◇)あ。
臣)あれ、どうしたの。
リビングのソファーには、
臣さんが一人で起きてて。
◇)えっと…喉、渇いちゃって…
お水をいただこうかと…
臣)ああ、持ってくるよ。待ってな。
臣さんはニコッと笑って
キッチンへ向かった。
あたしは臣さんが座ってたソファーの
斜め向かいのソファーに腰をおろして…
臣)はい、どうぞ。
◇)ありがとう…ございマス。
グラスを受け取った。
◇)…剛典…、寝てますか?
臣)うん。爆睡。
◇)あ、そうなんだ。
結構酔ってたしなーー
◇)臣さんは寝ないんですか?
臣)俺も喉渇いて起きてきただけw
臣さんはお水を飲むと
フーーーッて後ろにもたれて。
臣)ガールズトークは盛り上がりましたか?w
そう聞かれて、少し焦る。
◇)え!!聞こえてました?!///
臣)いや、全然。
◇)ほっ……
臣)聞かれちゃ困ること話してたのかよw
◇)いや、別に…そんなんじゃ…w
臣)下ネタか!
◇)違うし!!
臣)あはははw
◇)……もう//
は、まさか…
◇)臣さん、剛典と下ネタ話してたの?!
臣)なんでやねん!w
◇)……
臣)話してません!w
◇)ほっ……
臣)聞かれちゃ困るネタがあるんかいw
◇)いや、別に…そんなんじゃ…w
臣)ぶはははw
◇)……//
なんだこのやりとりw
臣)……あいつはもう寝た?
◇)あ、はい。
話してる途中で、スヤスヤ…っと。
臣)ぶはっw
あいつすげーしょ。
のび太みたいにすぐ寝るから。
◇)そうなんですか?
臣)そうだよ。いつもビビるもん。
◇)あはははw
あたしはお水をもう一口飲んで
コトリとテーブルに置いた。
◇)今日、本当に楽しかったです。
ありがとうございます。
臣)ねー。楽しかったねー。
◇)お泊まりまでさせてもらって…
臣)いつでもおいでよ。
◇)いいんですか?
臣)あいつも喜ぶし。
◇)……
そっか。
臣さんの基準は全部♡ちゃんなんだ。
やっぱり可愛い人だなw
◇)今日はお昼も一緒に
ランチしてたんですよ、♡ちゃんと。
臣)え、そうなの?!
♡dayじゃんw
◇)はいw 羨ましいですか?
臣)……うん。
◇)あはっww
やっぱり可愛い、臣さんw
◇)♡ちゃんの仕事、
これからいろいろ広がっていきそうだし…
今、会社の人たちで
いろいろ動いてるんです。
臣)あ、そうなの?
◇)はい!
それがなんか楽しくって。
臣)……
◇)♡ちゃんは、
みんなに助けてもらってばかり…って
言ってたけど…
みんなはそんなつもりなくて。
臣)……
◇)「何かをしてあげてる」とかじゃなくて
ただ純粋に力になりたいんです。
みんなもそう思ってるはず。
臣)……
◇)♡ちゃんに喜んで欲しいし
♡ちゃんの笑顔が見たいから。
臣)……
◇)周りにそう思わせるのも
♡ちゃんの「人間力」っていうか…
魅力の一つだと思うし。
臣)……
臣さんはあたしの話を
穏やかな表情で聞いてくれてて…
臣)それ、さ。
あいつに言った?
◇)え?
臣)みんながそう思ってるって。
◇)あ、いえ…
臣)今度機会があったら…言ってやってよ。
あ、優しい笑顔……
臣)あいつさ、ほんと無茶するし
なんでも一人で頑張ろうとするから…
◇)……
臣)周りにそう思ってくれてる人がいるって
きっとすごく嬉しいと思う。
◇)……
臣)ありがとう。
◇)……///
お礼言われちゃった。
なんだか素敵な彼氏だなぁ、ほんと。
◇)あたしは…
♡ちゃんのファンだったんです、ずっと♡
臣)へ?!w
◇)王族4人は、ずっとあたしの憧れで…
臣)4人?!
◇)はい。
♡ちゃんと、Kちゃんと。
臣)ああ、Kね?
◇)はい。
そっか、彼氏だし知ってるよね。
◇)あと、JさんとTくん。
♡ちゃんと一緒に雑誌に…
臣)はぁ?!あいつらー!?
◇)……
説明しようとしたら
こちらもご存知だったみたい。
臣)え、何?あいつら王族なの?
◇)あたしが勝手に呼んでるだけです。
臣)……ふーん…
◇)でも社内では王族みたいなもんです。
臣)どーゆーこと?
◇)♡ちゃんとKちゃんはあの通り。
会社のイベントとかがあれば
列が出来るくらい大人気だし。
臣)……
◇)JさんとTくんは
うちの会社の稼ぎ頭ツートップだけど
人気もツートップで。
狙ってる女子社員がどれだけいるか…
臣)……
臣さんはふぅっとため息をついて。
臣)Mちゃんの話って…
盛られてるわけでもなかったんだ…。
って、小さく言った。
◇)ちなみにあたしは…Jさんが好きです♡
ここでもコソッと打ち明けると、
臣)はぁ?!!
