[313]あの日のキス(隆二&♧Side)

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♧)隆二くーーん、
  そろそろご飯できるよーー
  起きてねーー♡
 
 
……やだ。まだ眠たい。
でもご飯は食べたい。
 
……むにゃむにゃむにゃ…。
 
 
♧)隆二くーーん!
  起きてねーー!
 
 
起きれません…。
 
ねむねむねむ…
 
 
♧)隆二くん?朝だよーー
  ご飯できたよ?
 
 
ご飯は…食べたいんです…。
 
 
♧)隆二くんってばーー!
 
 
何度も起こしに来てくれる♧。
 
そろそろいい加減怒られちゃうかな、
 
と思ってそーっと顔を出すと…
 
 
♧)朝だよ♡
  お寝坊さん♡
 
 
ふにゃんと笑う綿あめスマイルに
頭を優しく撫でられた。
 
 
隆)……朝から癒し度高ぇ…。
♧)え?
隆)……いや。
  ♧は優しいなぁ…って。
♧)え、優しい?普通でしょ?
隆)だってさ、いつも俺が全然起きなくても
  怒ったりしないじゃん。
♧)……怒った方がいいの?起きる?
隆)わかんない。やってみてw
♧)どんな感じ?
隆)てめぇいつまで寝てんだコラ!
  起きやがれ!!!
  くらいに。
♧)ええ?!w
 
 
♧はあはははって笑って
俺の上にぼすん!と乗っかってきた。
 
 
♧)こらー!いつまで寝てるんだー!
  起きろぉぉーー!!
隆)……何それ。全然可愛いからw
♧)ええ?!
 
 
癒し系な俺の彼女は
可愛い起こし方しか出来ないみたい。
 
 
隆)じゃあチューしてくれたら
  起きよっかなー。
♧)もう…、ふふ♡
  はい♡
 
 
チュッ♡
 
 
隆)へへへへ////
 
 
ああ、朝から和むなぁ。
 
 
それからもそもそと起き上がって
顔を洗って戻ってくると…
 
 
♧)〜♪すべてを愛して…
  涙の数だけ 人は優しくなれるよ♪〜
 
 
♧はなんだかご機嫌で歌を歌いながら
テーブルを用意してくれてる。
 
 
♧)〜♪どんなにつらい時も 悲しい時も
  きっと強くなれるから♪〜
 
 
その歌、お気に入りだよね?
 
 
♧は家事をしながら
気付けばいつも何か歌ってて。
 
川で裁縫してた頃は
子供の歌?が多かったけど…
 
俺と一緒に暮らすようになってからは
三代目の歌が増えた。
 
登場率が高いのは、
『君となら』と『All LOVE』。
 
 
俺のソロをニコニコ歌ってる♧を見ると
なんかほんと可愛いなぁ…って
嬉しいような照れるような…
 
 
♧)きゃっ///
 
 
こうやって、ぎゅってしたくなるんだ。
 
 
♧)おかえりなさい。
隆)へへ、お待たせ♡
  食べよっか♡
♧)うん♡
 
 
後ろから抱きしめた♧を
こっちに向かせて
そのおでこにチュッとキスをして
テーブルに座った。
 
 
隆)いただきまーす♡
♧)召し上がれー♡
 
 
なんて平和な朝なんだ。
 
ご飯は美味しいし、♧は可愛いし、
ああ、俺って幸せ♡
  
 
隆)♧今日休みだよね?
♧)うん!
隆)ジャム作りするんだっけ?
♧)そうだよー。
  だからそれまではまたひたすら
  ミシンしようかなって♡
隆)そっかそっか、頑張れー。
♧)うん♡
 
 
俺は今日もドリフェスのリハと
夜はレコーディング。
 
♧に作ってもらったお弁当を持って
スタジオ入りした。
 
 
臣)イニミニさ、BPでは飛ばしたから
  今回はDメロ入れたい。
隆)おう。入れよ。
N)次のSTORM RIDERSさ、
  BPみたいな感じでいいよね?
直)二人シャウトするとこ、
  追加公演みたいにまた手繋げば?
N)あれ好評だったしね。
臣隆)……いや、いいや。
 
 
思わずハモった俺たちに
NAOTOさんは「なんで!」って笑ってる。
 
 
臣)普通に背中合わせでいいよね?
隆)うん。
 
 
元々そうだったのに
追加公演ではちょっと変えてみたんだよな。
 
あれはあれで良かったけど
あれは追加公演だけのスペシャルってことで。
 
 
健)MCどこ入れますー?
N)うーん…、やっぱバラードの前だよね。
臣)じゃあO.R.I.O.N.の後で。
隆)うん。
直)で、この三曲やって、後半戦か。
E)いい流れかも。
岩)うん。
N)とりあえずじゃあアンコール前まで
  通してやってみっか。
隆)はーい。
 
 
リハの後はもちろんみんな腹ペコで、
今日は弁当持ってきてるのは俺だけみたい。
 
 
健)お前唐揚げ好きやないやろ!
隆)は?!
健)唐揚げは俺の好物やから!
隆)あ!!!
 
