「おーい…、寝ちゃったの…?」
遠くで…声がする。
「…可愛いなぁ…もう……」
あたしを甘やかしてくれる、優しい声。
うとうと夢見心地の中で
あたしの身体は、ふわふわと浮いて。
まるで、雲の上にいるみたい。
安心するぬくもりに…
優しく優しく…抱きしめられてるの…。
「…好きだよ…」
ほら…
いつもそうやって…囁いてくれる。
「好きだよ…、◇……。」
あたしも…大好きなの…。
大好きだよ……
◇)…剛…典……。
あたたかい胸に…
めいっぱいしがみついて…
頬をすり寄せたら…
いつもあたしをなでなでしてくれる、
大きな手。
…ずっと…そばに…いてね…。
いなくなったり…しないでね…。
大好きな気持ちと…
ぎゅっと苦しい気持ちが…
同時に胸にこみ上げて…
◇)……っ
どう…して……
◇)は…ぁ…っ
目を開けたら、
目尻が涙で濡れてるのがわかった。
……あたし…泣いてた…?
目元を拭おうとしても…
大きな腕に抱きしめられてて、
動けない。
◇)……剛…典…?
広い胸をよじのぼって、顔を見上げると…
◇)…っ
似てるけど、違う。
あたしを抱きしめてるのは、優助だった。
◇)…どう…して……
寝起きで働かない頭が
少しずつ、目を覚ます。
そっか……
ここは、優助の家だ。
あたし…
泊まりに来たんだった。
……でも…
ベッドに入った記憶がない。
てゆーか…
なんで一緒に寝てるんだろ…。
◇)優…助…?
そっと名前を呼ぶと…
優)おはよ……。
優助はあたしをぎゅっと抱きしめて、
髪を撫でてくれた。
◇)起きてた…の…?
優)……
◇)……
優)…やっと…
…俺の名前…呼んでくれた…。
◇)…っ
その言葉に、ハッとする。
あたし…
優助に抱きしめてもらいながら…
剛典の名前…呼んでたの…?
◇)ごめ…っ
優)いーよ。
ぎゅっ……
◇)…っ
ドキドキ…ドキドキ…
強く抱きしめられて、
心臓も今、目を覚ましたみたいに
音を立て始める。
優)…ちゃんと…眠れた…?
◇)……(こくん)
優)嫌な夢、見なかった…?
◇)……(こくん)
優)…良かった……。
優助は優しく囁いて
愛おしそうに、あたしの髪を撫でる。
無意識に剛典の名前を呼ぶようなあたしに…
なんでそんな…優しいの…?
優)そんな顔…すんなよ…。
◇)…っ
優)……わかってるから。
◇)……
何を…わかってるの…?
なんでいつもそんな…
何でも察してくれるの…?
優)いっぱい寝たけど…
まだ…ずっとこうしてたいな…。
◇)…今…何時なの…?
優)もうすぐ昼。
◇)えっ!!
そんなに寝たの?!
◇)あたし…
いつ寝たか…覚えてない。
優)トトロ半分も見てないよw
◇)えっ!
そんなにすぐ寝ちゃったっけ?
優)勝手に一緒に寝て…ごめん。
◇)え…っ
だって…
ここは優助の家だし…
全然いいけど…
優)ソファーで寝るか…迷ったんだけど…
◇)……
優)離したくなかった…///
少し照れながらそう言う優助。
あたしが寝てる間に
一人で葛藤してたのかなって思ったら…
なんかすごく可愛い。
優)でも…なんもしてないから…安心して。
◇)……
別に…
してくれても良かったのに…
なんて。
昨日キスを拒んだくせに、あたしは勝手だ。
優)もう…起きちゃう…?
◇)……
そう言って、少し寂しそうに
あたしのほっぺを優しく撫でる。
きゅんって…音が…
胸の中で聞こえた。
◇)まだ…起きない…
優)……
◇)も少し…こうしてる…///
なんだか甘えたくて
優助の胸にすり寄った。
優)ちょ…、っ……///
そういう可愛すぎるの…
いきなり出してくるの…やめて…///
◇)え…?
優)いや、いつでも…可愛いんだけどさ…
◇)……
優)そういう…爆弾的なの…///
◇)……
よくわかんないけど…
優助が顔を赤くしてる。
……可愛い。
優)必死で…いろいろ…我慢してんだから…
…ダメ……///
ほっぺをつんつんするあたしの手を
きゅっと掴んで
優助がそう言った。
◇)……
いろいろ…我慢してるんだ…。
なんか…可愛いっていうか…愛しい。
胸がぎゅって…なる…。
あたし…
優助のこと…好きなのかな…?