臣さんの顔が、また歪んだ。
臣)あんな奴のどこがいいわけ!?
◇)え…だって…イケメンだし…
臣)岩ちゃんのがカッコイイじゃん!
◇)え、それはないです。
臣)即答かよ!
◇)Jさんの方がカッコイイ。
あたしのタイプ。
臣)ひでー彼女だな!ww
今度は笑い出した。
臣)岩ちゃんに言ってやろーっと。
なんて、べぇっと舌を出すから
◇)もう言ってます。
普通に返すと
臣)信じらんねぇ!ww
って、また肩を揺らして笑ってる。
臣)ちょ、あんま岩ちゃん
苛めないでやってよ…w
◇)えー!苛めてないもん!
臣)そんなの絶対ヤキモチ妬くっつーの。
◇)……
臣)ヤキモチ妬いても…
男はそーゆーの、なかなか言えないしさ。
◇)…そう…なんですか?
臣)そうだよ。
◇)……
あたしがじっと見つめると、
臣)まぁ俺は…
大分言えるようになったけど…w
臣さんは、照れたような苦笑い。
臣)前はさ、全然言えなかった。
◇)……
臣)男がヤキモチ妬くなんて、
なんかカッコわりぃじゃん?
余裕ないみたいで。
◇)……
そうかな。
そんなことはないけど…
男の人はそう感じちゃうのかな。
臣)そんな自分もなんかダサいし…
すげぇ気になってんのに
気になってないフリして誤魔化したり…
◇)……
臣)好きな女の前でなら、なおさら。
カッコつけたいしね。
◇)……
そう…なのか。
剛典もそうなのかな。
臣)でも、なりふり構ってらんないくらい
好きで。
◇)……
臣)余裕ないのが現実なのに
虚勢張っても仕方ねーなって思って。
◇)……
臣)あいつもさ、前より素直に
気持ち伝えてくれるようになったし…
それにつられて…じゃないけど
俺も前よりは言えるようになったかな。
◇)……
臣)ヤキモチもそうだし、
それ以外の気持ちもね。
穏やかにそう話す臣さん。
思ってることをちゃんと言い合おうって
二人で何度も話して
そういう繰り返しで今があるって
優しく笑った。
そこに二人の絆みたいなものを感じて
少し羨ましくなったし、
あたしも剛典と
そんな風になっていけたらなって
そう思った。
臣)まぁでも、あの二人は気にいらねーけど…
あれ。
今ぼそっと、言ったよね?
◇)あの二人って…
JさんとTくんのことですよね?
臣)……
◇)会ったこと…あるんですか?
臣)……うん。
◇)♡ちゃんのこと、好きなのも…?
臣)だって俺に宣戦布告してきたし。
二人揃って。
◇)えーーー!!
何それ何それ!!
初耳!!!
◇)Jさんはなんて言ってきたんですか?!
やだ!カッコイイ!どうしよう!
臣)……
あ、臣さんが呆れ顔。
◇)教えて…ください…
臣)思い出したらムカつくから
教えな〜〜〜い。
◇)えーーー!!
またべぇっと舌を出す臣さん。
教えてよぉ!!!
臣)どこがいいんだか…
またボソッと言うから…
◇)すっごく紳士で優しいんです♡
懲りずに続けるあたし。
◇)ほんとレディーファーストだし
あたしが前に重たい荷物運んでた時も
代わってくれて…
「女の子がこんな無理しちゃダメだよ♡」
って…、きゃっ♡♡
臣)け〜〜〜〜っ、ぺっ!
◇)あ!ぺってした!!
臣)ぺっ!ぺっ!!
◇)こらーー!!ww
臣)あはははw
どうやらJさんは臣さんの天敵みたい。
◇)Tくんも…嫌い…?
チラッと伺うと…
臣)……ふん!!
あ、嫌いなのねw
◇)あたし…Tくんと
同じマンションなんです。
臣)え!!そうなの?!
◇)はい。会社のマンションで。
臣)ああ!なるほど!
……あれっ…、あのさ…
♡が家出した時は◇ちゃんの家に
いたんだよね?
◇)はい。
臣)……ああ、そ。
◇)……
あ、そっか。
同じマンションって言ったから
もしかしてって不安になったのかな。
◇)Tくんはうちに来いって
言ってましたけどね…
なんて、ちょっとイタズラ心でからかえば…
臣)……
あ、また表情が歪んだ。
わかりやすい!
なんてわかりやすいの、臣さん。
全部顔に出るな。
臣)他には…?
◇)え…?
臣)……
◇)……
Tくんのこと、気になるのかな?
◇)あたしの前で、好きだって言ってました。
臣)……
◇)なんかドラマみたいだったな。
臣)は?
◇)あんな風に言われたら、
関係ないけどあたしがドキッとしちゃう。
臣)……
◇)同期旅行も…
♡ちゃん行かないって言ってたけど
結局Tくんが連れて行ったし…
臣)…あいつ…行かないって言ってたの?
