2015年 後編

頭が… 　 ふわふわ… 　 ううん、違う。 　 少し…ズキズキ… 　 　 ♧）うう……、 　 　 なんだか少し、気持ち悪い。 　 グラグラして…ムカムカして… 　 　 ♧）ん……。 　 　 ゆっくり目...

♧）隆二くん…… 隆）ん…？ ♧）遊んだりしちゃ、もうダメ…… 隆）うん、わかってるよ？ 　 　 ♧が甘い声で、俺にすり寄ってくる…。 　 　 ♧）約束…してね…？ 隆）うん。 ♧）隆二くんのことが好...

隆）ただいまーーー 　 　 隆二くんの声が聞こえて、 玄関まで飛んでいった。 　 　 ♧）おかえりなさいっ♡ 　 　 お酒の袋を持った隆二くんと 大きな箱を抱えた健ちゃん。 　 　 む）おお、すごいな...

新生活四日目。 　 　 ドキドキドキ… 　 ドキドキドキ… 　 　 ♧）//// 　 　 実は… 悩んでることがあります…。 　 　 朝。 　 私が目を覚ますと… 　 私はいつも、隆二くんの腕の中で…...

「私たちって付き合ってないよね？」 　 　 突然ぶっこまれた言葉。 　 　 隆）ごほっ、ごほごほっっ… ♧）大丈夫？！！ 　 　 むせる俺に、 ♧は慌てたように水を渡してくれた。 　 　 隆）ご、ごめ...

新生活三日目。 　 　 今日も隆二くんは 朝からモリモリ元気に食べてくれて。 　 　 ♧）お仕事頑張ってね♡ 隆）うん♡ 　 　 玄関で見送ると 靴を履き終えた隆二くんが くるっと振り返って、また両手...

お夜食もぺろっと食べてくれて お風呂に入ってる隆二くん。 　 　 私はその間、筋トレとストレッチ！！ 　 　 今日一緒にトレーニングしてる時に ♡ちゃんの腹筋が割れててびっくりして。 　 どれくらいや...

新生活二日目。 　 　 目が覚めると、ベッドにもう♧はいなくて。 　 その代わりに ほんのり鼻をかすめる、ダシのいい匂い。 　 　 隆）…… 　 　 ぐーきゅるるー 　 素直な腹が、音を立てた。 　 ...

少ない♧の荷物は あっという間に片付け終わった。 　 　 ♧は大分顔色も良くなったし 笑ってくれるようになったけど… 　 さっきアパートに帰った時は やっぱり少し怯えてて 　 男の部屋の前を通る時は ...

とくん… 　 とくん… 　 　 身体全体で感じる、人肌のぬくもり。 　 　 優しく包みこまれてるみたいで 心の底からほっとする。安心する。 　 　 こんな風に私を抱きしめてくれるのは…… 　 　 　 ...

む）どうしてもっと早く言わなかったの！ 　　ばかっっ！！ ♧）…っ 　 　 むーこは泣きながら私を抱きしめた。 　 　 む）ばか…っ！ 　　…ほんとに…ばか…っ…… ♧）…っ 　 　 むーこのあったか...

途中で健ちゃんの家に寄って、 いろいろ準備をして。 　 　 アパートに辿り着くと ♧から鍵を受け取って、部屋のドアを開けた。 　 　 健ちゃんが持ってきてくれた検知器は ボタンを押すとオレンジ色に光っ...

ゆっくりと目を覚ました♧の瞳から またこぼれ落ちた一筋の涙。 　 　 隆）…っ 　 　 こめかみに伝ったその涙を 俺が慌てて拭うと、 　 ぼーっと天井を向いていた視線が ゆっくりと俺を捉えた。 　 　...

隆二くん…… 　 　 「♧…っ」 　 　 隆二くん…… 　 　 「♧…っ」 　 　 何度も私の名前を呼んでるのは… 私の大好きな声…。 　 そう…隆二くんの…… 　 　 「大丈夫…？！」 　 　 私を...

「まぁ元気やって言うてんねやったら 　少し様子見てもええと思うけど…」 　 「一週間ぐらい経っても同じ感じなら 　会いに行ってみれば？」 　 　 みんなにそう言われて。 　 　 別に連絡が全く取れない...

「おーい…、寝ちゃったの…？」 　 　 遠くで…声がする。 　 　 「…可愛いなぁ…もう……」 　 　 あたしを甘やかしてくれる、優しい声。 　 　 うとうと夢見心地の中で あたしの身体は、ふわふわと...

それからあたし達は お互いのことをたくさん話した。 　 　 優助は3人兄弟の末っ子らしくて なんとびっくり、 東大出身であたしの後輩だった。 　 　 今は大手電気機器メーカーの 開発プロジェクトで働い...