バーで偶然会って、
別れたいって◇に言われて。
フラれたも同然なのに
それでもまだ諦められなくて。
最後は泣きながら走り去った◇に
僅かな希望を捨てきれない。
だから…
ちゃんとはっきりトドメを刺されるまでは
好きでいさせてくれ…って、
そんな往生際の悪い自分を笑って。
俺はその日も花を届けた。
選んだのは真紅のバラ。
花言葉は
「あなたしかいない」。
いつも書いてる手紙は書けなかった。
だって…
他の男が好きだって言われて
もう別れたいって言われてんのに…
そんな状態で書ける言葉なんて
何もなくて。
でも、気持ちだけは届けたいから
花だけを置いてきた。
それからまた一夜明けて。
今日は何の花にしようなんて考えながら
朝早く、事務所に向かえば…
「岩ちゃんから連絡欲しいって人が
下まで来てたらしいよ。男女二人。」
マネージャーにそう言われた。
岩)何それ。
K)よくわかんないけど
ファンではないってさ。
岩)もう帰ったの?
K)うん、名刺だけ置いて帰ったって。
怪しいから捨ててもいいけど。
一応…、はい。
受け取った名刺には、優助の名前。
岩)…っ
裏には…
「電話しぃや!男見せろよ岩田! 桜」
そう書かれていた。
K)爽やかな男と派手な女の子って
言ってたよ。
知り合い?
岩)…うん、ちょっと出てくる。
俺はすぐに部屋を出て、
携帯を取り出した。
なんであの二人が一緒に来たんだろう。
もしかして…
◇に何かあった?!
いや、でも…それなら…
こんな回りくどい事しないよな。
緊急性が高いなら
名刺にそれを書くとか
受付に言伝するとか、何かするはずだ。
何も言わずに名刺だけ置いてったってことは…
俺に何か言いたい事がある。
なんだよ…?
◇はもう俺のもんだとか言いたいわけ?
だからもう近付くな、とか…?
岩)…っ
もしそんなこと言われたら…
俺、冷静でいられるだろうか。
……でも…
とりあえずこのまま無視するってのは
ありえない。
追い返されるだろうこともわかってて
わざわざここまで来たんだろ?
だったら…
かけてやるよ。
俺は意を決して、名刺の番号をタップした。
プルルルル…、プルルルル…、
岩『もしもし…。岩田ですけど。』
繋がったのを確認してそう言えば、
優『ああ、ええと…すみません。
ご連絡ありがとうございます。』
俺の中のイメージとはかけ離れた
礼儀正しい言葉が返ってきて。
でも声は間違いなくあいつ。
岩『……俺から連絡欲しいって…何?』
優『ああ、はい。お忙しいのにすみません。』
は…?
岩『お前…ほんとに優助?』
優『え…っ?』
岩『いきなり敬語で気持ち悪ぃ。』
優『…っ』
俺を睨みつけて
掴みかかってきて
宣戦布告してきた奴とは思えない。
岩『で、何の用?』
訝しげにそう聞けば、
優『……◇のことだけど…』
岩『…っ』
予想通り、そう言われた。
次に何を言われるのか、
嫌な不安が胸を駆け巡る。
優『何もないから。』
岩『……は?』
何もないって…
優『それだけ…言いたくて…。』
岩『……意味がわかんねぇ。』
何言ってんの?こいつ。
優『だから…
俺ん家に泊まりに来たけど…
何もしてないから。』
岩『…っ』
優『泊まりに来たのも…
俺が無理矢理、
連れて帰ったようなもんだし…』
岩『……』
優『誤解されるようなことは、
何もしてないから。』
岩『……』
そう言われて、複雑な気持ちになった。
どこかで安心した気持ちと、
本当かよって信じきれない気持ちと。
ってゆーか…
岩『なんでそんなこと
わざわざ俺に言うわけ?』
お前になんのメリットがあんだよ。
岩『そんなこと言うために
わざわざうちの事務所来たの?』
優『……。』
全く理解不能なんですけど。
優『そんなことって…
大事なことじゃないですか?』
岩『…っ』
優『岩田さんにとっては
どうでもいいことなんですか?』
岩『……んなわけねぇだろっ』
優『……』
思わず大きな声が出た。
岩『そうじゃなくて…
それをお前が俺に
いちいち報告する意味がわかんねぇって
言ってんだよ…っ!』
優『……』
◇のことが好きだって言ったくせに…
俺から奪う気満々なくせに
なんでそんな意味わかんねぇ報告を
俺にしてくるんだよッ!