◇)はい。だって目もすごく腫れてたし
それどころじゃない感じで…
…って、これ臣さんの話なのに
言っていいのかな。
聞きたくないよね、こんなこと。
臣)あいつ…そんなに…泣いてた…?
◇)……
臣)家出…してる時…
◇)……
うちのティッシュは、なくなりましたよ。
臣)……そっか。
あたしの無言をYESと受け取って、
息を吐いた臣さん。
◇)…でも…
あんなに泣いても、
♡ちゃんは臣さんが好きで…
臣)……
◇)あんなイケメン二人に言い寄られても…
臣さんが好きで…
臣)……
◇)臣さんってすごい!!
臣)……
◇)だって、♡ちゃんが選んだ人だもん!
それだけですごい!!
臣)……
臣さんはあたしの言葉に
少し不思議そうな顔をして、
臣)そっか…
一人で納得したように呟いた。
臣)俺って…周りからは
「♡が選んだ人」って、見られるんだ…
◇)……
臣)そっか…
◇)そうですよ。
♡ちゃんが選んだってだけで
イイ男度100倍増しです。
臣)ぶっ、あはははっww
また笑ってる。
臣)ヤバいね、それw
◇)ふふっw
臣)そっか、そうなるのか。
臣さんはなんだか嬉しそう。
臣)俺も男磨かなきゃなーーー!
◇)……
それは…
「♡ちゃんが選んだ男」に
相応しくなれるように、ってことかな?
臣)じゃあ…そろそろ寝ますか?お嬢さん。
◇)あ。
気付けばこんな時間。
臣)付き合ってくれてありがとね。
◇)……
ベラベラ喋ってたのはあたしなのに
優しいな。
臣さんは立ち上がると、
♡ちゃんの部屋に向かってて…
◇)……あれ?
あたしの声に振り返ると
臣)シーーーッ
人差し指を立てて…
臣)岩ちゃんと寝てやんなよw
寝室を指差して、笑った。
◇)え……
臣)あ、変な意味じゃなくてね?
◇)え?
臣)好きな子にくっついてるだけで
癒されるから。
◇)……
臣)明日からクランクインらしいし
少しでも充電させてやって。
◇)……//
臣さんにまでそう言われると、
なんか照れる。
好きな子にくっついてるだけで癒される…って
それはまるで、自分もそうだって言うみたいに
♡ちゃんの部屋のドアを開けて…
臣)じゃ、おやすみ♡
臣さんはウインクして、いなくなった。
◇)……///
さっきまであんな話をしてたし…
きっと♡ちゃんと一緒に
寝たくなっちゃったんだな。
仕方ないから、あたしは寝室のドアを
静かに開けた。
広いダブルベッドの上では
剛典が大の字で寝てる。
◇)ぷっw
むしろ、あたしいない方が
伸び伸び寝れるんじゃない?w
なんて、思ったけど…
◇)お邪魔しまーーす…
そっとベッドに上がって、
布団の中に潜りこむと…
岩)んん……
剛典が少し動いて…
岩)…◇………
全然起きてないくせに、
あたしの名前を呼んだ。
◇)……///
それだけのことが、地味に嬉しい。
なんだよぅ、もう…っ///
岩)ん………
剛典の腕は
すごく自然に、あたしを抱き寄せて…
あたしをぎゅっと閉じ込めると、
満足したように
またスヤスヤと寝息を立てた。
◇)////
可愛い。
きゅーーーーーーーーん。
寝てる時まで無意識にあたしを
キュンキュンさせてくるとは…
このツワモノめ!///
◇)……おやすみ。
あたたかい胸に、頬をすり寄せて
あたしもゆっくりと、瞳を閉じた。
ーendー
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うおおおーーー!
らぶ。
(すみません…この小説好きすぎて、つい。。)
最後らへんめっちゃきゅんきゅんしました♡♡
最後の方ずるいですよね、登坂氏(❁´ω`❁)もふふw
キュンキュンしたー!!!!(∩˃o˂∩)♡
最後の岩ちゃんの感じやばかったー!!♡
マイコさんの頭の中ほんま最高(♡>艸<)
忙しい中いつも更新ありがとうございます♡
キュンキュンさせてくれてありがとうございます(^о^ )/
家出の時は辛かったけど、臣くんと◇ちゃん話出来てよかった( *´꒳`*)
にひひ((っ´ω`)♥(´ω`⊂ ))
無意識な岩ちゃんもかわゆす♪
◇ちゃんと話す臣くんはなんだか新鮮で(いつものデレ臣とは少し違うから)書いてて楽しかったです笑
やっぱり臣君♡ちゃんと一緒に寝たかったんだぁ(^_^)臣君可愛い❤️でも、♡ちゃん目覚めたらビックリだよね〜(≧∇≦)臣君が、優しい顔で♡ちゃんのお話しするの癒される〜 臣君、俺様キャラだけど本当は、優しくて、話し下手で、可愛いよね〜。またまた更新楽しに待ってます。マイコさん大好きです♡
そうそう!そうなんです。゚(゚´ω`゚)゚。俺様キャラだけど♡ちゃんのことが本当に大事で…大好きで…。゚(゚´ω`゚)゚。
次回はちょっと暴走しちゃいますが許してあげてください笑