披露宴も無事に終わって
場所は上のフロアに移動して、二次会。
泣きすぎちゃったから
凪ちゃんと一緒にトイレでお化粧直し。
♡)はぁ…、本当に素敵だったね♡
凪)うん♡
♡)次は凪ちゃん達かぁ……
凪)なんか自分たちももうすぐだから
今日はドキドキしながら見ちゃったw
♡)そうだよね!
外に出ると、別の宴会場の人たちも
うろうろしてて…
♡)あれ、どっちだっけ?
凪)こっちだよw
♡ちゃん、方向音痴?w
♡)バレた!///
凪)あはははっw
人波を縫って戻ろうとすると…
男)なぁんか可愛い子いるぅ〜〜♡
♡)わぁっ!
後ろから腕を掴まれて…
♡)ちょ、離してください!!
うわ、すっごくお酒臭い!
酔っ払いだ!!
男)うんわっ。まーじで可愛いじゃん///
♡)や、痛い!離して!
男)こっちの子も可愛いかなー?♡
酔っ払いが凪ちゃんに触ろうとしたから
私はその手をチョップした。
男)ぶはっww
チョップされてやんの!w
男)何してくれんのーちょっとーーw
♡)触んないで!!
凪)♡ちゃん…っ
男)チューしちゃうぞーこのやろーー♡
近づいてくる気持ち悪い酔っ払いを
サッと避けて逃げようとすると
もう一人が私の肩を強く引いた。
♡)…っ
男)マジですっげぇ可愛いじゃん♡
一緒に飲もうよ。
♡)離してってば!
凪ちゃん!先戻って!
凪)…っ
♡)いいから!早く!
目で合図して
凪ちゃんがいなくなったのを確認して
私は戦闘態勢に。
男)え、ちょ、何そのポーズ!w
♡)私ボクシング習ってるんだからー!
男)ぶはっww
ちょ、可愛すぎ…ww
♡)バカにしないでよー!
来たらパンチするからねっ!!
男)パンチってww
女の子をバカにして〜〜!!
男)可愛い子がそんな野蛮なことしちゃ
ダメでしょww
♡)きゃぁっ!!
敵は二人だと思ってたのに
後ろから誰かに捕まった!!
男)どれどれ、顔見せてw
♡)やだ!離して!!!
男)あ、マジで可愛い。大当たり。
♡)お酒くさいっ!!
男)俺たち酔っ払いだからねー♡
ダン!!!!
男)いってぇ!!!
私を捕まえてる男の人の足を
思いっきり踏んでやった!!
そのまま逃げようとすると…
♡)…っ
男)見かけによらず勇ましい子だね〜〜w
また回り込まれて…
やだ!!もうしつこい!!
男)ボクシング習ってるくらいで
この人数に勝てると思ってんの?ww
♡)…っ
そう言われると、少し怖くなる。
でも…でも…
いざとなったら急所を蹴るんだもん!!
男)別にここで犯そうなんて
言ってねぇんだからw
男)ちょっとくらい一緒に飲もうぜ、って…
……ッ!!!!
私の手首を掴んでる男の人の手を
横から誰かが捻り上げて、
顔をしかめた酔っ払い。
光ったのは、群青色のカフスボタン。
♡)…っ
後ろを振り向くと…
臣)ぶっ殺されてぇのか、てめぇら。
黒いサングラスに
聞いたことないような低い声。
表情を変える酔っ払いたち。
その場が凍りついたように
静かになって……
賢)ほんとに殺されたくなかったら
早く逃げた方がいいよー
賢司くんがそう言うと
みんな怯えたように逃げていった。
だって…
だって…
臣くんが本当に怖いから。
♡)マフィアみたい……
臣)はぁ?!
賢)ぶっww
マフィアって!!ww
♡)だって…
臣くんがサングラスを取って
私を抱きしめた。
♡)…っ///
臣)はぁ…、もう…っ
♡)お、臣くんっ///
臣)うるせぇ!少しじっとしてろ!
♡)////
どくん…どくん…
臣くん、走ってきてくれたんだ。
まだ少し息が切れてる。
臣)凪ちゃんが…血相変えて飛んできたから…
♡)あ…っ
臣)良かった…間に合って…
♡)…っ
また臣くんに心配かけちゃった…
♡)でも私…っ、戦おうと…
臣)あのなぁ!
♡)…っ
臣くんに肩を掴まれて…
すっごく真剣な目に、捕まった。
臣)順番が違ぇだろ!
♡)え…?
臣)まずは助けを呼べ!
♡)…っ
臣)他にも人いたんだから
大きな声で叫べよ!!
♡)あっ…そっか…
思いつかなかった。
臣)で、その次はすぐ急所!!
♡)…っ
臣)女一人で勝てるわけねぇだろ!