優『◇が…泣いてたから。』
岩『……っ』
は…?
優『…だから…伝えたかっただけです。』
岩『……』
優助は静かにそう言うと、
優『事務所まで押しかけてすみませんでした。
ご連絡ありがとうございました。』
そう言って、
俺の返事を待たずに電話を切った。
岩)……
何なんだよ…。
◇が…泣いてた…?
いつ…?
まだ胸の中がグチャグチャで、
一旦深呼吸をして、壁にもたれた。
岩)はぁ……。
◇が好きなのは俺なんだから
とっとと諦めろとか…
◇はもう俺のもんになったんだから
しつこくつきまとうなとか…
そういった話かと思ってたら
全然違った。
あいつとは何もなくて…
◇は泣いてたって…
岩)どういうことだよ……。
俺はそのままズルズルと
その場にしゃがみ込んだ。
……大体…
そんなのあいつにとっては
俺が誤解してたままの方が都合がいいくせに
わざわざこんなところまで来て
本当のことを俺に言うって、何なの。
『◇が…泣いてたから。
…だから…伝えたかっただけです。』
岩)……くそッ
ダンッ!!!
……あいつは…
自分のことよりも…
◇のことを一番に考えて動いたんだ。
きっと…
それだけ◇のことが好きだから。
岩)ムカつく……。
どんだけイイ男なんだよ…。
ふざけんな。
岩)優しく…助ける…、か。
俺は手の中の名刺をグシャッと握りしめた。
……俺が出来る事は…なんだろう。
もうずっと…
出口の見えない迷路にいるみたいで。
もう一度…
◇に会いたい。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「だから、もう会わない。
◇の気持ちが落ち着いて…答えが出るまで…
俺も会わないよ。」
優助にそう言われた。
あたしはもう、
答えを出したつもりでいたのに。
剛典と別れて
優助と一緒にいるって…
そう決めたつもりだったのに。
「じゃあ◇は…
本当に俺のことが好き…?
俺の目を見て…そう言える…?」
優助にそう言われて…
「俺のこと…もう好きじゃないなら…
ほんとに…別れたいなら…
俺の目…見て、言ってよ。」
剛典にそう言われた時と同じで
あたしは優助の目を、見れなかった。
「岩ちゃんのことなんて
もう好きじゃないって…言える?
俺と今、キス…できる?」
悲しい声でそう言う優助に
あたしは俯く事しか出来なくて…
ただただ、涙が止まらなかった。
最低だって思った。
優助のことが好きって思ったのに…
いっぱい側にいてもらって
いっぱい安心感をもらって
剛典のことは忘れるって決めたのに
「無理に…捨てなくていいよ…っ
捨てたく…ないんでしょ…?」
優助は全部わかってたのかな…。
あたしが捨てられなかった
このダンボール。
剛典との思い出。
◇)…っ
「全部…大事なものなんじゃないの…?」
そう言われて、涙があふれた。
◇)…ひっ…く…
もう、こんな最低な自分が嫌。
自分で決めたことすら行動に移せなくて…
優助の言葉一つで、気持ちが揺らいで。
あたし、優助が好きなんじゃないの?
なんで…っ
◇)ふぇぇ…っ
バカ…。
バカ…ッ!!!!
