【141】なでなで…嬉しい(岩ちゃんSide)

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「剛典……」


ん…?


「剛典……」


誰…だ?


「ねぇ……」


わかんねぇけど…
なんか安心する声…

ずっと…抱きしめてた
あったかいぬくもり……


「剛典…、起きて……」


あれ…
ずっと…大事に抱きしめてたのに…
腕の中に…

いない……


……


いな…い???


岩)!!!


ガバッ!!!


◇)やっと起きた!!
岩)えっ
◇)…おはよっ//
岩)えっ
◇)起こしてるのに
  全然起きないんだもん。
岩)えっ
◇)大丈夫?頭起きてる?w
  ここ、あたしの家だよ?
岩)……
◇)……
岩)……


頭が…ハッキリしてきた。

俺…いっつも絶対先に起きんのにな…


◇)ご飯、作ったけど…食べれる?//
岩)え…っ、朝飯?
◇)うん。
岩)食いたい!!
◇)じゃあ…起きて…//
岩)うん。


ベッドから起きて
リビングに行こうとする俺の前を
◇がちょこちょこ歩いて


こいつ…いつの間に起きてたんだよーー
俺、ずっと抱きしめてたのに…
いつ脱走したんだ?

くそーー
後ろ姿も可愛いし。

抱きしめてやろうかな。


◇)あっ
岩)!!!


いきなり振り返られて
下心がバレたみたいで一瞬焦った。


◇)先に顔洗う?
  シャワー入りたい?
  タオルとか全部好きなの使ってね!
岩)…うん、ありがと。


なんか…態度が全然普通だな。

昨日は…なんか照れてたり…
寝る直前とか…すげぇ可愛かったのに…

もう通常モードっすか?


顔を洗ってキッチンに行くと
◇がびくっと飛び上がった。


◇)びっくりした!//
岩)へ?
◇)あ、えっと、ご飯今運ぶから…
  待ってて//
岩)……


あれ…?
やっぱり…意識してる?


◇岩)いただきます。


◇が作ってくれた和食は

白米と味噌汁があるだけで
感動できる俺にとっては
十分すぎる朝飯だった。


岩)すげぇ美味い。
◇)……ありがと//
岩)……


なんか…目を合わせようとしないな…


岩)朝からめっちゃ健康になれそう。
◇)…そ…っか//
岩)……
◇)……
岩)なんで俺の顔見ないの?
◇)え…っ
岩)……
◇)見てる…もん…//


…って言って
また目を逸らした。


岩)じーーーーっ
◇)///
岩)じーーーーっ
◇)み、見ないでよ!!//
岩)なんで。
◇)恥ずか…っ、なんでもない!//


そう言ってプイッと横を向いた。

「恥ずかしい」って…言いかけたよな。


一緒に寝ただけで何もしてないのに
まるで初Hした後のようなこの反応。

可愛すぎる…///

いや、今時…初Hした後でも
こんな可愛い奴いないよな??


岩)何照れてんのー?
◇)は、はぁ!?///
岩)かわいw
◇)て、て、照れてなんかないし!//
岩)ふーーん?ww
◇)ニヤニヤすんな!//
岩)そんな可愛い反応されたら
  ニヤけるわw
◇)か、か、可愛いって…///
岩)あ、また照れたw
◇)照れてない!!///
岩)はいはいw


あああ〜〜〜
マジで可愛い///


いつもは俺のことなんか
全然意識してくれなくて

口も悪くて

なのに何このいきなりの女の子モード。


やっと…
俺のこと…男として見てくれたのかな。

一緒に寝る作戦、大成功か?


朝飯を食べ終えて
マネージャーが迎えに来るまで
まだ少し時間があるから

俺はソファーに座って◇を呼んだ。


◇)……なに//
岩)いいからこーこ。


隣をポンポン叩くと
少し戸惑った様子で
小さくちょこんと座った。


「泊めてくれてありがとう」とか
「ご飯ありがとう」とか

そんな言葉よりも先に出てきたのは…


岩)もっかい…ぎゅってしていい?


自分でも意外で驚いた。


◇)えっ!!!!
  え、え、え…何、それ…っ///


驚いたのに
◇が相変わらず可愛い反応を見せるから
たまらなくなって

返事も待たずに抱きしめた。


岩)……
◇)…っ///


小さな身体をぎゅっと抱きしめて
◇の好きな「なでなで」を繰り返す。


なんか…すげぇ…
愛しくなってくる……


そっと離すと
◇はうつむいたまま顔を上げない。


岩)…顔…、真っ赤w
◇)…っ///


頭を撫でながら
最初に言うはずだったお礼を伝える。


岩)泊めてくれて…ありがとね?
◇)……//
岩)ご飯も…ありがとう。
  全部美味しかった。
◇)……//
岩)ありがと。
◇)……
岩)……
◇)…お礼の……なでなで?//
岩)え…?


やっと顔を上げたかと思えば
うるうるした大きな瞳で俺を見つめる。

か、可愛い…///


別に…お礼だけじゃないし…
てゆーか別の意味の方が大きいけど…


岩)うん…


俺が頷くと
ホッとしたような嬉しそうな顔で
素直に頭を差し出した。


◇)なでなで…嬉しい♡♡
岩)!!!


か、可愛すぎる!!!///


ぎゅっっっ


◇)ひゃっ///


俺が思わず抱きしめると
腕の中で小さな声を上げた。

こみ上げる愛しさを
「なでなで」に存分に込めながら
小さな頭に触れる。


岩)……どうしよう…

◇)…な…に?//

岩)離したく…ない…

◇)…っ

岩)……やべーな//

◇)////


甘い甘い幸せな時間は
到着を知らせるマネージャーの着信音で
終わりを告げた。


岩)じゃあ…行くわ。


靴を履いて
名残惜しさを堪えてそう告げると
◇は俺の顔を見ずに小さく頷いた。


岩)ん……


ほっぺを撫でると
ぴくんと動いて
やっと俺を見上げた。


岩)また…連絡する。
◇)…っ
岩)また…来るから。
◇)え…
岩)泊まりに。
◇)…っ


ご飯を食べにじゃなくて…
「泊まりに」を強調すると

◇はまた俺から目を逸らした。


俺は…
ほっぺを撫でてた手を後頭部に回して
ぐいっと引き寄せる。


◇)…っ///


キスできるスレスレまで顔を近付けて
目を見つめて

◇が真っ赤になったのを確認して
ほっぺにキスをした。


チュッ…


◇)!!!


ほっぺをおさえてパクパクしてる。


岩)じゃあね♡
◇)////


バタン。


さて。
いい加減俺の下心に気付いたお姫様は
次はどんな反応を見せるかな。

その前に…
あまりの可愛さに理性を失わないように
俺も気をつけなきゃいけないんだけどね。



ーendー

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