 
勝手に一個盗んでった!!
 
 
隆)違ぇから!!
  唐揚げ弁当が意味わかんないだけで
  唐揚げは好きだし!!
健)はぁ?もう遅いわ。
隆)泥棒!
健)ふふんw
 
 
健ちゃんの背中をじとーっと呪っておいた。
 
 
E)唐揚げ弁当嫌いなの?
隆)嫌いっていうか…
  あれだけだと意味わかんない。
岩)おかずの一つならいいの?w
隆)うん。
直)あ、♡ちゃんも唐揚げ食べてるよ。
臣)ん?!
 
 
スマホを見てた直己さんの声に
臣が誰より早く反応した。
 
 
N)あ、ほんとだ。
  レディースセット食べてらっしゃるよ。
  唐揚げ美味しそう。
岩)また隠し撮りされてるんだw
N)でもさ、♡ちゃんのページって
  こういうのがいいよね、自然で!
E)うんうん!
健)自撮りゼロがテーマなんやろ?
臣)そうらしいよー。
岩)Mちゃんは戦略家だなー。
隆)……。
 
 
うちの♧もハピクロの件で
お世話になってるしな。
 
 
臣)てかさ、ニュースある!
健)ん?
臣)まだ内緒ね!
岩)うん?
臣)♡ね、ポカリのCM決まった!!
皆)……ええええ!!
 
 
スタジオに響き渡るみんなの声。
 
 
N)うっそ!マジで?!
臣)はい。
岩)俺らが冗談で言ってたやつ
  実現したじゃん!w
臣)そう、それ!
岩)え?
臣)運動会の動画あったじゃん?
  あれ見て声かけてくれたらしいよ。
岩)え、マジ!?
E)すげぇ!♡ちゃん!w
健)あれほんまポカリみたいやったもなぁ。
直)イメージぴったりだな、似合う。
隆)すげぇ…。
 
 
MV祭りの次はついにCMに出るのか。
♡ちゃんメキメキ活躍中だなー。
 
 
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
 
 
◇)ポカリ!?
♧)すごーーい!!
♡)えへへへ♡
 
 
会社帰りの♡ちゃんと◇ちゃんと
うちで一緒に夕食を食べてたら
そんな大ニュースを聞いちゃって。
 
思わずサラダのトマトを落としちゃった。
 
 
◇)似合う!ピッタリ!
  ピュアで爽やかで透明感のある感じ!
  ♡ちゃんしかいない!
♡)ええ!
♧)うん、私もそう思う。
 
 
どんなCMになるんだろう。
早く観てみたい。わくわくしちゃう。
 
 
◇)今日解禁されたMVも見たよ〜〜!
♧)え!なぁにそれ!?
◇)まだ観てないですか?
♧)うん!観たい!!
 
 
◇ちゃんにお願いしてTVに映してもらうと…
 
 
♧)わぁ……!
 
 
そこには全然いつもと違う♡ちゃんがいた。
 
 
♧)黒髪も…似合うねぇ…、
  お人形さんみたい。
◇)ほんと可愛い!
♡)えへへ、これウィッグだよー♡
♧)わ!こっちはボブスタイルなの?
♡)はい、これもウィッグです♡
◇)なんでも似合っちゃう♡ちゃん
  すごすぎるよ!!
 
 
これは観た女の子なら
みんな憧れるんじゃないかなぁ。
 
 
♧)♡ちゃんって…
  本当に可愛いなぁ…。
◇)そりゃ臣さんも溺愛しちゃいますよね。
♧)うん!!
 
