M)ええと…皆さん…
札幌、神戸、福岡、名古屋…
まぁいたるところで
遊んでらっしゃいます。
♡)…っ
M)大体はクラブやら何やらを貸し切って
女の子集めてわいわい。
先)わいわい?
M)両脇に女はべらしてベタベタ触って
酔っ払ってノリノリだったそうです。
♡)……
先)そうかぁ…
お酒入っちゃってんだもんねぇ…
M)で、そのままお持ち帰り。
先)えっ!!
M)キャバ嬢とか…
まぁその場にいる女の子をお持ち帰り。
♡)……
先)お持ち帰りって…ホテルに??
M)ホテルに戻ってから
部屋に呼び出すらしいですよ。
先)ええっ!!
先)何それ、デリヘルじゃん…
M)まぁ大差ないですよね。
K)……
M)で、まぁ遊び方は人によって
多少違うでしょうけど…
登坂さんの場合は部屋に入ってきたら
即行で意思確認するそうです。
♡)意思…確認??
M)「ヤるしょ?」って。
先)ひぇぇっっっ
先)それ断ったらどうなるんだろ…
先)チェンジじゃない?w
先)まぁでも部屋にまで行ってるなら
女もその気だよね。
M)で、用が済んだら
全く連絡取れなくなるらしいです。
K)えっ…、わかりやす。
先)ヤッたら用済みってこと?
先)ひぇぇ……
M)そうみたいですねーー
メールとかも全部シカトらしいですよ。
♡)……
M)でも岩田さんとか山下さんとかは
ちゃんと返信してくれるそうです。
まめ情報。
先)なるほど、人によって違うのか。
先)でもさ、そんな下手に優しくしてるより
登坂くんの方がスパッとしてて良くない?
K)うーーん……
♡)……
どうしよう…
なんか…頭がついていかない…
M)あとは…地方以外のネタも
上がってきましたよーー
♡)……え?
M)これも聞きますか?
♡)……
K)地方以外のネタって?
M)普段のネタです。
あ、先輩と付き合う前ですけど。
K)……
♡)……
K)もういいんじゃない?聞かなくて。
♡)聞く。
K)…っ
もう…全部知りたい。
M)じゃあ全部言いますね?ええと…
♡)……
M)モデルとかアナウンサーにも
手を出してるみたいです。
♡)えっ
M)結構手当たり次第。
先)うっそ……
M)あとは一般人も。
先)え、一般人も?
M)はい。
優しかった〜とか、自分勝手だった〜とか
いろんな感想があるので
その日の気分で結構適当みたいです。
先)わぁ……
先)まぁ…遊びの相手だしねぇ…
♡)……
M)とにかく、飲み会があれば大体お持ち帰り。
彼女がいても普通に他の子にも
手を出してたみたいです。
♡)えっ…
先)彼女って…
♡ちゃんの前の彼女ってことかな?
M)うーん、多分そうじゃないですかね?
それかもっと前か。
♡)…っ
先)え、要は浮気しまくりだったってこと?
M)はい。
K)……
先)……
♡)……
彼女が…いるのに…?
M)でも最近のネタは全くないんで
先輩と付き合ってからは
本当にないと思いますよ!
♡)……
先)じゃあ登坂くんはやっぱり
生まれ変わったってことなのかな。
先)うん……
♡)……
先)まぁ昔悪さしててもねっ、
今真面目ならそれでいいじゃない。
先)そうだよね。
M)これだけ遊び人だった人が
今は真面目ってことは
それだけ先輩のことが
大好きだってことだと思いますよ。
♡)……
先)うん!それってすごいことだよね!
先)♡ちゃんのことは本気なんだよ!
♡)……
K)ダメだ…何も聞こえてない。
先)え…っ
M)先輩っ!
登坂さんは今は真面目ですってー!
♡)……
M)他の人なんて
未だに遊んでるみたいだし。
先)えっ
M)岩田って人とかNAOTOさん?
って人とか…ついでにいっぱい
ネタ出てきましたもん。
先)最近の?
