ピンポーン!ピンポンピンポーン!
皆)え?
連打されたインターホンに
4人揃ってモニターに目をやった。
◇岩)げ!!
桜だ!!
♡)あ、桜ちゃん!
岩)え?知ってんの?
♡)うん!◇ちゃんの妹でしょ?
臣)え!
◇)なんであいついきなり来たの〜〜
臣)とりあえず出れば?
◇)いやだぁぁぁ
俺もいやだぁぁぁ!!
ピンポンピンポンピンポン!!
◇)だぁ〜〜!うるっさい!!
ピッ!
◇『なに!』
桜『おるやん!おっそ!』
◇『何しに来たん!』
桜『遊びに来た〜〜♡
入〜れ〜て〜♡』
◇『あかん。今日友達来てんねん。』
桜『桜も友達になるから大丈夫ー♡』
◇『そういう問題ちゃうから。』
桜『入れて!
スイーツもいっぱい買ってきたんやで!』
◇『なんであんたは
事前に連絡よこさへんの!
桜『おったんやからええやん!入れてや!』
◇『だから友達が…
てか剛典おるで。』
桜『げ!』
「げ!」はこっちのセリフだ!
◇『だから今日は帰りや。』
桜『嫌やぁぁ!入れて入れてぇぇ!!』
姉妹の攻防戦の果て、
結局近所迷惑になるからってことで
ロックを解除した俺たち。
臣)二人ともなんでそんな嫌がってんの?w
妹なんでしょ?
てかさ、なんで岩ちゃんに「げ」なの?w
臣さんはわかってないぃぃぃ!!
岩(あのさ、臣さんも絶対被弾するから!
気をつけて!)
臣(へ?!)
岩(ほんとに!)
なんて臣さんに耳打ちしてる間に
玄関から桜の声が聞こえてきた。
桜)ああっ!♡ちゃんやん!!
♡)桜ちゃんこんばんはー♡
桜)なんや!友達って♡ちゃんやったん!?
全然かまへんやんか〜!♡
◇)こっちが構うんだよ…
桜)♡ちゃーーーん!♪
嬉しそうに♡ちゃんに抱きついてる桜に、
頭の中が「?」な俺。
臣(なんかさ、一緒に飯食ったこと
あるらしいよ。)
岩(は?いつ!?)
初耳なんですけど!
臣(岩ちゃんと◇ちゃんが喧嘩してた時。)
……ああ、なるほど。
初耳なわけだ。
臣(優助って奴と一緒に。)
岩)はぁ?!
どんなメンツだよ!
岩)あ。
俺の声にこっちを向いた桜が
臣さんを見て目を見開いた。
桜)臣くんや!臣くんがおる!!///
臣)どうも初めまして。
桜)臣くんやーー!///
…はっ!やっぱり…
やっぱり♡ちゃんと臣くんは
付き合うとったんやな?!///
♡)ええと…、うんw
桜)やっぱりーーー!!///
大喜びした桜はふと俺を見て、
桜)岩田はなんで今日もおんねん。
不服そうに呟いた。
岩)悪ぃかよ!ここは俺んちなんだよ!
桜)ふんっ!
臣)なんで岩田呼びなの…?
ぶくくくw
♡)桜ちゃんと岩ちゃんは仲悪いの…?
桜)岩田なんかだぁ〜〜いっきらい!
岩)…っ
俺だってお前みたいな可愛くないガキ
嫌いだっ!
臣)なんでそんな嫌われてんの?
岩ちゃんなんかした?w
桜)だってな!岩田なんて…、
……はっ。
桜は臣さんを二度見して、顔色を変えた。
桜)そうや…、忘れてた。
岩田もクソなら臣くんも…
臣)え…?
あああ!これはヤバイ流れ!
臣さんに被弾する!!
臣さん逃げて!!!
桜)臣くんも遊びまくってるやろ!!
臣)ええっ?!
桜)桜なんでも知ってんねんから!!
◇)桜!
桜)いっぱい話入ってくんねんから!!
◇)桜!もういいから!
桜)♡ちゃんみたいに
こんな可愛くて優しい人、泣かせたら
桜絶対許さんからな!!
