とくん…
とくん…
身体全体で感じる、人肌のぬくもり。
優しく包みこまれてるみたいで
心の底からほっとする。安心する。
こんな風に私を抱きしめてくれるのは……
……
…
ゆっくり開けた瞼。
一番に目に映ったのは、隆二くんの髭だった。
♧)……
とくん…
とくん…
目線を少し下げると…
男らしい喉仏があって…
安らかな隆二くんの寝息のリズム。
♧)……
たくましい腕が
私を包み込むように抱きしめてて…
私は隆二くんの身体に
ぴったりとくっついていて、動けない。
とくん…
とくん…
そんな胸の音に、ドキドキが混ざる。
昨夜は…
隆二くんと一緒にベッドに入って…
手を繋いでもらったら、すごく安心して。
そこから覚えてないから
すぐに寝ちゃったんだと思う。
♧)……
いつの間に…
こんなにぎゅっと、
抱きしめられてたんだろう。
私が少しだけ身体を動かすと…
隆)……ん…、……
隆二くんも少しだけ動いて…、
私の頭を自分の顔の横に抱き寄せるように
またぎゅってしてくれた。
♧)……///
どきん…
どきん…
しばらくじっとしてると、
また再開される、寝息のリズム。
スヤスヤ眠ってる隆二くんが…
まるで大事なものを抱きしめるみたいに
私を包んでくれるから…
♧)////
胸がぎゅってなって…
なんだか泣きそうになる。
……昨日も…
いっぱいいっぱい…抱きしめてくれた…。
泣いてる私を…何度も…。
あの地獄みたいな日々は
本当に終わったんだ。
こんなにぐっすり眠れたのは久しぶり…。
私は隆二くんの腕の中で
幸せをいっぱいいっぱい、噛み締めた。
ありがとう。
本当に…本当に…ありがとう。
誰かがこんな風に側にいてくれて…
こんな風に守ってくれるのって…
こんなに幸せなことなんだ。
それを初めて知った気がする…。
♧)……
でも…
そんな幸せを実感したのと同時に、
私もこんな風に隆二くんを
幸せにしてあげたいって…
そう強く、思った。
どうしたらこんな気持ち…
隆二くんに伝えられるのかな…。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
隆)…ん……、
ゆっくりと目が覚めて…
ゆっくりと目を開けた俺の視界に映ったのは…
♧)…おは…よう…///
じぃっと俺を見つめる、♧のどアップだった。
隆)……
一瞬、思考が停止する。
夢…?現実…??
……俺の身体は…
♧とぴったり密着していて、
それは…
♧をぎゅっと抱きしめてる俺の腕のせい。
隆)!!!!
やっと現状がわかった俺は、
慌てて♧から離れた。
隆)ごごごごめん!!!///
♧)…っ
俺っ…
寝てる間に無意識に抱きしめてた?!
しかも…
こんなに…ぎゅっと…
隆)////
全然覚えてない。
手を繋いだだけだったはずなのに…
なんで?!!
隆)ほんとにごめん!!///
なんもしないって約束したのに!!
俺…
変なことしてないよな?!!汗
隆)勝手に…抱きしめたりして…
ほんとに…ごめんなさい…///
必死に謝る俺に、
♧はふふっと笑って…
♧)気持ち良かったよ…?
そう言った。
隆)……
気持ち…良かった…?
……って、何…?
ちょ、こんなシチュエーションで
そんなこと言わないでくれる?
俺の脳が勝手にエロ変換しそうだから…
♧)すごく…気持ち良かった…
隆)////
♧)なんか…安心しちゃった…
安心……
そうだよね、安心、うん……
♧)ふふ……♡
隆)////
え、…なんか……可愛い…///
こんな寝起きから…
キュンキュン…させないで…
♧)まだ…起きたくないなぁ……
♧は可愛く呟いて、
タオルケットを鼻まで引き上げた。
♧)ふかふか…♡
隆)……
なんか…
可愛いし…愛しいし…どうしよう。
隆)ゆっくり…眠れた…?
♧)……うん♡
目しか見えないけど、
♧のふにゃんと笑って弧を描く目が
俺は本当に大好き。
隆)身体…休まった…?
♧)……うん♡
……俺に…変なこと、されてない?
ってのは、
一番気になるけど、聞けない。
♧)本当に…ありがとう…♡
隆)……うん。
良かった。
♧が少しでも元気になったなら
俺はすごく嬉しい。
♧)隆二くんは…狭くなかった…?
隆)え…?
♧)ちゃんと…眠れた?
隆)うん!寝れたよ!
もうぐっすり!超元気!!