 
パッと見て
♡ちゃんってすぐにわからないところも
なんだかすごい。
 
 
♡)毎回同じヘアメイクだと
  つまんないからって
  Mちゃんが提案してくれたみたいで。
◇)おおお!さすがMちゃん!
♧)頼もしいね…。
 
 
Mちゃんって本当にすごいなぁ。
 
 
それからしばらくすると
むーこも遅れてやってきて。
 
 
む)へっへへ、ごめんね〜〜!
  サマンサ女子の集まりに
  入れてもらっちゃって!w
♡)えへへ、むーこさん来てくれて嬉しい♡
む)あら相変わらず可愛いんだから〜!
  ♡ちゃんってば〜!♡
 
 
むーこは嬉しそうに♡ちゃんを抱きしめた。
 
 
今日3人でジャム作りするって話したら
前にあげたジャムが美味しかったから
一緒にやりたいって言ってくれて。
 
 
♧)よし!じゃあ始めよっかー♡
◇)はーい!♪
 
 
みんなでエプロンをして
フルーツの準備をした。
 
 
♡)なんかお料理教室みたい♡
◇)楽しいね♡
♡)ねっ♡
♧)うーんと…
  ジャムは煮詰めるだけだから
  簡単なんだけど…
  まとめて作ってみんなで小分けに出来たら
  お得かなーって思って。
む)うんうん♡
♧)今日は、ピンクグレープフルーツと
  ブルーベリーとあんずのジャムを
  作りたいと思います♡
皆)はーい!♪
 
 
みんなでフルーツをどんどんカットしていく。
 
 
む)キッチン広いと作業しやすくていーね!
♧)うん♡
  お料理楽しいよ♡
む)てか杏なんて買ったことないんだけど…
  これどうやって切んの?
♡)あ、私やりますよー♡
む)お願いしまーすw
  あたし煮込む係とかでいいわw
◇)あはははw
 
 
準備が整って、用意したのはオリゴ糖。
 
 
む)何これ。砂糖じゃないの?
♧)うん。うち砂糖はないんだ。
む)は?砂糖がない!?
  そんな家、あるの?!
♧)うん。
◇)うちも使ってないですよー。
♡)うちも。
む)ええ?!!
 
 
むーこは一人で目を白黒させてる。
 
 
♧)砂糖って身体に良くないでしょ?
  だからうちはオリゴ糖とか
  黒糖とかにしてるよ。
む)え、どういうこと!?
  それは身体にいいの?
  何が違うの?
♧)うーん…、そこまで詳しくは
  私もわからないけど…
◇)説明しましょう!
む)えっ!!
◇)砂糖はただ甘いだけ!ただそれだけ!
む)は、はいっ…
◇)どうせ摂るなら
  身体に良い糖がいいですよね?
む)はい!
◇)例えばオリゴ糖は
  胃や小腸で分解されずに大腸まで届くので
  腸内環境を整えてくれます。
む)へぇ!
◇)黒糖はミネラルが豊富で、その他に
  ビタミンやタンパク質も含まれているので
  栄養食ともいえるような調味料です。
む)へぇぇ!!
◇)ちなみにオリゴ糖は基本的に
  ほとんど甘さがないので
  市販のものは甘味料が添加されてることが
  ほとんどなんですが…
む)ふむふむ!
◇)♧さんが使ってるこれは
  純度の高いオリゴ糖です!
む)おおおお!
 
 
テキパキと説明してくれる◇ちゃんを
ぽかーんと見つめる、私と♡ちゃん。
 
 
む)さすがミス東大!詳しいね!
◇)いや、それは関係ないですw
  最近少し勉強してて。
む)あら、岩ちゃんのために?♡
◇)自分の身体のためでーすw
む)んもぅ!素直じゃないんだから♡
 
 
うん。
絶対岩ちゃんのためだと私も思うな。
 
 
む)♡ちゃんも知ってて
  砂糖なしの生活してたの?
♡)あ、私は…それほど詳しくないですけど、
  なんとなく黒糖とかの方が
  身体に良さそうだなー♡
  って使ってました。へへへw
 
 
うん!私もその程度だった!
 
 
む)すごいなぁ…
  やっぱりサマンサ女子となると
  基礎力が違うなぁ…。
♧)なぁにそれw
む)よし、じゃあ煮込みますか!!
♧)うん♡
 
 
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
 
 
隆)〜♪愛をありがとう 夢をありがとう
  この想いを死ぬまでずっと
  胸に架けて 離さないよ
  僕らは此処で生まれた
  僕らは此処で生きてく♪〜
 
デ)よし、いい感じだねーー
  一旦休憩しよっか。
 
臣隆)はーい。
 
 
俺たちの初めての共作で、
やっと完成した
『Born in the EXILE』。
 
レコーディングも順調に進んでます。
 
 
女)登坂さん、カフェオレ買ってきました///
臣)あい、どーも。
隆)……。
 
 
新しく入った雑用のこの子、
臣を見る時だけ目がハートなんだけど
大丈夫かな。
 
 
臣)ふぅ、疲れた。
 
 
臣がソファーにばふっともたれた。
 
 
デ)あ、そういえば。
  この間のTD終わったけど、聴く?
隆)この間の?
デ)『あなたと』。
臣隆)聴きたい!!
 
