臣)〜♪世界が終るまでは
離れる事もない
そう願っていた 幾千の夜と♪〜
隆)懐かしいなーーコレ。
臣)スラムダンク思い出すよね〜〜
隆)え?
臣)スラムダンクの歌だったじゃん。
隆)ああ、そうだっけ。
俺スラムダンクあんまわかんないw
臣)はぁ?!信じらんねぇ!
それね、もう人じゃないよ!
人間失格!
隆)それ健ちゃんにも言われたw
臣)同世代とは思えねぇ。
隆)なんだよぅ…。
俺こっちの方が好きだなー。
臣)ん?
隆)〜♪もっと強く君を抱きしめたなら
もう他に探すものはない
季節はまた巡りゆくけれど
変わらない 二人だけは♪〜
臣)あーーー、いいね。
男)これねー、後からジワジワ売れて
結果、WANDSの一番のヒット曲に
なったんだよ。
隆)そうなんすか?
男)ダブルミリオンくらい
いったんじゃないかな?
臣)すっげーーー。
隆)あ、これドラゴンボールの歌だ。
臣)〜♪ひとりじゃない
君が希望に変わってゆく
向かい風も羽ばたける
笑っていておくれ♪〜
隆)〜♪ひとつになろう
ふたりここまできたことが
僕の勇気の証しだから
変わり続けてる この世界で♪〜
男)いいねぇ。
これドラゴンボールだっけ?
隆)GTの歌ですよ!
臣)お前ドラゴンボールはわかんのね。
隆)当たり前じゃん!
臣)いや、スラムダンクも同じレベルだし!
男)てゆーかさ、WANDSとかDEENって
二人よりはちょっと年代上じゃない?
隆)そーっすか?
そんなことないっすよ。
先輩とかカラオケでいつも歌ってたし。
臣)そうそう、そーゆーので覚えたw
男)なるほど。
今日はスタジオにこもって
引き続きカバーアルバムの選曲中。
臣)〜♪このまま君だけを奪い去りたい
やがて朝の光 訪れる前に♪〜
隆)それ臣っぽい。
臣)へ?
隆)見せて。
そう言って歌詞を奪っていった隆二。
隆)これいいね。
他の曲とのバランスも良さそう。
臣)これにする?
隆)あーー、でも…
俺こっちも捨て難い。
臣)ん?
隆)『明日もし君が壊れても』。
臣)えーー、知らない。
歌ってみて。
隆)〜♪明日もし君が壊れても
ここから逃げ出さない
疲れた体を癒す 君の微笑みよ♪〜
臣)あーー、メロディめっちゃ好き。
隆)でしょ!
臣)どっちにするーー
隆)うーーん…
男)どっちも歌ってみたら?w
臣)そうすっか。
隆)うん。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
臣くんは今日はレコーディングかな?
スケジュールにはスタジオって書いてある。
帰ってきたらすぐにお風呂に入れるように
準備しておこうっと。
♡)……はぁ。
どうしようかな、明日。
ってゆーか…
こんなことになるなんて
思ってもみなかった。
写真がSNSに流出しちゃうなんて。
なんか怖い時代だな。
臣くんも…
Cとの写真が勝手に流出しちゃって
こんな気持ちだったのかな。
ううん…違うか…。
臣くんはガセネタであんなに
炎上したんだもんね…
もっと嫌な気持ちだよね、きっと…。
これからもしまた同じようなことが起きても
私は絶対臣くんの味方だもんっ!
臣)ただいまーーー
はっ!帰ってきた!
♡)お帰りなさいっ!
臣)ん♡ ただいま♡
玄関まで迎えに行ったら
ほっぺにチュッてされた…//
♡)えっと、お風呂あるよー
臣)お前まだ入ってないの?
♡)あ、うん…。
臣)一緒に入る?
♡)ううん…、私は後でいいや…。
臣)ちえーーっ
じゃあ先入っちゃうかなー。
♡)うん。
お風呂に向かう臣くんを見送って、
一人でそわそわ。
どうしよう…
言った方がいいのかな。
言わない方がいいのかな。
「臣広が見たら怒りそ〜〜w」
怒られちゃうかな…?
「気付かないなら気付かないままで
いてほしいよね。
面倒臭そうw」
面倒臭いとかは思わないけど…
余計な心配かけるのは嫌だな…
でも…
臣くんが私に内緒で
元カノとご飯に行ったりしたら
それはなんか嫌だし…
そこは私もちゃんと言った方がいいよね?