もう自分を殴りたい。
あんなに優しい優助を、傷つけた。
◇)ほんと…最低…、…っ
もうほんとにやだよ。
こんなあたし、消えてなくなればいいのに。
◇)…う…ぇぇ…っ
優助は…
一番大事なのは
あたしの気持ちだって言ってくれて…
自分の気持ちに嘘をつかないで、って。
あたしは…
嘘をついてるつもりなんてなかったのに…
結局まだ自分の気持ちがわかってない。
グラグラして…
ぐちゃぐちゃして…
もうこんがらがってて。
「そんな急いで答え出さなくていいんだよ。
本当の気持ちが…見えなくなるから…
急がないで。」
優助にそう言われた。
あたし…
急いでたの…?焦ってたの…?
◇)ぐす…っ…
あたしがお願いしても…
優助はもう、
あたしを抱きしめてくれなかった。
「俺…ちゃんと待ってるから。
答えが出たら、教えて?」
◇)……
もう…甘えちゃいけないんだ。
もし優助が
またあたしを抱きしめてくれるとしたら…
それはあたしがちゃんと
優助の気持ちに応えられるくらい
優助のこと好きって気持ちが
確かなものになった時。
それまでは、もう会えない。
ちゃんと…自分の気持ちと向き合って
あたしは答えを出さなきゃいけないんだ。
◇)はぁ……。
こぼれる涙を拭き取って、
またアイスノンを瞼に乗せた。
剛典は…
今ごろ何してるんだろう。
昨日届けてくれた赤いバラは
他のお花と一緒に花瓶に挿した。
あんなひどいこと言ったのに…
まだあたしのこと…好きなの…?
剛典もあたしと一緒で…
自分の気持ちが
見えなくなってるんじゃないのかな…。
別れたくないって…
そう言った剛典の顔と悲しい声が…
__頭から、離れない。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
俺にできる事はなんだろうって考えながらも
答えなんて見つからなくて。
あいつとは何もなかったってわかって
安心したのも本音だけど…
じゃあなんで◇は
あんな言い方したんだろう、って。
わざと俺にああ言ったってことは
そう誤解してほしかったってことなんじゃ
ないかなって…
そんな深読みをして、また凹んだ。
もしそうなら…
◇の気持ちはやっぱりもうあいつに向いてて…
俺のことは忘れたいんじゃないかな。
岩)はぁ……。
でももしそうだとしても
ハッキリそれを突きつけられるまでは
諦められない。
俺はそれからも、
手紙は書けないまま、花だけを届け続けた。
ピンクの胡蝶蘭は、
「愛してる」。
淡紫のスターチスは
「変わらぬ心」。
桃色のセンニチコウは
「色褪せぬ愛」。
もう花屋のお姉さんとも
顔見知りみたいになっちゃって。
ふと困ったのは、大阪公演の前日。
なんとか毎日届けてる花も
さすがに大阪からは届けられない。
そんなことをぼやかして相談すると…
女)では、届けられない分、
三日分のお花をお渡ししてはどうですか?
お姉さんがそう言った。
岩)三日分…?
女)はい。
毎日一輪ずつお花を選ばれてますが…
今回は特別に3本。
岩)……
女)バラが本数によって花言葉が違うのは
以前お話ししましたよね?
岩)はい。
女)バラは…3本だと…
「愛してる」という意味になりますよ。
岩)…っ
それを聞いて、
俺はすぐにお姉さんの提案に乗った。
バラを3本、綺麗に包んでもらって…
丁寧にお礼を伝えて。
このボリュームじゃポストに入らないから
宅配BOXかな?とか…
いきなり3本入ってたら
びっくりするだろうから…
手紙書いた方がいいかな?とか…
あれこれ考えながら、花屋を後にして。
そのまま事務所に戻って
メンバー会議に参加した。
これから本格化するハイローの撮影とか
年末までのスケジュールとか
来年の個々の活動とか
いろいろ共有し合って。
会議が終わると
来週撮影予定のポッキーのCMの振りを
直己さんから軽く伝授された。
隣では隆二さんが封筒を握りしめて
「よかったーーーー!!」
なんて絶叫してるから何事かと思えば…
俺にも手渡された、同じ封筒。
クリニックの検査結果。
隆)白だったーー!
