［119］とろける甘い熱

レコーディングを終えて携帯を開くと…


『今日はへとへとに疲れちゃったから
　迎えに来てくれるとすっごく嬉しいなぁ💕
　惚れ直しちゃうなぁ💕』


っていうLINEが、
なぜかＫから来てて。


臣）はい？？？


そこには、
ボクシングしてる♡の写真と…


臣）これ…なんだ…？？


どっかのビルで
警備員みたいな格好してる♡の写真。


臣）……まったく意味がわかんねぇ。
隆）どうしたの？
臣）いや、Ｋから変なLINE来てて…。
隆）Ｋちゃん？
臣）うん。
隆）とりあえず俺行くねーー
　　お先〜〜〜
臣）ああ、お疲れ。


それから俺はすぐにＫに電話をした。


臣『もしもし？何このLINE。』
Ｋ『♡の心を代弁して送った。』
臣『へ？？w
　　まだボクシングやってんの？』
Ｋ『いや、もう終わって着替えてんだけど
　　♡疲れて寝ちゃってさ。』
臣『えっ！！』
Ｋ『優しい彼氏が
　　迎えに来てやってくんねぇかなーって。』
臣『……はいはい。行きますよ。』
Ｋ『待ってまーすw』


ついでにＫとＭちゃんも送ればいいんだろ？w


臣）Ｓさんごめん、ジム寄っていい？
Ｓ）はいよーーー


事務所を出て10分後。
　
ジムで3人を拾って。


♡は眠そうに車に乗り込むと
そのままふにゃんと俺の肩にもたれて
眠りに落ちた。


臣）……爆睡しとる。
Ｍ）今日は疲れたんですよーー
臣）何があったの？
　　そんなハードなトレーニングしたの？w
　　てゆーかさっきの写真何？？
Ｋ）あれはねーー
Ｍ）もう！大変だったんですよぉ！
臣）え…っ


プンプンと頬を膨らませたＭちゃんが
いろいろ説明してくれて…


Ｍ）もう、信じらんないっ！
　　あそこの部長！
Ｋ）ほんと性格悪いよねーーー
Ｍ）大体、資料の説明するのなんて
　　私たちの仕事じゃないしっ！
Ｋ）だよな。
　　それなら営業マン派遣するし。
Ｍ）わざと先輩に意地悪言ったんですよ！
　　最低〜〜！！
臣）……
Ｍ）もう、Twitterで先輩の写真
　　回ってきた時は
　　本当にびっくりしたんですから！！
臣）……