変に気を遣わせたくなくて
俺が慌てて返事すると、
♧は「良かった」って
また小さく微笑んだ。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
隆二くんのお友達の細マッチョさんが
軽トラで迎えに来てくれて
帰ってきた、アパート。
♧)…っ
ずっと暮らしてた私の大事な家なのに…
この一週間のせいで
どうしても恐怖心が蘇ってしまう。
隆)車で待ってる…?
俺たちで運んじゃおうか?
隆二くんが心配そうにそう言ってくれたけど…
♧)ううん、一緒に行く…。
そう返事すると、
隆二くんが私の手をぎゅっと握ってくれた。
とくん…
とくん…
隆二くんがこうしてくれてたら…
きっと、怖くない。
男)荷物少ねぇなー!
ダンボール全然余るわw
軋む床をそーっと歩きながら
細マッチョさんが笑った。
私は昨日運べなかった食器とかを
一つ一つ包んで…
隆二くんは私の服を
移動ラックにかけてくれて。
男)こっち側のもん、
全部リサイクル行きでいい?
♧)え…っ
冷蔵庫に…電子レンジに…炊飯器。
♧)えっと…
隆二くんのおうちには
もっと立派なのが全部揃ってるけど…
♧)なくなっちゃうと困ります。
お部屋が見つかって
また一人暮らしをする時に
ないと困るから…
男)へ?なんで?一緒に住むんでしょ?
♧)あ、えっと…、一時的に…なので。
男)また一人暮らしするってこと?
♧)はい!
男)…ふーん…よくわかんねぇけど
そしたらその時全部隆二に
買ってもらいなよ。
♧)ええっ!!
男)これ、どれも年季入ってるし…
あいつにおねだりしなさい。
はい、決まり!w
♧)…っ
そう言ってニカッと笑う細マッチョさんに
家電を全部没収されてしまった…。
男)この布団ももういらないしょー?
♧)えっ!!
隆)うん!いらない!
♧)えっ!!
それは私の大事な寝床…っ
♧)…っ
あっという間に細マッチョさんに
持って行かれてしまった…。
♧)お布団……
隆)え、いるの?!
♧)……
隆)ベッドふかふかで気持ちいいって
言ってたじゃん!
♧)だって…
それは…昨日だけで…
隆)へ?
♧)え?
隆)今日は別々に寝る気だったの?
♧)…っ
違う…の…?
隆)俺が…勝手にぎゅってしてたから…?
隆二くんはしょんぼり口を尖らせた。
♧)そうじゃ…なくて…っ
どうしてそんな可愛い顔するの?!
隆)じゃあ…ベッドでいいじゃん…
♧)…っ
隆)ふかふかだよ…?
♧)……
でも…
隆)毎日俺と一緒だよ…?
♧)…っ
隆二くんは少し首を傾げて
私の表情を窺うように顔を覗いてきた。
隆)……やだ?
……やじゃ…ないもん……。
♧)……///
「毎日俺と一緒だよ…?」
その言葉が、すごく嬉しくて…
嬉しくて…嬉しくて…
……きゅっと、
隆二くんのTシャツの裾を掴むと…
隆)へへ、良かった…♡
隆二くんは嬉しそうに
私をぎゅっと抱きしめた。
♧)////
私…こんなに甘えてばっかりで…
いいのかな…?
男)おいコラ。
イチャついてねぇで作業しろw
隆)いって!!w
男)ああ、でも…もうないか。
あとは運ぶだけだな。
隆)うん!
♧)……
ダンボールが4箱。
狭かった部屋はあっという間に
ガランとした空間になった。
♧)……
施設を出てから…
ずっと私が暮らしてた部屋。
こんな急に出て行くことになるなんて
思ってもいなかった。
なんだか少し寂しい気持ちもあって…
隆)よーしっ!
じゃあ最後にアイスでも食べよっかw
♧)え…?
隆)買ってくるから待ってて!
♧)…っ
隆二くんはニッコリ笑って
私と細マッチョさんを残して出て行った。
もしかして…
気を遣ってくれたのかな…?
男)アイスいいねぇ!w
今日もくそ暑いもんな〜〜
そう言って細マッチョさんは
何もなくなった床の上にあぐらをかいた。
♧)えっと…
こんな暑い中…手伝ってくださって
ありがとうございます…。
男)やだな〜〜かたいかたい!w
♧)えっ…
男)手伝ったって言っても
一瞬で終わったしさ!w
細マッチョさんはニカッと笑って
男)最初っから一緒に住めば良かったのにw
こんなドアにしなくても。
そう言って、頑丈な玄関の扉を指した。
……あれ…?
