入しちゃうタイプだし…
役に入りこんで…お芝居の中だけでも
全然違う人になるのって
すごく面白そうだなって思う♡
臣)そうなんだ……。
今から目指さないの?
♡)うーーん…
今は今の仕事を一生懸命やりたいから
難しいかな…。
それにやってみたいだけで
全然下手かもしれないし!
臣)あはははw
♡)だから臣くんの映画も
すっごく楽しみなんだよー♡
臣)おっと…
圧かけてきますねー?w
♡)そんなんじゃないよー!w
臣)あはははw
演技をやりたかったっていうのは
なんだか意外。
でも…
こんだけ可愛かったら
どんなオーディションでも受かりそうだけど。
♡)あとは…
臣)うん?
♡)すっごく大きな夢なんだけど…
臣)うん。
♡)発展途上国でボランティアしたり
学校建てたりしたいの。
臣)えっ!!
……すげぇ規模がでかくなったな。
♡)うん。一番大きい夢なの。
臣)……
♡)何歳になってからでも
どんな形でもいいから
いつか何か貢献出来たらいいなぁって。
臣)そうなんだ…
♡)LDHは日本の未来のために、だもんね。
臣)うーん…そうな。
♡)私は…、日本の未来も
日本の子供たちも大事だけど…
やっぱり日本は恵まれてる気がするから…
臣)……
♡)水も飲めなかったり
衣食住に不自由してたり…
そんな子供が一人でも減ったらいいなって
いつも思ってるんだ。
すぐに何か出来るわけじゃないけど…
臣)うん。
これも♡らしいなって…
聞いててすごく思った。
♡)それで…
本当の本当の本当の夢は…
世界から戦争がなくなったらいいのになって
思ってる。
臣)………うん、それは俺も思う。
♡)……
臣)なんかさ…戦争もそうだし…
普段のニュースとかでもそうだけど…
絶対どっかで誰かが争ってたり
傷つけられてたりすんじゃん。
♡)うん。
臣)そーゆーのほんと嫌だなって
ずっと思ってたけど…
でも…自分の周りの人が幸せなら
それでいいかって思ってた時もあって。
♡)うん。
臣)でも…それってやっぱり
違うなって思った。
♡)……
きっと、そういうことじゃなくて。
臣)人それぞれ育ってきた環境も違えば
価値観も違うし…
人を思いやる気持ちを忘れてたり
平気で他人に危害を加えたり…
♡)……
臣)愛を知らない人とかって、
やっぱりどうしてもいるじゃん?
♡)うん。
臣)そういう人がいる限り、
自分の周りの人もいつ被害に遭うか
わかんねぇよなって思って。
♡)……
臣)自分の家族とか友達とか仲間とか
自分の大事な人を守りたかったら、
そういう心に闇を抱えた人とか
愛を知らない人を少しでも
減らさないとダメなんだなって思って。
♡)うん。
臣)俺らの活動とか…俺らの歌で…
どれだけの人に影響を与えられて
どれだけの人の心を
救ったりできるかなんて
全然わかんねぇけど…、でも…
♡)……
臣)少しでもそういう人が減ったらいいなって
いつも思ってる。
目に見えるような形じゃなくても…
ほんの少しでもいいから…
臣)大事な人がいるって気付いたり
人を思いやる優しさを思い出したり
何かを頑張る希望や夢を持ったり…
そういう人が一人でも増えたら
少しでも争いとか悲しいニュースとかって
減るんじゃないかなって…
♡)すごく思う…!!
臣)え…?
♡)笑顔になれる人が、一人でも増えたら…
幸せになれる人も周りにもっと
増えていくんじゃないかなって。
臣)……
♡)すっごく思う!!
臣)うん、そうだよな。
♡)だから私、LDHが好きなんだよ♡
臣)え…?
♡)「愛」と「夢」と「幸せ」って
年齢とか性別とか国とかに関係なく…
人が生きていく上で…
絶対に必要なものだと思うから。
臣)……そうだよな。
♡)うん!!
人が生きていく上で…
欠かせない、大事なもの。
♡)臣くんのお仕事は
笑顔とか幸せをいっぱい増やしていく
素敵なお仕事だよね…♡
臣)……
♡)これからも…
臣くんの想いがたくさんの人に
伝わりますように♡
そう言って♡は、
繋いでる手にぎゅっと力をこめた。
♡)えへへ♡ 念じたー♡
臣)…っ
無邪気に笑うその笑顔が
なんだか愛しくて。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
繋いでる手にぎゅっと願いを込めると、
臣)お前の夢も叶いますように。
そう言って臣くんも
ぎゅっと手を握り返してくれた。
♡)……えへへ♡
なんだか、不思議。
臣くんの前だと…
心が素直になれる気がするの。
♡)ありがとう♡♡
私もいっぱい頑張ろうっと!!
臣)うん。
ほら、そんな優しい顔で笑ってくれるから…
心があったかくなって…
♡)こんなにいっぱい…
自分の気持ち、誰かに話したの…
初めてかも…
臣)そうなの?