 
思わずハモった俺たち。
二人揃って身を乗り出して、うずうず。
 
一発録りだったから
どうなったか気になってたんだよな。
 
 
〜♪♩〜〜♬♩〜♪♫〜〜
 
 
臣隆)おおおお…。
 
 
これは素晴らしい。素晴らしいぞ。
自分で言うのもなんだけど。
 
 
臣)最高じゃん。
隆)ね。
 
 
俺たちだけじゃなく
ディレクターもすごく満足そう。
 
 
デ)……あの子、ほんとに可愛かったなぁ…。
 
 
まだ言ってる。
 
 
デ)あの後さ、飲みに行ったんでしょ?
  みんなで。
  いいなぁ〜〜〜
隆)ははは…
デ)なんか話した?あの子と。
  やっぱ彼氏いるのかな〜〜
臣)妻子持ちが何言ってんすかw
デ)いや、俺がどうこう
  なりたいとかじゃなくて
  イチファンとしての興味w
臣)いるって言ってましたよ。
デ)え!やっぱり?!
  マジかぁ、どんな彼氏なんだろ。
臣)さぁ。
隆)きっとど変態な彼氏ですよ。
臣)なんでだよ!!w
隆)俺にはわかる。
デ)え、マジ?
隆)うん。ど変態。……いてっ!!
 
 
テーブルの下で足を蹴られた。
 
 
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
 
 
♡)わーい♡
  ジャムがいっぱいだー♡
◇)ひっひひー♡
む)早速今日食べちゃおうっとw
♧)ふふっ♡
 
 
各種ジャムが無事完成して
それを小瓶に分け終わった。
 
 
♧)早速今、どれか食べちゃう?
む)おっ!
♧)紅茶に入れて。どうかな?
♡)食べたーい!♡
♧)どれにするー?
◇)うーん、迷う。
  でもピンクグレープフルーツかなぁ。
♧)了解♡
 
 
4人分のマグカップを用意して
紅茶の準備。
 
 
♡)あ、臣くんも一緒に帰ってくるって。
  今LINEが来ました!
  レコーディング終わったみたい。
♧)あ、そうなんだ!
 
 
じゃあ二人も飲むかな?
 
 
む)ね、ね、その後どうなの?♡
♡)え?
む)臣くんは相変わらず広斗なの?♡
♡)……ええと、///
  あれからはしてないです。
む)あら!そうなの?
♡)今、生理で…、
む)あら!魔の一週間ね?
◇)魔の一週間?!w
む)臣くんにとってねw
◇)ああw
 
 
紅茶の良い香りと、
ピンクグレープフルーツの甘い香り。
 
 
♧)ふふ、美味しそう♡
 
 
とりあえず4人分をカップに入れて
テーブルに並べた。
 
 
皆)いただきまーす♡
◇)あ、美味しい!
む)うん!相性抜群!
♡)わーい♡
♧)ふふ、良かったー♡
 
 
それからまったりティータイムを過ごしてると
隆二くんと臣くんが帰ってきた。
 
 
隆)ただいまーー。
臣)お邪魔しまーす。
隆)あれ、むーちゃんも来てたの?
む)うん!
隆)今日は3人だけだと思ってた。
む)急遽参戦させてもらいましたw
臣)あ、何それ。
  なんか美味そうなん飲んでんじゃん。
♡)へっへへー♡
  今日の成果です♡
臣)一口ちょーだい♡
♧)あ、臣くんの分も用意するよー
  隆二くんも飲む?
隆)あ、いいよ。一口でいいや。
臣)俺も。
 
 
二人は私たちの隣に腰掛けて…
紅茶を一口飲むと、
臣くんが思い出したように口を開いた。
 
 
臣)そういえばさ、お前あれどうすんの?
隆)へ?
臣)サンタポストのリクエスト、見た?
隆)ああ、うん。
臣)奏くんのやつ。
隆)ああ、ギターだろ?
臣)うん。
隆)買うけど。
臣)買うの?!
隆)え、なんで?
臣)いやぁ、結構なお値段じゃん?
隆)だって♧はあげらんないし。
  ギターくらい買ってやるよ。
臣)おおお…。
隆)無理ならチロルチョコとか
  書いてやがったし…
  ふん。
臣)……ww
 
 
サンタの話で、思い出した!
 
