（95）らいおんハート

お寿司屋さんを出て
二人でタクシーに乗って帰ってきた。
　
　
♡）わぁ！久しぶりの臣くんの家〜！
臣）ずっとお前んちだったもんなw
♡）うん！付き合った日以来だー！
臣）ああ、そっか。
♡）うん。
臣）……
♡）……
臣）先…シャワー入る？
♡）えっ？
臣）風呂がいい？
　　お前いっつも溜めてんでしょ？
♡）え、あ、シャワーでいいよ！
臣）風呂溜めてもいいけど。
♡）……あ！！
臣）なに。
♡）臣くんちのお風呂、うちより広いから
　　やっぱり入りたい！♡
臣）はいはいw
　　じゃあ洗ってくるわ。
♡）あ、私やるよ！
臣）いいってw 座ってな。
♡）あり…がとう…///
臣）ん。
　
　
臣くんは私の頭をポンポンして
バスルームに向かった。
　
　
なんか…
いっぱいいっぱい優しいな…///
前から優しいけど…
　
　
ドキドキ…
　
　
臣くんの家…
付き合った日以来…
　
ここで…
いっぱいぎゅってして…
いっぱい泣いて…
　
なんか…
いっぱい思い出しちゃうな…
　
　
臣）ただいま。
　　…って、え？？
♡）えっ
臣）あ、びっくりした。
　　泣いてんのかと思った。
♡）泣いてないよ！
臣）なんで目うるうるしてんの？
♡）して…ないもん///
臣）？？
♡）臣く…ん…
臣）ん？？
　
　
ぎゅっっ
　
　
臣）な、なに///
♡）んーーー///
　
　
臣くん、好きっ！！
　
　
ぎゅって抱きついた私を
　
臣くんは何も言わずに受け止めてくれて、
背中をとんとんってしてくれる。
　
　
ほんとに…
大好き……。
　
　
♡）……っ
　
　
そっと離れて
臣くんの顔を見上げると
優しくにこって笑ってくれた。
　
　
♡）……///
　
　
ドキン…ドキン…
　
　
チュー…、してほしいな…///
　
　
私がずっと見つめてると
優しく笑ったままの臣くんに
ほっぺをなでなでされた。
　
　
チューしたい…///
　
　
静かに目を瞑って…
　
臣くんの腕を…ぎゅっと掴む…。
　
　
…あっ……
　
ほっぺを撫でてた手が…
ゆっくりうなじにまわって…
　
　
チュッ…
　
　
♡）……っ////
　
　
臣くんはいっつもチューする時…
顔とか首に優しく触れてくれる。
　
　
それが…
なんだか包まれてるみたいで
安心出来て、キュンってして、好き…///
　
　
もう一回…
　
目を閉じてみる…。
　
　
ドキン…、ドキン…、
　
　
自分の心臓の音が聞こえる。
　
　
あっ…、、
　
　
また…
臣くんの唇が優しく触れて…
　
　
♡）…ん……っ…//
　
　
少しずつ…
深く…なってく…
　
　
♡）ん…、……っ、お…みくん///
　
　
名前を呼ぶと、そっと離れた唇。
　
　
♡）は…ぁ…、///
臣）…もっと…？
♡）えっ…？
　
　
もっと…、って…
もっとしてほしい？って…意味…かな？
　
　
♡）////
　
　
わ、わ…
臣くんの目が…
なんか……っ
　
　
　
ピピピピッ！ピピピピッ！
　
　
♡）わっ///
臣）あ、風呂だ。止めてくる。
♡）う、うん…///
　
　
びっくりした…
　
　
どうしよう…
またすごくドキドキしてる…///
　
　
だって、臣くんの目が
なんかすごく色っぽくて…
　
　
うわーんっ！！///
　
　
臣）入浴剤、好きなん入れていいよ。
♡）あり…がと//
臣）ん。入ってきな。
♡）はい…///
　
　
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
　
　
少し赤い顔をしたまま風呂に向かう
♡の背中を見送って。
　
　
臣）はぁ……///
　
　