ほんとよかったーーー!
臣)良かったねーーw
隆)臣は?!
臣)俺この間もらったけど
陰性だったよ、全部。
隆)おおお!
そんな二人の会話を聞きながら
俺もドキドキ自分の封筒を開けてみた。
岩)……
……ほっ。
俺の表情を見て察してくれたのか、
二人とも良かったねって声をかけてくれて。
臣)てゆーかみんな大丈夫だったじゃん。
病気の奴なんてやっぱ少ないんじゃん?
臣さんがのんきにそう言うと、
E)あ、でもねー
啓司さんうつされたって言ってたよー
この間…w
N)あ、SHOKICHIも言ってたな。
そんなネタが降ってきて…
三人で固まった。
隆)俺たちはラッキーだったって
ことじゃない。
臣)……てゆーか俺はもう関係ないし。
隆)え?
臣)もう一生♡としかしないもん。
一生クリーン!!
隆)お、俺だって♧としかしないもん!!
臣)まだしてないくせに何言ってんの…?
隆)はぁ?!怒
岩)……
俺は…
「岩ちゃんなんて
絶対病気だって言ってた…。」
◇がそう言ってたって臣さんに聞いて
嫌われる要素を一つでもなくしたくて
検査しに行ったけど…
今じゃもうそれどころの話でもなくなってて。
岩)はぁ…。
みんなパラパラと出て行った会議室で
後片付けをしながら思わずため息をつくと
臣さんにポンと背中を叩かれた。
臣)大丈夫…?
岩)……
臣)元気?
岩)……うん。臣さんは元気?
臣)俺??w
俺は元気だよ。
引っ越しも終わって平和に暮らしてます。
岩)あ、そっか。
引っ越し…もう終わったんだ。
臣)うん。
岩)どう?新居は。
臣)なんかまだ慣れないけど…w
でも快適だよ。♡も嬉しそうだし。
岩)そっか、良かったね。
臣)うん。
いいなぁ…。
素直に羨ましく思う。
俺も…
◇に会いたい。
臣)あれから…◇ちゃんは…?
岩)……
そう聞かれて…
岩)まだ俺がストーカーしてる…w
俺は自分を嘲笑うようにそう答えた。
臣)ストーカー?
岩)うん。
臣)……
岩)ほんと俺、しつこいししぶといよね。
臣)……
岩)でもいいんだ。
結局何があっても
好きだってわかったから。
臣)…っ
岩)グサッとトドメ刺されるまで
諦めないわ。
俺がそう言うと、
臣さんが眉をしかめて…
ためらいがちに口を開いた。
臣)あの…、さ。
岩)うん?
臣)♡には…絶対言うなって
言われたんだけど…
岩)え…?
臣)岩ちゃんの気持ちがそこまでなら…
言っても変わんないかなって思って。
岩)……なに?
少しドキドキしながら
次の言葉を待つと、
臣)◇ちゃん、優助とは何もしてないって。
そう言われた。
それは…
優助から聞いてもう知ってるんだけど…
臣)岩ちゃんのこと忘れたくなくて
出来なかったって…そう言ってたよ。
岩)…っ
それは、俺が知らなかったこと。
◇はもう…
俺のこと忘れたいのかなって…
そう思ったりもしてたから…
その言葉が、すごく胸に刺さって…
岩)……ありがとう。
震える声で、俺はそれしか言えなかった。
……やっぱり、会いたい。
◇に会いたい。
本当は俺のこと、どう思ってる…?
