（94）初の魔界飯

朝目が覚めると
俺はベッドに一人だった。
　
　
あれ…？
　
なんであいつ…いねんだよ。
　
　
あ…、
　
なんかイイ匂いする。
　
　
飯作ってくれてんのかな…
　
なんか…いいな…
こーゆーの…
　
　
そんなこと思いながら
また目を閉じると
ドアが開いた。
　
　
♡）まだ寝てる…かぁ…
　
　
いや、起きてっけど。
　
　
♡）えへへー♡
　　寝顔可愛いなぁ…♡
　
　
え…
　
　
♡）まだ…眠いかなぁ…？
　
　
つん。
　
　
俺のほっぺたをつついてる。
　
　
♡（臣くーーん…
　　朝ご飯できたよぉ……）
　
　
なんで起こそうとしてんのに
そんなちっさい声なんだよww
　
　
♡）やっぱり起きないかぁ…
　
　
だから起きてるってw
　
　
♡）…チュー…しちゃおっかな…
　
　
えっ！！！
　
　
♡）怒られる…かな…//
　
　
怒りません！！
むしろ大歓迎ですけど！！！
　
　
♡）でも…したい//
　
　
チュッ♡♡
　
　
♡）…えへへ…///
　
　
か、可愛い…///
ヤバい…ニヤけそう…///
　
　
♡）なんか…
　　ずっと…見てたいなぁ…
　
　
え？？
　
　
ずっと見てたいって…
俺の寝顔を？？？
　
……飽きんだろ。
　
　
♡）好き……
　
　
………///
　
　
さっきから何なんだよ//
あ〜〜〜〜もう！///
　
　
♡）わ、わ、お、おはよっ//
　
　
ゆっくり目を開けた俺に驚いて、
♡が少し後ろに離れた。
　
　
臣）…おはよ。
♡）え、聞こえ…た？///
臣）何が？
♡）…ううん、何でもない///
　
　
ほんとは全部聞いてたけど。
　
　
臣）なんで先起きてんの。
　
　
♡に手を伸ばすと
俺の側まで戻ってきたから
俺はそのまま♡の頬を撫でた。
　
　
♡）あっ、あのね、ご飯作ったよ///
　　……いらない？
臣）いる。食べたい。
♡）…良かった♡♡
　
　
ニコッと笑う
その笑顔が可愛くて
　
朝からなんか…癒される…。
　
　
抱きしめたくて両手を広げると、
♡が俺の身体を抱き起こした。
　
　
♡）んん〜〜っ//
臣）何してんのw
　
　
重いだろ。
　
　
♡）えっ！！
　　起こしてって意味じゃないの？
臣）ちげーわ！！w
♡）え、え、じゃあ何？
臣）ぎゅってしたかっただけ。
♡）えっ！！
　
　
俺の言葉に、♡は少し照れたように
もじもじしながら…
　
　
♡）……はい、///
　
　
ぎゅっと可愛く、抱きついてきた。
　
　
臣）んーーよしよし。
♡）何それ！w
臣）んーー？
♡）臣くんがぎゅって
　　したかったんでしょ？///
臣）んーー
♡）なんで私が甘えんぼみたいに
　　なってるのーー///
臣）あはははw
　　いいじゃん、どっちでもw
♡）もう…//
臣）よしよし♡
　　いい子いい子w
♡）もう…ばかぁ…//
臣）ふはっw
♡）好き…っ///
　
　
ぎゅ…っ
　
　
臣）……///
　
　
また抱きついてきた。
　
ああ…可愛い…
なんだこれ…
　
ほんと朝から幸せなんだけど…。
　
　
♡）おはようのぎゅーは終わりっ///
　　ご飯食べよっ？
臣）んw
　
　
♡に手を引っ張られて
ベッドから出た。
　
　
おはようのぎゅーは
やっぱり毎回なんだろうか…w
　
　
顔を洗って戻って来ると
美味しそうな和食がテーブルに並んでた。
　
　
♡）よっし、食べよーー♡
臣）おう。
♡臣）いただきまーす。
臣）……お、美味い。
♡）ほんとっ？
臣）うん。
♡）良かった♡
臣）朝から和食とか癒されるなーー