臣)ええと…
困ったように俺を見た臣さんに
桜が働いてる店の名前をこっそり伝えたら
なんとなく理解した様子。
桜)♡ちゃん!臣くんはあかんで!
♡)ええっ!
桜)この二人は見た目がええだけやねん!
鑑賞用!
付き合うたらアカン!!
◇)桜!
桜)付き合うたらお姉みたいに
泣かされて…
◇)桜!いい加減にしなさい!!
桜)…っ
◇が桜の肩を掴んだ。
◇)いい?この二人が散々遊んでて
クソ野郎だったことなんて
もうとっくにわかってんねん!
この間も言うたやろ!!
◇の言葉に臣さんが苦笑いしてる…。
◇)でもな、臣さんなんて
今じゃもう♡ちゃんにメロメロやねん!
大好きすぎんねん!異常なほどに!
♡ちゃんしか見えてへんねん!
岩)ぶっ…w
◇)クソ野郎だったのは昔の臣さん!
今は♡ちゃんにひたすら一途な
ただの良い彼氏やから!
そうでしょ♡ちゃん!!
♡)…ええと…、はい…、そうです///
◇)ほら!
本人もこう言うてんねんから
関係ないあんたがゴチャゴチャ言うな!!
桜)…っ
◇にそう言われて
桜は唇を噛んで俯いた。
臣)ええと…すいません、
元クソ野郎です…w
臣さんは苦笑いしたまま
桜の顔を覗き込んだ。
臣)♡のこと心配してくれたんだよね?
ありがとう…。
俺…今はちゃんと真面目にやってます…。
変な心配かけてごめんね?
臣さんが優しく話しかけると
桜はゆっくり顔を上げた。
桜)♡ちゃんのこと好き…?
臣)うん。
桜)愛してる…?
臣)愛してるよ?
桜)ほんまに大事にしてる?
臣)何よりも。
桜)絶対泣かせんでな?
臣)うん。一生大事にする。
臣さんがそう言うと
桜はにこっと笑って、
桜)あんな、桜、♡ちゃん大好きやねん♡
嬉しそうにそう言った。
♡)えへへ、私も大好きだよー♡
ありがとう桜ちゃん♡
桜)♡ちゃーーん♡
仲良くハグしてる二人。
♡ちゃんにはなんて可愛いんだコイツ…。
岩)あのさぁ…
桜)……なんや!
こわ!
キッとこっちを向いた桜。
岩)俺も…今は◇を大事に…
桜)あああ〜〜聞きたない!聞きたない!
岩)はぁ?!
桜)クソ野郎の言い訳なんか聞きたない!
岩)聞けよ!!
言い訳じゃねぇわ!!
桜)あ〜あ〜聞こえない〜〜
◇)桜!
桜)あれやろ?臣くんの真似して
俺も◇を大事にしてます〜〜
今は真面目ですぅ〜って言うんやろ?
岩)…っ、別に真似じゃ…
桜)お姉は桜の大事なお姉なの!!
絶対いや!岩田は認めへん!!
岩)……
なんで俺はダメなんすか…。
◇)あんたに認めてもらう必要なんかないわ!
あたしが好きで
剛典と付き合うてんねんから
関係ないやろ!
桜)ふん!見る目なっ!
◇)はぁ?!
桜)お姉のあほ!
◇)誰がアホや!!
臣)まぁまぁまぁ、w
♡)ほら、ご飯食べよ?ね?
臣)そうだよ、せっかくだし。ほら。
桜)わ、美味しそう〜〜♡
お姉が作ったん?
◇)せやけど…
桜)桜な、お姉のご飯だーいすきっ♡
◇)ほんなら座り。
桜)はーい♡
……はぁ。
どっと疲れる。
お姉ちゃん大好きなんだよな、うん。
お姉ちゃん思いの良い子なんだよな、うん。
ただ俺にだけは
すっっっげぇ可愛くないだけで。
◇)で、あんたは何しにきたん?
みんなで乾杯し直して
美味しそうに料理を頬張る桜に
◇が聞いた。
桜)お姉に相談したくて。
◇)相談?
桜)うん。
♡)何か悩んでるの?