ほんとはもっと…くっつきたいけど…
そしたら優助が爆発しちゃいそうだし…
あたしもそこまで天然でも鬼でもないから…
◇)起きるね。
そう言って、ベッドを降りた。
◇)朝ごはん、作ってあげる。
冷蔵庫開けていい?
優)あ、大したもん入ってないけど…
◇)いいよ。
…てゆーかもう朝ごはんじゃないか、
お昼ごはんかw
そのまま寝室を出て
洗面所で顔を洗って、着替えて。
冷蔵庫を開けてみると、
そこそこなものは作れそうな食材。
◇)よしっ。
テキパキと準備をして料理を始めると
後ろにぬぼーっと優助が立ってた。
◇)うわっ!びっくりした!!
優)……
◇)包丁持ってる時に忍び寄るなって
言ったでしょ!!
優)忍び寄ってないもん…
◇)……
なんか可愛いな…オイ…。
◇)寝癖で…ぽやぽやだよ…?w
あたしが背伸びして
優助の頭をわしゃわしゃすると…
ぎゅ…っ
そのまま大きな腕に、抱きしめられた。
◇)…な…に…?///
優)なんか…彼女みたい…///
◇)……///
えっと…何が…?どこが…?
優)可愛いよぅ……///
◇)……///
そんなこと言って
あたしを愛おしそうに抱きしめる優助の方が
ずっと可愛いんだけど……
優)シャワー…浴びてくるね…
◇)うん…///
なんか…寝起きだからかな…?
ほんとにただの年下の男の子みたいで…
なでなでしたくなっちゃう。
男らしかったり…可愛かったり…
あいつってばなかなかずるい奴だな…///
……
…
優)いただきまーすっ!♡
◇)……
優)めっちゃ美味しいっ!!
◇)……
優)◇、天才じゃない?!
◇)……
簡単に作ったご飯を
優助は何度も美味しい美味しいって
喜んで食べてくれて…
それが嬉しくないわけじゃない。
けど……
同じリアクションをされると…
どうしても重ねてしまう。
……剛典と。
優)へへ…、好きな子の手料理とか
ほんと嬉しい…///
◇)…っ
そんな…無邪気に喜ばないでよ……
◇)こんなの…手料理ってほどじゃ…
優)でも◇が作ってくれたもん。
◇)……
優)俺にとってはすごく特別。
◇)……
優助って…
なんでこんなに真っ直ぐなのかな…。
思ってること…
なんでもストレートに伝えてくれるし…
素直で可愛いし…
あたし…
優助を好きになれたら、きっと幸せなのに。
優)今日、したいことある?
◇)え…っ
優)なんでもいいよ。
◇)……えっと……
そう言われると…
特に何もない…。
優)また海行きたいなら連れてくし。
◇)今日も?!w
優)うんw
◇)あ、でも…
昨日見てたら泳ぎたくなっちゃったw
優)おおっ…
◇)ん?
優)じゃあ水着持ってく?
◇)……なんでニヤけてんの…
優)え?!///
いや、だって……
好きな子の水着見たくない男なんて
この世にいないと思うけど……///
◇)……///
そんなこと言われたら
意識しちゃうからやだ。
◇)海は行かない。
優)えーーーっ
◇)なんか…今日はゆっくりしたいな…
優)じゃあうちでトトロの続きでも見る?
◇)あはは、うんっw
優)じゃあそうしよw
昨日は緊張してたのに…
なんだかもうすっかり居心地が良いこの家。
なんでかな。
優助のせいかな。
優助の優しいオーラが
この家にも充満してる気がする。
優)ごちそうさまでしたっ♡
優助は全部綺麗に食べてくれて…
あたしがキッチンで食器を洗ってると
また背後から忍び寄ってきた。
優)今は包丁持ってないからいーい?
◇)あはは、なに?w
優)んー?……ご飯ありがと。
◇)うん?
優)ほんとに美味しかった♡
◇)ありがとw
スポンジを泡立てながら返事すると
後ろからふわっと包まれた。
◇)ちょ、ちょ、ちょっ…///
優)逃げれないのをいいことにハグしてみた。
◇)……こら///
優)ほんとにありがと…♡
◇)……///
とくん…
とくん…
ああ…あたし…
もう好きになり始めてる気がする…。
だって…
心がこんなに…あったかくなるんだもん…。
優)よーし!じゃあトトロ見るぞー!
◇)おーーー!w
お茶を用意してソファーに座ると、
優助があたしをじっと見てて…
◇)どうしたの?