 
♧)♡ちゃん、そういえばね、
  あの子に確認したんだけど…
♡)ん?
♧)やっぱり♡ちゃんが着てたのが
  欲しいみたい!
♡)えっ!
♧)他のとか似たのじゃやなんだって。
♡)ええ!
♧)どうしよっか。
♡)……困った。
 
 
うーん、って俯いた♡ちゃんの隣で
臣くんがけろっと答えた。
 
 
臣)あげればいーじゃん。
♡)え!?
  臣くんダメって言ってたのに…
臣)あれは冗談w
♡)でも…
臣)サンタは夢を叶えてやんなきゃ。
♡)でも、あれ…臣くんが買ってくれた
  ワンピースだよ?
臣)そうだけど。
  買ってやった服なら
  他にもいっぱいあんじゃん。
♡)あれは臣くんの誕生日のデートの
  思い出が…
臣)思い出は心の中にしまっておきなさい♡
♡)……、わかった…そうする。
臣)いい子いい子♡
 
 
♡ちゃんの頭を撫でてあげてる臣くんを見て
きっとまた代わりになるワンピースを
買ってあげるつもりなんだろうなぁって…
私、わかっちゃった。
 
 
むーこと◇ちゃんはなんの話かわかってなくて
隆二くんが説明すると
すごくいいアイディアだねって笑ってくれた。
 
 
む)そっかぁ、もう来月だもんねぇ
  クリスマス。
◇)一年早いなぁ。
む)◇ちゃんは岩ちゃんと初めて一緒に過ごす
  クリスマスじゃない?
◇)あ、そっか。確かに。
  まぁ仕事だろうけど…。
隆)俺たちも初めてだもんね♡
♧)うん♡
臣)なんかみんな初々しいなw
む)そちらは何度目?
臣)俺ら3回目だよね?
♡)付き合ってからは2回目だよー♡
臣)でも最初の年だって
  付き合ってなかったけど…
♡)あ、そっか!プレゼントくれたもんね!
臣)チューしたじゃん。
♡)!!!
  そ、そっち?!///
 
 
赤くなった♡ちゃんのほっぺを
面白がってツンツンしてる臣くん。
 
 
隆)あれ?お前次の日さぁ、
  チューは避けられたって言ってなかった?
臣)口はね。おでこにしたんだもん。
♡)なんで言うの!内緒だよ!///
む)♡ちゃん、口は避けたの?w
♡)だ、だって…
  あの時は…ドキドキしすぎて…///
◇)可愛いぃぃぃ♡
  付き合う前の二人〜〜!
  もっと聞きたい〜〜♡
む)聞きたい聞きたい♡
隆)臣さ、次の日もうデレッデレで
  とろけてたもん。
臣)はぁ?///
隆)ピアスあげた〜〜って。
  可愛くてたまんねぇ〜〜って。
臣)言わなくていいし!///
隆)あん時臣死ぬほど忙しかったのに
  ちゃんと買いに行ったんだもんね、
  プレゼントw
臣)……そりゃ行くだろ///
 
 
今度は臣くんが赤くなって照れてる。
なんだか可愛い。
 
 
む)まだ付き合ってないのに
  おでこにチューかぁ♡
◇)キュンキュンですな!///
む)だねー♡
 
 
ニッコリ笑ったむーこは
ふと私たちを見て…
 
 
む)そういえばあんた達も
  付き合う前からチュッチュチュッチュ
  してたもんねー♡
 
 
なんて爆弾を落としてきた。
 
 
隆)はぁ?!///
♧)ちょっと!///
 
 
慌てふためく私たちをよそに、
 
 
臣)そうだ!してたー!
 
 
なんて臣くんは指差してくるし…
むーこはニヤニヤしっぱなしだし。
 
 
隆)俺たちの話はいーのっ!///
♧)そうだよ!///
む)そういえば♧さぁ、
  この間ナンパされてたよーw
隆)は?
 
