[230]重なる誤解(隆二&♧Side)

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ぎゅぅぅぅ……。
 
 
朝目が覚めても、
私は隆二くんから離れたくなくて
大きな身体にぎゅっと抱きついてる。
 
 
だって…
知ってしまった、お別れの日。
 
 
その日がいつか来るって思って過ごしてた時と
その日が明確に提示された今とじゃ
気持ちが全然違う。
 
 
タイムリミットは、9月1日。
 
その日で隆二くんとはサヨナラ…。
 
 
♧)…っ
 
 
あと一週間しかないなんて…
 
考えたくない。
 
つらくて悲しくて、泣き出しそう。
 
 
ぎゅぅぅぅ……。
 
 
このまま身体がくっついちゃえばいいのに。
 
くっついて離れなくなっちゃえばいいのに。
 
 
なんてありえないこと考えてる私は
まるで子供みたい。
 
 
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
 
 
朝から♧が俺にしがみついてて。
 
寝たフリしてるけど、
可愛くてたまんない///
 
 
一時中断されてた甘えモードが
やっと戻ってきた…!!
 
やったぁぁ〜〜〜!!
 
 
あ〜〜〜可愛いよ〜〜可愛いよ〜〜
どうしよう。
 
 
……チュッ。
 
 
隆)!!!
 
 
ほっぺたに感じた、柔らかい感触。
 
 
これは…
これは…
 
 
朝のこっそりチューも
戻ってきたぁぁ〜〜〜!!
 
 
__パタン。
 
 
隆)////
 
 
どうしよう。
めっちゃ嬉しい。
 
 
嬉しくてなんかテンション上がっちゃって…
部屋を出て行った♧をすぐに追いかけた。
 
 
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
 
 
顔を洗って、タオルにフーッとため息。
 
さ、気持ちを入れ替えて
美味しい朝ごはん作ろう…っ
 
 
ふわっ
 
 
♧)!!!
 
 
後ろから包み込まれるように、
大きな手にタオルごと両手を包まれた。
 
 
隆)だーれだ。
♧)…っ、隆二くんしか…いません//
隆)へへへ、正解♡
 
 
むぎゅっ
 
 
♧)…っ
 
 
今度は身体ごと、抱きしめられた。
 
 
隆)これ、正解のぎゅー。
♧)……///
隆)で、これが…
 
 
くるっと身体を反転させられて…
 
 
隆)おはようのぎゅー♡
 
 
今度は正面から抱きしめられた。
 
 
♧)////
 
 
とくん…
 
とくん…
 
 
隆二くんのぬくもりが
優しく身体にしみこんでくる。
 
 
隆)おはよ♡
♧)…おは…よ…///
 
 
なんだか隆二くん…ご機嫌…?
 
 
隆)元気になった…?
♧)え…?
隆)昨日の夜、元気なかったから。
♧)あっ…、えっと…うん。
  大丈夫だよ!元気!
隆)俺のぎゅーが効いたの?
♧)え?
 
 
……そっか。
私が泣いたりしたから
隆二くんは私を励ますつもりで
昨夜ぎゅーしてくれたのかな。
 
 
♧)うん♡
  隆二くんのおかげだよ♡
 
 
その優しさがなんだか嬉しくて
私も隆二くんの背中に腕を回した。
 
 
隆)へへへ、良かった♡
  いつでもぎゅーするから言ってね♡
♧)……うん。
 
 
いつでも…って言っても…
一緒にいられるのはあと一週間。
 
 
♧)ほんとにしてくれる…?
隆)え…?
 
 
隆二くんの顔をそっと見上げた。
 
 
♧)ほんとにいっぱい…
  ぎゅって…してくれる…?
隆)…っ、……うん///
 
 
優しい返事に、胸がじーんと温かくなった。
 
 
……ぎゅっ。
 
 
離れたくなくて、
抱きしめてる腕に自然と力がこもる。
 
 
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
 
 
なんか…
 
なんか…
 
♧から「好き」が溢れてる気がする…!!
 
 
これはきっと勘違いなんかじゃない。
 
 
だって…
潤んだ目で俺を見上げてきて…
いっぱいぎゅってしてくれる?…って。
 
 
今だって俺にしがみついて離れないし!!
 
 
隆)////
 
 
どくん…
 
どくん…
 
 
ヤバイ。
 
リュージがどうにかなる前に離れねば。
 
 
隆)♧…?///
♧)なぁに…?
隆)今はもう…ぎゅー終わりね?///
♧)……どうして?
 