桜)うん。
桜な、将来どうしようか思て。
◇)将来?
桜)何になりたいかわからんねんもん…。
岩)え。
桜)何や!
また桜の鋭い視線が俺を見た。
岩)いや、恋愛の相談じゃないんだー、って。
桜)桜の頭が年中色恋だけやと思てんねやろ!
アホ岩田!
岩)……。
はい、そう思ってました。
違うんですか。
桜)桜かて真面目なことも考えんねん!
岩)そうですか。
臣)桜ちゃんは大学生なんだっけ?
桜)うん。
◇)なんで急にそんなこと言い出したん。
桜)だって…優ちゃんが…
あ、この間な、優ちゃん家、行ったやろ?
◇)ああ、うん。
桜)ほんで会えてん!優ちゃんに!
◇)ああ、会えたの?
桜)うんっ!♡
岩)……。
会えたっていうか
それただの出待ちだろ。ストーカーだろ…。
桜)優ちゃんびっくりしてた!♡
そりゃびっくりするだろ!怖ぇよ!
桜)ほんでな、色々話して…
優ちゃんはどんな女が好きか聞いてん。
◇)うん…。
桜)そしたら…
何かをポジティブに頑張ってる人、って。
♡)桜ちゃんは優助くんが好きなの?
桜)せやで!
♡)ええっ…、ほんと…に?
桜)うん!大好き!
♡)そ、そっか…。
少し驚いてる♡ちゃんを見て、
♡ちゃんは優助が◇を好きだったことを
知ってるんだな、と思った。
桜)自分の夢がちゃんとあったり、
なんでもいいから何かに一生懸命な人が
素敵だなー、って言うててん!
♡)そっかぁ…。
それで桜ちゃんは自分の将来を
見つめ直したの?
桜)うん。桜めっちゃ適当に生きてるし
これといって夢もないし…
◇)でもちゃんと考えたんだね、偉いじゃん。
桜)…っ
◇の言葉に桜は嬉しそうに顔を上げた。
桜)でも、何になりたいか自分でもわからん。
♡)それでお姉ちゃんに相談に来たんだね♡
桜)うん!
◇)うーん、「何になりたいか」より
「何をしたいか」って考えたら?
桜)え?
◇)手段やなくて目的で考えたらええよ。
桜)目的…??
◇)せやから…例えば…
人に何かを教えたい、とするやん?
桜)うん。
◇)ほんなら、教師とか塾講師とか
セミナー講師とかインストラクターとか
仕事は色々あるやんか?
桜)うん。
◇)目的は「人に何かを教えること」。
その手段が、教師とか講師とか「職業」。
目的と手段を間違えちゃうと、
「教師になりたい!!」とかが
先に来ちゃって、本来の目的を
見失いがちになるんよ。
皆)……なるほど。
桜以外のみんなも、ついつい納得。
◇)せやから「何になりたいか」やなくて
「何をしたいか」って考えた方が
選択肢がいっぱいあるし
考えも開けるで。
桜)そっかぁ…。
◇はやっぱりお姉ちゃんで。
こうしてお姉ちゃんらしく
アドバイスしてあげてる姿は
さすがだな〜って思う。
俺は下の弟妹がいないし。
◇)視点は高く、視野は広く、思考は深く。
お父さんがいつも言うてたやろ?
桜)うん。
岩)それ…っ
◇)ん?
岩)似てるかも。
俺も昔から親父に言われてた!
「多長根」を大事にしろって。
◇)お!一緒やん!
桜)たちょーこん??
◇)多面的に、長期的に、根本的に、
って意味やで。
岩)そうそう。
◇)大事やんね、この考え方。
岩)うん、俺もいつもそう思う。
桜)ふーーーーん。
桜は面白くなさそうに俺をじろっと見た。
岩)なんかやりたいことないの?
桜)……。
岩)自分が何してる時が楽しいか
どんなことが向いてるか
自己分析から始めるのも
いいと思うけど。
◇)うん。大事やで自己分析!
桜)岩田には相談してへんもん!!
岩)はー?
桜)ふんっ!
やっぱり可愛くねぇな!