写真のことは言わずに
それだけ報告したらいいのかな…?
♡)うわーーん!もう〜〜〜っ
一人でジタバタしてると、
臣くんがお風呂から戻ってきて…
臣)は〜〜気持ち良かった♡
♡)……
なんだかご機嫌。
……よしっ!!
ちゃんと言おう!!
♡)…あの…っ
臣)んー?
♡)えっと、えっと……
臣)??
♡)明日…なんだけど…
臣)うん?
♡)……
どうしよう…。
すごく言いにくい…。
♡)えっと…
臣)なんだよw
♡)……前に…付き合ってた人に…
会ってきても…いい…?
臣)……は?!
♡)…っ
臣くんのトーンが一瞬で低くなった。
♡)えっと、その…
臣)会うって何?なんで?どこで?
♡)えっと…
臣)前付き合ってた人って何?
いつの話?
♡)えっと…
臣)なんでいきなり会うの?
いつから連絡取ってんの?
♡)えっと…
臣)全然意味わかんないんだけど。
♡)…っ
いっぱい質問されて頭がパニック。
♡)えっと、あの…ね、
連絡取ってたとかじゃなくて…
臣)……
♡)今日、私が連絡したら…
明日会おうって言われて…
臣)は?
♡)えっと…
臣)なんで連絡したの?
なんで会う話になんの?
♡)…っ
どうしよう…
上手く説明できない。
♡)ちょっと…連絡しないと
いけないことがあって…
臣)何?
♡)…えっと……
臣)あのさぁ。
♡)はいっ。
臣)お前、嘘下手だしすぐバレんだから
全部話して。
♡)えっ…
ガーン!!
臣)なんか取り繕って話そうとしてんの
バレバレだから。
♡)…っ
臣)なんなの?
俺に言えないことなの?
♡)…っ
どうしよう。
私の説明が下手すぎて
臣くんがイライラしてる…!
♡)言えないこと…じゃ…なくて…
臣)だったら全部ちゃんと話せよ。
♡)……ごめんなさい。
怖いよぅ…。ぐすん。
♡)えっとね…、
臣)うん。
一部だけ話すとか私には無理だったみたいで
仕方なく今日のいきさつを全部話した。
臣)ふーん、そういうこと。
♡)うん、ごめんなさい。
最初から正直に話せば良かった。
私のへたくそ…ばか…。
臣)つーか写真消してもらえば済む話なのに
なんで明日会うことになんの?
♡)わかんないけど…
会って話そうって言われて…
臣)ただお前に会いたいだけじゃねぇの。
♡)えっ…
臣)もっかい電話しろよ。
♡)え…?
臣)会う必要ねぇだろって。
写真だけ消してくれって言やいいじゃん。
♡)そ、そっか…
臣)もし会わないと消さないとかほざくなら
明日俺も行く。
♡)えっ!!
臣)とりあえず電話して。
♡)……はい。
私は急いでスマホをバッグから出して
□□さんに電話をかけた。
プルルルル…、プルルルル…、
□『もしもし?』
♡『あの、何回もごめんなさい!
♡です。』
□『うん、どうした?』
♡『えっと…あの…、明日の事なんだけど…』
□『うん。どっか行きたい店とかあった?
リクエスト?w』
♡『そうじゃ…なくて、えっと…』
臣)(じーーーーっ)
臣くんが…怖い…
♡『写真を…消してほしくて…』
□『ああ、それならもう消しておいたよ。』
♡『ほんと??』
□『うん。』
♡『わぁ…ありがとうございます。』
良かったーーー
…あれ?
でもじゃあ…明日会う必要ないよね?
♡『明日って…なんだったんですか?』
□『え?
久しぶりだから会いたいなーって。』
♡『え?』
□『ゆっくりご飯でもって思ったんだけど
都合悪い?』
♡『あ、えっと…
ごめんなさい、行けないです。』
□『そっか、残念。違う日は?』
♡『あの、えっと…』
□『ああ、もしかして…
彼氏に怒られちゃう?w』
♡『えっ…
□『いるんでしょ?彼氏。』
♡『あ、うん…。』
□『元カレだとご飯程度でもダメなの?w』
♡『…っ』
ダメっていうか…
♡『わ、私も…っ、嫌だからっ…』
□『え…?』
♡『彼氏が…元カノと二人で…
ご飯とか…』
□『あははは、そっかw
なんか…変わんないね、♡…w』
♡『え…?』
□『素直で可愛いなーって思って。』
♡『えっ!』
□『うん、まぁ、わかったよ。
もし何か困ったことあったら
いつでも遠慮せず連絡して。』
♡『ありがとう…ございます。』
□『うん、それじゃ。』
♡『はい。』
ピッ。
臣)(じーーーーっ)
♡)あ、えっと、消してくれたって、写真!