なんか…
もうダメかも…。
　
　
マジで…可愛い…。
　
なんだよさっきの…///
　
　
あんな…
チューして欲しそうな顔されて
可愛く目ぇ瞑られたら…
たまんねぇわ。
　
　
臣）はぁ……///
　
　
しばらくソファーにぼーっと座ってると
　
　
ピロピロ♪ピロピロ♪
　
　
LINEの音が鳴った。
　
　
臣）ん？？俺か？？
　
　
テーブルの上を見ると
俺じゃなくて♡の携帯だった。
　
　
臣）おんなじ音だもんな…。
　
　
一瞬画面の上に表示された文字が目に入って
俺は二度見した。
　
　
臣）え？！！
　
　
『臣くんとＨしちゃダメ！！』
　
　
臣）はい！！？？
　
　
見ちゃダメだと思いながら
びっくりしすぎて
そのまま見てしまう。
　
　
ピロピロ♪
　
『男の人はＨすると飽きちゃうんだって！』
　
　
ピロピロ♪
　
『だから臣くんとしちゃダメだよー！』
　
　
臣）ト〜リ〜ちゃ〜ん〜〜！！
　
　
なんちゅーことを
送ってくんだよ！！ww
　
　
困ったな…
あいつ…これ…見るよな？
　
俺が今日の収録でこんなこと言ってたとか
勘違いしねぇかな？
　
　
トリちゃん！！
それはせめて徳井さんが言ってたって
言ってくれーー！！
　
　
ピロピロ♪
　
『徳井さんが言ってたんだけどね』
　
　
お！！よし！！頼む！！！
　
　
『臣くんも否定してなかったから
　怪しいよ！！』
　
　
おーーいーー！！！！
　
ばかやろーー！！！！
　
　
ピロピロ♪
　
『だから…うーん…
　半年くらいは引っ張っちゃえ！！』
　
　
どえええ！！
　
なんちゅーことを！！
そんなん、俺さすがに死ぬわ！！！
　
　
　
ガチャッ
　
　
臣）わぁっ！！！
♡）お風呂、ありがとーー♡
臣）う、うん。
♡）？？？
　　すっごく気持ちよかった〜♡
臣）ああ、良かった、うん。
　
　
なんかほこほこ幸せそうな顔して出てきた。
　
　
臣）じゃあ…
　　俺も…入ってくっかな…
♡）うん♡
　
　
と、言いながら
一旦キッチンで水を飲む。
　
　
♡…、LINE見るかな…
　
あ、見た！！
　
　
♡）あ！LINEしようと思ってたら
　　トリちゃんから来てるー♡♡
臣）……
♡）……
臣）……
♡）…えっ！！！
　
　
わーー
　
わーーーー
　
顔に出てるーー！！
なんかショック受けてるー！！
　
だ〜〜〜〜
トリちゃーん！！あほー！！
　
　
♡はしばらく画面を見て放心中。
　
　
臣）あの…さ…
♡）わっ！！
臣）トリちゃん、なんて？
♡）えっ…、と…
臣）……
♡）……
臣）……
♡）なんでも…ない…
　
　
嘘つけー！！！
絶対ショック受けてんだろがーー！！
　
　
臣）ええと…、、
♡）……
　
　
どうしよう…
なんてフォローすりゃいいんだ？？
　
　
俺Ｈしても飽きねぇから！！
とか…？
　
そんなん俺がLINE見ちゃったって
バレるし…
　
いや、むしろなんかそんなん
ヤリたいんですって言ってるような感じで
すげーやだし…
　
いや、したいんだけどさ、
　
そうじゃなくて…
　
　
♡）臣…くん…
　　お風呂入ってきたら？
臣）……うん…。
　
　
結局上手いフォローもできずに
風呂に入って。
　
　
あ、あいつラベンダーにしたんだ。
なんかイイ匂い。
　
　
臣）はぁ…、、
　
　
どうしよ。
　
もう言うか、素直に。
　
モヤモヤしててもしゃーねーし。
誤解されんのもやだし。
　
　
よし！！！
　
　
そう決めて風呂から上がると、
リビングから話し声が聞こえてきた。
　
　
♡）そうだったんだぁ…
　　うん…、うん…
　
　
電話…してる？？
　
　
♡）男の人はみんな