♡）わーい♡
臣）…んっ、ごほっ、ごほっ！！
♡）え、大丈夫？？
臣）……っ
♡）何！！？？
　
　
小皿に入った煮物だけが
めちゃくちゃ不味くて…
思わず咳き込んじゃった。
　
　
臣）な、何これ…
♡）え？？？
　
　
♡は不思議そうな顔をして…
　
自分の皿の煮物を一口
口に入れた瞬間、ものすごい顔になった。
　
　
♡）ふにゃーーーっ！！
臣）ふにゃあってお前は猫か！w
♡）何これ！！
臣）うん、なんだろ。
♡）すっごく美味しくない！！！
臣）……うん。
♡）やだっ！！！
臣）これ、何だったの？
♡）…煮物…。
臣）それはわかるがw
♡）わからない。
臣）え？
♡）なんでこんな味になったのか…
臣）お前が作ったんだろ！w
♡）そうだけど…
　
　
すげぇ深刻な顔してるしw
　
　
臣）あ！！
　　そーいやお前、
　　たまに大失敗するって言ってたじゃん。
　　それ？
♡）はっ！！！
臣）……
♡）また…やっちゃった…
臣）ぶはっw
　
　
やっぱりそうなのか。
　
　
♡）ごめんなさい…
臣）いや、いいけどw
♡）……
　
　
めっちゃ落ち込んでるし！！w
　
　
臣）いや、いいって！w
　　他のはめっちゃ美味いしさ！
♡）…これはもう食べないでーっ！！
臣）あっ！
　
　
煮物が入った小皿を奪われた。
　
　
臣）いいって。食うって。返せ。
♡）やだ！美味しくないもん！
臣）いいから。
♡）だめ。
臣）食うって。
♡）だって…
臣）お前が作ったんだから食う。
♡）…っ
　
　
俺は♡から小皿を取り返して
一気に食った。
　
　
臣）……っ
♡）大変！早くお水飲んで！！
臣）…ごくん…っ
♡）大丈夫？！生きてる！？？
臣）そんな…毒じゃねぇんだからw
♡）だってーー！無事！？ねぇ！！
臣）平気。
♡）わーーん！ほんとにごめんね？！
臣）いいよw
♡）ううう…っ
　
　
涙目になってるしw
　
　
臣）これは美味いよー？
♡）え？
臣）これ。
♡）それ…焼いただけだもん…
臣）ぶっw
♡）……
臣）ほら、これも美味い！！
♡）それ…味付けしてないもん。
臣）……
　
　
フォローが役に立たず…w
　
　
臣）ほら！とにかく元気出せ！w
♡）臣くんに…
臣）…んー？
♡）美味しいご飯食べてほしかったの…。
臣）うん。ありがと。
♡）なのに…
　
　
そんなにしょんぼりしなくてもw
　
　
臣）次回に期待してっからw
♡）次回って…いつ？
臣）うーん…
　　あ！そーだ！
　　昨日言おうと思ってて忘れてた。
　　俺さ、今日も割と早く終わんの。
♡）えっ！
臣）夜一緒に飯食わねぇ？
♡）食べるーー！！
臣）うんw
♡）わーーいっ♡♡
　
　
あ…、一気に笑顔になったw
　
　
臣）ふっw
♡）何笑ってるの？？
臣）いや…w
♡）？
臣）やっぱお前は
　　笑ってんのがいいなって。
♡）え？？
臣）なんでもねw
♡）？？？
臣）夜、何食う？
♡）何食べたい？
臣）え？
♡）リベンジでしょ？
臣）ああ！作ってくれんの？
♡）え、違うの？？
臣）リベンジはいつでもいいけどw
♡）え！
臣）どっか行きたい店とかない？
♡）え！！デート？！///
　
　
♡が両手でほっぺをおさえて
目をキラキラさせてるw
　
　
臣）じゃあデートする？w
♡）わぁぁっ♡
臣）そんな嬉しい？
♡）うんっっ♡♡
臣）ははははw
♡）だって…
　　臣くんの誕生日以来のデートだもん///
臣）言われてみればそーだなー
♡）わくわく♡
臣）ははははw
　　外でのデートの方が好き？
♡）え！あ、そんなことないよ！
臣）そうなの？
