今日は会社のキックオフ。
みんなで新幹線で移動。
車内はなんだか遠足みたいなムードで
すごく楽しい♡
M)海璃ちゃんお菓子食べるー?
海)わぁ!ありがとうございます♡
K)あんたそんなお菓子ばっかり食べてたら
夜のごちそう入らなくなるよ。
M)えーーーっ
海)ごちそうって…
どんなのが出るんですか?
K)寿司やらローストビーフやら
とにかく和洋折衷なんでも出る!
海)きゃーーー///
M)デザートもいっぱい出るよ〜♡
海)きゃー!楽しみですー!///
M)まぁケーキは一番競争率激しいけどw
海)頑張ります!!
T)ういーーっす。
K)おう、何しに来た。
T)……
M)わざわざこっちの車両までw
海)……
Tさんの目は
いつも♡さんを探してる。
T)こいつ…もう寝てんの?
K)乗るなり爆睡だったよw
T)ふーーん。
海)あの、座りますか??///
T)……
海)どうぞ!!
慌てて荷物をよけた。
T)じゃあお邪魔しまーす…
K)♡寝てんのに何の用だよ。
帰れよ。
T)別にいいだろ!w
M)じゃあTさんもお菓子どうぞー♡
T)ああ、ありがとうw
ああっ!!
私もお菓子持って来れば良かった!//
T)何見てんの?
海)えっ///
T)お前も欲しい?ほら。
海)…っ///
Tさんが…!!
いちごポッキーを私の口に刺してきた!!
海)////
T)あれ?いちご嫌いだった?
海)(ふるふるっっ)
T)良かったw
海)////
そんな顔で…笑わないでください…//
海)……//
Tさんに初めて会ったのは
現場に配属されて最初の日。
入社式と研修を終えて
ドキドキで本社に出社すると
おっちょこちょいな私は
エレベーター前で
バッグをひっくり返してしまった。
周りの視線が恥ずかしくて
泣きそうになりながら中身を拾ってると
男の人の手が
一緒に拾ってくれてることに気付いて…
T)豪快にぶちまけたなぁww
海)…っ
顔を上げてこの目に飛び込んだその笑顔に
私はフリーズした。
T)はい、これで全部?
海)あ…、あ…っ///
T)気をつけろよー?w
海)///
その時は緊張してお礼も言えなくて…
すぐあとにその優しい人の
名前と…想い人を、知ることになる。
T)気持ち良さそうに寝てんなぁ…
M)先輩はどこでもぐっすりですからw
T)子供みてぇw
そう言いながら♡さんを見つめる瞳は
いつも愛しさと優しさに溢れてる。
こんな風に想われたら…
どんなに幸せなんだろう…
♡)む…にゃ……
K)お、起きたか??
♡)……
海)……
♡)…も……っと……
M)ん??
♡)……ちゅー…して……
T)!!!
K)ぶっww
M)何の夢を見てるんですかね…ww
K)欲求不満か!w
♡)む…にゃ……♡
T)////
M)今回出張だから
登坂さんと濃厚なチューでも
してきたんじゃないですかぁー?
K)はははw
海)トサカ…さん?
M)はっ!!!
K)あ……
海)???
T)ん。
海)んっ///
またTさんにいちごポッキーを刺された。
T)そーいや、一昨日ごちそうさまでした。
海)あっ!いえっ!!///
M)一昨日??
T)カレーごちそうになったの。
M)カレー?!
海)あ、はい、あの…その…///
T)美味かった。ありがと。
海)はい…///
こちらこそ…ありがとうございます…
T)何それw
海)////
ああ…どうして私は
上手に返せないんだろう……
もっとちゃんと話したいのに…
K)海璃んちに行ったの?
T)うん。俺ら同じマンションでさ。
M)あ、そっか、会社の。
T)そうそう。
海)あ!偶然Tさんにお会いしまして!!
私、いつもカレーを余らせてしまうので
Tさんに無理を言って
一緒に食べて頂いただけなんです!!
こ、こんな言い訳…変かな?!
だって…
♡さん一筋のTさんが
変な誤解を受けたりしたら…
K)ほぅ。いいなーー
あたしも食いたい。
M)海璃ちゃんは料理上手なのー?
T)カレー美味かったよ。
海)カ、カレーなんて…
誰が作っても一緒ですから…///
T)んなことねーだろ!w
海)////
一昨日、
断られるのを覚悟で家にお誘いしたら
多分私に気を遣って
Tさんはうちに来てくれた。
本当なら…
一人暮らしの女子の家になんて
上がったりするような人じゃないんだと思う。
食べ終わったら本当にそのまま
すぐに帰って行った。
でも…
断られると思ってた私は
一緒にカレーを食べられただけで
すごく嬉しくて……
T)まだ…夢見てんのかな…
♡)……スー……スー……
T)……
愛しそうに…切なそうに
♡さんを見つめるTさんが
なんだか切ない。
その横顔に見とれていると…
カシャーーン……
海)あっ
また荷物を落としてしまった。
K)おっとっと、転がってきたぞw
海)ごめんなさいっ///
T)こっちにも、ほい。
海)ありがとうございますっ///
T)お前はほんと♡みたいな奴だなw
海)……//
「♡みたい」
それは…Tさんから言われる
最上級の褒め言葉のように思える。
辛い恋になるかもしれない…
見込みなんてないかもしれない…
でも…
Tさんの優しさと笑顔に
心惹かれて止まない自分に…
私はもう気付いていた。
♡)もう…時間ないから…ダメだよぉ…
T)ん???