この人…もしかして……
♧)ドア…つけてくれた人ですか…?
男)そうだよ、覚えてない?w
♧)!!!
あの時はマッチョさんが何人かいたから
覚えてなかった…!!
♧)すみません…!
その節はありがとうございました!!
私は慌てて頭を下げた。
男)あはははw
てゆーか敬語じゃなくていいから、
隆二のダチなんだしw
むしろ俺が使えってな!w
♧)あ、いえ…っ
そっか…
じゃあこの人は昔、
隆二くんと一緒に働いてたんだ。
♧)隆二くんって…どんな人ですか…?
男)へ???
私の知らない隆二くんのことを
聞いてみたくなって
唐突に質問してしまった。
男)あいつはもう、まんまでしょ!w
バカで素直でニッコニコしてて。
正義感強くて、熱いヤツ。
怒らせると元ヤンww
♧)はっ!
それ…
健ちゃんも言ってた…
男)……ほんと、イイ奴だよ。
♧)……
男)よろしくね、あいつのこと。
♧)…っ
そう言われて、
私は何をどうしたらいいかもわからないくせに
なぜか必死に頭をブンブン振っていた。
男)他にも聞きたいことあったら
なんでもどうぞ?w
そろそろ帰ってきそうだけどw
♧)あ…っ、えっと…
そうだ!!
♧)どうしたらそんなムキムキになれますか?
男)へ?!
私の質問に、
細マッチョさんはまた笑い出した。
男)なりたいの?w
♧)はいっ!!
だって私、強くなりたい。
こんな弱い自分、もう嫌だから。
男)こんなんになったら隆二泣いちゃうよw
そう言って細マッチョさんは
ムキムキの二の腕をトントン叩いた。
♧)触っても…いいですか…?
男)へ?どうぞ?w
♧)……
同じ人間とは思えない…。
なんて硬いの…。
ガチャッ!
隆)ただいまーー!♡
…って、何してんの?
男)あ。
♧)あ。
隆)何触ってんの!!
♧)…っ
隆二くんにピシッとチョップされた。
男)ムキムキになりたいらしいよw
隆)は?!
♧)あ、えっと……
隆)俺だってムキムキだもん!!
♧)…っ
隆)触るなら俺の触ればいいじゃん!!
♧)…っ
そう言って
隆二くんはほっぺを膨らませて
自分のTシャツの袖を捲り上げた。
隆)ほら!!!
♧)…っ
えっと…じゃあ……
……ちょん。
♧)……///
触ってみたけど…
…なんか恥ずかしい……
♧)……///
隆)……///
男)あんたら…何してんの…?w
早くアイスくれよw
隆)はっ、そうだった…///
隆二くんは慌てたように
コンビニ袋からアイスを3本取り出した。
男)もう溶け始めてんじゃん!
隆)だって外あっちーんだもん!
男)急いで食おっw
隆)はい、♧!!
♧)ありがとうっ!!
冷たいアイスは、爽やかなソーダ味。
♧)……ふふ、美味しい…♡
男)やっぱ夏に食うアイスは美味ぇな〜!
隆)うん!w
ずっと暮らしてた大事なおうち。
最後にこんな風に笑いながら
アイスを食べて…
笑顔でさよなら出来て良かった。
なんだか学校を卒業するような気分。
今までずっと、ありがとう。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
大家さんへの挨拶も済ませて、
あっという間に俺の家に
荷物も運び終えて。
男)じゃあまたな!
隆)おう!ありがとな!
♧)ありがとうございましたっ!!
リビングにはたった4つのダンボール。
男)♧ちゃん、今度一緒に飲もうね♪
♧)はいっ!!
ん…?
♧ちゃん…?
いつの間にそんな仲良くなったんだ…?
♧)すごく良い人だね…♡
友達を見送った後、
♧がふにゃんと笑ってそう言った。
隆)……あいつ、結婚してるからね!
♧)え…?うん…。
あれ、興味なさそう。
なんか…
カッコイイとか思ってたらどうしようって
……俺、バカ…?
♧)えっと…
この部屋のクローゼット、
借りてもいいの…?
隆)ああ、うん!
全然好きに使って!!
俺の服ちょっとかかってるけど…
♧)ありがとう。
♧用に空けた部屋のクローゼット。
俺の秋冬のジャケットの隣に
♧が服をかけていって…
隆)……
仲良く並んだ二人の服。
なんかそれだけで、嬉しくなる。
♧)えっと…食器は…
隆)俺も手伝う!♡
♧)え…っ
梱包された食器を
一つ一つほどいていって…
♧)食器棚に…入れていいの…?