ピロピロ♪ピロピロ♪
桜)はっ!優ちゃんや!///
岩)え?
桜)え、うそ!どないしよ!///
◇)ん?
桜)今から会えるって!///
臣)おおっ…
桜)3秒でもいいから会いたいって
送っててん!
♡)3秒…!
桜)そしたら今仕事終わったよって!///
岩)会えるとは言ってねぇじゃん。
桜)え。
これ、会えるって意味と違うん?
臣)ただの仕事終わった報告?w
桜)嫌や!桜は会いたいもん!
今から行く!!!
すげぇ行動力だな…。
桜)スイーツみんなで食べてええからな!
ごちそうさま!行って来ます!!
桜はそのまま台風のようにいなくなった。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
◇)ええと…
うちの妹がお騒がせしました…。
臣)あはははw
♡)桜ちゃんはいつも元気だねぇ。
◇)うるさくてほんとごめん…。
臣)岩ちゃんの嫌われよう!w
めっちゃウケたww
岩)全然笑えないからねーーー
臣)あはははw
ガックリしてる剛典のグラスに、
新しい日本酒を注いであげた。
♡)桜ちゃん、優助くんに会えるといいね♡
◇)うん。
臣)でもさぁ、優助って
岩ちゃんのライバルだった男でしょ?
岩)うん…。
臣)◇ちゃんのこと好きだったんだよね?
…だったら桜ちゃん厳しくね?
♡)どうして?
臣)えーー、いろんな意味で…?
岩)……うん、わかる。
臣)そもそも◇ちゃん好きになった男が
桜ちゃんにはいかないでしょ…。
岩)そうなんだよ。
♡)ダメかなぁ…。
3人はう〜〜んって唸って腕を組んだ。
臣)まずタイプが全然違ぇもん。
♡)タイプ?顔?
臣)顔もあんま似てないしさ、
なんていうんだろ、雰囲気?
が、全然違う。
岩)うんうん。
臣)◇ちゃんは見るからにお嬢様じゃん?
動きとか佇まいに品があるんだよ。
◇)えっ!!
あたしこんな口悪いのに!?
臣)だってそれわざとでしょ?
◇)えっ!!
臣)お嬢育ちの可愛い反抗かなと
俺は思ってたけど。
◇)……。
バレてた…。
臣さん…よく人のこと見てるな。
臣)そんなんじゃ隠せない
育ちの良さとか品が、あるんだよ。
岩)うんうん。
臣)でも桜ちゃんは…
チャキチャキの関西っ子っていうか…
元気なんだけど、
お嬢様って感じは全然しないし…。
岩)ほんとに妹か…?
◇)妹だよ!w
♡)で、でも…っ
桜ちゃんは桜ちゃんの良さを生かして
優助くんを振り向かせられないかなぁ?
岩)桜の良さ?
♡)ええと…、やる気と行動力!!
臣)ぶはっw
岩)どうだろうなぁ…。
臣)なんでだろ。
片思いで頑張ってんのは同じなのにさ、
海璃ちゃんは健気で応援したくなるのに
桜ちゃんはストーカーにならないか
心配になんのw
臣さんが笑ってそう言うと、
♡ちゃんも「ほんとだ…」って頷いた。
そっか。
海璃ちゃんも状況は同じだもんなぁ。
◇)その後どうなの?海璃ちゃん。
♡)あっ!あのね!
Tくんに告白したんだよ!!
◇)うっそ!!!マジで?!!
♡)うん!!
あの子!
おとなしそうに見えて
やるときゃやるのね!すごい!
♡)今ね、いろいろ頑張ってるみたい♡
◇)そっかぁ…。
返事は一旦保留なのかな?
でもあの子なら上手くいきそう。
陰ながら応援してます。頑張れーー!!
岩)……おかわり。
◇)ん?
袖を引っ張られて隣を見たら
剛典が空のグラスを持って
「入れて」って顔であたしを見てた。
可愛いなw
◇)はい♡
岩)ありがとw
♡)でもやっぱり◇ちゃんは
お姉ちゃんだよね♡
頼もしいなぁって思った♡
◇)えー?w
臣)お前だって「お姉ちゃん」じゃんw
♡)でも私…
もし瞬が相談してきても
あんな的確にアドバイスできない…。
臣)大丈夫、瞬はお前より
しっかりしてるからw
♡)ひどーーーい!
