[160]熱いハグ(隆二&♧Side)

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「私たちって付き合ってないよね?」
 
 
突然ぶっこまれた言葉。
 
 
隆)ごほっ、ごほごほっっ…
♧)大丈夫?!!
 
 
むせる俺に、
♧は慌てたように水を渡してくれた。
 
 
隆)ご、ごめ…っ、ごほっ
 
 
トントンと胸を叩きながら、
俺の頭の中はパニック状態。
 
 
その質問は…何…?
 
 
「付き合ってるよね?」だったら
もう思いきり頷いちゃいたいけど…
 
「付き合ってないよね?」って…
否定形で聞かれるってことは…
 
 
俺、調子に乗りすぎた…?
 
 
付き合ってないくせに
ハグしまくったり…
おでこにチューしたり…
いろいろ家事してもらったり…
わがまま言ったり…
 
 
隆)…っ
 
 
考えれば考えるほど、
俺すげぇ図々しい気がしてきた…
どうしよう。
 
 
俺があまりに暴走するから…
 
私たちって付き合ってないよね?
調子乗んなよコラ、目ぇ覚ませよ?
って意味で言われたのかな?!汗
 
 
頭の中でパニパニしながら…
じっと見つめてくる♧に、
何か返さなきゃって…焦って…
 
 
隆)うん、付き合って…ないよね。
 
 
そう返事した。
 
 
♧)……
隆)……
 
 
ええと…
 
 
♧)そうだよね、変なこと聞いて…ごめんね?
隆)…っ
 
 
その質問の真意が気になるんだけど…
♧…、呆れてるの…?
 
調子に乗って…ごめんなさい…。
 
でも…っ
 
 
「もう今日帰ったら普通に言えや。
 好きやって。」
 
 
俺…っ
 
覚悟決めて帰ってきたから…
 
だから…っ
 
 
♧)お家は…見つかりそうかな?
隆)えっ……
 
 
その言葉に、思わず固まった。
 
 
♧)えっと…
  私の新しいお家…
  探してもらってるんだよね…?
隆)…っ
 
 
その言葉に、
喉まで出かかってた「好き」って言葉が
あっけなく引っ込んでいった。
 
 
付き合ってない確認をした後に
家は見つかりそう?って…
 
♧は…
うちを出て行きたいのかな…。
 
 
始まったばかりの同棲生活が
あまりに楽しくて、嬉しくて、幸せで…
 
浮かれてたのは、俺だけ…?
 
 
どうしよう…
 
なんか…、一気に心折れて…
泣きそう。
 
 
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
 
 
「うん、付き合って…ないよね。」
 
 
私の質問に、
そう気まずそうに答えた隆二くん。
 
なんだか一気に恥ずかしくなった。
 
 
別に付き合ってるって
勘違いしてたわけじゃないけど…
 
どうしてそんな変なこと
聞いちゃったんだろう、って。
 
 
その後の沈黙も…すごく気まずくて…
 
 
隆二くんの気持ちがわからないなんて
言いながら…
 
本当は心のどこかで少し期待してたのかな。
 
 
同じ気持ちだったら…、って。
 
 
でも隆二くんは私のことを好きとか
そんなんじゃない。
 
今の反応を見て、わかった。
 
 
私が困ってるから助けてくれただけで…
 
その優しさを勘違いしちゃいけないんだ。
 
 
「私の新しいお家…
 探してもらってるんだよね…?」
 
 
そう聞いたら、
隆二くんは少し止まって…
 
 
隆)うん、ちゃんと探してもらってるよ!
  もう少し待ってね!
 
 
そう言った。
 
 
♧)ううん、急かしてるつもりじゃないから…
  なんかごめんね。
隆)ううん!ちゃんと探してるから…っ
♧)…あり…がとう。
隆)うん…。
♧)……
 
 
「付き合ったら一緒に住むんだから
 もう今のままでいいじゃん。」
 
 
むーこがそんなこと言うから…
少しだけそんな未来を想像した。
 
でも…
 
 
隆二くんは私の新しい家を探してくれてて…
私はやっぱりここを出て行くの。
 
わかってたことなのに…
 
 
♧)えっと…
  ご飯…美味しくない…?
 
 
すっかり箸が止まった隆二くんに
声をかけると…
 
 
隆)あ、ううん!違う…っ
  すごい美味しい!めちゃめちゃ美味しい!
 
 
慌てたようにそう言って
料理を口に運んで…。
 
 
♧)……
 
 
変なこと聞いて…ごめんね…?
 
 
私…
甘えすぎないようにするから…
 
もう勘違いしたりしないから…
 
だから…
 
 
新しいおうちが見つかるまで…
そばにいてもいい…?
 