その顔を覗くと…
優)昨日と同じ感じで見たい。
少し照れたようにそう言った。
そのまま優助は下に降りて
ソファーの座面にもたれて…
自分の膝の間をトントン叩いて。
◇)……///
あたしがそこに座ると、
嬉しそうに後ろからハグしてきた。
優)へへ…///
◇)……///
なんか…
ほんとにカップルみたい…。
優助は昨日あたしが覚えてるところまで
巻き戻してくれて…
今度こそ最後まで見るぞ!って思ったのに…
ご飯食べた後だし…
優助のハグは気持ちいいしで…
あたしはまた…うとうと…。
優)こーら、寝るな…w
◇)…ううん……
だって…
すっごく眠たいんだもん……
優)いっぱい寝ただろw
◇)……う…ん……
そうなんだけど……
あったかくて…
ほわほわして…
◇)気持ち…いいんだもん……
優)……
眠くなっちゃうよ……
◇)んん…ぎゅぅ……
優)え…?
◇)ぎゅー…して……剛典……
優)…っ
そう言って、ハッとした。
うとうとしてた眠気も一瞬で吹き飛んだ。
◇)…っ
あたし、また間違えた。
今……、
◇)……ごめん…っ
優)……っ
◇)あたし…っ
なんで…?
なんで…剛典が……
……ダメだ、もう。
◇)ごめん、あたし帰る。
優)は?!なんで!!!
立ち上がったあたしの手を
優助がぎゅっと握った。
そのままグイッと引き寄せられて、
もう一度優助の膝の間に座らされたけど…
◇)…っ
なんか…
優助の顔を見れなくて、俯いた。
だって…あたし…最低だよ…。
優)帰んないでよ……
◇)……
優)まだ一緒にいたい。
◇)……
こんな最低な女と…?
優)そんな顔、しないで……
優助の優しい手のひらは
俯いてるあたしの頭を、優しく撫でる。
◇)なんで…そんな…優しいの…っ
声が…震える…。
優)俺…別に…優しくなんかないよ…。
◇)…っ
嘘だ…
すっごくすっごく優しいもん……
優)どうやったら…
◇の中からあいつを追い出せるかなって…
◇)…っ
優)どうやったら…
俺のこと好きになってくれるかなって…
◇)……
優)そんなことばっかり考えてる。
◇)……
優)……
◇)……
優)比べればいいって言ったのは俺だもん。
いいよ。
◇)……っ
でも…
あたしが良くない。
そんな風に優助のこと、傷つけたくない。
◇)あた…し…っ
優)……
◇)悔しいけど……
優)……
◇)…いくら考えないようにしても……
どうしても…剛典が…出てきて…
優)……
◇)ちゃんと…優助のこと…
見たいって…思ってるのに…っ
優)……
そんなにすぐには
やっぱり無理みたいで…
どれだけ剛典が好きだったか
思い知らされる。
◇)優助のこと…っ
何回も好きって思ったし…
ちゃんと好きになれたらって…
そう思ったけど…っ
優)え…っ
◇)でも…っ
剛典のこと好きな気持ちが…
全然…消えないの…っ
優)……
なんで…こんなに…消えないの…?
自分でも…わかんないよ…っ
◇)…っ
悔しくて…目が滲む…。
こんなに…
優助といて癒されて、楽しくて…
好きって思う気持ちはあるのに…
昨夜、優助とキスできなかったあたしが
きっと今の、ほんとの気持ち。
優)そんなん…わかってるよ…。
◇)…っ
優助は…
あたしの涙を隠すように、
あたしを胸元に抱き寄せた。
優)あいつと別れたわけじゃないことも…
まだ好きな気持ちがあることも
全部、わかってる。
◇)…っ
優)でも……
◇)……
優)俺のことだって…
少しでも好きって
思ってくれる気持ちがあるなら…
俺…絶対諦めない。
◇)…っ
ゆっくり腕をほどいた優助は…
力強い言葉とは裏腹に、
すごく優しい顔で、あたしのほっぺを包んだ。
優)俺さ、なんか…
運命感じたんだよね…。
◇)え…?
優)信じてもらえなくてもいいんだけど…
俺、ほんとにナンパとかしたことなくて。
◇)…っ
優)でも…あの日…、
隣の部屋からすごい歌が聞こえてきて…w
◇)……///
優)マジでどんなジャイ子だよって思って
一人でツボってたんだけど…
◇)ちょっと!!///
優)あはははっw
確かにあたしの歌はひどいけど!!
