【161】キックオフ(海璃Side)

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初めてのキックオフは
ものすごく豪華なイベントで

私たち新人はずっと目をパチクリさせてた。


表彰式はレッドカーペットだし
カメラ撮影もされてて…

全国で何百人といる営業マンの中で
先輩方の予想通り、
1位はJさん、2位はTさんで

10位まで表彰台に上がれるんだけど
やっぱりこの二人のスピーチが
レベル違いに素敵だった。


堂々とマイクで話すその姿は
本当にカッコ良くて…
思わず隠し撮りしたくなっちゃうほど。 ㅤ


夕方からのパーティーも本当に豪華で…
お料理はどれも美味しいし

芸人さんとかモデルさんを呼んで
出し物があったり
クイズ大会の景品が豪華すぎたり

とにかくなんだか全部すごくて
まるでお祭りみたいで

こんな会社に入れて良かったなぁって思った。 ㅤ


パーティーが22時でお開きになると
街に出て飲み直す人や
ラウンジで飲む人もいるらしく

私たちは一旦、部屋に戻った。


海)ふぁぁぁ///
♡)疲れちゃった?w
海)いえ!すっごく楽しいです!
♡)なら良かった♡ ㅤ


それからおつまみやお酒を買って
KさんとMさんのお部屋へ。 ㅤ


K)お、来た来た!!
先)始めてるよーーん♡
♡)あ!もう飲んでるー!w
先)だってTくんがいっぱい   
  買ってきてくれたんだもん♡
海)あれ?Tさんは……
先)なんか女の子たちに呼び出されて   
  一回出て行ったよーー
M)営業の女子たちですね。
K)酒持ってきてくれたから
  もう別にあいついなくてもいいけど。
M)ひどーーい!w
先)相変わらずTくんはモテモテだからねぇ。
先)電話からギャーギャーうるさい   
  女子たちの声が聞こえてきてたよw
海)…… ㅤ


そうなんだ…… ㅤ


M)部屋に連れ込もうと狙ってる女子なんて
  きっといっぱいいますよーー
海)えっ!!
M)私の同期なんて研修の時、   
  男女ペアで部屋入れ替えて
  ちゃっかりヤッてたしぃ。
先)ああ、たまにいるよね〜   
  そーゆー奴らも。
海)ええっ!! ㅤ


私たちは…
研修の時はみんなでカラオケでわいわい…

はっ!! でもあの後に
そんなことになってる人たちもいたのかな……

紅くんとか…連れ込んでそう!! ㅤ


ガチャッ ㅤ


T)はぁ、はぁ…っ
海)あ…っ ㅤ


Tさんが戻ってきた!! ㅤ


J)お邪魔しまーーすw


先)あ!Jくんも来たー!
先)どうぞどうぞーー♡

バタン。 ㅤ


K)そんな息切らしてどうしたよ。
T)女子たちが追っかけてくんだよ!
M)ひょえ〜〜〜〜
T)Jさんもつかまってたから   
  二人で逃げてきた。
M)では私たちが
  かくまってさしあげましょう♡
先)あはははw
♡)大丈夫ですか?
J)ああ、うん。
  姫に会いたいからこっちに来た♡
♡)何飲みますかー?
海)!!! ㅤ


♡さん… 見事にスルーした。
ランチでご一緒した時も
チラッと思ったんだけど…
もしかしてJさんも♡さんのこと…


先)でもこんなイケメン二人が   
  まさかこんな部屋にいるとは   
  思わないよねーーーw
K)ちゃんと巻いてきた?   
  押しかけられたら迷惑だぞ。
T)いや、多分大丈夫。
M)お疲れ様でーすw ㅤ


ピロリロリロ♪ピロリロリロ♪ ㅤ


海)あ…っ
T)うお…びびった…   
  あいつらかと思った。
先)あはははw Tくん怯えすぎw
T)だってマジでしつこいんすよ! ㅤ


画面を見ると、同期の子からだった。 ㅤ


海)すいません、失礼します。 ㅤ


少し離れて、電話に出た。


女『あ、海璃! あんたどこにいんの?』
海『えっ…』
女『同期で街出て飲もうよって話なの。』
海『あ、えっと…みんないるの?』
女『ううん、半分くらいだけど。行こうよ。』
海『……』 ㅤ


どうしよう… 同期も大事だけど…
今日は…私…、Tさんといたい!!