臣)ふーん…
♡)明日もなくなったよ!
臣)結局何だったの?
お前に会いたかっただけ?
♡)えっと…うん。
久しぶりだからって言ってた…。
でも断ったし!
写真も消してもらえたし!
良かった。
これで解決だよね?
臣)なんで元カレに敬語なの?
♡)えっ…
えっと…すごく年上の人だったから。
付き合ってる期間も短かったし…
臣)ふーーん。
♡)……
ピロリロリロ♪ピロリロリロ♪
♡)あっ、△△くんだ…!
臣)誰。
♡)もう一人の人!
ピッ。
♡『もしもし?』
△『えっと…俺だけど…、♡…?』
♡『うん!』
△『着歴残ってて…びっくりした…//』
♡『急にごめんね!』
△『全然いい…っていうか、嬉しい。
どうした…?』
♡『えっと、お願いがあって…』
△『お願い?何?』
♡『あのね、△△くんのmixiに載ってた
私との写真がSNSで流出してて…』
△『へ…?mixi…???』
♡『うん。』
△『あーー、もうずっとログインしてないけど
流出って??』
♡『Twitterとかで、流れてるの。』
△『は??マジで!?』
♡『うん…。』
△『え、え、なんで?!
どうしたらいい!?』
♡『迷惑かけてごめんね…?』
△『いや、俺は全然いいけど
お前が困んじゃねぇの?』
♡『ううん、私は全然大丈夫だけど…』
△『だって今、芸能活動してんだろ?』
♡『えっ!あ、えっと…
モデルの仕事くらいだけど…』
△△くんも知っててくれたんだ…。
♡『△△くんに迷惑かけたくないから
元データ消してもらってもいい…?』
△『え…っ』
♡『……』
△『ええと…
過去の日記とか写真を消せばいいの?』
♡『……うん。』
△『お前に関係するとこだけ?』
♡『……うん。』
△『……』
♡『……』
△『…消したく…ない。』
♡『えっ…!』
予想外の言葉に、驚いた。
△『お前に迷惑かかってんなら消すけど…
お前が迷惑じゃなくて
俺のこと心配して、ってだけなら
消したくない。』
♡『…っ』
△『もうずっとログインしてないけど…
なんつーか…
昔の思い出だし…。
俺にとっては、大事な…。』
♡『……』
△『一応非公開にしとくから、
それじゃダメ?』
♡『えっと…』
非公開ならもうこれ以上流出しないよね?
♡『△△くんは…ほんとにいいの?』
迷惑じゃないのかな?
△『全然いい。』
♡『そっか…、わかった。』
△『……』
♡『……』
△『てゆーかさ、元気…?』
♡『えっ?』
△『お前、元気にしてんのかなって…』
♡『元気だよ!』
△『そっか…w
なんか…懐かしい。』
♡『……』
△『声聞いたら…会いたくなんな///』
♡『え…っ』
△『…いや、ごめん…、うそ。』
♡『…っ』
びっくりした。
△『っていうのも嘘、ごめん。
やっぱり会いたい。』
♡『えっ!!』
どうしよう!
△『声聞いたら…なんか一気に…//』
♡『……』
△『Kとか…元気?』
♡『うん。Kちゃんも元気だよ。』
△『そっか…。』
♡『……』
△『……』
♡『……』
ち、沈黙が…気まずい。
臣)(じーーーーっ)
はっ!臣くんが見てる!
♡『えっと、それじゃ…っ』
△『……会えない?』
♡『えっ…』
△『少しでもいいから…。』
♡『……あ、あの…っ
私、今…好きな人がいて…』
△『好きな人…?』
♡『えっと、彼氏なんだけど…』
△『……』
♡『だから二人で会ったりは…ごめんね?』
△『……』
♡『……』
△『どんな彼氏…?』
♡『どんな?!』
どんなって…なんだろう!?