M)昔も最近も。
先)あらら…
M)結構ひどいのがわんさか。
メンバー内で同じ女使いまわしてたり…
先)は?!!
K)何それ……
M)唯一出てこなかったのは
直己って人だけです。
まぁそのへんは詳しく調べてないから
わかんないですけど。
先)真面目な人…一人くらいいてほしいねw
先)確かにw
先)でもあんな仕事じゃ無理なのかなー
M)ですよねーー
ケーキにたかる蟻のように
女が群がってきますもん。
先)うわーーやだなーーー
♡)……
もう…
Mちゃんが…何を言ってるのか…
全然…わからない……
先)でもそんな状況でも
♡ちゃんに一途な登坂くんは偉いよ!
M)そうですよ!!
♡)……
K)てゆーかあんたはどうやって
そんなにネタ集めたわけ??
M)私…ミーハーなんで知り合い多いですし
実はうち、ホステス家系なんです。
先)えっ!!
M)お姉ちゃんも妹もホステスやってるんで
こんな情報すぐ集まりますよ。
K)マジか…
先)♡ちゃん…
♡)……
先)元気出して〜〜
先)そうだよ!昔の話だよ!
付き合う前のことなんて
気にすることないよ!!
M)そうですよ〜〜〜
♡)……
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「そんな付き合う前のこと
どうこう言われたって
どうしようもなくね?」
「今更どうにも出来ない過去のことを
最低とか言われてもねぇ!」
臣)……
俺もそう思うけど
でも
♡に言われた「最低」って言葉は
すごく胸に刺さってて…
「ファンの子たちが…
一生懸命お金ためて休み取って
地方に遠征して…
三代目を観に行ってる夜に
みんなは好きでもない女の人と
そういうことしてるの?」
「ファンの前で
愛とか夢を伝えてる日に
見えないところではそんなことしてるの?」
臣)…っ
俺のこと…軽蔑したかな…
そんな目…してたもんな…
「ちゃんと話せば
わかってくれるんじゃない?」
臣)……
ちゃんと話そう。
今好きなのは♡で、
今は何も悪いこともしてないし
遊んでもいないって。
「じゃあちゃんと仲直りできるでしょ。」
「修復可能で良かったw」
臣)……
昨日の♡の表情と
あの涙を思い出すたびに
心臓が止まりそうになる。
早く…元に戻りたい。
時間は23時。
♡は全然帰ってこない。
今日も…
昼間は出かけたんだろうか…
昼間から出かけてて
こんな時間まで帰ってこないかな?
まさか…
家出とか…
嫌な予感がした瞬間、
玄関のドアが開く音がして
一気に安堵が胸に広がった。
ああ…良かった……
ガチャッ
臣)おかえり。
♡)……
臣)……
♡)……
♡は何も言わず
力なくソファーに座った。
♡)……
臣)……
俺も…隣に座る。
臣)あの…さ…
♡)……
♡が俺を避けるように立ち上がったから
俺も立ち上がった。
臣)……
♡)……
臣)あのさ、昨日の…
♡)現地妻…何人いるの?
臣)…っ
♡)そんなに何人も必要なの?
臣)……
俺と目を合わさずに
♡が静かに言った。
♡)彼女いても浮気してたの?
臣)……え?
♡)地方だけじゃなくて、普段から…
臣)……
いきなり…なんだ??
♡)モデルさんとか…
誰でも良かったの?
臣)…っ
♡)彼女いてもそういうことするの?
臣)してない!!
♡)…っ
臣)お前と付き合ってからは
一切してないって!!
♡)……
臣)……
♡)私と付き合う前は?
臣)…っ
♡)彼女がいても平気で浮気してたの?
臣)……
なんでそんなこと聞かれるのか
わかんないけど…
もう…全部知ってるんだなと思った。
♡)どうして…?
臣)……
♡)……
臣)そんな…過去の話、
今、関係ある?
♡)…っ
臣)俺が過去に誰と付き合ってて
その時どうしてたかとか
今の俺とお前には関係ないじゃん。
♡)……
今は…
こんなにお前が好きで
お前のこと大事にしてんのに…
臣)昔浮気してたら何なの?