♡）てゆーか臣くんと一緒にいれるなら
　　なんでも嬉しいの♡♡
臣）……///
♡）えへへー♡♡
　
　
素直にそう言われると、照れる。
　
　
♡）あ！！でも……、
臣）ん？
　
　
あ、またしゅんとした。
　
　
臣）どうした？
♡）……外でデートってことは…
　　夜は…バイバイ？
臣）え？
　　折角デートすんのになんでバイバイ？w
　　一緒にいようよ。
♡）…っ
臣）俺んちでもお前んちでもいいし。
♡）…ほんと？///
臣）うん。
♡）じゃあ臣くんのおうち行く♡
臣）俺んち？いいよー
♡）えへへ♡
　
　
あ、また笑顔になった。
　
　
臣）夜は何食いたい？
♡）あ、そっか！えっとね…
　　うーんと…、うーんと…
　　お寿司ーーっ！！
臣）ぶっww
♡）なんで笑うの？w
臣）いや…w
　
　
何食べたいか聞いて
ハッキリリクエストしてくれる奴って
あんまいないよなw
　
　
臣）じゃあ寿司なw
♡）いいの？
臣）いいよ？
♡）わーいっ♡♡
　　仕事頑張って早く終わらせるーー！！
　
　
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
　
　
今日は臣くんとお寿司デート♪♪
　
るんるんしながら会社に行くと、
ズラリと並んでる新人たち。
　
　
♡）わ！そっか！今日からだっけ！
Ｋ）そうだよーん。
♡）みんなすごい初々しいねw
　
　
そわそわしながら
周りをキョロキョロしてる。
　
　
Ｋ）あたしらも
　　こんなんだったんだよw
♡）そうだよねぇ…
Ｍ）うちのチームに来るのは
　　あの子らしいですよ。
　　ホワイドボードの前に立ってる子。
♡）あ、男の子なんだぁ！
Ｋ）なんか頼りなさそうな奴だな。
♡）えー！優しそうだよ！
　　きっと良い子だよ♡
　
　
それから全体朝会が終わって
さっきの男の子が
私たちのチームにやって来た。
　
　
女）じゃあ改めて自己紹介
　　してもらってもいいかな？
Ｐ）は、はいっ！！
　　○○大卒のＰと申します！！
　　よろしくお願いします！！
女）それだけ？w
Ｍ）趣味とか特技とか〜〜
Ｋ）合コンかってw
男）でも聞きたいw
Ｐ）えっと…えっと、あの…その…
男）人前苦手？w
Ｐ）す、す、すみませんっ///
♡）大丈夫だよーー
　　緊張しなくても♡
Ｐ）えっ…
♡）っていっても緊張しちゃうよね♡
　　私たちもそうだったよーw
Ｐ）……///
♡）あ、これね、
　　今日から使ってもらう研修資料だから…
Ｐ）わっ…///
　
　
資料を渡そうとして少し手が触れると
Ｐくんは慌てたように
私の手を払いのけた。
　
　
Ｐ）わ、わ、すいませんっ！！
♡）大丈夫だよーー
　
　
私は資料を拾って、もう一度手渡した。
　
　
♡）はい♡
Ｐ）あ、ありがとうございますっ//
♡）Ｐくん、よろしくね♡
Ｐ）は、は、はいっっ！！///
女）じゃあ、教育係はＫね。
Ｋ）え、あたしっすか！？
女）うん。課長が言ってたよ。
Ｋ）マジか。
Ｐ）……
Ｋ）よろしくな。
Ｐ）は、はいっ！！！
　
　
それから午前中はずっと
ＫちゃんがＰくんに付きっきりで
色々教えてあげてた。
　
　
Ｍ）Ｋさーーん
　　ランチ行きましょうよぉ〜〜
Ｋ）お、もうそんな時間か。
♡）お腹すいたぁー♡
Ｐ）あの…お昼って…
Ｋ）特に時間決まってないから
　　好きな時に一時間取っていいよ。
　　30分30分で分けたりしてもいいし。
　　各自自由。
Ｐ）あっ、そうなんですね！！
　　わかりました。
♡）ランチ一緒に行くー？
Ｐ）えっ！！
　　い、いいんですか？///