♡)うん。
繋いでる手から
なんだかパワーをもらえるみたいに
夢が叶いそうな気がしてくる。
すっごく不思議。
♡)臣くんもいっぱい話してくれて
ありがとう♡
臣)え?
♡)なんか嬉しかった♡
臣)……
♡)えへへ♡
臣)……///
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
手を繋いだまま、無邪気に笑う♡が
なんだかやっぱり愛しくて。
ずっとこのまま、こうしていたい。
……なんて思ってたら…
ピロリロリロ♪ピロリロリロ♪
臣)あ、マネージャーだ。
ごめん、出ていい?
♡)あ、うん!!
俺が携帯を取ろうとすると
繋いでた手は簡単にほどかれた。
離さなくていいのに…っ!!
臣『もしもし。』
S『あ、臣!お疲れ!ほんとごめん!』
臣『なに?』
S『昨日臣に渡したデータさ、
間違えてNAOTOのだったんだけど
まだ開いてない?』
臣『え、開いてないっすけど。』
S『NAOTO今日作業しないと
時間ないらしくて
臣のPCから送ってくれないかな…』
臣『え?マジ?今?』
S『うん。今家?』
臣『いや…違うけど。』
S『え!あ…もしかして彼女ん家?』
臣『…うん。』
S『え!嘘!うわ!ほんとごめん!!』
臣『……』
S『え、じゃあ今日帰んない?お泊まり?』
臣『違うっつーのw』
S『うわ~~
一緒にいるとこほんっっっとごめん!!』
ほんとにな!!
折角いい感じだったのに!!
臣『じゃあ今から帰って送るわ…。』
S『え、ほんと?』
臣『だってNAOTOさん困んでしょ?』
S『うん。』
臣『わーーかりました。』
S『…怒ってる?』
臣『……』
S『キレてる?明日俺殴る?』
臣『殴んないよ!!w』
S『彼女にも謝っといてー』
臣『あーー、うーん…
つーか違ぇけど…』
S『じゃあお願いね。
ほんとありがとー!よろしく!』
臣『あーい。
じゃあお疲れっすー。』
ピッ。
臣)はぁ……
なんだか夢から覚めた気分。
♡)…臣くん、殴るの??
臣)はい???
♡)電話…
臣)殴んないっつーの!w
♡)あはははw
臣)え、聞こえてた?
♡)臣くんの声だけ。
臣)そっか。
♡)うん。お仕事??
臣)うん。
♡)もう帰る?
臣)うん。帰んないと。
♡)そっか。
臣)……
♡)……
臣)寂しい?
♡)全然寂しくないよー!!
臣)え…っ
この間は「わかんない」だったのに
「全然寂しくない」って…
なんか後退してねぇか!?
♡)臣くんといっぱい話せたから
楽しかったよ♡
臣)……
俺はまだ一緒にいたかったんだけど…
♡)なんか…
臣くんと一緒にいるといつも時間が
あっという間だなぁ…
臣)俺も。
♡)え?
臣)すげぇ早い…
♡)……
俺が♡の顔を見つめると
♡はニコッと笑った。
♡)じゃあ行こっか。
そのままマンションの前まで歩くと
♡がくるっと振り返って。
♡)えっと…
うちに忘れ物とかないよね?
臣)うん。ない。はず。
♡)よかった。
じゃあお仕事頑張ってね♡
臣)頑張るような仕事じゃないんだけど…
♡)そうなの??
臣)うん。
でもありがと。
飯もほんと美味かった。
ごちそうさまでした。
♡)ありがとうございます♡
臣)……
次…いつ会えんだろ…
また…
♡)また一緒に食べようね♡
えっ!!
♡からそんなん言ってくれるとか…
マジで?!
わ……、///
♡)臣くん…?
臣)あ、うん、食べる!!!
♡)あはははw
臣)ほんとありがと。
♡)うん♡
臣)……
♡)あ…、
臣)?
♡)頭ポンポン…
臣)あっ…
また無意識に触ってた…
やべ…
……でも…
臣)…いいじゃん別に。
♡)え?
臣)お前だけだもん。
♡)えっ…
臣)……
こんな触りたくなるの、
お前だけだもん。
♡)……///
あ~~もう帰りたくねぇな~
このままチューしてぇーー///
♡)じゃ、じゃあ…おやすみなさい//
臣)ん。おやすみ。
俺はそのまま♡が中に入るのを見送って
自分の家まで歩いた。
………はぁ。
今日…
少しは前進したんかな…
俺の気持ちはもうわかってるよな?
あんだけ散々言ったし…
いや…でも…
あいつハンパなく鈍いからな…。
あいつが微妙な状態で
俺から気持ち伝えても
またフライングみたいになりそうだし…
一回それで失敗してっから
なんか慎重になるよな…
また変な誤解されてもやだし…。
少しは俺のこと…
意識してくれてるとは思うんだけど。
あ~~~
早く振り向かせたい…!!
チューして抱きしめたい。
臣)…はぁ……///
ーendー
コメントを残す