 
今度は違う爆弾を落としてくるむーこ。
 
 
隆)ナンパって何!俺聞いてないけど!
♧)…っ
む)ジムで。ねぇ?
♡)はい。しつこかったですよね、あの人。
隆)しつこかった?!何されたの!?
♧)何もされてないよー!
む)あたし遠目に見てただけだけど…
  Kちゃんが追い払ってくれてなかった?
♧)あ、うん。
隆)……Kちゃん…グッジョブ。
◇)あはははw
隆)ほんとに何もされてない?
♧)うん。
臣)チューとかされてたりしてーw
隆)はぁ?また!?
皆)また!?
隆)されてないよね?されたの?
  しつこかったってどういう…
♧)されてない!
  何もされてないから!
  連絡先聞かれただけだよ!
隆)……そっか。
 
 
隆二くんはやっと納得してくれたけど…
「また」って何?
って今度はみんなが騒ぎ出して…
 
 
隆)別になんでもねーし。
臣)誰かにチューされたの?!
む)マジで?
♧)ええと…
 
 
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
 
 
俺がうっかり口を滑らせたせいで
みんな気になって仕方ないみたい。
 
♧は答えに困ってるし…
ああ、もう。俺のバカ。
 
 
隆)♧のこと好きだった奴が
  勝手にしてきたの!
  それだけ!
  はいこの話終わり!
臣)え、そん時お前いたの?!
む)ええ!隆二くんの目の前でしたってこと?
◇)うそっ!!
♡)もしかして…奏くん?
臣)あいつマジか!!
 
 
この話は終わりって言ってんのに
みんなしつこいなぁ。
 
 
臣)お前どうしたの?ぶん殴ったの?
隆)いや?
臣)俺なら絶対無理!ぶっ飛ばすけど。
む)どんなチューかにもよらない?
◇)……確かに。事故レベルなら…ねぇ?
む)まさかブッチューって濃厚なやつ?!
臣)うわ、そんなんほんと無理。
  絶対ぶっ飛ばす。
 
 
いつまでこの話すんのかな。
みんなしつけーな。
 
 
♡)あ、隆二くん怒ってるよ…
  この話はもう終わりにしよ?
  あ、そーだ!
  ◇ちゃんもこの間ナンパされてたよ!
臣)へ?
♡)ハロウィンの時!
◇)ああ…、
♧)あの男の子、すごかったよね!
♡)うん!
 
 
♡ちゃんが話題を変えてくれて、やれやれ。
 
 
♡)一目惚れしましたー!って
  すごかったの!
臣)へぇ〜〜。
  あの日◇ちゃん可愛かったもんね。
  ありゃナンパもされるし
  剛典も我慢できなくなるわ。
◇)へ?!///
臣)ん?w
◇)……じ、自分だって…///
臣)ん?
◇)な、なんでもないです///
隆)その男は結局どうしたの?
◇)え?
隆)ナンパしてきた奴。
♡)◇ちゃんね、ビシーッと断ったんだよ!
  「彼氏いるから無理!」って。
  カッコ良かった〜〜♡
隆)ふーん。
 
 
だよなぁ。
◇ちゃんならしっかりしてるし。
 
 
♧)ん?
隆)……。
 
 
それに比べてうちの彼女は
ふにゃんふにゃんしてるからなぁ。
 
ビシッと断るなんて出来なそうだし。
強引な男相手だと心配だよなぁ。
 
 
♡)あ、もうこんな時間だよー。
  そろそろ帰ろっか。
臣)あ、ほんとだ。
  むーこさんって家どこなんすか?
  送っていきますよ。
む)え、マジ?嬉しい〜♡
♡)◇ちゃんもね♡
◇)へへ、同じマンションでラッキーw
 
 
そんなこんなでみんな帰っていって…
二人きりになった我が家。
 
 
よし。
 
 
隆)♧。ちょっとおいで。
♧)え?
隆)練習するよ!
♧)練習?!!
 
 
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
 
 
隆二くんに手を引かれて
戻ってきたリビング。
 
隆二くんはなんだか真剣な顔で…
 
 
♧)練習ってなぁに?
隆)♧が男に言い寄られた時の練習。
♧)ええ?!
 
 
何それ!
 
 
隆)ナンパされた時の練習だよ!
  俺がナンパ野郎やるから
  ♧はちゃんと断って!
♧)そんな練習…いる…?
隆)いる!
  ◇ちゃんみたいに
  ビシッと断れるようになって!
  心配だから!
♧)…っ
 
 
そう言われると、返す言葉がない。
 
 
隆)はい!いくよ!
 
 
わわっ、もう始まるみたい。
 
 
隆)お姉さん、一人?
  何してんのー?
 
 
いきなり始まったー!
隆二くんがチャラい歩き方をして
近寄ってきたー!
 
 
♧)ええと…友達と待ち合わせです!
 