♡）だって初日だし…
　　お弁当とか持ってきてないでしょ？
Ｐ）はい…
♡）じゃあ一緒に行こっ♪
Ｐ）ありがとうございますっ！！
　
男）おーい！Ｐ〜！！昼飯行こうぜ〜〜
　
Ｐ）えっ！！
　
　
あ、同じ新人の男の子たちが
こっちに来た。
　
　
男）まだ行けねーの？
Ｐ）いや…、
　
　
そっか、初日は同期同士で行った方が
緊張しないよね！
　
　
♡）じゃあ折角だから
　　同期で行っておいでよー♡
Ｐ）え、あ、あのっ…
♡）私たちとはまたそのうち一緒に行こっ♡
Ｐ）あ……、はい…//
　　ありがとうございます///
　
　
それから結局、ＫちゃんとＭちゃんと
三人でランチに向かった。
　
　
♡）Ｐくんって…
　　女の人苦手なのかなぁ？
Ｋ）なんで？
♡）なんとなく…
　　すごくぎこちないし…
　　私の手も振り払われたし…
Ｋ）うーーん…、それは…w
♡）？？
Ｋ）いや、まぁ、いいわw
♡）？？
Ｍ）辞めないで続くといいですね〜〜
　　Ｋさん厳しくしすぎないで下さいね♡
Ｋ）別にしないしw
♡）あはははw
　
　
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
　
　
♡んちからそのまま仕事に向かって
事務所で打ち合わせを一件終わらせて。
　
それからテラハの収録。
　
　
Ｙ）おーーー臣じゃーん！！
臣）おはようございます。
徳）なんか久々な感じすんなぁ！
臣）そうっすか？w
馬）二週に一回会ってるけどねw
臣）そうっすよねw
山）なんか…臣くん…違う。
臣）はい？？
山）カッコ良くなってる。
臣）いや、なってないっす！！w
山）なんかオーラが違う…
臣）いや、変わんないっすってw
徳）お前はしつこいなぁ！w
山）だって俺そーゆーのわかるもん。
ト）でも確かにちょっと楽しそうっていうか
　　キラキラしてる♪
臣）え、うそ！
　
　
俺ってば、浮かれ野郎な感じ、
無意識に出ちゃってんの？？
　
　
♡と付き合えたこと、
今日スタジオに来たらみんなに報告しようと
思ってたんだけど…
　
　
山）♡ちゃんでしょ。
臣）…っ
徳）なんや〜〜付き合ったん？♪
臣）……///
　
　
先に言われてしまった。
　
　
臣）ええと…、ハイ///
Ｙ）うっそ！！！
徳）マジ！？
馬）わぁ！！
ト）やったぁ！！！
一同）おめでとう〜〜〜！！
臣）なんか…すいません///
　
　
こんなに喜んでもらえると…
なんか照れる。
　
　
Ｙ）すげぇじゃん！やったじゃん！
ト）キャー♡キャー♡
　　ついに〜〜〜！！
徳）ちょい待った！
　　なんか一人だけ祝う気ない奴おるぞw
臣）……あ。
　
　
俺をジトーっと見てる山里さん。
　
　
Ｙ）暗っっ！！！！
山）…なんだょ……
Ｙ）じめじめするな、鬱陶しい！
ト）そうですよぉ〜〜
　　やっと臣くん、付き合えたんですよ？
Ｙ）「やっと」ねw
徳）「やっと」やなw
臣）……///
馬）いや〜でもほんまにおめでと〜〜
徳）どうなん？ラブラブなん？
Ｙ）毎日チュッチュチュッチュ
　　してんでしょーー？
山）うわぁ〜〜！！嫌だぁっ！！
　　聞きたくないっ！！！
臣）えっ…
山）あの天使のような♡ちゃんが！！！
　　臣くんに汚された話なんて
　　聞きたくない！！！
Ｙ）ひでぇ言いようだなw
ト）両想いなんだからー！
　　汚されてなんていません！
Ｙ）そうだそうだ！
　　言ってやれトリンドル！
徳）え、もうＨしたん？♪
臣）…っ
山）いぃやぁぁだぁぁーー！！
徳）もうお前はうるさいねん！
山）ううう…っ
Ｙ）そんなんしてるに