臣)あはははw
それからみんなでソファーに移動して
桜が持って来てくれたスイーツを開けた。
臣さんと♡ちゃんは仲良くシェアしてる。
美味しいね〜〜って言いながら
ディズニーほんとにいつ行くー?
なんて盛り上がって。
お酒もグイグイ進んで
気付けばうとうとし始めてる♡ちゃん。
臣)お前飲み過ぎじゃない?
♡)だって…楽しいんだもん…///
臣)顔赤いぞ。
♡)えへへぇ///
臣)明日結婚式なのに大丈夫ー?
♡)だーいじょぉーぶ♡
そう言った♡ちゃんは
臣さんにこてんともたれて目を閉じちゃった。
岩)これ寝ちゃうパターンじゃない?w
臣)間違いねぇw
◇)同じマンションだし…
どうぞご自由に寝ていってくださいw
臣)あ、そっかw
いつでも帰れるしね。
岩)便利〜〜〜w
臣)あはははっw
臣さんは笑いながら♡ちゃんの頭を撫でて
あたしを見た。
臣)でも俺らいたら邪魔じゃん?
もう少ししたら帰るよ。
◇)邪魔??
臣)イチャイチャしたいでしょ。
岩)したーーーい!
◇)こら!///
臣)岩ちゃんこんなゆっくり出来んのも
久々だろうし。
◇)…っ
確かに剛典は最近
ハイローの撮影だらけで
ほとんど家にいないけど…
臣)◇ちゃんも早くさっきの着たいだろうし。
◇)ん?
さっきのって…
◇)!!!
あれのことかーー!!!
◇)着ません!!///
臣)着てやんなよぉ〜〜
岩)そうだよぉ〜〜
◇)アホ!///
岩)アホでーーーすw
◇)酔ってる?
岩)うん♡
嬉しそうにあたしをぎゅっとする剛典。
岩)あれさぁ、絶対似合うからーー
◇)はい?
岩)すっげぇ可愛いんだよーー
おっぱいのとこがふわっとしてて…
◇)解説はしなくてよろしい!///
臣)ぶっw
もぉ…
剛典のばか///
臣)ね?着てあげなよw
じゃ、そろそろ行くかなーー
♡、起きろーー
♡)んにゃぁ……
臣)帰るぞーー
♡)やぁん……
臣)なんだよ可愛い声出して…///
♡)抱っこぉ……
臣)抱っこー?!
♡)抱っこしてぇ…
臣)……ったく///
とか言いながら
抱っこしてあげてるしw
♡ちゃんはもう目が開いてなくて
玄関まで見送ったあたし達は
臣さんにお皿のお礼をもう一度伝えた。
……ピッ。
ロックがかかって
リビングに戻ろうとすると…
岩)◇〜〜〜〜
甘えた声の剛典が
後ろからのしかかってきた。
◇)剛典くんはどうしたのかな〜〜
重たいですよ〜〜
岩)俺ね、そんな酔ってないよ?
◇)へ?
後ろからあたしにほっぺをくっつけて
ニッコリ笑ってる。
◇)そうなの?
でも随分ご機嫌よね?
岩)久々にさ、楽しいじゃん♡
一緒にいれてーー
◇)うん。
それはあたしも嬉しいけど…
岩)よし、何する!!
◇)へ?
急にキリッとやる気な顔の剛典。
◇)何するって…
まぁまだ寝る時間でもないけど…
◇)とりあえず片付けて
お風呂でも…
岩)一緒に入ろ♡
◇)…っ
岩)入ろ♡
NOとは言えないこの圧はなんだ。
◇)わかったよぅ…///
岩)やったーーー♡
そんな無邪気に喜んじゃうの?
可愛いじゃん…ばか///
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
岩)はぁ〜〜〜♡
気持ちぃぃ〜〜〜♡
新居の風呂は前よりずっと広くて
◇と一緒に入ってもゆとりがある。
岩)ん〜〜〜♡
◇)くすぐったいよぉw
岩)へへへw
◇を後ろから抱きしめて
はぁ…、癒しのひととき…♡
最近マジで忙しいから
こんな時間もなかなか取れないんだよな。
◇)明日はお弁当いる?