 
小さな肩をそっと掴んで距離を空けると…
可愛すぎるタレ目と視線がぶつかった。
 
 
隆)♧が可愛すぎて
  今すぐどうにかしたくなるから。
 
 
距離を空けた意味を正直に告げると、
 
 
♧)////
 
 
また♧がゆでだこに変身した。
 
 
それからまた二人でもじもじ朝ごはんを食べて
今日は俺が♧をお見送り。
 
 
靴を履いた♧はくるっと振り返って…
 
 
♧)行ってきますのチュー…
  してもいい…?///
 
 
ためらいがちに可愛く小首を傾げて俺を見た。
 
 
隆)////
 
 
これは計算…?
いや、間違いなく天然だ。
 
ああああ〜〜〜〜〜もうっ!!
 
 
隆)いいよ?
 
 
必死に冷静を装って、
♧がキスできる位置まで腰を屈めた。
 
 
……チュッ///
 
 
……口に…してくれた。
 
 
隆)////
 
 
ゆっくり目を開けると…
 
 
♧)もう一回…してもいい…?///
 
 
天然爆弾がまた炸裂。
 
ううう…///
 
 
隆)どうぞ?
 
 
また冷静を装って、目を閉じる。
 
 
チュッ。
 
 
また唇に触れる柔らかい感触。
 
 
♧)ごめんね…?///
 
 
すぐに恥ずかしそうに背を向けて
出て行こうとするから
俺は慌ててその肩を掴んだ。
 
 
隆)ちょっとちょっと!
♧)…っ
 
 
そのまま後ろ向きで腕の中に抱き寄せる。
 
 
隆)はぁ、もう…///
♧)……///
 
 
可愛すぎてどうしよう。
 
好きすぎてどうしよう。
 
 
しばらく腕の中に閉じ込めてたけど
「隆二くん、遅刻しちゃう…」
って小さな声が聞こえて、
 
俺は仕方なく腕をほどいて、
♧を解放した。
 
 
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
 
 
女)♧先生、今週末、三連休なんだー!
♧)はい!お休みいただきます。
女)いいな〜!どこか行くんですか?
♧)うんっ!
女)楽しんできてくださいね♡
♧)ありがとう♡
 
 
今週末は西武ドームで三代目のLIVEがある。
 
隆二くんが招待してくれるから
むーこと二人で観に行くんだ。
 
 
三代目のLIVE DVDはもう全部観たけど
生で観るのは初めて。
 
この間観させてもらったソロのLIVEとは
やっぱり全然違うのかな?
 
 
その三日間が終わったら
すぐにサヨナラの日が来ちゃうけど…
今は考えないようにしよう。
 
だって…
隆二くんの生の歌声を聴けるのが
すごく嬉しくて、ドキドキ、楽しみなの。
 
 
女)あ、♧先生、いたいた!
♧)どうかしましたか?
女)ちょっとお願いがあって!
♧)はい。
女)0歳児クラスの〇〇先生と△△先生が
  ノロにかかっちゃったのよ!
♧)えええ!!
女)数日は出てこれないから
  ほんとに申し訳ないんだけど
  ♧先生、お願いできる?
  今週末の三日間。
♧)…っ
 
 
〇〇先生は…
私が先月倒れた時に、代わりに出てくれた。
 
 
♧)はい、もちろん…。
女)ああ良かった〜〜!!
  じゃあよろしくね!!
♧)はい…っ
 
 
断れるわけない。
だって他に出れる先生もいないし…
子供たちをほっとけるわけないもん。
 
 
むーこには夜、電話しよう。
 
隆二くんには…
 
 
♧)……
 
 
なんて言おう…。
 
私が行くの…楽しみにしてくれてたのにな…。
 
 
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
 
 
隆)ふむふむふむ。
 
 
なるほど。
変にためらわない方がいいのか。
 
でもなぁ…
痛そうだったら躊躇しちゃいそう。
う〜〜〜ん。
 
 
臣)何見てんの。
隆)うわぁっ!
 