海『ごめんね?今日はやめとく。』
女『お、そっか、了解!じゃあまたね♪』
海『うん!誘ってくれてありがとう!』

ピッ。 ㅤ


戻ろうとすると
♡さんとTさんが冷蔵庫にお酒を詰めてた。 ㅤ


♡)入りきらないよぉ〜〜
T)まぁ、すぐ空くってw
♡)そっか、確かに。
T)つーかお前、顔赤くね?
♡)え、そんな飲んでないよ?
T)あ、ほんと?
♡)うん。 ㅤ


あ…また頭なでなでした… ㅤ


T)照明のせいかな。赤く見えるw ㅤ


頭を撫でながら… 愛しそうな表情。 ㅤ

……ズキン。


♡)もう〜〜触らないで!!
T)ああ、ごめん。 ㅤ


♡さんがTさんの手を振り払った。 ㅤ


海)…… ㅤ


M)よーし!準備できたよー!
K)もうぐっちゃぐちゃだなw ㅤ


テーブルを無理矢理くっつけて
みんなベッドとソファーに座ってる。


M)海璃ちゃんも早くー♡
海)あ、はい!
T)お、ここ空いてんぞー。
海)あ…、ありがとうございます/// ㅤ


どうしよう… Tさんの隣だ//

ドキドキしながら隣に座って
狭くて詰めて座ってるから
肩や腰がぶつかって…

その度に勝手に一人でドキドキしちゃう//


先)じゃあ改めまして!
先)お二人さん、受賞おめでとう!
T)ああ、ありがとうございます//
J)どうも〜〜w
先)かんぱーい!
皆)カンパーイ♪♪ ㅤ


お酒を勢い良く飲んで
Tさんがトンと缶を置いた。 ㅤ


T)いや〜〜でもマジで悔しい!
K)また言ってるw
T)なんで1位になれねんだよ〜〜〜
M)それはJさんがいるから♡
T)くっそ〜〜!!!
海)…… ㅤ


全国2位って…十分すごいのに…
Tさんは1位を目指してるんだ… ㅤ


先)二人ともスピーチカッコ良かった!
M)うんうん♡
T)ああ悔しい…
K)まだ言ってるw
T)はぁ…… ㅤ


あ、Tさんが俯いた。 ㅤ


海)あの…//
T)ん?
海)本当に…おめでとうございます//
T)……
海)スピーチも…ほんとにほんっっとに   
  カッコ良かったです!!!!
T)え……
海)////
T)あ、ありがとう…//
海)////


お礼…言われちゃった…
ドキドキドキ…// ㅤ


J)海璃ちゃん顔赤いねぇ?
  酔ったー?w
海)はっっ/// ㅤ


向かいにいるJさんにそう言われて
まるでTさんにドキドキしているのが
見破られたようで… ㅤ


海)あのっ、その…っ///


私が動揺を隠せずにいると
Tさんが私の顔を覗き込んできた。 ㅤ


T)酔ったの?
海)あ、い、いえっっ!/// ㅤ


ひゃーーーっ!!
ち、ち、近いです!!
顔が近すぎます!/// ㅤ


T)無理すんなよ?
海)は、は、はい…/// ㅤ


ああ…顔から湯気が出そう…///


K)賞金、何に使うんすかー?
M)100万円♡
J)うーん…何に使いたい?♡
♡)えっ!!
先)そこで♡ちゃんに聞くというw
J)なんでもいいよ?
♡)え、え、え?!
J)二人で旅行でも行っちゃう?
♡)え!??
T)それなら俺の旅行券のがいいし!!
先)旅行券50万円分だもんねー♡
T)行く?
♡)え??
T)旅行。
♡)行かない。
T)即答かよ!w
♡)うん。
T)海外とか…行きたいとこないの?
♡)……
T)どこでもいいよ?
♡)行かない。
T)あっそ!w
M)私ならいつでも一緒に行きまーす♡
T)はいはいw
先)二人とも早く彼女作ればいいのに。
K)その通り。
J)あはははw
先)そういえば海璃ちゃんは彼氏いるの?
海)!!! ㅤ


突然私に来た!!
あわわっ、どうしよう!! ㅤ


海)いません!//
先)あ、そうなんだぁ。
先)そんなに可愛いのに。
先)ね、海璃ちゃんって
  ♡ちゃんに雰囲気似てるしね♡
海)えっ///
J)確かに。   
  ふわふわ柔らかい雰囲気が。
M)髪の色も近いもんねー♡
♡)えへへー♡
海)/// ㅤ


♡さんが可愛く笑ってきた。


T)(じーーー)
海)!!! ㅤ


ど、どうしよう… Tさんがすごく見てる!!
ごめんなさい!!
私なんて♡さんに似てません!
わーん!見ないで〜〜!!!