 
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
 
 
ほんとは♧の新しい家なんて
探してない。
  
 
生活が落ち着いたら
もうこのままうちにいればいいじゃん!
なんて言うつもりで…
 
その時にはもう、気持ちを伝えて…
♧が俺の彼女になってたらいいな、なんて…
 
そんな風に、漠然と思ってた。
 
 
でも…
 
そんなの全部、俺の一人よがりで…
 
 
もう…
どうしたらいいのか
わかんなくなっちゃった…。
 
 
ご飯を食べ終えて、
♧が用意してくれたお風呂に浸かって…
 
ぼんやりと考える。
 
 
「両思いやろ!どう見ても!」
 
 
隆)……
 
 
健ちゃんやみんなは…
そう言ってくれたけど…
 
♧から見たら俺は…
どういう存在なんだろう。
 
 
今は…
ただの同居人なのかな…?
 
 
でも…
 
でも…
 
 
俺に触られるのはやじゃないとか言ったり…
 
いろいろ思わせぶりじゃない?
 
あれで俺のことなんとも思ってないとか…
魔性すぎない…?!
 
 
だってさ、
 
俺がハグしても嫌がったりしないし
おでこにチューしたって
顔赤くするだけで嫌がらないし…
 
 
隆)はっ…!
 
 
あれが嫌だから、
付き合ってないよねって言われたんだっけ!
 
 
隆)…っ
 
 
やっぱり俺の片思いだ…。
 
 
もしかしたら…
♧も俺のこと…なんて、期待して
勝手に一人で暴走して…
 
 
隆)はぁ……。
 
 
バカだな…俺。
 
 
隆)……
 
 
凹んだ気持ちのまま風呂を上がって…
 
リビングに戻ると、
♧は今日も腹筋を頑張ってた。
 
 
♧)44…っ、45…っ、
 
隆)……
 
 
俺は頭を拭きながら
今日の荷物を広げた。
 
 
♧)49、…5…0……っ!!
  終わったーー!!
隆)……お疲れさま。
♧)50回頑張ったよーー♡
隆)……
 
 
そう言ってニコッと笑う♧は
もうすっかりいつも通り。
 
 
隆)偉いね、頑張ったじゃん…w
♧)ふふっ♡
隆)……
 
 
そんな可愛い顔されたら
頭なでなでしたくなるから…やめて。
 
 
♧)これなぁにー?
隆)今日もらったティッシュ。
  Mステ出ると箱ティッシュもらえるの。
♧)そうなんだ!面白いねーw
  こっちはCD…?
隆)うん。
  出演者の人たちといつも交換するんだ。
♧)そうなんだぁ…
 
 
紙袋から全部出すと、
ひらりと落ちた2枚の手紙。
 
 
♧)あ、……これ……、
隆)あっ
 
 
乃木坂の子にもらった手紙…
 
 
♧)ラブレターもらったの…?
隆)違う違う!ラブレターじゃないよ!w
♧)……
 
 
俺が否定しても、
2通の手紙をじっと見てる♧。
 
 
♧)乃木坂…って…アイドル…?
隆)…うん、たぶん。
  てゆーか、うん、そう。
♧)……
 
 
なんか不穏な空気に
慌てて言い訳を考える俺。
 
 
隆)共演したりするとさ、
  たまに手紙くれる人とかいるんだよ!
♧)……
隆)いつも曲聴いてますーとか!
♧)連絡先も入ってるの?
隆)…っ、入ってないよ!!
 
 
って、なんでこんな嘘ついてんだ俺は。
連絡先が書いてないことなんてない。
 
 
隆)臣と岩ちゃんなんて
  いつもいっぱいもらってるよ!w
♧)……
 
 
変な弁解ばかりしてる自分が
なんか虚しくなってくる。
 
 
隆)だから、これはもういいから。
  ね?
 
 
♧の手から手紙を取り上げて
ポイッと紙袋に戻した。
 
 
♧)……
隆)……
 
 
なんでちょっとふくれてんの…?
 
 
だって…
 
そんなわけない。
 
俺のこと、なんとも思ってないなら…
 
 
♧)可愛かった…?
隆)…っ
 
 
違うって思う裏側で
どこかでやっぱり期待してる俺がいて…
 
ソファーから降りて、
下に座ってる♧の向かいに座った。
 
 
隆)……ヤキモチ…?
 