　　決まってんじゃーんw
馬）いつ付き合ったん？？
臣）…ええと…今月の頭です。
馬）あら、全然最近やん。
山）えっ！！……じゃあ…もしかして…
臣）なんすか。
山）まだ…してない？
臣）……
　
　
俺が黙ってると…
　
　
山）したの！してないの！
Ｙ）え、してないの？
徳）んなあほなw
ト）え…
馬）どっちなん…？
　
　
みんな興味津々。
　
　
臣）どっちでもいいでしょ！
一同）よくない！
臣）なんで！！！w
徳）俺らずっと応援してたんやからさ〜〜
Ｙ）そうだ。吐け。
臣）……まだしてないっす。
一同）えーーー！！
臣）……
　
　
そんな驚く…？
　
　
山）やった〜〜〜！！！
Ｙ）いや、別に山ちゃんが喜ぶところじゃ
　　ないし。
徳）なんで？？
　　なんでしてへんの？？
臣）え？
　
　
なんで、って…
　
　
臣）だってそんな…
　　まだ二週間も経ってないっすよ？w
徳）せやけど、ずっと好きやったんやろ？
　　そんなん…やっと両想いってなったら
　　俺やったら我慢出来ひんけど…
Ｙ）あなたはそうでしょうね〜〜
ト）大事にしてるんですね♡
臣）え？
　
　
トリちゃんがニッコリ笑って俺を見た。
　
　
徳）そうなん？？
　　大事にしてるから手ぇ出さへんの？？
臣）いや……、…うーーん……
　
　
もちろん大事にはしてるけど…
　
　
馬）なんかいいねぇ〜〜♡
Ｙ）純愛かって！
ト）いいないいなー♡
徳）どんくらい我慢できんの？w
臣）……
　
　
それは俺が聞きたい。
　
　
Ｙ）別に我慢しないで
　　ガバッといっちゃえばいいのに。
ト）もう！YOUさん！
Ｙ）いいじゃん。付き合ってんだから。
徳）いや〜〜でもな〜〜
Ｙ）なーに。
徳）あんまりしたら、男は飽きますから。
Ｙ）Ｈ？
徳）はい。
ト）え、何それっ！！
徳）一回しちゃうとな〜〜
　　なんちゅーか…
　　満足しちゃうっていうか…
馬）女は身体を重ねるごとに愛が深まるけど
　　男は逆やって言いますもんね。
ト）え、え、逆って、え！！
山）俺飽きないし！！
　　てゆーか飽きるほどしたことないし！！
Ｙ）ぶはははは！！ww
山）笑うとこじゃないし！！
ト）えーーー、……なんかショック。
　　男の人ってみんなそうなんですか？
徳）大体はそうやと思うよーー
　　俺の周りもみんな言うてるし。
ト）じゃあ臣くんも…
　　♡ちゃんに飽きちゃうんですか？
臣）え！！俺？？
ト）ひどい。
臣）いや、俺なんも言ってないよ！w
ト）はぁ……
徳）だってまだしてへんしなぁ。
ト）でもしたら飽きるんですよね？
臣）いや…俺は…
ト）最低〜〜！！
臣）ええっ！！
ト）もうほんとやだ！！
　　男の人って！！！
臣）いや…俺は…
Ｙ）あーあ、トリンドル先生、ご立腹ですよ。
徳）こればっかりはな〜〜
　　しゃーないねん、トリちゃん。
　　ごめんな〜〜〜
　
　
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
　
　
♡）どうしたの？w
Ｐ）え、いや、あの//
♡）？？？
　
　
ホワイトボードに
Ｐくんのマグネットを新しく用意してると
まじまじと眺めてるＰくん。
　
　
Ｐ）あ、ありがとうございます///
♡）え？
Ｐ）あ、その、僕の。
♡）ああ、これ？
　　今日から使ってねー♡
Ｐ）はいっ！///
♡）行き先はここに書いて
　　戻り時間も必ず書いてね。
　　電話に出た人が困っちゃうから。
Ｐ）わかりましたっ！！
♡）あはは、元気だねw
　
　
なんでも元気に返事してくれる
良い子だなー♪