 
ちょっと強気に答えてみた。
 
 
隆)友達来るまで一緒に遊ばない?
♧)えっ…
隆)ね、いいじゃん。少しだけ。
♧)やっ///
 
 
いきなり腰を抱かれて
首元に近付かれて…
 
 
♧)んっ///
 
 
首筋に感じた唇の感触に
思わず肩をすくめた。
 
 
隆)ちょっと!!
♧)えっ…
隆)何可愛い声出してんの!信じらんない!
♧)ええ?!
隆)ダメじゃん!全然ダメ!!
♧)だって…、///
 
 
隆二くんにキスされたら…
反応しちゃうんだもん。
 
 
隆)そんなんナンパ野郎の思うツボじゃん!
♧)いきなりこんなキスしてくる人、
  いないよ///
隆)いたらどーすんの!
♧)…っ
隆)万が一に備えての練習なんだから!!
♧)はい、すみません…///
隆)やり直し!!
♧)はいっ…!
 
 
隆二くんがあまりに真剣だから
もう少し練習に付き合うことにした。
 
 
隆)ね、お姉さん…
  めっちゃタイプなんだけど。
♧)触らないでください!!
 
 
よし…!
今度はビシッと言えた…!
 
 
隆)怒ったの…?ごめんね?
♧)…っ
 
 
隆二くんが可愛い声で甘えてきて…
 
 
隆)嫌がること絶対しないから…
♧)…っ
隆)ちょっとだけ、ね?
♧)////
 
 
後ろからふわりと抱きしめられて
そのままうなじにキスされた。
 
 
隆)こらーーー!!!
 
 
はっ!!
 
 
隆)されるがままになってる!!
  抵抗しろ!!
♧)だって…///
 
 
こんな練習、しても無駄だと思う。
 
 
♧)隆二くんの声で
  耳元で囁かれたら…
  ふにゃふにゃしちゃうんだもん…///
隆)…っ
 
 
隆二くん相手じゃ、練習にならないよ。
 
 
♧)他の人だったらちゃんと抵抗するもん。
隆)……ほんと?
♧)だって…隆二くん以外の人に
  こんなことされたら
  気持ち悪くて絶対やだもん…っ
  前にも言ったでしょ…?
隆)……。
 
 
私がそう言うと、
隆二くんは「はぁ…」とため息をついて
私を抱きしめた。
 
 
隆)心配だなぁ…。
♧)大丈夫だよ。
隆)俺と声が似てる男だったらどーすんの?
♧)そんな人いないよ!w
隆)もしいたら!
♧)隆二くんじゃないもん。
  隆二くんじゃなきゃやだ。
隆)……。
♧)隆二くんじゃなきゃ無理。
隆)……そんなに俺がいいの?
♧)(こくん)
隆)……///
 
 
……あ…れ…?
 
 
♧)りゅ…じ…くん…?
 
 
あれ、あれれ…?
 
 
♧)隆二くん!///
 
 
服の中に手が入ってきましたけど!
 
 
隆)いいから…。
 
 
いいからって、何が?///
 
 
隆)このまま、ちょっとだけ…。
♧)////
 
 
耳元で囁くのはずるいって言ったのに…
 
 
♧)お風呂入れてくる!///
 
 
隆二くんをグイッと離して
その場から逃げると…
 
 
隆)おい!!
  俺相手の方がキッパリ断ってんじゃん!!
 
 
って声が後ろから聞こえてきた。
 
 
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
 
 
ナンパ対策の練習は
あまり成果が感じられないまま終わって。
 
 
俺が風呂から上がると
♧はソファーで俺たちの番組を観てた。
 
 
隆)え、これいつの??
♧)いつのだろう?
  わかんないけど…
  瞬くんに借りたやつだよー♡
隆)……。
 
 
どっさり借りてきたもんねぇ、この間。
 
瞬くんはほんとに三代目が好きなんだな。
すごいな。
 
 
♧)ふふふ、NAOTOさんおもしろーいw
隆)……。
 
 
俺は♧の隣に腰をおろした。
 
 
隆)紅茶もらっていい?
♧)うん!
 
 
さっき一口もらったら
すごく美味しかったコレ。
 
ピンクグレープフルーツのジャムが
入ってるんだって。
 
なんかオシャレ〜〜〜。
 
 
♧)岩ちゃん若いなぁ…。
隆)この頃の岩ちゃん、別人だからw
♧)あはははw
 
 
あ〜〜イチャつきたいなぁ。
ダメかなぁ。
 
さっきは逃げられちゃったし。
 
 
てか♧はTV見ててもいいから
勝手に触っていいかな?
 