♡『えっと…、えっと…、
……すごく…大好きな彼氏。』
って言ってから恥ずかしくなった。
♡『あの////』
△『わかった。困らせてごめん。』
♡『ううんっ!』
△『……クラス会とかで会ったら
また普通に声かけてよ。』
♡『あ、うん!』
△『じゃあまたな。』
♡『うん、ありがとう!』
ピッ。
♡)はぁ…。
終わった。
臣)(じーーーーっ)
♡)あ!えっと…
ちゃんと解決したよね?!
♡)大丈夫だったよ!
臣)何が?
写真消すって?
♡)あっ、それはやだって言われたけど…
臣)は!?
♡)…っ
臣)やだって何!!なんで!!
♡)えっと…
…昔のだし…大事な思い出だからって…
臣)…っ
ど、どうしよう…
臣くんの顔が険しくなった…っ
♡)で、でも、非公開にしてくれるって!
だからもう流出はしないよ!
臣)……
♡)……
臣)そんな消したくないんだ。あっそ。
♡)……
臣)で?
♡)え?
臣)会いたいとか言われたわけ?
♡)…っ
臣くん…怒ってる…
♡)……(こくん)
臣)まだ好きとか言われたわけ。
♡)……(ふるふる)
臣)…でもぜってぇ好きじゃん…
会いたいとか言ってんだから…
臣くんがぼそっとそう言った。
臣)お前も少しくらい会いたいとか
思ったんじゃねぇの?
♡)え、思ってないよ!
臣)別に俺に気ぃ遣わなくていいけど。
♡)思ってない!
臣)さっきの男も…
元々は明日会おうとしてたわけだし…
♡)会いたかったわけじゃないよ!
臣)…っ
違うもんっ!
どうして…
そんな風に思うの?
臣)だったら最初から断りゃいいだろ。
♡)…っ
だって…
あっという間に電話切られちゃったし…
♡)私が迷惑かけちゃってるから…
断りにくかったんだもん…
臣)……
♡)会いたかったとかじゃないもん…っ
なんで…わかってくれないの…?
♡)急に…こんなことになって…
私もいっぱいいっぱいだったんだもん…っ
臣)…っ
勝手に涙がこぼれてきた…。
♡)どうして…そんなことばっかり言うの…?
臣)…ごめん…っ
臣くんは慌てたように私を
抱きしめてくれたけど…
♡)ふぇぇ…っ
涙が止まらない。
♡)どうしてわかってくれないのぉ…っ
臣)ごめん!
♡)元カレになんて会いたくないもんっ
臣)ごめん…っ
♡)臣くんが好きだもんっ
臣)うん…、ごめん…
♡)ふぇぇ…っ
臣)あーーー、ほんとごめん…っ
♡)うわーーん…っ
涙が止まらなくて
臣くんにぎゅっとしがみついた。
臣くんは…
何度もごめんって言いながら
私の背中をトントンしてくれて…
臣)……とりあえず風呂入ってこい…。
♡)…ひっく…
臣)俺も頭冷やしとくから。ごめん。
そう言って私の頭に優しく手を乗せた。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
臣)はぁぁぁぁぁ…………。
一人になったリビングで、激しく自己嫌悪。
俺、何やってんの…?
マジで最低じゃね…?
♡が泣き出して、すぐ我に返った。
止まらない嫉妬で
♡のこと責めて、追い詰めて…
あんなに泣かせて…
臣)マジで最悪…。
どんだけ小せぇの…俺。
臣)はぁぁ………
「前に…付き合ってた人に…
会ってきても…いい…?」
いきなりそう言われて、
言われた瞬間にもう冷静じゃなかった。
俺も軽くパニックで…
♡の説明は下手くそだし
俺に嘘つこうとしてんのがわかって
なんかどんどんイライラして…。
臣)あーーーー、、、
だからってあんな泣かせて
やっぱり最低だ、俺。
「私もいっぱいいっぱいだったんだもん…っ」
……そうだよな。
俺らみたいに
こういう事に慣れてないだろうし…
いきなり写真が出回ったりして
不安だったはずなのに…
なのに…
そんな時にあいつの気持ちも考えずに
嫉妬爆発させるだけって…
俺、彼氏失格じゃね?
臣)……
マジで凹む。
ほんとごめん…。
……俺…、
普段はクールだとか冷静だとか言われんのに
なんであいつのことになると
いつもこうなんだろ…。
全然冷静になんかなれなくて…
ガキみてぇ。
てゆーかさ!