♡)ごめんなさい……
臣)もう…っ
ぎゅぅっ
♡)…っ
またぎゅってされた。
♡)臣くん…苦しい…///
臣)ん。
♡)////
全然離してくれない。
臣)誰もいないからもう少しだけ。
♡)えっ…
しばらくして臣くんが解放してくれると
本当に周りには誰もいなくて…
♡)賢司くんは…?
臣)凪ちゃんと先に戻ったよ。
♡)全然気付かなかった…
臣)あ、…赤くなってる。
♡)あっ…
さっき掴まれた右腕。
臣)チッ
♡)!!!
臣くんが舌打ちした!!
わ!!怖い顔してる!!!
臣)一発殴ってやれば良かった…
♡)だ、だめだよ!こんなところで!
臣)……
♡)…っ
さっきは王子様みたいだったのに
今は本当にマフィアみたいで…
一体何人の臣くんがいるんだろ……
♡)ううっ…///
ぎゅむっっ
臣)どうした。
♡)……
なんか…
ぎゅってしたくなったんだもん…
♡)…ぎゅぅ…
臣)……
♡)誰も…いないから…//
臣)……ん、//
臣くんにもう一回抱きつくと
臣くんが優しく背中をトントンしてくれて…
♡)すぐに来てくれて…ありがとう…
臣)ん。
♡)心配かけて、ごめんね…?
臣)……
トン…トン…
臣)いや、お前も怖かったよな、ごめん。
♡)ううんっ
臣)俺の側から離れんな。
♡)……はい。
臣)ん!
顔を上げると
臣くんが頭をポンポンしてくれて…
やっといつもの笑顔で、笑ってくれた。
♡)////
なんだろう…
一気にきゅぅぅん……
臣)ほら、二次会行くぞ。
♡)……臣くん…
臣)んー?
繋がれた手を、きゅっと引いた。
♡)……
臣)どうした…?
♡)……ちゅぅ…///
臣)…っ
本当はぎゅーも足りない。
なんだかすっごくしてほしいんだもん。
臣)あーー、……こっち。
♡)…っ
手を繋がれたまま
柱の陰まで連れていかれて…
ぎゅっっ
臣くんはもう一度、抱きしめてくれた。
♡)////
とくん…とくん…
身体がゆっくり離れると
そのまま重なる視線は
なんだか熱を帯びていて…
「キスしてほしい」
そう思ったのと同時に、
唇が優しく塞がれた。
短く、柔らかく
重なり合ってたキスは…
だんだん…
長く、熱いキスに変わっていって…
♡)……は…ぁっ、///
臣くんがしっかり腰を抱いてくれてるから
私は臣くんのほっぺを両手で包んだ。
♡)また…グロス、ついちゃう…
臣)……ん、いいよ……
♡)////
臣くんの瞳の奥までが
群青色に染まったみたいに、
夜の熱を感じて…
♡)じゃあ…もっと…///
臣)…っ
唇を近付けると
優しく頭を支えられて
キスはもっと、深くなった。
♡)ん…、っ…、はぁ///
胸がドキドキして…
身体が熱くなっちゃう。
ゆっくり離れた唇を
名残惜しく、視線で追いかけると
臣くんが熱いため息を吐いて
私を抱きしめた。
臣)……はぁ、抱きたくなる///
♡)…っ
ドクン…
ドクン…
臣)……///
♡)……///
そっと離れた身体。
繋がれた、手と手。
臣)戻るか……///
♡)……(こくん)///
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
二次会のバーに戻ると
もうみんな盛り上がってて
俺たちに気付いた凪ちゃんが走ってきた。
凪)ごめんね!先に戻ってきてた!
♡)ううん!
賢)なんかイチャつき始めたから
気を利かせましたわ。
臣)そりゃどーも。
♡)////
賢)あーゆー時は大声出せって
凪に言ってたところ。
臣)ああ。
凪)ごめんね?
私ああいうの初めてだから
びっくりしちゃって…役立たずだった。
臣)あーゆー時は男の急所蹴るんだよ。
賢)ちょっと!うちの子に野蛮なこと
教えないで!w
臣)なんでだよw
正しい対処法だろ!な!
♡)うんっ!!
賢)ぶはっっww
K)あ、いたいた!
♡)Kちゃんっ!
K)なんだったの?大丈夫?
♡)うん!
K)臣広と賢司くんがすっ飛んでったから
何事かと思ったよ。
♡)えっ
K)臣広はいきなりサングラスかけるしw
臣)ああ、これ?w
俺がもう一度サングラスをかけると
みんなして大笑い。
臣)なんでだよw
一応顔バレしないように
念のため、と思って持ってきてたのに。
K)マフィアみてぇ!ww
♡)だよね!怖いよね!
臣)えっ…
お前、怖がってたの?
K)こんな男現れたらさすがにビビるわw
賢)酔っ払いたち、マジでビビってたからねw
臣)そんな怖い…?