 
後ろから臣が覗いてきた。
 
 
隆)いきなり来んなよ!
  もっと気配出せよ!
臣)何その注文w
 
 
見られたかな。
あ、ニヤニヤしてる。
絶対見られた。
 
 
隆)なんだよ!
臣)…いや、俺も調べたなーってw
隆)は?マジで??
臣)うん。
  だって痛かったら可哀相じゃん。
隆)……
 
 
そっか。
♡ちゃんも初めてだったんだもんな。
 
 
隆)で?
臣)え?
隆)どうだった?
臣)……痛がってた。
隆)えええ〜〜!!
  意味ないじゃん!下手くそ!
臣)オイ!!暴言だぞ!!
隆)調べたくせに何失敗してんの。
臣)失敗したわけじゃねーわ!w
隆)じゃあ何。
臣)全く痛くなくするなんて無理じゃん?
隆)え…。
臣)極力痛くないように努力はしたけど。
隆)……
 
 
そっか。
やっぱり痛いのか。
 
 
隆)♡ちゃんなんて言ってた?
  痛ぇよこの下手くそ!って言ってた?
臣)言うわけねぇだろ!!w
隆)じゃあなんて言ってたの。
臣)……教えなーーい。
隆)はぁ?
 
 
とか言いながらなんかニヤけてるし。
このど変態め。
 
 
臣)ま、頑張ってw
隆)……
 
 
言われなくても頑張るし!
 
 
男)では次、場所移動しまーす!
  皆さんこちらにお願いしまーす!
 
 
今日はモルツのCM撮影。
 
EXILEと三代目が全員じゃないけど
みんな集まって。
 
仕事なのに普通にビールが飲めるから
みんな楽しそう。
 
 
隆)ほんとにモルツの仕事来たねw
岩)え?
隆)去年、話してたじゃん。
  サントリーの仕事来たら面白いのにって。
岩)ああ!
臣)そういえば。実現したねw
岩)うんw
 
 
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
 
 
『CM撮影順調です🍻🎵
 帰ったら酔っ払いかも😆笑』
 
 
隆二くんから届いたLINE。
 
写真も送ってくれてる。
 
 

 

 

 
 
♧)楽しそうだなぁ…
 
 
隆二くんはいつも割とこういう風に
仕事の写真を送ってくれたり
何してるよって教えてくれたり…
 
そういう一つ一つが私はすごく嬉しい。
 
 
この家を出てサヨナラした後も
こんな風に連絡くれたりするのかな…。
 
 
ピロリロリロ♪ピロリロリロ♪
 
 
♧)あ。
 
 
むーこだ。
 
 
♧『もしもし。』
む『ごめんごめん!今仕事終わった〜〜!』
♧『お疲れさま。』
む『…って、元気ないじゃん!どうした?
  電話遅くなってごめんね?』
♧『ううん、全然いいの、ありがとう。』
む『なんかあったの?』
♧『……あのね、
  LIVE…行けなくなっちゃって…』
む『え!うっそ!いつ?』
♧『全部…。』
む『えええ!三日間とも!?』
♧『うん…。』
む『マジーーー!!??』
 
 
仕事を休めなくなった経緯を話すと
むーこは仕方ないねって、納得してくれた。
 
 
む『♧が行けないならあたしもいいかなー』
♧『え!むーこは行ってきてよ!
  折角だもん!』
む『だって…
  隆二くんだって♧に観てほしくて
  招待してくれたんだろうし…』
♧『でも…!
  折角用意してくれてるんだし
  むーこだけでも…っ』
む『うーん…
  もしキャンセルきくならあたしはいいや。
  チケット無駄になっちゃうとかなら
  行くけど…』
♧『……わかった、聞いてみるね。
  ごめんね。』
む『ううん、仕方ないよ。
  でも一緒に観たかったね。』
♧『うん…。』
む『それで落ち込んでたのか。
  元気出しな〜〜!』
♧『……えっとね…
  落ち込んでるのは…それだけじゃなくて…』
む『え。なんかあった…?』
♧『うん…。』
 
 
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
 
 
撮影も無事終わって。
♧に電話したけど、繋がらず。
 
 
仕方ないから
 
『仕事終わったよ😃今から帰るね🚘』
 
LINEだけ送っておいた。
 
 
岩)はぁ……
  女の生理って3日とかで終わらんもんか。
臣)いや、1日で終わっていい。
岩)むしろなくていい。
臣)うん、間違いない。
隆)……
 
 
アホな会話をしてる二人。
 
 
隆)生理がなかったら子供が産めませんよ。
 
 
直己さんがいないから
俺が代わりに直己さんっぽいことを
言ってみた。
 
 
臣)んなこたわかってんだよ!
岩)そうだよ!
臣)ただとにかくその期間地獄って話!
岩)そう!とにかくHしたいんだよ!
隆)二人とも生理中なの…?
臣)いや、俺は違うけど…
岩)なんだよ!!w
  仲間かと思ったのに!
 