いきなりこんな元カレがワラワラ登場して
冷静でいられっかよ!!
なんだよこの展開!
こんなん誰でもテンパるだろ!
臣)……
流出した写真ってなんだよ。
スマホを取って検索してみると、
すぐに出てきた。
臣)……なにこれ…。
デレッデレに嬉しそうな顔をした男が
♡のこと後ろから抱きしめてる。
こっちはほっぺたくっつけてるプリクラ。
こっちは遊園地か?
後ろに観覧車が写ってる。
とにかくどれもこれも
この男が♡のこと好きで仕方ないって感じ。
臣)あ。
『やっと付き合えた!!
一生大事にする。
生きてきて今日が一番幸せ。』
『♡と初デート。
絶叫系苦手だけど頑張った。
お化け屋敷で泣き出す♡、可愛すぎた笑』
こいつ…
日記まで晒されてんじゃん。
……ふーーーん…
きっとこいつ、♡の最初の彼氏だ。
「高校の時からずっと…
私のこと…想ってくれてたみたいで。
それが、初めての彼氏。」
LAで聞いた時…
そう言ってたもんな、確か。
「初めてのキスは…
ハルくんとが良かったなって
なんか悲しくなっちゃって…」
そうだ。
ディープキスしてフラれた男だ。
なのに大事な思い出だから
写真消したくないだぁぁ?怒
しかも会いたいとか言ってきやがって…
どこまで未練がましいんだよ!怒
『お化け屋敷で泣き出す♡、可愛すぎた笑』
臣)……
すっげぇムカつく。
俺なんかLAのディズニー一緒に行ったし!!
写真だっていっぱい撮ったし!!
臣)ふんっ!!
フラれたとは言え
こいつが♡のファーストキスの相手かと思うと
やっぱりムカつく。
臣)……あ、
今度は違う写真。
なんだこの男。
こいつが最初の電話の相手か?
「すごく年上の人だったから。」
絶対そうだ。
こいつはFacebookが流出してんのか。
名前まで出てんじゃん。
検索してやる。
臣)は?社長…?
ほんとに年上だし。
……逆算すると……
35の時に女子大生の♡に手ぇ出したのかよ!
臣)……ムカつく…。
写真はフレンチの店で
プレートを持って笑ってる二人の写真。
『Happy Birthday ♡』
そんなメッセージが書かれてて…
『ようやく彼女もお酒解禁になりました笑』
そんなコメントが添えられてる。
…ってことは
これは♡の二十歳の誕生日?
最初のアルコールはこいつと飲んだわけ?
臣)ふーーーん……怒
なんでこんな年上と付き合ってたんだよ。
胡散臭くね?
紳士ぶってるこの雰囲気がムカつく。
そう、なんか薔薇男みたいで。
誕生日にこんな店予約してんのも鼻につく。
ふん!!
俺なんかピアノあげたし!!
♡めっちゃ喜んでたし!!
Hだっていっぱいしたし!!
臣)…っ
……って、なんで俺
過去の男と無駄に張り合ってんの…。
ガキかよ。
臣)………はぁ…。
写真見たらなんかリアルで
余計ムカついたけど…
明らかに違うのは、♡の笑顔。
どれも笑ってるけど…
俺に見せる笑顔とは全然違う。
だってあいつは…
今までの彼氏には「好き」って
言ったことなくて…
Hだって俺が初めてで…
「臣くんだいすき♡」
あんな可愛い笑顔を見せるのも
きっと俺だけ。俺が初めて。
わかってるのに…
さっきだって…
ちゃんと好きな人がいるって…
大好きな彼氏って…
俺のことそう言ってくれたのに…
なのに俺は…
「お前も少しくらい会いたいとか
思ったんじゃねぇの?」
「だったら最初から断りゃいいだろ。」
臣)……
あんな言葉をぶつけて…泣かせた。
臣)はぁぁぁ………
最悪すぎる。
ほんとにごめんなさい。
誰か1時間前に戻してくれ…。
情けねぇ…
バカだ。最低だ。ほんと終わってる。
臣)♡…、ごめん……。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
♡)はぁぁ………。
お風呂に浸かりながら、激しく自己嫌悪。
もう…
こんな自分がやだよ…。
臣くんが怒るの…当たり前だもん…。
私だって…
臣くんが私に嘘ついて
元カノと二人で会おうとしてたりしたら
すっごくやだ。
最初から正直に話せば良かったのに
私が下手くそだったのが悪いのに…
臣くんに誤解されても
仕方ないことしたのは自分なのに…
「お前も少しくらい会いたいとか
思ったんじゃねぇの?」
誤解されたのが悲しくて。
「どうしてわかってくれないのぉ…っ」
「うわーーん…っ」
最後は子供みたいに泣いて…
♡)はぁぁぁ……
ダメダメすぎる…私。
どうしてこうなんだろ…。
私が泣いたせいで
臣くんは仕方なく抱きしめてくれて…
臣くんは何も悪くないのに
何度もごめんって謝ってた。
悪いのは全部私なのに…
♡)ぐす…っ
もう自分がほんとやだ。
臣くん…ごめんなさい…。
呆れたかな…?