岩)いいの?
◇)いいよ?
岩)じゃあ作って♡
◇)うん♡
岩)あ〜〜〜
めっちゃやる気出た〜〜〜
◇)単純だなぁw
岩)だってお前の弁当美味しいんだもん♡
◇)ほんと?
岩)うん♡
◇)えへへ…///
じゃあ明日も美味しいの
頑張って作るね♡
岩)ありがと♡
可愛いなぁ…俺の彼女。
相変わらずあれからも
栄養について色々調べてくれてんのも
知ってるし。
岩)ほんとありがと…。
しみじみ呟いたら、
◇がきゅっと俺の腕を掴んだ。
◇)今日楽しかったね♡
岩)ん?うん。
◇)同じマンションなこと…
♡ちゃん喜んでくれて良かった♡
岩)だって♡ちゃん
お前のこと大好きじゃんw
◇)え〜〜〜、えへへ///
何照れてんだよ、可愛い奴だなw
岩)いや〜〜
今日は♡ちゃんに
いろいろ笑わせてもらったわ〜〜
◇)あ、サプライズの動画、
あたしにも送ってね!w
岩)うんw
ほんと天然だよね〜〜、♡ちゃん。
◇)そこが可愛いんだよw
岩)で、お前は何使ったことあんの?
◇)はい??
岩)オモチャ。
◇)…っ
いきなりぶっこんだ俺に、
◇は一瞬ピタッと動きを止めたけど
なんでもないように
あっさり返事をしてきた。
◇)またその話ー?
使ったことないよあたしは。
岩)……どんなやつー?
一般的なの?マニアックなの?
◇)はぁ!?
だから使ったことないってば!w
岩)……
女ってなんでこんなに嘘が上手いんだ。
あの時盗み聞きしてなかったら
信じてたな、俺。
◇)剛典こそ行きずりの女と
何使ったんだか。
岩)行きずりの女たちのことは
もう忘れてください。
◇)「女たち」って!!
複数形になっとる!増えとるがな!!w
岩)ぶっw
俺、アホだな。
◇ももはや呆れて笑ってるし。
岩)使った時、どうだったー?
◇)は?オモチャの話??
岩)うん。
◇)だから使ったことないってば!
岩)……。
あくまで吐かないんだな。
こりゃこれ以上は無理か。
◇)なんでそんなしつこく聞くの。
岩)……いやぁ、
ただの嫉妬です。
聞きたくないくせに聞いちゃう矛盾。
岩)俺が使いたいって言ったらどーするー?
なんて言ってみたら。
◇は「はぁ?!」って言った後、
しばらく考えて。
◇)本気で聞いてる…?
可愛く俺を振り返った。
◇)剛典が…どうしても使いたいなら…
仕方ないけど…
……あたしは……、、
岩)ん…?
ごにょごにょ言ってて聞き取れなかった。
岩)あたしは、何?
◇)…あたしは……、///
岩)ん?
後ろから近付いて、耳を寄せたら…
◇)あたしは…剛典がいいもん…///
消え入りそうな声で、可愛く呟いた。
岩)////
何それ…。
岩)俺がいいの…?///
◇)……(こくん)///
岩)オモチャなんかじゃなくて
俺に気持ち良くしてほしいってこと?///
◇)////
◇は耳を赤くして、可愛く頷いた。
岩)////
か、か、可愛いぃぃぃぃぃ////
◇)…っ、ちょっと!///
岩)なに…。
◇)いきなり何!?///
岩)なにが。
◇)当たってるんだけど!///
岩)お前のせいだろ!///
◇)はぁ?!
岩)お前がそんな可愛いこと言うから
俺の息子が成人しちゃったろ!
◇)成人って…ww
岩)どうしてくれんだよ!
◇)知らないよ!///
俺は◇を閉じ込めるように
もう一度ぎゅっと抱きしめた。
岩)今のもっかい言ってーー///
◇)は?///
岩)可愛かったから。
◇)どれ?!