優)…でも…さ、
トイレの帰りにチラッと覗いたら…
さっきまで元気だったジャイ子が…
テーブルに突っ伏して、元気なくて…。
◇)……
優)それがすっげぇ気になって。
◇)……
優)…ノックしてみたら…
顔上げたその子が、
めちゃめちゃ可愛くて。
◇)……可愛く…ないもん…。
優)なんでw
◇は可愛いよ。
◇)……///
そんな優しく…なでなでしないで…
優)変な奴って思われても
ナンパって思われても
もういいや、って思って。
それでもいいから話してみたいって
思ったんだ。
◇)……
そう…だったの…?
優)人の部屋に入るとか初めてだったから
緊張したけど…
話してみたらすげぇノリいいし
良い子だし…
◇)……
優)だから余計に、
さっきまでなんで元気なかったんだろって
心配になって…
◇)……
初対面の人間をそんな風に心配するなんて…
優しすぎだよ…。
優)彼氏いるってわかった時は
やっぱりショックだったし…
フリーだったら俺ガンガンいったのにって
思ったけど…
◇)……
優)でも、このタイミングで会えたのも
運命なんじゃないかなって思った。
◇)…っ
優)泣いてる◇を助けてやれって…
神様が言ってるのかなーって…。
◇)……
神様が…
このタイミングで…
あたしに優助を
出会わせてくれたって…こと…?
優)俺…っ
ぎゅ…っ
優)絶対絶対、大事にするもん…っ
◇)…っ
その気持ちは…
あたしを抱きしめる腕の強さからも…
伝わってくる。
◇)あり…がとう…。
優)…っ
◇)優助の気持ちは…すごく嬉しいの…。
優)……
◇)でも…このまま一緒にいたら…
甘えてダメになっちゃいそうだから…
優)……
◇)……
優)俺がそれでいいって言っても…?
◇)…うん、ダメ…。
優)……
優助が真剣に想ってくれてる分、
あたしも失礼なことしたくない。
◇)あたし今、剛典と距離置いてるの。
優)……うん。
◇)戻る気持ちになれなくて…
一旦離れて…自分と向き合いたくて…。
優)うん…。
◇)距離を置いても、
戻る気持ちになれるかわからないけど…
「別れる」って決断をしなかったのは
まだ好きな気持ちが…あるからで…
優)うん…。
その気持ちがどっちに向かうのかは
自分でもわからない。
◇)優助のこと好きって思ったのも
本当だけど…
その気持ちも…、
まだ自分でハッキリしないの…。
優)…っ
◇)でも…
剛典とは距離置いてるのに
優助とこうして一緒にいたら…
なんか…違う気がして…
どんどん流されて…
優助のこと…好きになっちゃいそう…
◇)だから…
優助とも、会わない。
優)え…っ
じゃないと、
自分のちゃんとした気持ちが
わからなくなりそう…。
優)そんなんやだ!!!
◇)…っ
…やだって…言われても…
優)なんでそうなんの!絶対やだ!!
◇)…だって……
優)やだ!!
◇)…だって!!
優)…っ
◇)一緒にいたら…
離れたくなくなっちゃうんだもん!!
優)え…っ
◇)…っ
優)////
思わずこぼれたあたしの本音に
優助は照れたように口元を隠した。
優)また…爆弾…、ずるい…///
◇)……っ
だって…
ほんとにそうなんだもん…
優)離れたくなくなっちゃうって…
俺と…でしょ…?
◇)……(こくん)///
優)////
……ぎゅっ。
優)じゃあ…離れなきゃ…いいのに…///
◇)……っ
だって…
こうして抱きしめられたら…
どんどん気持ちが溶かされていって…
それなのに、
あたしの中の剛典は消えないんだよ…?
◇)そんなずるい自分、あたしが嫌…。
優)…っ
◇)…優助とも…会わない…。
優)そんなん俺不利じゃん!!
◇)え…?
今度は優助がほっぺを膨らませて抗議する。
優)だって…
俺が◇といたのなんてたった二日で…
でもあいつはずっと◇と付き合ってたから
一緒にいた時間も思い出も
俺よりめちゃめちゃあるんだよ?!
◇)…っ
優)そんな状態で、どっちとも会わないって…
そんなの自然と思い出すのは
あいつの方が多くなって
やっぱりあいつが好きって
なっちゃうじゃん!
◇)……
……確かに…。
優)そんな不利な条件、飲めない!!
◇)…っ
優)俺は、◇に会いたいから会いに行くし
連絡もする!!
嫌なら無視していいよ。
◇)…っ
優)でも、嫌じゃないなら会って。
◇)……
剛典みたいなこと…言ってる…。
優)俺、本気だから。
◇)…っ
優)本気で、◇のこと、好きだから。
◇)……
それはもう…
痛いくらいに伝わってるよ。
◇)ありがとう…。
優)……
◇)じゃあ…今日は…帰るね…?