　　そうなのかなぁ…？
　
　
あ…トリちゃん…かな…
　
　
♡）飽きるって…
　　何に飽きるんだろ？？
　　Ｈに飽きるの？私に飽きるの？？
　
　
飽きねぇから！！
だぁぁ〜〜〜！！
　
　
♡）でも…
　　そんなこと言ったら
　　世の男の人は
　　みんな彼女に飽きてるってこと？
　
　
お！いいとこに気付いた！
　
そうだ！
全員がそうじゃねぇぞ！！
　
　
♡）うん…うん…
　
　
トリちゃん、頼むから
これ以上余計なこと言うなよ？
　
　
♡）でも…私ね、
　　臣くん…そんな人じゃないと思う。
　
　
えっ…
　
　
♡）なんていうか…
　　恋愛で…そんな…
　　「飽きる」とか「飽きない」とか
　　そんな考え方…
　　する人じゃない思う…。
　
　
……。
　
　
♡）それに…そーゆーこと
　　よくわかんないんだけどね、
　　もし臣くんが私に飽きちゃったりしたら
　　私、また好きになってもらえるように
　　絶対絶対頑張るもんっ！！
　
　
……。
　
　
なんか…
　
　
やっぱり…♡だなって思った。
ちゃんと…してるよな、ほんと…
　
　
♡）え、違うよっ！！
　　別に今すぐＨしたいとかじゃなくて！！
　　違うっ！！///
　
　
……。
　
　
♡）でも…えっと…
　　いつかは…するでしょ？//
　　…うん。
　
　
いつか…って…
いつだ？w
　
　
♡）あの…普通は半年くらいしてから
　　するものなの…？//
　　私…よくわかんなくて…
　
　
どえええ！！
何を聞いてんだよ！！
半年とか！全然普通じゃねぇし！！
無理！無理！！！
　
　
♡）そっか…人それぞれ…
　　そうだよね…//
　
　
そう！
人それぞれ！！
　
　
♡）えっ！！私？！！
　　わ、わかんないっ…//
　　まだ…全然そんなんじゃ…//
　　まだＨなんて無理ーー！！
　
　
ガーン……
　
無理って…なにゆえ……
　
　
♡）うん…うん…
　　え！！臣くん？？
　　…うん……
　　でも…臣くんは…
　　そんなこと無理矢理したり
　　するような人じゃないもん。
　
　
え、え、何の話っすか？？
俺、なんか…信用されちゃってる…？
　
　
♡）うん、大好きなの♡♡
　
　
……///
　
　
♡）うん！ありがとう！！
　　うん、そうだね！！
　　またご飯行こうね♡♡
　　うんっ！！！
　　じゃあ…またね♡♡
　
　
あ…電話終わった…。
　
　
うーーーん…
　
　
　
ガチャッ…
　
　
♡）きゃあっっ
臣）…ただいまーーー
♡）おかえり…なさいっ
臣）…電話…？
♡）あ、うん！！
　　ト、トリちゃんと！！
臣）そっか。
♡）うん。
　
　
俺はソファーに座って
水を一気に飲み干した。

風呂上がりだから美味い。
　
　
臣）はぁ〜〜〜〜
♡）あ、お風呂ね、ラベンダーにしたよ♡
臣）うんw
♡）癒されたぁ〜〜ありがとう♡
臣）いえいえ。
♡）えへへ♡
臣）……
♡）……
　
　
よし、言うか。
　
　
臣）あの…さ、
♡）ん？
臣）ごめん、さっきLINE見た。
♡）え？
臣）トリちゃんからの。
♡）……えええ！！
臣）見たっつーか、見えた。
　　ごめん。
♡）あ…っ、そっか……
　　わ、わ、えっと…//
臣）……
♡）……
臣）……ん。
　
　
ぽんぽん。
　
　
♡）…え？？
臣）ん。
♡）え…っ
　
　
俺が膝の上を叩いても
きょとんとしてるから
　
　
♡）えっ、わっっ…///
　
　
俺は♡を抱き上げて
膝の上に座らせた。
　
　
♡）え、な、なに…っ//
臣）……なんか…心配とか不安、ある？
♡）えっ…
臣）……
♡）…ない…よ…？
臣）ほんと？
♡）うん…
臣）なら…良かった。