♡)…っ
臣)今はしてない。
♡)……
臣)死んでもしてない。
♡)……
臣)信じられない?
♡)…そうじゃ…なくて…
臣)じゃあ何?
♡)…っ
ああ…違う。
こんな言い方がしたいわけじゃないのに…
♡)確かに…私には関係ないけど…
臣)……
♡)前付き合ってた彼女のこと…
好きじゃなかったの?
臣)……
♡)……
臣)好きだったよ?
♡)…じゃあどうして浮気するの?
臣)……
どうしてって…
臣)それ聞いてどうすんの?
♡)…っ
上手い答えなんて出てこなくて
イライラする。
臣)前の彼女とお前は
全然違うんだよ。
♡)……
臣)なのに…
前の彼女と付き合ってる時に
浮気してたって言ったら
今も浮気してると思うわけ?
♡)そうじゃ…ないよ…
臣)俺のこと疑ってんの?
♡)そうじゃないよっ!!!
臣)…っ
♡が大きな声を出した。
♡)疑ってなんかない!!!
臣)…っ
♡)臣くんが…っ
臣)……
♡の瞳が
涙でいっぱいになっていく…
♡)臣くんがっ、私のこと
好きって思ってくれてる気持ちも…
臣)……
♡)大事にしてくれてるのも…
全部…っ、わかってる…もん…っ
臣)……
じゃあなんで…
♡)でも…臣くんがそんなにいっぱい
女遊びしてたなんて
知らなかったから…っ
臣)…っ
♡)気持ちが…追いつかないのっ
臣)……
ぽたぽたっ…
大きな瞳から
涙が次々にこぼれる。
なんで…
なんで♡を傷つけたわけじゃないのに
♡は泣くんだろう…
臣)…っ
怒られるより、泣かれる方が辛い……
♡)臣くんは…相手がどうとかじゃなく
浮気とかしない人だって
勝手に思ってたから…
臣)……
♡)平気でそういうこと
してたんだって思ったら…
すごく…悲しい…っ
臣)……
なんでそれでお前が悲しいんだよ…
なんでお前が泣くんだよっ
臣)……
♡)…っ
ぽたぽたと…こぼれ落ちる涙。
臣)……
♡)一つ…教えて…
臣)…っ
♡がやっと顔を上げて、俺を見た。
♡)あの時…
臣)……
♡)私に…嘘ついたの?
臣)……
あの時…?
臣)お前に嘘なんか…
♡)付き合う前に…私が…
臣くんは遊んでるの?って聞いた時…
臣)…っ
♡)好きでもない人に
チューとかしたりするの?って
聞いた時…
臣)……
思い出した。
初めて…、♡についた嘘。
♡)「しない」って言ったの…
嘘だったの…?
臣)…っ
ああ…また…
涙が♡の頬を伝っていく…
もう何も言えない。
臣)……
♡)……
臣)…ごめん…。
♡)…っ
そうだ。
昔のことだとか…過去の話だとか言っても
俺はあの時、♡に嘘をついたんだ。
臣)ごめん……
♡)……
臣)……
♡)嘘…つき…っ
臣)…っ
泣きながらそう言われて
自己嫌悪の闇に堕ちていく。
抜け出せないような、深い深い闇に…
♡)気持ち…悪い…
臣)え…っ
♡)好きでもない人と…
平気でそういうことするの…
私には理解できない。
臣)……
♡)気持ち悪い……
臣)……
昨日よりも深い、軽蔑の色。
それから♡は
口を閉ざしたまま涙をこぼし続けた。
臣)♡……
♡)……
臣)♡……
♡)……
俺の声なんて届いてない。
臣)♡……
震える肩にそっと触れようとした瞬間
昨日よりももっと強い力で
その手をはねのけられた。
♡)触ん…ないで…っ
臣)…っ
♡)今は…臣くんの顔…見たくない。
臣)…っ
バタバタバタ…ッ、ガチャン!!
……
…
臣)……
♡はまた
自分の部屋に閉じこもって…
俺はどうしていいのかわからずに
ただ呆然と立ち尽くすだけだった。
ーendー
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