こぼれそうな涙をこらえて、
俺はそのまま◇の家に向かった。
3本のバラの花を、大事に抱えながら。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
あれからも毎日届く、剛典からのお花。
前みたいに手紙がないから
何のお花かわからなくて。
毎日一生懸命調べて、
その花言葉も見つけて。
「愛してる」
「変わらぬ心」
「色褪せぬ愛」
変わらない剛典の気持ちに、
胸がぎゅっと締め付けられる。
どうしてここまでしてくれるんだろうって
戸惑う気持ちもあったけど…
お花を手に取ると、やっぱり嬉しくて。
心があったかくなった。
その理由はわからないけど、
それが素直な気持ちで。
「急いで答え出さなくていいんだよ。」
優助がそう言ってくれたから
あたしはもう、考えすぎるのはやめた。
答えを出さなきゃって
焦るんじゃなくて…
自分の心が自然に答えを見つけるまで
ゆっくり待ってみようって。
そしたら…
日に日に強くなっていったのは、
剛典に「会いたい」って気持ちだった。
剛典が好きだとか…
そういうわけじゃなくて…
ただ、会いたい。
元気な顔が見たい。
そんな気持ちが募っていって…
最後は泣きながら別れたのに
思い出すのは剛典の笑顔ばかりになってた。
今日も帰ったら…
お花が届いてるのかな…。
剛典はあんなに忙しいのに…
いつうちに来てるんだろう。
そんなことを考えながら帰り道を歩いてると、
マンションの前に見えた、
見覚えのあるワゴン車。
◇)…っ
もし…かして……
心臓がバクバクと、音を立て始める。
ゆっくりそのまま歩みを進めると、
車から降りてきたのは
キャップを被ってマスクをした、
剛典だった。
◇)…っ
足早にエントランスに入っていった剛典。
……どうしよう。
一瞬固まったあたしの身体は
その次にはもう、走り出してた。
急いで、走って、門をくぐって。
あたしの足音に振り返った剛典は、
ドアを開けたあたしを見て、固まった。
岩)え…?
お花を持ったまま、止まってる。
◇)…はぁっ、…はぁ…っ
あたしは乱れる息を整えようとするけど…
心臓がうるさく暴れて、おさまらない。
この間も、そうだった。
剛典の姿を見た瞬間、
剛典の声を聞いた瞬間、
心臓がドクンッて…激しく揺れて…
あたしの身体が…
あたしの本能が…
何か知らせるように
何か叫ぶように
ドクドクと、音を立てて。
……今もまた、同じ。
◇)…っ
こんなに視線が重なってるのに…
言葉が、出てこない。
岩)……ほん…もの?
◇)え……?
岩)…会えると…思ってなかったから…
びっくりした……
◇)……っ
そう言って剛典は、儚げに笑った。
岩)これ……、
ポストに入んなくて…
どうしようかなって思ってた…
◇)…っ
剛典の手には、3本のバラの花。
岩)俺…明日から…京セラで…
ここに…来れないから…
◇)…っ
だから…3本あるの…?
岩)…受け取って…くれる…?
少し困ったように差し出されたバラの花。
剛典の手が、少し震えてるのがわかって…
あたしはすぐに駆け寄って、
それを受け取った。
◇)…っ
どうしてか、目から涙がこぼれ落ちて。
バラをぎゅって抱きしめたまま、
あたしは顔を上げられなくなった。
岩)◇……?
◇)…っ
あたしを呼ぶ、優しい声。
岩)ごめん…、今だけでいいから…っ
◇)…っ
そっと抱き寄せられた、腕の中。
今だけでいいから…「抱きしめさせて」。
言葉にならないそんな思いは、
次第に強くなる剛典の腕の力から
痛いほど伝わって来る。
岩)……ごめん。
◇)…っ
剛典の「ごめん」は…
「好き」に聞こえる。
それくらい…
剛典の声も…ぬくもりも…優しくて。
あたしはやっぱり、涙が止まらない。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
会いたくて…
会いたくて…
会えるなんて、思ってなかった。
俺が花を届けるタイミングで
◇が帰ってくるなんて
そんな奇跡が起こるわけないって
毎日思ってた。
でもきっと、願ってた。
心のどこかで、そんな奇跡を願ってた。
岩)…っ
震える手で、
俺の花を受け取ってくれた◇に…
俺は自分の気持ちを抑えられなくなって…
思わず◇を、腕の中に抱き寄せて。
◇)…っ
泣いてる◇の震える肩を
壊れるくらいぎゅっと、抱きしめた。
今間違いなく、目の前にいて…
こうして触れ合ってる。
それだけで…
俺の身体が、
好きだって叫ぶみたいに…
ドクドクと、音を立ててる。
そう。
バーで会ったあの夜と同じだ。
理屈じゃない。
俺の本能が…好きだって言ってる。
好きで仕方ないって叫んでる。
このまま離したくなくて
◇をずっと閉じ込めてると、
マネージャーが慌てて飛んできた。
K)ごめん!間に合わないからもう行くよ!