先)いつから彼氏いないのー?
海)!!! ㅤ


まだ私の話だ!!わぁっっ!!! ㅤ


海)えっと…ずっと…いないです//
先)ずっと??
海)一度…も…//
先)……ええええ!!うっそー!!
海)/// ㅤ


わ、みんなびっくりしてる。
嘘ついた方が良かったかな…


海)お、おかしいですよね!この歳で…//
M)おかしくはないけどもったいないかもぉ…
  そんな可愛いのに。
J)確かにモテそうなのにねぇ。
海)全然です!//
M)え、じゃあHもしたことないの?
海)////
K)そんなストレートに聞くなw
M)だってぇ〜〜
海)な、ないです…//
K)そりゃそうだろ、彼氏いたことないなら。
♡)わぁ、そっかぁ!
海)//// ㅤ


は、恥ずかしい…消えてしまいたい… ㅤ


T)(じーーー)
海)!!! ㅤ


ひぃっ!また見られてる!! …気がする!!


海)て、適当に彼氏作ろうかなっっ   
  なんかごめんなさいっ
K)何言ってんのw
M)彼氏じゃなくても   
  適当なイケメンととりあえず
  Hはしてみたらー?♡
海)えっ!!!
T)アホ。何言ってんだよ。
  そんなん絶対やめろ。
海)…っ


Tさんが…やっと喋ってくれた。 ㅤ


T)好きでもない男とすんな。
海)……
T)歳なんか気にすることないんだから   
  ちゃんと好きになった奴と付き合って   
  好きになった相手としろ。
海)……///
先)Tくんカッコイイ〜〜♡
♡)でもそうだよ!うん!
海)え…?
♡)ちゃんと好きな人が出来たら…   
  今までしなくて良かったぁ!って   
  そう思うくらい、ほわぁぁんって   
  幸せに思うから!!
海)……
M)それは初Hの話ですか?
♡)うん!そう!
M)ほぉう……
♡)はっ…!!私は…何を…///
M)先輩は登坂さんとの初Hが   
  ほわぁぁんって幸せだったんですねー♡
♡)////
先)え、♡ちゃんって登坂くんが初なの?!
♡)……はい///
先)初耳〜!!
海)あれ……
M)あ、ごめん、忘れてたw   
  先輩たちも知ってるの、登坂さんのこと。
海)ああ!!びっくりしました…
先)あ、海璃ちゃんも聞いたのね?
海)はい!
先)すごいよねぇ…あんなイケメンと♡
先)え、え、♡ちゃんと登坂くんの   
  初体験話、聞きたい!
♡)ダメです…///
先)え〜〜いいじゃなーい♪ ㅤ


はっ!! こんな話題…
Tさん嫌だよね!?