 
そっか。
岩ちゃんは禁欲中なわけね。
 
 
隆)俺も禁欲中だから仲間は俺だよ。
岩)へ?そうなの?
臣)何言ってんだか。
  やり方調べてたくせに。
  やる気満々のくせに。
隆)それはまだ先の話!///
 
 
別に今すぐどうこうとかじゃなくて…
 
いや、もちろん今すぐしたいのが本音だけど。
 
そうじゃなくて…
サプライズまで一週間切ったから…
一応調べておこうかなって…
 
いや、別に…
告白したその日にすぐさましようなんて
狙ってるわけじゃないけど…
 
…って、
もちろんしたいことはしたいんだけど…
 
 
隆)だぁぁぁ〜〜!!
 
 
まどろっこしいな、俺!!
もういいよ!
正直にいこう!
今すぐしたいよ!!
♧が欲しいんだよ!!
 
仕方ないじゃん!
すっげぇ好きなんだもん!!
 
 
隆)……ふぅ、開き直ったらスッキリした。
臣)何が…?w
岩)隆二さんってよく一人の世界に
  入るよね…
臣)隆二ワールド…。
 
 
今日も帰ったらチューしてくれるかな〜♪
 
 
隆)じゃあお疲れさま〜!
 
 
ウキウキで車を降りて
エントランスをくぐって。
 
玄関を開けたら、なぜか暗い。
 
 
隆)……あれ?
 
 
いないのかな?
あ、でも靴はある。
 
 
隆)♧ーー?
 
 
リビングのドアを開けると
♧の部屋からうっすら漏れてる明かり。
 
また裁縫でもしてんのかな?
 
 
隆)♧ーー?
 
 
ドアをノックしかけて、
思わずその手を止めた。
 
 
隆)…っ
 
 
ドアの向こうから、
♧の泣いてる声が聞こえてきたから。
 
 
♧)うん…、うん、そうなの…。
 
 
誰かと…電話してる…?
 
 
♧)隆二くんとは付き合えない。
 
 
え…っ
 
今……、なんて言った!?
 
 
♧)付き合いたくても、付き合えないの。
 
 
なんで!!??
何言ってんの?誰と話してんの?
むーちゃん?!
 
 
♧)ダメなんだもん…
 
 
付き合えないって…
なんで?
 
 
♧)隆二くんとは…サヨナラするの。
 
 
は!!!???
なんつった?!!??
 
 
♧)わからない…。
  でももう…、うん…。
 
 
なんで…
 
なんで…
 
さよならって…なんで…
 
 
♧)9月1日にね、ここを出ていくの。
 
 
は!!???
 
 
隆)…っ
 
 
9月1日って…
デートの約束してる日じゃん!!
 
サプライズで新居に連れてく日じゃん!!
 
♧、何言ってんの!?
どーゆーこと?!!
 
 
♧)新しい家が…見つかったんだ。
 
 
はぁ!!??
 
新しい家って…
なんで!!
 
まさか自分で探してたのか!?
一人暮らし用の家を!!?
 
 
ちょっと待て。
意味がわかんねぇ。
 
なんで!?
 
 
♧)そう。だから引っ越すの。
  ここを出て行くの。
 
 
だからなんで!!!!
 
 
♧)誕生日までは…一緒にいたかったけど…
  サヨナラなの…っ、……ぐすっ
 
 
なんで…
 
だったらなんで出て行くんだよ…
 
なんで泣いてんだよ…
 
 
隆)……
 
 
どうしよう。
 
頭が殴られたみたいにガンガンしてる…。
 
意味わかんねぇし…
あまりにショックすぎて。
 
 
俺のサプライズはどうなんの?
俺の告白はどうなんの?
 
両想いじゃなかったのかよ…
 
 
俺のこと、どう思ってんの?
なんで出ていくんだよ?
 
 
これからずっと一緒だと思ってたのに…
本当はずっと出て行きたかったのか…?
 
 
そもそも、俺とは付き合えないって
どういう意味だよ?
 
なんで?
 
 
隆)…っ
 
 
好きじゃ…ない…?
 
 
俺のこと、好きじゃなかったんだろうか…。
 
 
隆)……
 
 
なんか…クラクラしてきた。
 
 
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
 
 
むーことの電話を終えてリビングに戻ると
電気が点いてて…
 
でも、隆二くんの姿がない。
 
 
……自分の部屋かな?
 
