隆二くんの家に来てからもう一週間。
あの一件で3kg落ちた体重は、2kg戻って。
身体は元気だし、仕事も元通り。
少し驚いたのは、
連休明けに施設に行った時に
皆が隆二くんを私の彼氏だと思ってたこと。
「いつの間にあんな素敵な彼氏見つけたの!」
「瞬くんに片想いしてたと思ってたのに〜!」
「ほんとびっくりしたよー!」
口々にそう言われて…
慌てて、彼氏じゃないんですって言ったら
「そうなの?今市くんは♧ちゃんのこと
大事な人だってハッキリそう言ってたよ。」
そう言われて。
嬉しさと恥ずかしさで、
一気に顔が熱くなった。
それに…
連休のお礼を伝えたら、
今市くんからも連絡もらってたよ。
って言われて。
隆二くんは私の知らないところで…
私の体調が良くなったこと、
もう心配いらないこと、
それと、お休みありがとうございますって
わざわざ電話してくれてたみたいで…
そんな隆二くんの優しさに、
胸がじーんと熱くなった。
休みの日にでもまた連れておいでって
みんなそう言ってくれて…
隆二くんはもう大人気。
「今度ゆっくり案内して。」
そう言ってくれてた
隆二くんの言葉も思い出して…
心がほっこりあたたかくなった。
……そんな隆二くんは…というと…
♧)……///
今日もまた、
私をぎゅってしながら
スヤスヤ寝息を立てていて。
こうして抱きしめるの…
隆二くんの癖なのかなって思ってたけど
三日前に聞いてみたら、
「俺、寝相いい方だし
寝てる間に無意識でそんなこと
しないもん!!」
そう言われた。
じゃあどうして私のこと、
毎日ぎゅってしてるのかなって思ったら…
心を読まれたみたいに、
「好きだからじゃない。」
そう言われて。
びっくりして、聞こえないフリをしたら
もう一度同じセリフを言われて…
恥ずかしくて、
いっぱいいっぱいになった私は…
「……知ら…ない…///」
そんな返事しか返せなかった。
隆二くんは…
ほんとに私のことが好きなのかな?
って…
ドキドキして…
それからも毎日、
起きたら抱きしめられてて…
朝、お見送りする時の儀式も
相変わらずで
夜、お出迎えする時の儀式も
そのままで
いっぱいいっぱい、ぎゅってされる。
♧)////
私は隆二くんが好きだから…
ぎゅってされるのも
おでこにチューされるのも
キッチンですりすりされるのも
全部全部、ドキドキするけど嬉しくて…
でも。
「好き」とかそれっぽい言葉は
あの日以来、全く言われないから…
自分からは、聞けない。
聞いて、違う答えが返ってくるのが
怖いから。
今は、こうして側にいられるだけで
信じられないくらい幸せで…
毎日毎日、本当に幸せで。
だから…このままでいたいの。
ドキドキ…
ドキドキ…
抱きしめられてる腕の中を
少しだけよじのぼって
隆二くんの顔を見上げた。
♧)……///
……大好き。
毎日、気持ちが溢れそうになる。
…まだ、寝てるから…
少しだけ…すりすりしてもいいかな…?
ドキドキ…
ドキドキ…
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
うっすら目が覚めてきて
でもまだ眠気もあって。
そんなまどろみの中で
腕の中のぬくもりに気付いて…
隆)……
ああ、俺…
ほんとに♧のこと抱きしめてる。
初めて自覚した。
「朝…起きたら…
毎日…ぎゅって…されてる…///」
数日前に♧にそう言われたけど…
俺ってばほんとに毎日
こんなことしてたんだ…。
隆)……
でも…気持ちいい…。
このまま…離したくない。
そんなことを思ってたら、
♧が少し動いて。
起きたのかな?って様子を窺ってると…
♧の顔が、すごく近くまで来た気配。
俺がじっと寝たフリをしてると…
……すりすり…
隆)?!!///
首元に感じた、♧のおでこの感触。
なんか可愛くすりすりされてて…
♧)んん…、///
すりすり……
隆)!!!////
今度は…
♧が俺の首元に顔を埋めたのがわかった。
この子…
何してんの?!!///
バクバク…
バクバク…
寝てるフリがバレそうなくらい
心臓が音を立て始めて…
すりすり…
♧はそのまま俺の首元に顔をすり寄せた後、
♧)……はぁ…///
小さく息を吐いて、
俺の腕からすり抜けていった。
……パタン。
隆)…っ///
寝室から出て行ったのがわかって、
ようやく開けた瞼。
心臓はまだ…バクバクしてて…
♧にすりすりされた感触が
すげぇリアルに残ってる首を
思わず手のひらで覆った。
隆)////
……今の…、何?!///
そ、そ、そりゃー…
俺だっていっつも…
キッチンに立ってる♧を後ろからハグして
勝手にすりすりしたりしてるけど…
するのとされるのとじゃ、全然違う。
違いすぎる…!!!