岩)俺じゃなきゃやだー、って。
俺に気持ち良くしてほしいー、って。
◇)……やだ!言わない!///
変態!もう出てって!!///
岩)……
ひらめいた。
岩)わかった、先出てるわ。
◇)え?……あ、うん。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
出てってって言ったら
本当にあっさり出てった剛典。
……変なの。
でもいいや。
あのままじゃ
ここで襲われそうな勢いだったし。
危ない危ない。
◇)ふぅ…。
よし、そろそろあたしも上がろうかな。
バスタオルを取って
髪を拭いて。身体を拭いて。
お肌のケアをして、髪を乾かして。
さて、着替えようかと思ったら。
◇)あれ?
着替えがないんですけど。
てゆーか!!
◇)何これ!!///
ピラピラが置いてある!!
◇)剛典めぇぇぇ〜〜///
あたしの着替えを隠して
代わりにこのピラピラを置いてったなー!!
やけにあっさり出て行ったと思ったら
こーゆーことかーー!!
◇)…っ
……どうすんのコレ。
何コレ……。
◇)////
エッチすぎるでしょ!!
なんつーもん買ったんだよ!バカ!///
……でも、あたしの着替えは
隠されちゃってるし。
下着まで持ってかれちゃってるし。
……これ、着るしかないのか?
バスタオル巻いてって
着替え返せーー!!
って言ってもいいんだけど……
きっと着て欲しいんだよねぇ、コレ……。
◇)……はぁ、///
仕方ないな!もぉ!!!
…
そーっと寝室のドアを開けると…
……オイ。
準備万端かいな!!
すっかりライトダウンされた部屋の中。
ゆっくりベッドに近付くと、
岩)やっと来たーー!!
剛典がガバッと起き上がった。
◇)び、びっくりした…///
寝てるかな、と思ったのに
しっかり起きてました、この人。
……ってゆーか…
◇)なんで裸なの…?
上、何も着てない。
岩)だって…
お前にそれ着させんのに
俺だけなんか着てたらずるいかなーって。
◇)……///
岩)だから全部脱いだ!!
◇)全部って…、
まさか…
岩)すっぽんぽん!w
パンツも脱いだんかーーい!///
岩)ほら。
嬉しそうにあたしに手を伸ばした剛典は、
岩)よく見せて。
そう言って、そっとあたしの手を取った。
◇)……そんなにじっと見ないで。
岩)なんで。見るよ。
◇)……やだ///
岩)上から下まで舐め回すように見るよ。
◇)変態!!///
岩)変態で結構!
開き直った剛典の視線が
身体中に、絡みつく。
◇)…や、ほんとに…見ないで///
見過ぎだと思うんですけど!!
岩)見なくてどーすんの。
◇)…っ
岩)お前に着せたくてわざわざ買ったのに。
見なくてどうすんだよ。
◇)あっ…、
あたしはそのまま
ベッドに引きずり込まれて、抱きしめられた。
岩)……すげぇ可愛い///
想像以上。
◇)////
岩)あ〜〜〜もう、めっちゃエロい///
◇)////
…って、ほんとにこの人、パンツはいてない!
もう元気になってるそれが、
脚の付け根に当たるんですけど!///
岩)……脱がして…い?
◇)……ダメ///
岩)脱がせたくて着せてんのに
脱がさなくてどーすんの。
剛典はニヤッと笑って起き上がると
唇をペロリと舐めて、あたしを見下ろした。
◇)////
いきなり色気出してくるの、やめてほしい。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
◇)……あ、やっ、…や、だっ…///
恥ずかしそうに
弱い力で抵抗する◇が可愛くて。
◇)あ、っ…ん……
この下着は可愛くてエロくて
最高なんだけど
下着より何より、
恥ずかしがってる◇に
俺はいつも興奮しちゃうんだよなぁ…。
◇)やっ、変なとこ舐めないで!///
岩)お前の身体に「変なとこ」なんて
ないから。
◇)…っ
顔を上げて唇をひと舐めすると
◇はそんな俺を見つめて、頬を赤らめる。
ほら。
この恥じらう姿がたまんない。
◇)見ない…で…っ
岩)言ったろ?