　
　
♡も…
さっきああ言ってくれてたし
わざわざ弁解しなくても
わかってくれてんだよな、きっと。
　
　
♡）えっと…あの…
臣）んー？
♡）ドキドキ…してることは…ある//
臣）はい？？
♡）……//
臣）なに？
♡）…あの…ね…//
　　えっと…
　　臣くんは……、あの…//
臣）なんだよw
♡）え、え、Ｈしたいの？！///
臣）ぶっ、…急になんだよ！！w
♡）…だって…///
　
　
これは…
なんて答えりゃいいんだ？
　
　
♡）我慢…とか…してるの？///
　
　
なんか…
言われたのかな。
　
　
臣）別にしてないよ？
♡）ほんと？
　
　
あ、あからさまにほっとした顔。
　
　
♡）良かった…///
臣）……
♡）「そのうち」だもんね！
臣）え？
♡）臣くんが…言ってたから//
臣）……
　
　
あ、思い出した。
　
　
「いや、ごめん、しなくても襲う。
　そのうち。」
　
　
確かに…言ったけど…。
　
　
こいつは
「そのうち」を
どう解釈してんだ？？
　
　
♡）えへへ…♡
　
　
安心した顔して
俺に抱きついてきた。
　
　
♡）ぎゅー♡
　
　
こいつ…さっき…
「Ｈなんて無理」とか言ってたよな。
　
　
臣）「そのうち」って…そのうちだぞ？
♡）え？？
臣）半年後じゃねぇからな？
♡）！！！
　
　
♡はハッとして、俺の顔を見た。
　
　
♡）え…っ……、、
　　…い…つ…？///
臣）……
　
　
俺が黙ってると
♡が俺の膝から降りようとするから
慌ててそれを止めた。
　
　
ぐいっ
　
　
臣）なんで降りんの？
♡）え…っ、えっと…//
　　重い…かなって…
臣）別に重くないけど。
♡）で、でも降りる…！
　
　
さっきまで無邪気に抱きついてたくせに。
逃がすかよ。
　
　
♡）わっ…///
　
　
ソファーにドサッと押し倒すと
♡の目がうろたえたように泳いでる。
　
　
♡）臣…くん…？///
臣）俺は別にいつでもいいんだけど…
♡）え…っ…
臣）お前は…違うんだろ？
♡）え、え、あの…、えっと…///
臣）……
　
　
何してんだろ、俺…。
怖がらせたいわけじゃねぇのに。
　
　
臣）お前が…無理じゃなくなった時。
♡）え？？？
臣）「そのうち」
♡）あ…っ
　
　
俺は体勢を戻して
♡を抱き起こした。
　
　
つーか…
　
「無理」って何が無理なんだろ…
　
よくよく考えると
「無理」とか凹むんですけど…
　
　
♡）あの…えっと…
　　あのねっ！！//
　
　
♡が俺の腕を掴んできた。
　
　
♡）えっと…無理っていうか…
　　今はキスしただけで
　　ドキドキして死んじゃいそうだから…
臣）……
♡）もう少し…待って下さい///
臣）……
　
　
「無理」って…
そういう意味か…
　
　
♡）ダ…メ…？///
臣）……///
　
　
むにっ
　
　
♡）えっ！！
臣）お前は…
♡）…っ
臣）ほんとずりぃよな〜〜〜///
♡）え、え、え？///
　
　
ぎゅっっ
　
　
♡）……っ///
　
　
ほんとは…
我慢してるけど…
　
　
臣）いいよ。
　
　
我慢できるとこまで
してやるよ。
　
　
♡）……ありがと…//
臣）……
♡）えへへ…///
　　臣くん好きー♡♡
臣）……///
♡）ぎゅーー♡♡
　
　
我慢するから…
　
その無邪気な攻撃は
ほどほどにしてくれよ、マジで。
　

　
臣）よっし、じゃあなんか観るー？聴くー？

気分転換に、立ち上がった。

♡）え？？
臣）もう寝る？
♡）23時半かぁ…、遊ぶー！！
臣）ふはっw
♡）何がいいかな…
　　じゃあ臣くんオススメの音楽
　　なんか聴きたいー♡
臣）邦楽？洋楽？