隆)……はぁ///
朝から刺激が強くて、思わず息を吐いた。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
ドキドキ…
ドキドキ…
寝てる隆二くんに…
勝手にすりすりしちゃった。
♧)……///
隆二くんにたまにされるけど…
されるのとするのとじゃ、全然違う。
違いすぎる…!!!
♧)はぁ…、///
隆二くんの生肌の感触が
リアルに蘇って、
なんだか顔が熱くなる。
私はそれを誤魔化すように顔を洗って
いつも通り、朝食の準備を始めた。
今日は仕事はお休み。
隆二くんは生放送のお仕事があるみたいで
♡ちゃんも来るから
良かったらおいでって言ってくれて
私も一緒に行く予定。
隆二くんのお仕事は
私とは全然ジャンルが違うし
知らないことばかりの未知の世界で
なんだか楽しい。
邪魔にならないように
端っこからこっそり見てるんだ。
……
…
隆)……おはよ。
ご飯が出来て、そろそろ起こしに
行こうかなって思ってたら
先に起きてきた隆二くん。
♧)……///
隆)……///
さっき勝手にすりすりしちゃったから…
なんだか恥ずかしくて、顔が見れない。
♧)えっと…、おはよ…///
隆)……うん///
小さく返事をすれば、
隆二くんは真っ直ぐ顔を洗いに行った。
ドキドキ…
ドキドキ…
ご飯とお味噌汁を装って…
テーブルに並べて。
戻ってきた隆二くんと向かい合って
手を合わせる。
隆♧)いただきます…//
……なんか、今日の隆二くん…
少し変だな…。
いつもはもっと元気で
「いただきまーす!」
ってニコニコしてるのに…。
私が意識してるせいで
そう見えちゃうのかな…?//
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
なんか…
♧が俺をチラチラ見てきて…
その度に俺はさっきのすりすりを
思い出しちゃって…
隆)……///
あれは何だったんだろうって
ご飯を食べながら頭の中はそればっかり。
♧)お魚…どうかな…?
隆)えっ?あっ!うん!美味しい!!
♧)本当…?
隆)うん!ほんとに美味しい!
毎日美味しい!全部美味しいっ!!
♧)……ふふっw
それは褒めすぎだよーw
隆)だってほんとだもん!!
♧)……ありがとう…//
♧の朝ごはんを食べるようになってから
なんかほんと、身体も調子良くて。
毎日ありがたいなぁなんて
すげぇ感謝してんだから…!
♧)今日は何時出発なのー?
隆)あ、んっとね、11時過ぎに
マネージャー迎えに来る。
♧)そっか。
隆)一緒に乗ってこうね♡
♧)うん♡
へへへ…
今日は♧と一日一緒だ♡
それから時間まで、
俺は今日の歌の声出しとかをして
喉を開いて。
時間通り迎えに来たマネージャーの車に
♧と一緒に乗り込んだ。
♧(今日はSさんじゃないんだね…)
♧が小さな声でそう言うから
マネージャーは今は6人いるんだよって
教えてあげたら
すごくびっくりしてた。
6人いても足りないんだけどね。
今日の会場は代々木体育館。
楽屋に入ると
臣がメイクしてもらってる最中で。
その後ろで雑誌を読んでる♡ちゃんが
俺たちに気付いてニッコリ笑った。
♡)♧さーーん!♡
♧)♡ちゃーん!♡
なんだかいつの間にか仲良しだな…。
臣)おはよ。
隆)おはよ。
俺も先にメイクしてもらっちゃおう。
隆)お願いしまーす。
鏡の前に座ると、
後ろから俺をじっと見つめる♧が映ってて。
隆)どうした?w
座ってていいよ?