 
一度洗面所で自分の顔を確認して
泣いてたのがわからないように顔を洗った。
 
 
__コンコン。
 
 
♧)隆二くん…?
 
 
隆二くんの部屋をノックすると…
 
 
カチャ。
 
 
ゆっくり出てきた隆二くんは
なんだか疲れきったような顔。
 
 
♧)えっと…お帰りなさい。
隆)…ただいま。
♧)……
隆)……
 
 
もう着替えてる。
お風呂入ったんだ。
 
 
♧)あの…ね、
 
 
どうしよう。
こんな疲れた様子の隆二くんに言うのは
なんだか気が引けるけど…
 
 
♧)話が…あって…
隆)えっ…!!
 
 
隆二くんの目が見開いた。
 
 
♧)えっと…
 
 
どうしてそんな顔するのかな…?
 
 
♧)週末の…件なんだけど…
隆)週末!??
♧)西武ドームのLIVE…
隆)……へ?LIVE?
♧)うん。
隆)……LIVEがどうかした?
♧)仕事で…行けなくなっちゃったの…。
隆)…っ
 
 
私が事情を説明すると
隆二くんは少し寂しそうにわかったよって
返事してくれた。
 
 
♧)むーこが…
  もしチケット無駄になっちゃうなら
  行くって…
隆)ああ、それは大丈夫だよ…
  直販にまわると思うから。
♧)そっか…。
  本当にごめんね?
  折角用意してくれてたのに…
隆)仕方ないよ。大丈夫。
 
 
隆二くんが優しく笑って
頭を撫でてくれるから…
 
なんだか泣いてしまいそうになった。
 
 
ほんとは…行きたかった。
すごくすごく、楽しみにしてたのに。
 
歌う隆二くんの姿を見たかった。
 
 
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
 
 
♧が泣きそうな顔で俺を見るから…
俺は思わず♧を抱き寄せた。
 
 
隆)仕事、頑張ってね。
 
 
ほんとはショックだけど。
 
♧が来てくれるの、すげぇ楽しみにしてたし。
 
でもそんなこと言ったって仕方ないもんな。
 
 
♧)隆二くんも…頑張ってね。
隆)うん、もちろん。
 
 
LIVEは頑張るよ。
頑張るんだけど…
 
俺の頭の中は…
さっきの電話の内容でいっぱいで。
 
 
ずっとぐるぐるぐるぐる…
そのことばかり、考えてる。
 
 
なんで出て行くんだろう。
なんで俺とは付き合えないんだろう。
 
俺が好きだって言ったら…
まだ間に合う?
 
新しい家用意してるんだよって言ったら…
まだ間に合う?
 
 
♧が俺とは付き合えなくて
9月1日にこの家を出ていくって
決めてるのには
 
きっと何か事情があるんだと思うけど…
 
いくら考えても、それがわからない。
 
 
♧)じゃあ私…先に寝るね。
隆)俺も寝るっ!
♧)…っ
 
 
一緒にいられる時間は
あと少しなのかもしれないって思ったら
一分一秒も無駄にしたくなくて。
 
 
隆)……おいで。
 
 
ベッドの中で抱き寄せたら、
すんなりと俺の腕の中に収まった♧。
 
 
なんで…
 
なんで…
 
なんで…
 
 
頭の中で繰り返す言葉。
 
 
♧)隆二くん……。
 
 
甘えるように俺の名前を呼んで…
こんなに俺にすり寄るのに…
 
 
なんで。
 
 
隆)……
 
 
♧の考えてることはわからないけど
一つわかったことは。
 
俺は♧が大好きで、絶対に失いたくない。
 
 
いなくなるかもしれないってわかって
より一層強く認識した。
 
俺は♧を絶対に離さない。
 
 
好きだから。
大好きだから。
 
俺が絶対に幸せにするから。
 
 
だから……
 
 
 
頼むから、俺のそばにいて。
 
 
俺の隣で、笑ってて。
 
 
 
 
 
ーendー

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  1. Omilove Morning より:

    あーーーーーー!!!!!!
    ダメだよ!!なんでそんな誤解がおきるんだよぉぉぉ。。。
    お願いだから成立してほしいよ❤️

  2. ユキ より:

    いよいよ七夕と音楽の日に三代目出ますね私はfutureの全曲大好きです(*≧∀≦*)

  3. まい より:

    隆二かわいそう
    早く誤解解けないと

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