 
もし違ったら、
また俺のバカな勘違いなんだけど…
 
 
♧)……///
 
 
少し赤くなった♧の頬を見て、
勘違いじゃないって確信した。
 
 
隆)別に可愛くなかったよ…。
♧)……アイドル…なのに…?
隆)うん、興味ない。
♧)…っ
 
 
俯いたままの♧の頭に、手を乗せた。
 
 
隆)♧の方が可愛い。
♧)……そんなこと…
  あるわけないもん…
隆)あるの、俺の中では。
♧)……///
 
 
俺にとっては
♧が世界一可愛いもん。
 
 
隆)なんで…ヤキモチなんか妬くの…?
♧)…っ
 
 
頭をなでなでしながら顔を覗くと、
♧はさらに俯いて。
 
 
隆)……ねぇ…。
 
 
可愛いおでこに、
こつんと自分のおでこを合わせた。
 
 
ヤキモチ妬く理由なんか…
一つしかないじゃん…。
 
 
「好きだから」
 
そう言って欲しくて。
 
 
違うの…?
 
俺のこと…
好きなんじゃ…ないの…?
 
 
さっきあんなに心折れたはずなのに
ほんの少し見え隠れする可能性に
すがりつくような思いで、
その答えを探ると…
 
 
触れてるおでこが、熱くなって。
 
 
もう一度顔を覗けば、
♧の顔は真っ赤で…
 
 
隆)……///
 
 
こんなの、期待する。
 
 
隆)……はぁ///
 
 
可愛すぎて、思わずぎゅっと抱き寄せて。
 
 
♧)…っ///
隆)////
 
 
とくん…
 
とくん…
 
 
愛しい気持ちが、胸の音に変わる。
 
 
隆)こうされるの…嫌だったら言って…。
 
 
勝手に抱きしめたはいいけど…
心配になってそう言えば…
 
 
♧)…やじゃ……ない……///
 
 
腕の中で小さく答えた♧が、
ゆっくり俺の背中に手を回して
Tシャツをきゅっと掴んだ。
 
 
隆)////
 
 
そんな仕草が、可愛くて、愛おしくて…
 
胸がぎゅっと掴まれたみたいな感覚になる。
 
 
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
 
 
隆二くんにぎゅってされて…
 
ドキドキして…泣きそうで…
 
 
嫌だったら言ってって言われたけど…
嫌なわけ、ない…。
 
 
だって…
 
こんなに隆二くんが…好きなのに…
 
 
♧)……///
 
 
抱きしめてくれてた腕が
少し緩むと…
 
 
またおでことおでこが…くっついて…
 
 
隆)嫌じゃないなら…
  俺…いっぱいしちゃうからね…///
♧)え…?///
 
 
その言葉に、顔を上げると…
 
 
隆)こういうこと、
  いっぱいしちゃうからね///
 
 
隆二くんが少し拗ねたように、そう言った。
 
 
♧)////
 
 
こういうことって…
ハグとか…ってこと…?
 
 
何の宣言なんだろう…///
 
 
隆)俺…ワガママだし…
  したいと思ったら…我慢できないし…
♧)…っ
隆)嫌なら護身術でもなんでもして。
♧)……///
 
 
それは…
隆二くんに使うものではありません…
 
 
隆)……っ
 
 
むぎゅっ!!
 
 
♧)////
 
 
まためいっぱい抱きしめられて…
 
隆二くんの匂いに…閉じ込められて…
 
心臓が、壊れそう。
 
 
♧)隆二…くん…///
隆)なに……///
 
 
耳に届く、甘い声。
 
 
♧)嫌じゃ…なくて…
隆)……
♧)ドキドキして…死んじゃいそう…
隆)…っ
 
 
小さな声でそう伝えると…
 
 
隆)……俺も…///
 
 
私を抱きしめたまま、
隆二くんが呟いた。
 
 
♧)////
隆)////
 
 
隆二くんは…
どういうつもりなのかな…?
 
 
ドキドキしながら
そんなことを考えるけど…
 
変なことを聞いて、
変な答えが返ってくるのは
もう怖いから。
 
 
これでいい。
 
 
何も聞かないから…
 
このまま、この腕の中にいたい。
 
 
隆二くんが私を好きじゃなくても…
私が隆二くんを好きだから。
 
 
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
 
 
♧が俺を抱きしめ返してくれるから…
それがすごく嬉しくて。
 
 
しばらく抱き合って…
お互いの鼓動とか体温とか…
そういうのを感じて…
 
 
ゆっくりと身体が離れると、
俺を見上げる♧の瞳が
熱を持ったように潤んでて…
 
 
隆)////
 
 
その目に見つめられるだけで、
一瞬で理性が吹き飛びそうになる。
 
 
もう…
このままキスして…
 
触れ合いたい。
 
 
♧を抱きたい、って…。
 
 
俺の頭は一人でまた勝手に暴走して。
 
 
さすがに行動に移す勇気はないから
俺はいろいろ誤魔化すように
もう一度ソファーに座った。
 
 
隆)えっと…、明日!!
  流しそうめん!!!!
 