俺がそう言うと、
♧)男の人もお化粧するの…?
なんて驚いてて…
臣)あはははw
♡)するんですよー♡
メイクさんもみんな笑ってる。
♧)ヘアセットだけだと思ってた…
知らなかった…
♧は目を丸くして
まだ俺をじーっと見てて。
女)はい、登坂くん完成。
臣)あざーっす。
臣が立ち上がると
鏡の中の♧の視線は臣の方を向いて…
♧)わ…お肌が…つるつるに…
なんて言って、驚いてる。
リアクションがいちいち初々しくて
面白くて可愛いw
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
女)はい、今市くんも完成。
隆)ありがとうございます。
ヘアメイクを終えて
こっちを振り向いた隆二くんは
なんだかキラキラ。
隆)終わったよー♡
♧)……///
お肌がつるつるだ。
隆)カッコ良くなったー?
♧)……(こくん)///
私が頷くと、
隆二くんはへへって嬉しそうに笑った。
別にメイクしてなくても
カッコイイんだけど…
髪型もビシッとしてて
寝起きの可愛い隆二くんとは
また違って…
ドキドキドキ…///
N)おはよーーー
健)おはよーございまーす。
お!♧ちゃん!おはよ!
♧)健ちゃん!おはよう!
岩)おはようございまーす。
それから続々パフォーマーも到着して。
♡)あ、Sさーん!
パン焼いて来ましたよー♡
S)おおお!♡ちゃん!ありがと〜〜!!
Sさんは♡ちゃんからパンを受け取って
ニコニコ嬉しそう。
私も何か作って来た方が良かったのかな?!
健)なんでSさんにパンあげてんの。
♡)お家探してもらったお礼だよー♡
健)ああ、引っ越すんやっけ?
♡)うんっ♡
はっ…
もしかして…
私のお家を探してくれてるのも
Sさんなのかな?!
E)こっちのパンは何ー?
♡)それは余って臣くんにあげたやつだよー。
E)えーー食べたい。
♡)いっぱいあるからいいよー♡
直)俺も食べたい。
♡)どうぞー♡
隆)俺もーーー
美味しそうな♡ちゃんのパン。
私も食べたいなって思ってたら
最後の1個は岩ちゃんの口の中へ。
岩)美味ーい!
♡)へへ、良かった♡
隆)半分こしよ♡
♧)うん♡
ふかふかのバターロールを
隆二くんが半分分けてくれた瞬間、
臣)あーーーー!!!
臣くんの絶叫が楽屋に響いた。
臣)なんで!??
パン1個もねぇじゃん!!!
あ……、
臣)食べようと思って
カフェオレ買ってきたのに!!
皆)……。
空っぽの袋を見て
ショックを受けてる臣くん。
みんなは気まずそうに
手に持ってる食べかけのパンを
急いで口の中に入れた。
じとーっと周りを見る臣くんと
目を合わせないようにして。
♧)えっと…臣くん…ごめんね…
私がまだ食べてない半分を
返そうとすると…
♡)あ、いいんです!
♧さん食べてください!
♡ちゃんがそう言ってくれて…
♡)臣くんにはまた焼いてあげるからね♡
口を尖らせてる臣くんに
ニッコリ笑いかける♡ちゃん。
臣)俺一個も食べてないのに!
♡)だってなくなっちゃったもん。
健)早い者勝ちや!w
E)へへへ、ごめんw
みんなは笑ってるけど
臣くんの口は尖りっぱなし。
♡)また焼いてあげるってば〜
ねっ?
♡ちゃんがそう言っても
臣くんは拗ねてて。
なんだか臣くん…
この間の隆二くんみたい…。
♡)もぉ〜〜〜
今回はSさんに焼いたんだから
臣くんにじゃないよっ
ああああ!♡ちゃんっ!
拗ねてる子供にそんな言い方したら…っ
臣)何それ。ムカつく。
ほらーー!!
臣)…っ
臣くんはガタンと立ち上がると
隣に立ってた♡ちゃんの後頭部を
グイッと引き寄せて、
強引にキスをした。
♧)!!??///
いきなりの光景に言葉を失ってると…
健)お前はムカついたらチューするんか!!
N)どんなんだよ!!
岩)チューしたいだけでしょ…w
直)ほんとにもう…w
みんなは普通に笑ってて…
びっくりして固まってる私に、
隆)いつものことだからw
隆二くんが笑いながらそう教えてくれた。
♡)ばか…っ///
臣)はぁ?誰がバカだこんにゃろ!