♡は…
途中で正体がバレて
「姫がうちで警備員やってる！」
って写真を載せた奴から
一気に噂が広がったらしい。


Ｋ）で、疲れて帰ってきたくせに
　　ボクシングにも遅れてちゃんと来たわけ。
Ｍ）他の日に振り替えれば良かったのに〜〜
臣）……


それでこいつは
こんなへとへとになって寝ちゃったのね。
　
ほんと無茶するよなぁ…


臣）♡らしいわ…w


帰ったら風呂入れてやろうっと。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


臣）ほーら、歩くぞーー
♡）ふに…ぃ……


ひたすら眠たくて…
目を開けるともう駐車場だった。


♡）あれ……
臣）Ｓさんに送ってもらったの。
♡）ほ…ょ……
臣）ほら、帰るぞ。
♡）……


臣くんが手を繋いでくれて…


♡）……えへへ♡


その腕にキュッと抱きついた。


臣）お、起きたかー？
♡）臣くんだぁ…♡
臣）おう。
♡）臣くんだぁいすきー♡
臣）……なんだよ//


一緒にいるだけで、
疲れが薄れていくみたい…。


♡）ね、チューー♡
臣）はー？//
♡）チューー♡
臣）……///


チュッ。


♡）えへへ…♡
臣）満足ですかー？
♡）うんっ♡
　　おうち帰ったらもっとしてね♡
臣）……///


そのまま二人で手を繋いで
エレベーターに乗って

部屋に入ると、
臣くんにソファーに座らされた。


臣）風呂入れてくるから休んでろ。
♡）…え、…あり…がとう。
臣）お前今日いろいろ大変だったんだろ？
♡）えっ……
臣）お疲れさん。
♡）…っ


臣くんが優しく頭をポンポンしてくれて…

胸がほこほこした。


Ｍちゃんから…聞いたのかな…？


ふぅ…って深呼吸をして
ソファーに頭を乗せると

ローテーブルの下に
昨日ポイ捨てしたアンケートが見えて。


♡）あーーーー


明日までに渡さなきゃいけないんだった。


♡）ふえーん…やらなきゃ…


ええと…
　
そうだ、得意料理。
後回しにしてたやつ。


えっと…
　
えっと…


♡）………スヤァ……


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


臣）どええ？！！また寝てる！！


さっきまで起きてたのに！
可愛くチューおねだりしてたのに！


臣）どんだけ疲れてんだよ…。


ん…？
　
なんだこれ。


『トリちゃん＆姫ちゃん
　仲良しな二人に聞きたい♪
　女の子の50のコト♡』


臣）へぇ！
　　雑誌の特集かーーー


トリちゃんとやるんだ。
楽しそうじゃん。


臣）なになに…？


好きな食べ物は…
お寿司とケーキ。


苦手なものは…
痛いことと、テキーラ。


臣）ぶっww


癒しの時間は…
お気に入りの抱き枕に
ぎゅむぎゅむすること。


臣）ふーん。


これは書き直してやろう。

「臣くんにぎゅってしてもらうこと。」


臣）よし。


んで次は…
得意料理か。
　
ああ！それで昨日、俺に聞いてきたのか？
なるほど！


臣）何がいいかな…


「彼氏がなんでも美味しいって言ってくれます♡」


臣）これでよし。


次は…
趣味、か。スタンダードだな。


「臣くんとイチャイチャすること。」


臣）よし、もうこうなったら
　　俺が全部埋めてやろう。


好きな男性のタイプは？
＿臣くん。
　
苦手なタイプは？
＿言い寄ってくる人。
　
男性の譲れない条件は？
＿臣くん以外無理。
　
結婚願望はある？
＿ある。今すぐしたい。
　
子供は何人欲しい？
＿何人でも。
　
もしも一週間休みがあったら？
＿臣くんとずっと一緒にいる。
　
一番大切なものはなに？
＿臣くん。


ピピーーッ


臣）あ、やべ！！


風呂のお湯を止めに行って
戻ってくると
♡はまだスヤスヤ寝てて。


臣）ほら、入ってこい。
　　風呂たまったぞーー
♡）んにゃ…はーい……


で、♡が風呂に入ってる間に
残りの質問も全部埋めといた。


臣）ふふんっ
　
♡）臣くん、お風呂ありがとーー♡
　　気持ち良かったーー♡
　　あ、それっ！！
　
臣）……


バレた。


♡）ああっ！勝手に書いてるーー！！
臣）……
♡）えっ、全部埋まってる！
　　何これ！！w
臣）風呂行ってきまーーーす。
♡）あ、ちょっとーー！！w


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


臣くんが勝手に書いたアンケート。
よく見てみると…


♡）臣くんばっかり…///


こんなの出したらＭちゃんに怒られちゃう。


でも…
ほんとはこのまま出したいなぁ…
　
だって全部その通りなんだもん。


トリちゃんはもう書いたかなぁ…？
好きな人のこととか書くのかな。


♡）……


もういいや！
私もこのまま出しちゃえっ！！


あ、でも…
「臣くん」は「彼氏」に書き直そう…



……



臣）あれ、まだ髪乾かしてないの？
♡）あ、おかえりなさーい。
臣）んーーー♡
♡）きゃーー♡


臣くんが後ろからぎゅってしてきた。


臣）乾かしてやるからこっち来い。
♡）え、ドライヤーしてくれるの？
臣）いいよ。
♡）わーいっ！♡


喜んでついていくと
ドレッサーの鏡越しに臣くんが
ニコッと笑った。


臣）今日いろいろ頑張ったご褒美。
♡）……//


その優しい笑顔に
ぎゅって抱きつきたくなって…


臣）ほい、完了。
♡）…っ


そう言われてすぐに振り返って
臣くんの腰にしがみついた。


臣）どーしたw
♡）ぎゅぅ……///
臣）なーに、甘えてw
♡）だって…


なんかすごく甘えたい。どうしよう。


♡）私もドライヤーしてあげるっ！
臣）おお、ありがと…w


今度は臣くんが椅子に座って…
ふわふわ短い臣くんの髪はすぐに乾いた。


♡）できたよーー♡
臣）ありが…っ


ぎゅぅぅ……


臣）どーしたのさっきからw
♡）……///


くっつきたい。


座ってる臣くんに後ろからぎゅって
抱きつくと

臣くんが頭を撫で撫でしてくれた。


♡）甘えたいんだもん…///
臣）……ん、おいで。
♡）…っ


臣くんは私を抱っこすると
そのままベッドに上がって…
　
ヘッドボードにもたれながら
私をぎゅって抱きしめた。


臣）よしよし。
♡）……///


ううう……
大好きだよぅぅ……///


ぎゅむぅっ！
ぎゅむぅっ！！


臣）苦しい…っww
♡）はっ…


ついつい暴走しちゃった…。


♡）じゃあ…ぎゅーの代わりに
　　ちゅーして……？///
臣）……
♡）さっき…もっといっぱいしてねって…
　　言ったでしょ…？
臣）……///


私がそう言うと、
臣くんの手が後頭部にまわって

グイッと引き寄せられた唇。


触れる寸前で
一度、目が合って…
　
そのまま柔らかく、重なった。


髪に差し込まれる指先も…
　
角度を変えて触れ合う唇も…
　
全部、すごく優しくて、気持ち良くて……


♡）…は…ぁ…、…///


抱っこされたまま、臣くんを見下ろすと…


臣）こんなにキスしたら…
　　シたくなる…


クスッと笑って、
コツンと重なったおでこ。


♡）…でも…もっと…したい…
臣）…っ
♡）だ…って……
　　私の趣味は…臣くんと
　　イチャイチャすることなんでしょ…？
臣）……あ、w
♡）臣くん以外…無理なんだよ…？
臣）……//