♡）洋楽はわかんない…
臣）何が？
♡）歌詞が…
臣）わかんないとダメ？w
♡）うーん…
　　私、歌詞っていうか
　　言葉の方が心に刺さるから…
臣）じゃあ自分の好きな言葉
　　乗せてみたら？
♡）え？？
臣）言葉の意味わかんなくてもさ、
　　すげぇいいメロディ
　　いっぱいあるよ、洋楽。
　　聴かないのもったいないじゃん。
♡）ほわぁ…
臣）英語わかんないなら
　　自分の好きな言葉勝手にはめて
　　聴けばいいよ。
♡）なる…ほど…
　　考えたこともなかった…！
臣）このへんとかすげぇカッコイイよ。
　　邦楽だと誰好き？
♡）三代目。
臣）おいw
♡）ほんとに！w
臣）それ以外は？
♡）EXILE。
臣）おいw
♡）あ、Flower！！
臣）あのなぁ…w
　　LDH以外で！！
♡）てゆーか松尾さんと小竹さん！
臣）あ、そっか！言ってたもんな。
♡）うん！！
　　あとは…絢香と〜〜
　　ミスチルとかコブクロとか
　　B’zとかなんでも好きかも！
臣）幅広すぎるわ！！w
♡）えーー！！
臣）でも松尾さん好きなら
　　このへんのメロディ好きだと思う。
　　かける？
♡）うんっっ♡♡
　
　
俺が選んだ音楽が流れると、
♡は嬉しそうにゆらゆら揺れて。
　
　
♡）あっ、ここのメロディ好き！！
臣）うん。かっけーしょ？
♡）うんっ！！♡
　　わぁ…なんか切ないなぁ…♡
　
　
よしよし、♡の好みがわかってきたぞ。
　
　
♡）臣くん、知ってるなら歌ってよー♡
臣）は？？
♡）歌ってー♡
臣）いや、英語だしw
♡）歌ってー♡
臣）いや、だから…
♡）歌ってー♡
臣）〜〜///
　
　
俺に拒否権はないのかい。
　
　
臣）んーー…
　　これなら歌える。
♡）わっ♡歌って歌ってー♡
臣）ん。
　
　
♡が好きそうな切ない系で
俺でもわかるやつを軽く歌ってやると
♡は大喜びで。
　
　
♡）臣くんが…！英語歌った！
　　カッコイイ♡♡
臣）そりゃどーもw
♡）わぁわぁわぁっ♡♡
　
　
なんか照れるなオイ。
　
　
臣）そろそろ寝るかー？
♡）え！じゃあベッドで歌ってくれるの？♡
臣）なんでそーなるw
♡）わーい！寝るー♡
　
　
…って、聞いてねーしw
　
　
♡）私こっちーー♡
臣）はいはい、決まってんのねw
♡）なんかもう慣れちゃった♡
臣）電気落とすぞーー
♡）はーい…
臣）……
♡）……
臣）……
♡）まだ…？♡
臣）え？？
♡）わくわく♡♡
臣）何が！w
♡）歌ってくれるの待ってます♡♡
臣）ぶはっww
♡）わくわく♡♡
　
　
なんだよその子犬みたいな目はw
　
ほんとにもう…
　
　
臣）何がいんだよ。
♡）なんでもいいよー♡
臣）それ禁止。
♡）えっ！！ガーン！！
臣）ないなら寝る。
♡）え、やだ！待って！！
　　えっとね、えっとね、
　
　
必死かよ…ww
　
　
♡）らいおんハート♡
臣）…なんでw
♡）思い出の曲だから♡
臣）この曲…、なんか思い出あんの？
♡）え？何言ってるのー！！
　　臣くんが歌ってたでしょ！！
臣）え？ああ、俺？？
♡）そうだよ！もうっ！！
　
　
びっくりした。
　
なんか昔の恋愛とかの思い出が
あんのかと思った…
　
　
♡）早く♡歌ってー♡
臣）はいはいw
♡）わくわく♡
臣）……
♡）……
　
　
なんか緊張すんな…これ///
　
　
臣）もうちょっと離れて。
♡）えっ
臣）なんか…近いw
♡）えー！！
　　わかったよぅ…、…はい！
臣）ん。
　
　
♡の顔を見たらなんか照れるから
俺は天井を見上げて息を吸った。
　
　
臣）〜♪君はいつも僕の薬箱さ
　　どんな風に僕を 癒してくれる♪〜
　
　
久々に歌うな、これ…。
　
　
なんか…今歌うと…
　