♡)やーーっ、離して〜〜!///
二人は仲良くじゃれ合ってて…
♧)……///
そうか、いつものことなのか…。
ちょっとドキドキしながら
自分にそう言い聞かせた。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
リハも簡単に済ませて
挨拶回りも終えて
楽屋での待機時間。
臣)この棚いいじゃん!
♡)ほんとだー!オシャレ!
臣)使いやすそうだよ、ほら。
♡)ここ開くんだね!
……あ、でも…高い。
臣)そんな変わんないじゃん。
どうせ買うならいいの買おうよ。
♡)そっか!
臣と♡ちゃんは
新居の家具を一緒に選んでて
なんだか楽しそう。
♡)このテーブル可愛い♡
臣)あー、お前好きそう…w
♡)でもリビングには合わないかぁ…
臣)お前の部屋には合いそうだけどね。
そんな二人を見て、
♧)……いいなぁ…。
♧がボソッと呟いた。
隆)…っ
今、「いいなぁ」って言った?!!
いいなぁって…何が!?
ラブラブな二人が?
それとも
♡ちゃんが可愛いって言ったテーブル?!
俺がオロオロしてると
♧はこっちを向いて…
♧)引っ越すんだね、♡ちゃんと臣くん。
そう言って羨ましそうに笑った。
隆)…っ
もしかして…
「いいなぁ」って、引越しのこと?!
♧…、引っ越したいの!?
今の家、やなの?!!
隆)…っ
確かに…臣んとこみたいに
♧の部屋を
ちゃんと用意してあげたわけじゃないし…
クローゼットに俺の服も
かかっちゃってるし…
やっぱり自分の部屋が欲しいのかな?!
もう俺も引っ越す?!!
♡)新しく作るスタジオも楽しみだね♡
臣)うん。
はっ!そうだ!!
俺もスタジオ作りたいんだった!!
隆)…っ
こうなったら…
やっぱり俺も引っ越すか。
そしたら…
ちゃんと♧の部屋も作ってあげられるし。
♧がこのまま俺の家にいたいって
自分からそう思ってくれたらいいなって
思ってたけど…
「このまま俺の家で一緒に暮らそう?」
って言うより…
「新しい家で二人で一緒に暮らそう?」
って言う方が、
カッコ良くない!?
隆)あっ!
そうだ…!!
♧が欲しがってたもの…、
なんだっけ!!
前に…宝くじが当たったらって
むーちゃんと話してた時に…
「本棚が欲しいです…
あとは…お洋服ももう少しだけ
欲しいかな…」
そう言ってた!!
それから…
「ミシンが欲しい!
そしたらもっといっぱい
色んなもの作れるし…」
……これだ!!!
隆)……よしっ!!
俺、決めた!!!
♧が喜んでくれるような新居を探して
♧の部屋に♧が欲しがってたもの
全部用意しよう!!
本棚も買ってあげて、
洋服…は、俺が勝手に選んじゃおう。
♧に似合いそうで…
俺が着てほしいやつ。
それから、
ミシンは使いやすくて高性能なやつ!
いっちばんいいやつを買ってあげよう!!
隆)…っ
そう決めたら、なんだかわくわくしてきて
いてもたってもいられなくなってきた。
全部全部用意して…
そうだ、その時にちゃんと告白しよう。
好きだから、一緒にいたいって。
これから先もずっと
俺のそばにいて、って。
隆)決めた…っ!!!
思わず立ち上がると、
♧が驚いたように俺を見上げた。
♧)隆二くん…どうしたの?
隆)…っ
ごめん…。
脳内で一人で大暴走してた。
でも…、でも…、
隆)待っててね!!♡
♧)え…っ?
もう俺の心はウキウキして止まらない。
ー続ー
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えーー隆二くんかわいい
みてるこっちもぽやぽやしちゃいます♡♡
でも全部用意してから告るの大丈夫かな^^;
♧ちゃん困らないかな(笑)
♧ちゃんどんな反応するかな…。゚(゚^ω^゚)゚。
隆二sideだ!!!!!ドキドキしっぱなしで可愛いかった!!もう、付き合っちゃえ!!!
臣が最近、大胆になってきた気がするわ〜wwラブラブやなー