 
唐突に切り出した
突拍子もない話題。
 
 
♧)あ、うん!流しそうめん!!///
隆)流し…そうめん…///
♧)うん…///
隆)……///
 
 
なんか…ダメだ。
 
理性よ、戻ってこい。
 
 
隆)楽しみだね!
♧)うん!!
隆)仕事終わったら急いで帰って来る!
♧)うん!待ってる!!
隆)……
♧)……
 
 
…なんだろう。
 
 
甘い空気が…引かなくて…
 
また抱きしめたくなる。
 
 
♧)そろそろ…寝ようか…///
 
 
この空気から逃げるように
♧が立ち上がったけど…
 
今一緒にベッドに入ったら
さすがに自分に自信が持てなくて…
 
 
隆)先行ってていいよ。
  俺、仕事終わらせたら行くから。
  先寝てて。
 
 
仕事なんてないくせに、
適当な嘘をついた。
 
 
♧)……うん、わかった。
 
 
♧は小さく返事をして
寝室に向かったけど…
 
 
ドアを閉める手前で…
 
ちらっと俺を見て…
 
 
♧)寂しいから…早く来てね?///
 
 
そんな爆弾を落として、
ドアを閉めた。
 
 
隆)////
 
 
今行ったら…襲っちゃうよ…?
 
わかってる…?
 
 
俺の葛藤なんて知りもしないで
無邪気に俺を振り回す♧に
 
小さくため息をつきながらも
 
好きで好きで、仕方なくて。
 
 
 
絶対俺のこと好きにさせる!!
 
 
そんな決意を固めて、
 
熱くなった身体が鎮まるのを待った。
 
 
 
 
 
 
ーendー

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  1. のんちゃん より:

    どう見ても両思いでしょう(^_^)隆二くん早く伝えようよ!♧ちゃんも、付き合ってないよね?って天然かい?もう、もどかしすぎる(^ω^)健ちゃんも、隆二くんの事といい、臣くんの事といい世話がやけるなぁ
    でも、大分私は臣くん不足で死んじまう(涙)現実の臣くんも、何処で何してるのやら(>_<)マイコさん臣くん未だ未だなの?

    • マイコ より:

      ♧ちゃんは恋愛初心者だから許してあげて〜。゚(゚^ω^゚)゚。
      臣くん不足?まだしばらく出てこないぞよw

  2. 明日花 より:

    もう二人は両想いでしょ~~~。隆二の理性が収まらない。
    隆二が積極的ですな~。
    この二人めっちゃ純粋だからキュンキュンしちゃいます!

  3. ユキ より:

    寂しいから早く来てねって隆二君も臣君以上に襲って来るのかな?マイコさんのstory更新読んだらドキドキキュンキュンに癒されます(*^^*)

  4. kニャン より:

    もー!りゅーじくんっ!自分の気持ちを伝えよう!健ちゃんが心配する!
    あ!本当にいい話ですね!
    さすがマイコさんです〜

  5. さゆれ より:

    あぁ、、、もどかしい。。。隆二、なんであんなにスキンシップしちゃえるのに、肝心な事言えないんだろう。
    意外に最後は♧ちゃんの方から好きの告白してくれるんじゃなかろうか?とか勝手に想像してます。
    岩ちゃんの暗黒期後半が重いとの事なんで、今のうちにキュンキュンを補充しときます笑笑

    • みー より:

      こんばんは!
      初コメかな?
      もどかしすぎて思わずコメしちゃいました(笑)いつもハラハラドキドキ、泣いたりして楽しみに見てます♥

    • マイコ より:

      みーさん初コメありがとうございます。゚(゚^∀^゚)゚。
      もどかしいターンまだまだ続きますがどうぞよろしくです♡

    • マイコ より:

      ほんとに!。゚(゚^∀^゚)゚。あんなにベタベタしてるくせに!笑
      岩ちゃん…そろそろ冬眠から目覚めて暗闇から様子窺ってるので用心しておいてくださいww

  6. さゆがん より:

    あぁーまたすれ違い
    マイコさん焦らしプレイうますぎます♡
    隆二くん健ちゃんにどつかれるのかなー(笑)

    • マイコ より:

      二人が勝手にすれ違うんだも〜ん( ;゚³゚);゚³゚);゚³゚)

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