♡)怖いよぅ…
凪)でもちょっとカッコイイ///
臣)凪ちゃん話わかる子じゃーん♡
俺が凪ちゃんの頭に手を置くと
賢司に叩かれた。
賢)マフィアにさらわれる!!
♡)あはははっw
ポ)わぁ!臣広!!!
臣)おっ
ポールが俺を見つけて
肩を叩いてきた。
ポ)カッコイイね!どうしたの!
臣)ははっw
凪)ほら、ポールもカッコイイって。
♡)あれ…なんでさっきは
あんなに怖かったんだろう…
賢)殺意に満ちてたからじゃねw
♡)なるほど!!
賢)ちょ、それ貸してw
臣)おう。
賢司が俺のサングラスをかけて
俺の真似を始めた。
賢)ぶっ殺されてぇのか、てめぇら。
臣)ぶっww
K)何それ!!w
賢)広臣の再現ww
♡)似てる!!
でももっと怖かった!
賢)もっと声低かったか。
♡)うん!
凪)あはははw
臣)……
俺、そんな怖かった?
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
さ)みんな、さっきはありがとねーー♡
真っ白なワンピースに着替えたさくちゃんが
遅れて登場。
♡)さくちゃーーん♡
さ)♡〜〜〜!!
ちょっと!歌!ほんと感動したんだけど!
♡)えへへ///
さ)臣くんも!ほんとにありがとう!
臣)喜んでもらえて何よりです。
さ)ほんっっっとにすごかった!
鳥肌立った!!
臣)はははw
さ)お見送りの時もみんな言ってたよ!
二人の歌すごかったって!
♡)ほんとー?♡
さ)それに歌は頼んだけど
まさかピアノまで弾いてくれるとは
思ってなかったから!
びっくりした♡
♡)えへへーー♡
いっぱい練習して良かったぁ♡
さ)一応アナウンスしてもらったけどさ、
式のムービー撮ってくれてた人だけ
撮影してくれてたから、
あとでDVDに焼いて渡すね♡
臣)マジか。ありがとう。
♡)わーーい♡
それからみんなでお酒を飲みながら
楽しくお喋りして
最後のビンゴ大会は
ポールが1位のホームベーカリーを当てて
Kちゃんがそれを奪い取って
私と臣くんは残念ながら
何も当たらず。
終電の時間になって解散して
二人でタクシーで帰ってきた。
家に着いてから
せっかくお揃いだから写真撮りたい!
っていう私のワガママにも
臣くんは笑顔で付き合ってくれて
にゃんこと一緒に記念写真を撮った。
♡)ふふふ…お揃いー♡
ね、ね、マフィアバージョンも撮ろー!
臣)えーー!
怖いんじゃなかったのかよw
♡)いいからー♡
臣)はいはいw
臣くんにサングラスをかけてもらって
もう一枚、パシャリ。
♡)あははっ♡
マフィアだーー♡
臣)なんだかんだで気に入ってない?w
♡)うんっw
だって…
あの時は怖かったけど
普通に見たら
ハリウッドスターみたいなんだもん♡
臣)よし、じゃあ風呂の用意してくるわ。
♡)あ、私やるよー!
臣)いいから座ってろ。
サングラスを外した臣くんが優しく笑って
頭をポンポンしてくれた。
♡)////
はぁ…
やっぱり今日の臣くん、すっごくカッコイイ…
ドキドキドキ///
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
あーあ…
今日の♡、ほんと可愛いんだけど…///
あのドレス、似合ってるよなぁ〜〜
買ってやって良かった♡
他所の男どもにジロジロ見られんのは
気に入らねぇけど…
まぁ今日は全員、駆除できたし。
臣)よしっと。
風呂を洗ってリビングに戻ると
ソファーの上でスヤスヤ寝てる♡。
臣)お前は…こんな数分で…
ほんとのび太だなww
静かに隣に座って
その寝顔を覗き込む。
酒が入ってるからか
頬が少し赤くて…
その熱を吸い取るように、
指の背で頬を撫でた。
♡)……ん…、
♡は少し動いただけで
目を覚まさない。
臣)……
「…ぎゅぅ…
誰も…いないから…//」
「……ちゅぅ…///」
さっきの♡を思い出す。
なんか最近…
こいつ、ずるいよな?//
前までは
「ぎゅーしたい」とか
「ぎゅーしてー」とかだったのに
最近、
「ぎゅぅ…」「ちゅぅ…」
だけで、それをねだってくんだけど
何なの?
すげぇ可愛いし///
子供みたいに甘えてきたかと思えば
キスするとすぐ女の顔になって…
「じゃあ…もっと…///」
そんな風に俺を誘惑する。
臣)////
さっきのキスを思い出すと
また、したくなる。
なんか俺…興奮して
抱きたくなる、なんて言っちゃったけど
♡、引いてなかったかな?
大丈夫かな……
臣)……
今はまだ修行僧シーズンだから
我慢するけど…
♡の生理が終わったら
俺、ほんともう止まんないかも…///
ーendー
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