 
♧)…っ
 
 
……はぁ、柔らかい…♡
 
 
……あーー、
もっと触りたい。
 
ちょー気持ちぃ。何コレ。
 
 
♧)隆二くん…?///
隆)……ん?
  なに?TV観てていいよ?
♧)////
 
 
俺は勝手にこうしてるから。
 
 
♧)……あ、や、っ///
 
 
気持ちぃなぁ……
 
 
♧)りゅ…っ、
隆)なんだよ。TV観てろって。
♧)だ…って///
 
 
「こんなことされてたら観れないよ」って
可愛く潤んだタレ目が俺を見つめてきた。
 
しばらく視線が重なって。
 
 
♧)……キス、して…?///
隆)////
 
 
そんな可愛くねだられたら、たまんない。
 
 
♧)んん、っ…
 
 
……柔らかい唇。
 
絡み合う、柔らかい舌。
 
 
とろけるような感触に
頭の奥が痺れてくる。
 
 
隆)…も…っと…、
 
 
……どんどん、欲しくなる。
 
 
♧)……は、ぁ…///
 
 
唇が離れたら、また視線が重なって。
 
 
隆)甘い味…、したね///
♧)……(こくん)///
 
 
口の中に広がる
ピンクグレープフルーツの甘み。
 
 
隆)はちみつレモンのキス、思い出した。
♧)……(こくん)///
 
 
恥ずかしそうに頷いた♧が可愛くて。
 
 
隆)♧も思い出したの?
♧)(こくん)///
隆)////
 
 
……じゃあ、また。
あの日みたいに。
 
 
俺はカップに手を伸ばして
紅茶を一口。
 
そしてそのまま、♧の唇を塞いだ。
 
 
♧)んんっ…!///
 
 
優しく流し込めば、
♧の喉が小さくコクンと音を立てて。
 
 
隆)…美味し…?w
♧)////
 
  
口に広がる、甘い味。
 
 
隆)もっと欲しい…?
♧)////
 
 
返事がないのはYESと受け取るから。
 
 
♧)んんっ、んんっ///
 
 
そのままソファーに押し倒して
甘い甘いキスを、夢中で続ける。
 
 
指を絡めて…手を握って。
 
 
♧)はぁ、……、りゅ…じくん…///
 
 
♧の甘い声も、甘い吐息も、
俺を興奮させるから。
 
 
隆)♧…。
 
 
柔らかい肌をふわりと撫でると
♧はうっとりと目を閉じた。
 
 
あの日は…ここで止められたんだよな。
 
 
「もう…ほんとに…死んじゃうから…
 ダメ……、///」
 
 
そう言って顔を真っ赤にしてたっけ。
可愛かったなぁ…///
 
 
俺はあの時も…
 
♧が欲しくて欲しくて、
たまらなかったんだ。
 
 
♧)りゅ…じ…くん?///
 
 
俺がクスッと笑うと
♧は不思議そうに俺を見上げた。
 
 
隆)あの日のこと、思い出してた…w
♧)……///
隆)覚えてる?
♧)(こくん)///
隆)……あの日みたいに…
  ここで…止めよっか…?
♧)えっ…
 
 
俺の言葉に♧は驚いたように瞬きをして…
 
 
♧)……や、だ///
 
 
可愛くそう答えた。
 
 
隆)や…なの?///
♧)(こくん)///
 
 
えーえーえー
めっっっっっちゃ可愛いんだけど…
どうしよう////
 
 
♧)やめ…ないで…?///
隆)////
♧)……して…ほしい///
隆)////
 
 
あああああああ〜〜〜
もうヤバイ、ヤバイ、ヤバイ。
 
リュージ大暴れ!!
 
 
こんな可愛くせがんでくる♧を見たら
あの日の俺だったらきっと
鼻血出してぶっ倒れてるだろうな…。
 
 
隆)ベッド行く…?ここでいい?
 
 
♧の髪を撫でながら
耳元で訊ねたら、
 
 
♧)隆二くんとなら…どこでもいい///
 
 
そんな可愛い答えが返ってきて。
 
 
もう…
この子は俺をどうしたいのかな///
 
 
隆)♧…?
♧)…っ
隆)大好きだよ。
♧)////
 
 
変わらないのはただ一つ。
 
 
俺はいつだって
♧が欲しくて仕方なくて。
 
 
♧に触れる時も
 
♧にキスする時も
 
 
この愛しい気持ちを
ただただ伝えたくて、必死なこと。
 
 
こんなにこんなに、大好きだから…
 
ほら、♧…。
 
 
……全部全部、受け取ってよ。
 
 
 
 
 
 
 
ーendー

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