だから…


♡）もっと…して…？///


臣くんの頬をそっと撫でて
唇を開いたら…
　
そのまま勢いよく、塞がれて…


♡）ん…っ、んっ


今度は深く絡まって…、
　
……濡れていくキス。



♡）……ん…ぅ…っ///



こんなキス、溶けちゃう……




臣）………は、ぁっ…
　　お前が煽るから。
♡）////


唇に触れる吐息が、熱い。


臣）まだ…出来ないんだよな…？
♡）……（こくん）
臣）やっぱり誕生日まで…おあずけ…？
♡）……（こくん）
臣）……はぁ、……シたい…///
♡）////


心臓が、ドキドキ音を立ててる。


♡）…私も…したいよぅ……///


ぎゅぅ…っ


臣）////


臣くんとＨしたい。
こんなキスしたら、なおさら。


臣）……あああ〜〜〜///
　　我慢！！！もうダメだ、離れろ//
♡）えっ……


臣くんがグイッと私の肩を掴んだ。


♡）やだっ！
臣）な…っ


ぎゅぅぅぅっ


臣）…っ///


離れたく…ないもん…っ


臣）こら、ワガママ娘///
♡）……///
臣）俺を殺す気か。
♡）だって……


臣くんに甘えたくて…くっつきたくて…
そんな衝動が、抑えられない。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


♡はまた俺にぎゅっとしがみついて…


♡）もっと…キス…しよ…？///
臣）……///


そんな色っぽく囁くな！！！
なんなんだよお前はもう！！///


臣）もうダーメ。
♡）えっ…
臣）キスもぎゅーも終わりーー
♡）やだぁっ！
臣）やだじゃなーい。
♡）…っ


これ以上したら
ほんとに俺、爆発するっつーの。


臣）……こら。


抱っこしてる♡を降ろそうとしても
♡は離れなくて…


臣）おーりーろーーw
♡）やぁだ…っ
臣）……//


可愛いな…もう…//


♡）臣くん……


え…？


♡）……ん、…//


え？！！


臣）…っ


♡が…俺の首に腕を回して…
そのまま俺の首元に顔を埋めてきて…


臣）！！？///


♡の柔らかい唇に、
首筋を食まれた感触。


その瞬間、力が抜けかけて…


臣）こら、何してんの…///


そう言ったのに…
♡は俺のことをはむはむし続けて…


臣）…ん…、ッ//


舌の感触まで感じて、
身体がゾクッとした。


臣）ちょ、やめて…、♡…、///


♡の身体を離そうとすると…
潤んだ瞳が俺を見つめた。


♡）ダ…メ…？///
臣）////


ダメって…何が…

なんだよそのエロい顔は…///


♡）臣くんに…エッチなことしたい…///
臣）！！？///


はぁ！？？？
　
な、なんつった！？！///


臣）え、ちょ…っ
♡）…やぁだ……
臣）////


♡の声が…
どんどんエロくなっていって…


臣）…、っ！///


♡のキスに、俺の身体が反応すると…
　
♡はさらに嬉しそうに
唇を這わせて…


♡）……気持ち…いい…？///


上目遣いで、俺を見る。


臣）////


俺がわけわかんなくなってるうちに…
　
♡はどんどん沈んでいって…


♡）臣くん…大好き…///


言葉でも、仕草でも
それを俺に伝えるように…
　
何度も何度も、俺に触れる。


もう俺は…おかしくなりそうで…


臣）…は…、ぁ…っ……


身体が…熱くなってきて…
　
♡が欲しくなって…


臣）…♡、好きだよ………


そう言って
その柔らかい肌に触れれば…
　
♡は優しく笑うから…


もう今日は…
この可愛い小悪魔に身を委ねよう。
　
そう思った。


♡）臣くん……
臣）…、っ…

♡）……だいすき……///
臣）は…ぁ、っ

♡）…臣…くん……
臣）……っ、///



♡の柔らかい指先に…
　
♡の甘い舌先に…


全身溶かされるみたいに…



とろけるような
愛しい熱を感じながら…


……甘い甘い夜に、溺れた。
　
　
　
　
　
ーendー