見なくてどーすんだ、って。
◇)////
こんな可愛いお前、
穴が開くほど見てやるよ。
◇)あ、やっ…、んっ///
隠そうとする手を柔らかく払いのけて
優しく握り合わせて。
自由を奪われた◇は
また恥ずかしそうに
ためらいがちな瞳を俺に向ける。
岩)おとなしく感じてろ。
◇)あっ!
ふわふわと柔らかい胸元を開いて
◇の甘い肌を舌先で辿っていく。
辿って…辿って…、辿り着いて。
◇)……っ///
ピクンと目を瞑った◇は
そのまま唇を噛んで、
ゆっくりと吐息を漏らす。
俺は腰のレースの隙間から手を忍ばせて。
なめらかな肌をたっぷりと味わう。
◇)あ、っ…あっ…、ダ…メっ
また邪魔しようとする手を
手首ごと掴んで、指先を舌に乗せた。
◇)ひゃっ!///
そのまま◇の指を、舌でなぞって。
岩)おとなしくしてろって言ったろ?
◇)////
俺の言葉に、◇はキュッと唇を噛んで
俺に背中を向けた。
岩)コラ。
うつ伏せじゃおっぱい触れないじゃん!
とか思いつつ
お尻に手を伸ばして、背中にキスして。
◇)や…ぁっ、ん
裾からゆっくりと
りぼんを解いていって…
あーーー、
ここ透けてんだよなぁ…
めっちゃエロい///
岩)◇…?
◇)…っ
岩)すげぇ可愛い。
◇)////
あ、耳が赤くなった。かわいw
岩)キスしたいんだけど。
◇)……///
岩)こっち向いて?
◇)……や!///
……ふーん?
岩)言うこと聞かねんなら苛めんぞ。
◇)…っ///
って言ってんのに、
こっちを向かないから。
後ろからたっぷり苛めて
焦らして、焦らして、焦らしまくってやった。
◇)……は、ぁ…///
力なく振り向いた◇の唇からは
濃い吐息が漏れて
熟れた視線が俺を見つめる。
岩)欲しくなった…?
最近…、俺、
◇が俺を欲しがってくれんのが
可愛くて仕方なくて
すぐ意地悪しちゃうんだよな…。
ゆっくり仰向けになった◇は
恥ずかしそうな
泣き出しそうな
そんな顔で、俺に手を伸ばした。
◇)たか…の…り///
岩)ん…?
その手は俺の首に巻きついて、
俺は柔らかい身体を抱きしめる。
甘い息遣いを耳元に感じたら
唇が触れる感触がして…
◇)もう…剛典の好きに…して///
そんな囁きが、耳をくすぐった。
岩)////
散々抵抗してたくせに、もう降参というように
甘えた声で。
◇)もぉ…待てないよ…///
岩)俺も限界、///
深く深く、口付けて。
身体の奥深くまで
この熱を、伝えたい。
愛しさで、繋がり合いたいんだ。
ーendー
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あら、ブログの方が読みやすいしメニューとか増えてますねΣ( ˙꒳˙ )!?
とても、見やすいしページとか移りやすくて便利ですね。ありがとうございます⸜(*ˊᗜˋ*)⸝
てへへ(❁´ω`❁)良かったです
もしやお蔵入りかと思われた
あのダンボールでは(*゚ロ゚)ハッ!!
やっと日の目を見た〜\( ˆoˆ )/
隆二くんカップルにも
ぜひピラピラのプレゼントを(笑)
さゆがんさーーん。゚(゚^∀^゚)゚。そうなんです、あのダンボールがやっと笑
桜うっざ!!
もう出て来なくていい、、、。
だがしかし…また出てくるんだな(ฅ¯ω¯ฅ )どんまいお岩!w
良かった~~臣くんに台風の被害があんまり出なくて。 お岩はやっぱり桜©に嫌われたままなんやw それにしても臣くんが「愛してる」とか「一生大事にする」って何のためらいもなく言ったのが最高にキュンキュンしました!
前は照れて言わないタイプだったのにねぇ(ฅ¯ω¯ฅ )笑