優)…っ
優助は慌てたように送るって言ってくれたけど
電車で帰るって言い張るあたしに折れて
せめて駅まで送らせてって
一緒に家を出た。
昨日と同じように手を繋いでくる優助が
今日合コン行くの?って
心配そうに聞いてくるから…
行かないよって答えたら
ほっとしたように子犬みたいな顔で笑った。
◇)…えっと…ありがと。
優)……
駅の構内。
改札はすぐそこで。
ほんとはまだ一緒にいたいあたしは…
繋いでる手を離したくなくて…
それは、優助も一緒。
握ってる手にギュッと
力が入ったのがわかった。
◇)……
優)……
隣を見上げると
優助が寂しそうな顔をしてて
なんだか胸が痛む…。
◇)……送ってくれてありがとう。
優助が持ってくれてた
お泊まり用のバッグを受け取って、
繋いでる方の手を離そうとしたら…
……グイッ
大きな胸に、抱き寄せられた。
◇)優…助…?///
ここ…駅だよ…?
◇)みんな、見てるよ…///
優)……一人で…泣くなよ…?
◇)…っ
優)一人で泣くくらいなら
俺のとこに来て。約束して。
◇)……
最後まであたしの心配してる…
優しすぎ……。
優)絶対…一人で泣かないで。
◇)……うん、…わかった…。
ありがとう…。
優)……好きだよ。
◇)…っ
優しい言葉と一緒に
不意打ちのキスが、おでこに落ちてきた。
◇)えっと…///
優)じゃあ…、気をつけて…
◇)……(こくん)///
名残惜しそうにあたしを離した優助に
背中を押されて、
あたしは改札を抜けた。
なんか…こんなの…
遠距離のカップルみたい…。
とくん…
とくん…
見えなくなるギリギリで振り返ると
優しく笑って手を振る優助が見えた。
◇)……
……好き。
そう思う気持ちがあるから…
ちゃんとしよう…。
ちゃんと自分の気持ちと向き合って…
整理して…
後悔しない答えを出すんだ。
そう決めて、
電車に揺られながら
優助と過ごしたこの二日間を
思い返して…
帰ってきた、自分のマンション。
ポストを開けると…
◇)…っ
え…?
ダイレクトメールの上から
一輪の花が床に落ちた。
拾い上げるとそれは、
小さな向日葵で。
◇)なん…で……
手に取った郵便物を見てみると、
その隙間に挟まってる白いメモ。
◇)…っ
ゆっくり開いてみると、
それは剛典からの手紙だった。
『どの花にしようか迷ったんだけど
一番最初に目に入ったこれが
一番◇のイメージだったから。
昨日はオムレツのシーンだったんだけど
ちゃんと綺麗に作れたよ。
(一回失敗しちゃったけど)
◇と一緒に練習したから。ありがとう。
今日も撮影行ってきます。』
◇)…っ
これ…
いつ…届けてくれたの…?
昨日…かな…?
忙しいのに…わざわざ来てくれたの…?
お花…届けに…?
……っ
◇)…………ばか…っ
気付いたら…
涙がポタポタこぼれてて…
◇)ふ…ぇ…っ
……こんなの…ずるい…
なんなの…っ
◇)ふぇぇ……っ
なんでLINEじゃないの。
手紙なの。
__可愛い向日葵。
向日葵の花言葉くらい、あたしでも知ってる。
◇)ぐす…っ
なんでこんなに…
一気に気持ちを持ってかれるの…。
もう…
わかんないよ……。
ーendー
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えー( ̄◇ ̄;)
♢ちゃん優助に惹かれてるんですか(T . T)
♢ちゃんが岩ちゃんと付き合ってなくて、優助とのstoryなら、キュンキュンして読めたのに、、、。
岩ちゃんが可哀想でshortstoryに逃げてます。そっちで癒されてます(T . T)
ああああ。゚(゚^∀^゚)゚。
だから最近、岩ちゃんのショートストーリーがずっとランキング入りしてるのだろうか…
みんな逃げないでーー!w
タカノリーーーなんかずるい笑
タカノリファンだけど完全に優助派になってます(笑)
でも元どおりになったらまた喜ぶんだろうな。。。単細胞です♡笑
今は優助派でもいいのですよ…(❁´ω`❁)ふふふ
剛典!!!最近LINEとか電話がないと思ったら、なんと向日葵と手紙そりゃ♢ちゃんも剛典のこと忘れられませんよね笑
剛典ってば…!!。゚(゚´ω`゚)゚。うおおんっ