　
　
♡）あ、ネクタイ曲がってる。
Ｐ）えっ！！
♡）ちょっと、動かないでね。
Ｐ）……っ///
♡）はい、出来た♡
Ｐ）////
♡）Ｐくん？
Ｐ）あ、あ、ありがとうございます！///
　
　
Ｍ）あれ…完全にアレですねぇ…
Ｋ）だな。
Ｍ）先輩はほんと罪な女ですねぇ…
Ｋ）だな。
　
　
♡）あ、Ｋちゃん戻って来た！おかえり〜〜
Ｋ）ういーー。
Ｐ）お疲れさまです！！
Ｋ）じゃあ続きやんぞーー
Ｐ）はいっ！！
Ｋ）メモ持ってきて。
Ｐ）はい！！
　
　
Ｐくんはまた元気に返事をして
Ｋちゃんについていった。
　
　
♡）なんかＰくん、弟みたいだなーw
Ｍ）え！先輩の弟、
　　あんなキャラなんですか？！
♡）いや、全然違うけど…
　　なんか一生懸命で可愛いなってw
Ｍ）男をナメちゃダメですよ。
♡）え？？
Ｍ）いつオオカミになるか
　　わかんないんだから〜〜
♡）あはは、何それ〜〜〜w
Ｍ）ほんとにです〜〜！
♡）はいはいw
　
　
課）おーい！♡〜！！
♡）はいっ！
課）ちょっと悪いんだけど
　　これ、頼んでいいか？
♡）これ…いつまでですか？
課）んーーー、明日の昼まで。
♡）えっ！！
課）やっぱり厳しい？w
♡）うーん…やります！！
課）無理してないか？
♡）根性でやります！！
課）うんw
　　いっつもお前のその根性に
　　甘えてごめんw
♡）いえ！マッハで取りかかります！
課）頼むわ〜〜
　
　
とは言ったものの…
　
どうしよう。
これマッハでやっても
明日のお昼までに間に合うかな…汗
　
今日は臣くんとデートだし…
　
デートは…
絶対キャンセルしない！！
死ぬ気でやるーー！！！！
よっし！！！！
　
　
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
　
　
テラハの収録も終わって
Ｓさんに店まで送ってもらうと
♡はまだ来てなかった。
　
ちょっと早かったかな？
　
　
待ち合わせとかすんのもなんか久々だから
ちょっとソワソワ…。
　
　
先にビルに入って待ってると
しばらくして♡が走ってきた。
　
　
臣）走んなくていいって！
♡）臣くん！…は…ぁっ、はぁ…っ、
　　ごめんね！！
臣）いいって…
♡）きゃあっ！！
臣）あっぶね…！
　
　
♡が躓いて俺に激突してきた。
　
　
臣）大丈夫か？
♡）わ、わ、ごめん！！
臣）だから走んなくていいって言ったのに。
♡）だって…臣くんの姿見えたから…
　
　
それでそんな走ってきたわけ？
　
俺につかまりながら
可愛く上目遣いしてくるから…
　
思わず…
　
　
ぎゅっ。
　
　
♡）え…？///
臣）あーー//
　　すぐこけんだから走んな。
♡）ごめんなさい…///
　
　
一瞬抱きしめると、相変わらずイイ匂い。
　
　
臣）よし、行くか。
♡）うんっ♡♡
　
　
俺の腕に
嬉しそうに飛びついてきた♡のほっぺを
つんつん。
　
　
♡）んー？
臣）かわい。
♡）えっ！！///
　
　
あ、赤くなった。
　
　
♡）きゅ、急にそーゆーの…やめて…///
臣）かわいー♡
♡）だから…っ
臣）うん、可愛い♡
♡）ちょ、ちょっと！///
臣）かわいーなー♡
♡）もうっ！遊んでるでしょ！///
臣）うんw
♡）もぉ〜〜！！
臣）あはははw
　
　
怒ったフリしてポカポカしてくんのも可愛い。
　
　
大）へい！らっしゃい！！
　
　
店に入ると大将の元気な声に歓迎されて、
カウンターに案内された。
　
　
♡）わ、わ、わ、目の前で握ってくれるの？
臣）そうみたいだねーー
♡）わぁ♡♡