隆)うん?
他になくない?
♧)なんか…
私の食器なんかが…
隆)へへっ、こうして並べると
なんか賑やかになったね♡
♧)…っ
食器棚の中にも
俺の食器と♧の食器が仲良く並んでて
また嬉しくなる。
♧)……ありがとう…///
隆)ん??
振り向くと、
♧は遠慮がちにもじもじしてて。
可愛いなぁ。
隆)こっちも開けるねーー
♧)……あっ
隆)ん…?
こっちは…お弁当箱?
綺麗な若草色のまぁるいお弁当箱と…
もう一つは、、
隆)……めちゃくちゃデカイね…。
こんなに食べれんの?♧が?
なんか…
それこそ職人時代に
周りが使ってたような大きい弁当箱。
男用じゃないの?これ。
♧)……それ…は…、隆二くん…の///
隆)え???
その言葉に振り向くと、
♧は顔を赤くして俯いてて…
♧)今度…作ってあげるって…
約束…してたから……///
隆)…っ
え、もしかして…
だから俺のためにわざわざ買ってくれたの??
だって…これ…
どう見ても新品だし…
♧)か、返して…っ///
♧は俺の手からそれを奪い取って
恥ずかしそうにぎゅってしてる。
隆)////
なんか…可愛いやら嬉しいやらで…
俺もう、どうしよう。
好きが、溢れ出す。
……むぎゅっっっ
♧)ひゃっっ///
思わず♧を抱きしめた。
♧)……///
隆)……///
とくん…
とくん…
なんでこんなに愛しいのかな。
ほんとどうすんの、もう。
隆)落ち着いたら…作ってね…?///
♧)……(こくん)///
隆)楽しみに…してるから…///
♧)……(こくん)///
腕の中で可愛く頷く♧。
……はぁ…もう…///
__大好きだよ。
ー続ー
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♧ちゃん引っ越したんだね。隆二くんと一緒なら安心(^_^)隆二くんって守ってくれそうだもんね。隆二くんには暗黒期なんか無さそう。♧ちゃんも、隆二くんの事、大好きそうだし。後は、岩ちゃん達だね。頑張って岩ちゃん!臣くんも、早く帰って来て!
臣岩コンビはしばらく冬眠です…( ˘ω˘ ) スヤァ…
♧ちゃん…これからはしっかり隆二に守ってもらって!\(°∀° )/
マイコさん
あけましておめでとうございます♬年末からバタバタしててやっと読めました♡
健ちゃんたのもしかったー‼︎
そして隆二くんの優しさが
溢れまくっててたまりません♡♡♡
前回ので、好きだから一緒に暮らそう
って言えばよかったってあったけど
またまた♧ちゃんと何かあるのかなー⁇
今年も更新楽しみにしてます♬
Twitterの方でも引き続きよろしくお願いします(^○^)
あけおめですヽ(*^ω^*)ノ
この二人はもうしばらくはうずうずもどかしい感じでございます笑
岩田暗黒期で疲れたみんなの心を癒してもらわないとw
引き続きどうぞよろしくです♡
キャー(≧∇≦*)隆二くん❤❤❤
見てるとドキドキする(๑′ฅฅ‵๑)ずっきゅーん
めっちゃカッコイイ(*´꒳`*)゚*.・♡
また惚れ直しちゃった(*´³`*) ㄘゅ
ほんまに隆二くんが大大大大大好き❤
いいなぁ〜 私も隆二くんとイチャイチャした~い❤ 考えただけでふにゃー(//∇//)ってなる笑
マイコさんいつもありがとうございます❤
コメントも返してくれて、めちゃくちゃ嬉しいです(*´ω`*)
2018年も更新頑張ってください❤
これからもずっと応援してます❤
ほっこり隆二Storyはまだまだ続きますのでどうぞお楽しみください(❁´ω`❁)ほこほこ♡♡
今年もどうぞよろしく♡♡
いよいよ一緒に住む事になって良かったです
マイコさんの更新毎日読んだら時々夢見る事が多くなりました(*^^*)
これから隆二さんstoryどうなるのか期待してます(^^)/
おお!夢に出てくるのか!w
隆二ぃー!!心の声を全部♧ちゃんにぶつけてぇー♡
大好きだよ!を♧ちゃんに聞かせてあげたい。。。
ほんと聞かせてあげたい〜〜。゚(゚^ω^゚)゚。うずうずっ
昨日言い忘れましたが明けましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします。隆二の家に引っ越しましたね。あんな変態がいる所より隆二の家の方が全然いいです。
これからもstoryの更新頑張ってください。
ありがとう(o^^o)