うんざりしたかな…?
面倒臭いって思ったかな…
もう私のことなんて
嫌になっちゃったかな…
♡)ふぇ…っ
またぽたっと涙がこぼれた。
私…
ほんと不器用だし下手くそだけど…
臣くんにはちゃんとわかってほしいから…
ちゃんともう一回話そう。
そう決めて、お風呂を上がった。
髪を乾かしながら…
臣くんまだ怒ってるかな、
ちゃんと話聞いてくれるかな、
って…
不安でいっぱいで…
リビングに戻って
ソファーにいる臣くんの隣に座ると
ふわっと抱きしめられた。
臣)さっき、ごめん。
♡)…っ
その言葉と、臣くんの優しいぬくもりに
また涙が出てきそうになって
必死に堪えた。
♡)臣くんは…悪くないもん…っ
悪いのは私だもん。
♡)あのね、ほんとに違うの…っ
臣)え…?
♡)臣くんに…心配かけたくなくて…
隠そうとして…ごめんなさい…
臣)…っ
♡)でも…元カレに会いたいとか…
そんなんじゃないから…っ
臣)……
♡)ほんとに違うから…っ
臣)うん、わかってるよ…、ごめん。
♡)臣くんはごめんって言わないで!
臣)いや、だって…
♡)私が全部悪いんだもんっ
臣)お前は何も悪くないじゃん…
俺が悪かった、ごめん。
♡)臣くんは悪くないもんっ!
ふぇぇぇ…っ
臣)あ〜〜〜〜!!
泣かないで、頼むから。
ほんとごめん…っ
臣くんはまた背中をトントンしてくれて…
♡)私が泣いてるからって
優しくしないでぇ…っ!
余計涙が止まらない。
臣)お前は悪くないから!
私が泣いてるせいで…
臣くんはそうやって言うんだもん…っ
♡)悪いもん…っ
私がバカなんだもん…っ
臣)泣くな…っ
♡)こんなすぐ泣いて子供みたいで…
もうやだぁ…っ!ふぇぇ…っ
臣)あ〜〜〜、もう…
ほんとごめん。
優しくぎゅってされればされるほど
自分が情けなくて涙が出てくる。
臣)あんな言い方して…ほんとごめん。
♡)…っ
臣)あんな態度取って、ほんとごめん。
♡)……
臣)ただのヤキモチ…だから…
…ほんと…ごめん…。
♡)…っ
耳元で聞こえる臣くんの声が
すごく優しい…。
♡)私が好きなのは…臣くんだよ…
臣)うん、わかってる。
♡)…っ
臣)ちゃんとわかってるから…。
♡)ほん…と…?
臣)うん。
…あんなこと言って…ごめん。
♡)…っ
臣)泣かせてほんとごめん。
反省してる。
♡)……ふ…ぇ……っ
私が悪いのに…
どうして臣くんはこんな優しいのかな…。
ちゃんとわかってるって言ってくれて
一気に安心して、また涙があふれてきた。
♡)臣くんが好きなの…っ
臣)うん。
♡)嫌な思いさせてごめんなさい…っ
臣)謝んなくていいから…。
♡)ほんとにごめんね…っ
臣)もういいから。
ほんと…俺がごめん。
ー続ー
コメントを残す
ちょっと臣くん、♡ちゃん泣いてるじゃん!
自分は、元彼女に会わせて食事まで一緒にさせてたのに(怒)本当に自己中やなぁ〜
暫く岩ちゃんstoryだね(^_^)仔犬ちゃんが、狼に暴走するね〜( ^ω^ )
三代目の恋に愛、切な過ぎて泣ける