そう言われて、タイムリミット。
一応気を遣って
すぐに車に戻ったマネージャーの背中を見ながら
俺はそっと、◇を離した。
岩)……
◇)……
なんでこんなに好きなんだろうな…。
まだ涙で濡れてる◇の頬を
そっと指で撫でて。
亜麻色の髪に手を差し込んで、
大きな瞳を真っ直ぐに見つめた。
◇)お花…ありがとう…。
赤い唇が、小さくそう呟いて。
岩)…っ
迷惑かなってずっと思ってたから…
ありがとうって言葉がすごく嬉しくて…
泣きそうになるのを必死にこらえた。
岩)……
◇)……
そのまま…ゆっくり身体を屈めて…
涙の跡が残る目元に、
そっと唇で触れて…
岩)ありがとう…。
最後にそう伝えて、俺は車に戻った。
ー続ー
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彼氏と別れようとしてるとこに優しい人現れたらそりゃあ惹かれる(笑)
でも、岩ちゃんに気持ちがあることに♢ちゃん気づいたのね⁉︎
よかった(^o^)
臣ファンだけど、岩ちゃんストーリーも好きよ(^-^)
そう言ってもらえると嬉しす!!。゚(゚´ω`゚)゚。♡♡
岩ちゃんの暗黒期きたぁー(´;ω;`)と思ったら、あれ??あれれぇ??気づいたの?♢ちゃんまだ気持ち残ってた事に気付いてしまったの???
戻っちゃうの??優助、、、どんどん可哀想になってく。。。
てへへ…(´>∀<`)ゝ ごめん、優助…
やっっっっと…
やっとここまで来たー!
◇ちゃん(′;ω;`)
気持ちに気付いてくれてありがとうᐠ( ᐪᐤᐪ )ᐟ
早く甘々な日々に戻る事熱望(笑)
ほんまね、何回も読み直して(笑)
何回も読んでるのにマイコさんSTORYに24時間捧げられる(笑)
マイコさんありがとう♪(о ̄▽ ̄)/
そんな…。゚(゚^∀^゚)゚。なんとありがたきお言葉…✨✨
甘々な日々はまだまた遠いですが待っていてください〜〜(っ≧ω≦)っ
これはいい流れ!
そろそろ京セラ終わりで結構動きそう♪
そしてちょいちょいリアルなメンバーの裏事情笑
直人さん健ちゃんに続きセカンド兄さんw
みんな真っ黒〜〜〜!!笑
‹‹\(´ω` )/››‹‹\( ´)/›› ‹‹\( ´ω`)/››
やっぱり岩ちゃんとより戻して欲しい。
やっぱり岩ちゃんの事が好きな気持ちが残ってるんだよ。優助君切ないね〜
嫌いだったのに、凄い良い人だったんだね〜
マイコさんごめんなさい。
臣くんまたまたお休みなんだね〜(涙)
マイコさん、臣くんの映画発表にはびっくり!(◎_◎;)あの髪型、あのポチャポチャで大スクリーンに・・・駄目でしょ〜
臣くんお願いトサカヘアーでお願いします。マイコさんのストーリーの臣くんは、イケメンなのになぁ(^ω^)♡ちゃんと臣くん、首を長くして待ってます。
そうなんだよ〜〜〜(o´д`o)
あの中途半端な髪型とポチャポチャで〜〜〜(o´д`o)
コンディション整えてくれる日を熱望しまっす。
あー!!岩ちゃんとこもどってー!笑笑