歌詞が…なんかすげぇリンクする。
こいつの…歌みたい…
　
　
臣）〜♪笑うそばからほら その笑顔
　　泣いたらやっぱりね 涙するんだね♪〜
　
　
今まで…これを歌う時は…
こうしたかったのに出来なかったっていう
後悔とか…切なさとか…
そんな想いでしか歌ったことないのに…
　
　
臣）〜♪君を守るため
　　そのために生まれてきたんだ
　　あきれるほどに
　　そうさ そばにいてあげる
　　眠った横顔
　　震えるこの胸 Lion Heart♪〜
　
　
歌い終わって
しばらく天井を見てると
隣から鼻をすする音が聞こえてきた。
　
　
臣）えっ！！
♡）ぐす…っ
臣）なんで！！
♡）…う……っ…
臣）あほ！！
♡）うわーーん…っ
臣）だ〜〜〜！！
　　こっち来い！ほら…
♡）うううっ…
　
　
ぎゅっっ
　
　
臣）なんで泣いてんだよ…
♡）だって…
　　なんか切なくなったんだもん…
臣）……
♡）臣くんの声が
　　すっごくキレイで…
臣）……
♡）久々に聴いたら…
　　やっぱりこの歌、ステキだね…///
　　…ぐすっ…
　
　
♡は涙を拭いて、俺をじっと見た。
　
　
♡）私、この歌みたいになるっ！
臣）は！？？
♡）臣くんを守るー！
　　あきれるほどそばにいるー！
臣）何だよそれw
♡）臣くんが…失ったものは…
　　みんなみんな…
　　埋めてあげたい。
　
　
そう言って
♡は俺を包み込むように抱きしめた。
　
それは…
二番の歌詞だっけ…
　
　
♡）こんなにね、
　　好きって気持ち…
　　あったかい気持ち…
　　臣くんが教えてくれたから…
臣）……
♡）私は臣くんに
　　いっぱいいっぱい返したいの。
臣）……
♡）臣くんの…
　　心の隙間がもしあるとしたら
　　それも全部全部…
　　愛でいっぱいになりますように…。
　
　
そう言って
俺の頭をかかえこむように
ぎゅっと抱きしめて…
　
♡の手が、優しく俺の頭を撫でる。
　
　
とくん…
　
とくん…
　
　
なんで…
逆腕枕みたいになってんだよ…
　
　
でも…
　
♡の胸の中が…
あったかくて…心地いい…
　
　
♡）臣くんの側にいることが…
臣）……
♡）私の生まれてきた意味になるくらい
臣）……
♡）臣くんの…こと…
　　大事にする…の…
臣）…っ
♡）大好き…だ…から…
臣）……
♡）……
　
　
ふんわり包み込むような、優しい声。
　
　
臣）……
　
　
スー……スー……
　
　
臣）……えっ！！
　
　
ね、寝てる？？？
　
　
なんか俺…
今感動して…
ちょっと泣きそうだったのに…
　
寝てる？！！
　
　
臣）なんなんだよーーーー
　
　
俺は♡に抱きしめられたまま、
その胸に顔を埋めた。
　
　
とくん…
　
とくん…
　
　
やわらかくて
あったかくて…
すげぇ癒される…。
　
　
こんな風に…包まれんの…
初めてだな……。
　
　
臣）……
　
　
さっき…
歌いながら…
　
こいつの歌みたいだって…
俺の気持ちみたいだって
そう思ったのに…
　
　
逆に♡にそんな風に言われるなんて
思ってもみなかった。
　
　
俺が失ったもの…
埋まらないと思ってた心の隙間…
　
そんなのは…とっくに…
　
お前の笑顔と愛で埋まってる。
溢れてる。
　
　
俺は…
お前と出逢えて感謝してんだよ…。
　
　
ぎゅっ…
　
　
こんな小さい身体で
俺のこと守るとか…
　
　
臣）……
　
　
やわらかな胸の奥から
トクントクンと
聞こえてくる鼓動。
　
　
俺も…
絶対…
　
守ってやる。
　
　
素直に笑って
素直に泣いて
　
そんな愛しいお前のこと…
　
　
俺が絶対、守るから…。
　
　
　
　
　
ーendー