臣）お前何好きなのー？
♡）なんでも好きっ♡♡
臣）あっそw
♡）わぁ！すごい！臣くん見て見てぇっ！
臣）え？
大）あっはっはw　お嬢ちゃん、
　　いいリアクションするねぇ！！w
♡）はっ、すみません///
大）いやいや、いいんだよw
臣）すげぇ〜〜〜！
　
　
目の前ではでっかいまぐろが
豪快に捌かれてる。
　
　
♡）ね、ね、すごいよね！！
　　カッコイイね♡♡
臣）うん！
大）ははははw
女）あの、あんまり褒めると
　　うちの大将、調子乗って
　　手元狂うんでやめてくださいw
大）なーに言ってんだよ！w
♡）あはははw
女）今日はどうされますか？
臣）ええっと…
♡）わくわく♡
臣）なんか…よくわかんないんで
　　適当にお願いできますか？
女）嫌いなものとかあります？
臣）ないです。
♡）私もないです♡
大）よっしゃー！
　　じゃあお任せね！OK！！
　
　
それからいくつか一品物が出てきて。
　
大将が握ってくれた
一つ目の握りを食べると、
♡がせきこんだ。
　
　
♡）うううっ…泣
大）どうしたお嬢ちゃん！！
♡）…ごほっ…//
臣）あ、お前…っ
♡）忘れ…てた//
　
　
涙目の♡は鼻が赤くなってる。
　
　
臣）すいません、こいつ、サビ抜きで。
大）あいや〜〜！！
　　お嬢ちゃん、わさびダメなのかい！
♡）ううっ…すみません///
大）お子ちゃまだね〜！！w
♡）ガーン！！
臣）ぶっww
♡）なんで笑うのぉ//
臣）お子ちゃま扱いされてっからw
♡）もう〜〜〜//
臣）あ、これめっちゃ美味い！！
♡）え、え、えっ、早く食べたいっ！
臣）お前はサビ抜きだから
　　ちょっと待ちなさいw
大）へい！お待ち！
♡）ありがとうございますっ！♡
　　…わ、わ、ほんとだ！！
　　美味しいっ♡♡
臣）な！
♡）うんっ！ほわぁ♡幸せ〜〜♡♡
大）あっはっはww
　　お次はねぇ〜〜〜
　　食べて何か当ててみて♪
♡）え〜〜！！
臣）食べたことありそうですか？
大）あるんじゃないかなぁ？w
臣）よーし♪
　
　
出された握りを口に入れて、
♡と顔を見合わせる。
　
　
臣）？？
♡）？？？
臣）口の中で……
♡）溶けたぁっ！！！
臣）な！！
♡）うん！！
臣）全然何かわかんねぇw
♡）でもとろーっと溶けたよぉ！
　　すごいっ！！
大）あははははw
　　これはねぇ…
　　海のバターって言われてるんだ。
♡）えーー！！
臣）海のバター？！なんだろ…
♡）わーん！！答えはー？？
大）くじら！！！
♡臣）おおおお！！！
大）はっはっはww
♡）それは絶対にわからない…
臣）うん。でも美味かった。
♡）ねっ！！♡
　
　
それから♡は
何が出て来ても
幸せそうにパクパク食べた。
　
　
♡）美味しいよぉ〜〜♡♡
大）いや〜〜そんな喜んでくれたら
　　握り甲斐があるねぇ！w
臣）あはははw
♡）幸せ〜♡♡
臣）良かったな〜〜
♡）うんっ♡♡
　　仕事頑張って良かったぁ！
臣）忙しかったの？今日。
♡）うん…ちょっと
　　急な仕事入っちゃって。
臣）え、マジ？大丈夫だった？
♡）うん。明日ちょっと早く行けば
　　なんとか終わりそう！
臣）頑張るね〜
♡）にひひ♡
臣）だから…にひひってww
♡）今日からね、
　　新人さんいっぱい来たんだよーー
臣）ああ！お前なんか作ってたもんな。
♡）そう！研修資料ね。
　　うちのチームに入ったのは男の子だったー
臣）へ〜〜〜
♡）初日だからね、すっごく緊張してたよ。
臣）お前、先輩なの？w
♡）そうだよっ！
臣）ふーんw
♡）なんでちょっと笑ってるの！
臣）いや、先輩っぽくねぇから…w