どうしようっ 私のせいで…… ㅤ


海)あ、あのっ!! ㅤ


カタンッ

パシャ…ッ ㅤ


海)あっ!!!
M)わぁっ!!大変!!
海)わ、わ、ごめんなさい!!! ㅤ


缶を倒しちゃってお酒が全部こぼれた。


K)ティッシュ!ティッシュ!
海)あ!!Tさん!!!
T)あ。 ㅤ


どうしよう!!!
Tさんのシャツの袖口が
オレンジに染まってる! ㅤ


海)こっち来てください!!!! ㅤ


私は慌ててTさんを
バスルームへ連れていった。


海)ごめんなさい!   
  ごめんなさいっっ!! ㅤ


どうしよう…早く洗わなきゃっ ㅤ


海)Tさんのオシャレなシャツが…
T)いや、大丈夫だってw
海)どうしよう…っ ㅤ


Tさんいつもオシャレだから
このシャツだって高そうだもん! ㅤ


海)ごめんなさいっっ
T)落ち着けってw
海)ううう…っ ㅤ


必死に袖口をタオルでたたく。 ㅤ


海)もし取れなかったら弁償します!   
  本当にごめんなさいっ
T)だから、大丈夫だって。顔上げろ。
海)…っ ㅤ

ぽんっ ㅤ

T)そんな泣きそうな顔すんな。
海)…っ
T)別にこれくらいいいから。
海)…… ㅤ


頭の上には
Tさんのあたたかい手のひら。

見上げると余計泣きそうになるくらい
優しい笑顔。 ㅤ


T)気にしなくていいから、な? ㅤ

ぽんぽん。 ㅤ

海)//// ㅤ


どうしよう…動けない…


T)ほら、もう取れたんじゃね?
海)……あっ
T)大丈夫大丈夫。ありがとなw
海)あ、じゃあ…っ ㅤ


キュッ

シャーーーーッッ ㅤ


T)おわぁっ!!!
海)きゃあっっ!!! ㅤ


キュッッ!!! ㅤ


慌てて蛇口を止めた。


タオルを濡らそうとしたら
間違えてシャワーを出しちゃった。

どうして私ってこんな馬鹿なんだろう… ㅤ


海)ごめん…なさい…っ
T)濡れてない?
海)…っ ㅤ


Tさんが咄嗟に庇ってくれて
私は全然濡れてないけど

Tさんの上半身がびしょ濡れで…


海)どう…しようっ
T)大丈夫大丈夫、   
  こっちは水だし乾くからw
海)…っ
T)だからそんな顔すんなっつーのw ㅤ

ぽんぽん。 ㅤ

T)ほんとお前は   
  おっちょこちょいだなーw
海)……
T)ほんと♡みてぇw
海)…っ


おっちょこちょいな私を
いつも助けてくれて
優しく笑ってくれる人。

泣きそうな私の頭を
何度も優しくぽんぽんしてくれた。 ㅤ


「俺はこいつにしかしないから安心して。」 ㅤ


海)…… ㅤ


私が…♡さんみたいだから…
私にもぽんぽんしてくれるのかな…


K)げ!!なんでいきなり裸なんだよ!!
T)げってなんだよw
先)きゃーー♡いやーん♡   
  目の保養♡目の保養♡
先)いや〜〜Tくんイイ身体してるわ♡
J)なんか騒がしかったけど大丈夫?w
M)Tさんまさか…   
  裸で海璃ちゃんに何かしたんじゃ…
T)なんでだよ!!w
海)あ、あのっ   
  私が服を濡らしてしまって…
T)ハンガー借りんぞーー   
  干しとくわ。
M)どうぞどうぞー
海)本当にすみませんでしたっっ
T)いいっつーのw ㅤ

ぽんぽんっ ㅤ

海)//// ㅤ


また…ぽんぽんされた…///


M)あーー!   
  Tさんが海璃ちゃんにまで   
  頭ぽんぽんしてるー!!
海)!!!! ㅤ


そ、そこはそんなストレートに
突っ込まないでください〜〜!!
うわーーんっっ ㅤ


T)あれ?ほんとだ…
海)…っ ㅤ


Tさんが不思議そうに
自分の手のひらを見てる。


M)先輩にしかしないとか   
  言ってたくせにぃ〜〜〜
T)……なんでだろ…
海)…っ
T)お前がおっちょこちょいだからかなぁ?
海)え…っ
T)なんかお前ってほっとけないよなw ㅤ


そう言ってまた優しく笑うと
Tさんは元の位置に座った。 ㅤ


海)////


どうしよう…
まだ…胸がドキドキしてる… ㅤ


T)って、こいつ寝てんじゃん!!
K)ああ、うん、寝ちゃった。
T)どんだけ寝るんだよw
J)気持ち良さそうに寝てるねぇw
♡)…スー……、スー……
T)なんかかけてやって。
K)お前は彼氏か!!
T)……//
K)はいはい、毛布かけときますよー
T)ありがと。
K)だからお前は彼氏か!
M)あはははw ㅤ
海)……


Tさんは♡さんが大好きで
いつも大事に思ってて

そんなのわかってる。
わかってるけど…


「なんかお前ってほっとけないよなw」 ㅤ


優しく笑ってくれるTさんの笑顔が
…頭から離れない。 ㅤ


M)よーし!じゃあトランプしましょー!
K)っしゃーー!!   
  勝った人はJさんの賞金ね。
J)ええっ!!
T)え、まるごともらえんの?
K)そ!!
T)っしゃー!w
J)ちょっとちょっとw ㅤ


それからしばらくみんなで
トランプをして盛り上がってると

途中で♡さんが、目を覚ました。 ㅤ


♡)はっっ!!!
K)お、起きたか。
♡)しまった!!寝てた!!
K)おう。
♡)今何時だ!!!!
K)0時すぎ。
♡)戻らなきゃ!!! ㅤ


♡さんが立ち上がった。 ㅤ


M)え、もう帰っちゃうんですかぁ?   
  遊びましょうよ〜!
♡)1時からラジオ聞くのっ!!
K)ラジオ?
♡)うんっ!!
海)あ…っ、もしかして… ㅤ
  オールナイトニッポンですか?
♡)うんっっ♡♡ ㅤ