♡)……はっっ
♡さんが自分の寝言で目を覚ました。
♡)あ…れ…
M)何の夢見てたんですかぁ〜〜♡
♡)……
K)よだれ垂らしてんぞ。
♡)えっ!!!
K)うっそーーーw
♡)もう、Kちゃん!//
M)登坂さんとチューする夢
見てたんでしょ〜〜〜♡
♡)え、え、なんで…っ///
K)あんた、また名前。
M)あっ!!!
またみんなが私の顔を見た。
海)あの……
???
何なんだろう…
♡さんの彼氏の名前は「トサカさん」。
それを私が知ってるとまずいのかな?
M)先輩!
♡)はい!
M)海璃ちゃんはすっごく良い子だし
もう喋っちゃいましょうよ!
♡)え??何を??
M)先輩の彼氏のこと。
♡)……え?!
海)???
T)まぁこの間会ったしな。
M)えっ!!そうなの?!!
海)あ、はい…少しだけ…
T)わかってなかったけど。
M)サングラスしてたとか?
T)うん。
海)え…??
♡)えっと……
M)ほら〜〜先輩〜〜〜
♡)あ、うん…
海)???
♡)えっと…
海)……
♡)えっと…
海)……
♡)……//
M)なんでそこで照れるんですかぁ!
♡)だって…なんて言えばいいの?//
M)私の彼氏は三代目の登坂さんですーって♡
K)結局お前が言うんかいw
M)はっ!言っちゃった!!
海)え…?
M)……
海)三代目…?
M)……
海)三代目って……
三代目…
トサカ…
え…??
まさか……
登坂?!!!!
海)三代目の…登坂さんと
付き合ってるんですか??
♡)……//
海)え……
♡)はい…//
海)……
え……?
じゃああの日…
ワゴンで迎えに来てた人は
登坂…広臣…??
え……?
海)……
K)海璃が思考停止してるw
M)あははは♡
海璃ちゃん、内緒だよーー♡
海)……
M)会社ではここにいる人と
あとはJさんしか知らないから。
T)あ、あと勝山社長ね。
K)あ、そっか、社長も知ってるんだったw
海)……
♡さんの彼氏が…
登坂…広臣……
♡)海璃…ちゃん?
海)はっっ
♡)いきなりごめんね?
海)あ、いえっ、びっくりして…
ごめんなさいっ///
思わず放心してしまった!!
でも…
じゃあ…
「俺から奪れるとでも思ってんの?」
あのカッコイイ台詞を言ったのは
登坂さん……
海)////
なんて似合うんだろう…
カッコ良すぎて…
♡)???
海)////
そしてあの人が…♡さんの彼氏…
海)お似合いすぎます!///
♡)えっ///
海)素敵です!!美男美女です!!
♡)あ、ありがとうっ//
M)ほんとお似合いだよね〜〜♡
T)……
海)!!!
はっ!!しまった!!
私ってば…
Tさんの前でなんて無神経な発言を!!
ごめんなさい……
心の中で謝ったって…意味ないよね…
しゅん……
M)でも海璃ちゃんたちの代に
三代目は人気だって言ってたもんねー♪
T)え、そうなの?
海)あ、…はい……
T)ふーーん……
海)……
Tさんは…♡さんが好きで…
♡さんが登坂さんと付き合ってるって知ってて
それでも好きで…
いつから好きなんだろう…
♡さんは…いつから付き合ってるんだろう…
Tさんが自分を好きってわかってても
それでも登坂さんを選んだのかな…
私だったら…
登坂さんはカッコイイけど…
絶対Tさんがいい…///
K)どうしたボーッとして。
海)はっ!!失礼しました!///
K)いや、全然いいけどw
海)……//
課)うーーい
今日の部屋割、配るぞーーー
M)あ、課長!お疲れさまでーす♡
K)げっ!あたしあんたと同室じゃん!
M)ひどい!
なんで「げっ」なんですかぁ!
K)あんた洗面所散らかすんだもん!
M)散らかしたりしません!
K)するじゃん!
コテ2台にイオンスチーマーだとか
変な化粧品だとかで
あたしのスペースなくなるんだもん!
M)Kさんも使っていいですからぁ♡
K)はぁ…、♡とが良かった。
海)あ…私…、♡さんとだ。
♡)あ!ほんとだー!
こ、こんな可愛い人と同じ部屋とか
どうしよう…ドキドキする…
♡)よろしくね♡♡
海)はいっ///
T)……
海)……?
M)Tさん、そんな羨ましそうに
海璃ちゃんを見たって
部屋は変えてくれないですよ?
T)わかってるわ!!w
あ…そういう意味だったのかな…
T)そうじゃなくて…
また夜集まって飲もうよ。
♡)え?
T)前もやったじゃん。
K)お!いいね!トランプしよ!!
M)やりたーい!
じゃあ私たちの部屋集合でー!
K)おい、勝手に決めんなw
M)いいじゃないですか〜〜
移動しなくていいからラクだしぃ〜
K)まぁ確かに。
T)じゃあ夜行くわ。
K)酒買ってこいよ。
T)はいはいw
そう言ってTさんは
自分の車両に戻っていった。
最後に♡さんの頭をポンポンして。
ー続ー
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