♡）なんでー！！
臣）頑張ってね〜〜先輩♡
♡）むぅぅ
臣）はははw
♡）臣くんは…
　　今日何のお仕事だったの？
臣）あ、今日ね、テラハの収録だったよ。
♡）あ！！ほんと？
臣）うん。
♡）トリちゃん元気にしてる？
臣）うん。元気にプリプリしてた。
♡）プリプリ？！怒ってたの！？？
臣）うんw
♡）えー！なんでー！！
臣）まぁ、色々w
　
　
徳井さんがあんなこと言うから
俺までとばっちりだったし。
　
　
♡）そうなんだ…
　　久々にLINEしてみよっかな♡
臣）……
　
　
隣で無邪気にニコニコ笑ってる
可愛い笑顔。
　
うん、俺ぜってぇ飽きない。
　
徳井さんが言ってたのも
なんとなくわかるっちゃーわかるけど
俺は飽きないと思う。
　
　
♡）なぁに？
臣）んー？
♡）なんで…見てるの？///
臣）別にーー
　
　
じっと見つめてると
♡は照れたように前に視線を戻した。
　
　
大）まだいけるかい？
♡）わっ、えっと…臣くんは？
臣）まだいける。
♡）私は…次ので最後で…
大）あいよ〜！！
♡）最後はなんだろな…わくわく♡
大）はいよ！！
♡）わぁっ！
臣）お〜〜〜美味そ〜〜
♡）いただきまーす♡
　　……んんっ！！おいひいっ♡
臣）食ってから喋れw
♡）んんっ！！！
　　…、ごめんなさい//
　　美味しいっっ！！
大）あっはっは！ありがとうw
　
　
二人で腹一杯食って席を立って。
　
　
大）どうもありがとう
　　ございましたーー！！！
臣）また来ます♪
大）お待ちしてます！！♪
女）ありがとうございましたー♡
♡）えっ…、えっ…
　
　
見送られて店を出ると、
♡はオロオロ、キョロキョロ。
　
　
♡）お金は？！
臣）もう払ったってw
　　ほら、いくぞ。
♡）え、え、あっ！！
　　ごちそうさまでした！！
　　美味しかったです！！
　
　
ガラガラガラ、ピシャン。
　
　
♡）え、え、臣くん！
臣）なに。
♡）お金…っ
臣）だから払ったってw
♡）え、え、いつの間に…
　
　
お前がいない間にでーす。
　
　
臣）ほら、行くぞ。
♡）え、あの、いくら？
臣）は？？
♡）お金…
臣）いらないって。
♡）え！どうして！
臣）どうしてって…デートだろw
♡）え…っ
臣）俺が出すに決まってんじゃん。
♡）えええ！！！！
臣）なんでそんな驚くw
♡）え、え、だって！
　　お寿司食べたいなんて言って
　　ごめんなさい！//
臣）はい？？
♡）だって…こんな高いとこ…
　　私…あの…
臣）オロオロしすぎ！w
♡）…っ
臣）つーか別に
　　食いたいもん食いたいって言えよw
♡）え、だって…っ
臣）彼女なんでしょ？
♡）え！！
臣）俺の。
♡）え！！
臣）おい、ちげーのかよw
♡）か、彼女です！///
臣）ぶっw
　　ほら、もう行くぞ。
♡）わっ…///
　
　
強引に手を繋いで歩き始めると
♡が手をぎゅっと握ってきた。
　
　
♡）臣くん！
臣）んー？
♡）ありがとう！
臣）んーー
♡）ほんとにありがとう！
　　ごちそうさまです！
臣）んーー
♡）美味しかったです！！
臣）それは十分わかってるw
♡）えっ
臣）あんだけ何回も
　　美味しい美味しいって言ってりゃw
♡）はっ//
臣）ははっw
♡）ほんとに…ありがとう//
臣）わーかったってw
　
　
チュッ
　
　
♡）きゃっ///
　
　
ほっぺに不意打ちチューすると
♡は目をパチパチ。
　
　
♡）な、な、なんで…チュー…///
臣）したくなったからw
♡）////
臣）よし、帰るか。
♡）……（こくん）///
　
　
　
　
　
　
ー続ー