わ、すごい可愛い笑顔…// ㅤ


K)あれ?それ、山下健二郎のやつ?
♡)うん!今日はね、臣くんが出るの♡
K)なるほどw
♡)じゃあ私、先に部屋戻るね♡
海)あっ
♡)お疲れさまでした〜♡ ㅤ

バタン。


先)行っちゃった。
先)あたしたちも聞く?   
  オールナイトニッポンw
K)あはははw
T)……
J)じゃあそろそろ俺らも解散しますかー?
T)そうっすねーー
K)あ、賞金が逃げる。
J)こらこらw
M)え〜〜イケメンのお二人が帰っちゃうなら
  あとは女子トークでもしますかー?
先)それもいいねぇ! ㅤ


ピロリロリロ♪ピロリロリロ♪ ㅤ


海)えっ ㅤ
  

こんな時間に誰だろうと思ったら
画面には紅くんの名前。


T)じゃ、お疲れ〜〜〜
J)おやすみ〜〜〜 ㅤ


二人が出て行って
私はバスルームで電話に出た。 ㅤ


海『もしもし?』
紅『あ、海璃?お前さ、部屋誰と?』
海『……』
紅『姫さんさ、何号室か知らない?』
海『どうして?』
紅『夜這いにいっちゃおっかなーって♡』
海『……』 ㅤ


紅くん…すごく酔ってる。


海『♡さんはもう寝てるよ!   
  私ももう寝るから!じゃーね!』

ピッ ㅤ


無理矢理切ったけど…なんか心配。

紅くんならあの手この手を使って部屋を調べて
フロントに適当なこと言って
本当に部屋に入りそう!!


海)ごめんなさい、私も…   
  お先に失礼しますね!
M)え〜〜〜残念〜〜〜
海)ごめんなさいっ
K)おう、じゃあゆっくり休みな〜〜   
  お疲れ!
海)お疲れ様です!お休みなさい! ㅤ


私は慌てて部屋に戻って
ロックをかけた。 ㅤ


♡)あれっ、海璃ちゃんだーー
海)私も戻ってきました♡
♡)おかえりーー♡ ㅤ


♡さんを紅くんから守らなくっちゃ! ㅤ


海)あ、もうシャワー入ったんですか?
♡)うんっ!もう準備万端なのだ♡
海)あはははw   
  じゃあ私も入ってきます♡
♡)うん♡


念の為もう一度ドアのロックを確認して
シャワーに入った。

なんか…すごくイイ匂いがする。
♡さんのシャンプーかな?


シャワーから上がると
♡さんは携帯を握りしめたまま眠ってた。 ㅤ


海)…… ㅤ


どうしよう。
時間は0時58分。

起こしてあげた方が…いいのかな? ㅤ


海)♡さん……
♡)……
海)♡さん…、ラジオ始まりますよぉ……
♡)……むにゃっっ
海)わっ
♡)ラジオ!!!!
海)はいw
♡)は!危ない!寝てた!!


♡さんは起き上がって、私の顔を見た。 ㅤ


♡)起こしてくれてありがとう!
海)はいw ㅤ


眠たいのに…
それでもラジオ聞きたいのかな…
可愛いなぁw ㅤ


海)私も一緒に聞いてもいいですか?
♡)えっっ!! ㅤ


♡さんの顔が輝いた。


海)私も…ファンなので…w
♡)じゃあ一緒に聞こう〜♡
海)はい♡ ㅤ


それから一緒にベッドに寝転がって
ラジオを聞いて楽しく笑ってたのに

後半… 気付けば♡さんは
また寝ちゃってた。 ㅤ


♡)…臣…くん……♡
海)ww
♡)……む…にゃ……
海)……


可愛いなぁ……
本当に登坂さんのことが
大好きなんだろうなぁ…… ㅤ


海)…… ㅤ


私は♡さんの携帯を消して
枕元に置いた。 ㅤ


海)おやすみなさい。
♡)…スー……、スー……


私も寝ようと思ったのに
ベッドに入ってもなかなか寝付けなくて…

Tさんの言葉を何度も思い返して
Tさんの笑顔を何度も思い浮かべて ㅤ


やっと眠れたと思ったら

夢に出てきたのは
サザエさんのタマだった。 ㅤ ㅤ




ーendー

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