今市さんから、おでこにキスされて…
私は少し混乱中…
♧)////
だって…私からのキス、
まだそんなにたまってないよね?
それに…
どうしてほっぺじゃなくて
おでこだったんだろう?
いくら考えてもよくわからないし
胸はドキドキするし…
♧)はぁ……///
そうだ。
こんな時は待ち受けを見て、
心を落ち着かせよう。
♧)……
瞬くん……
このツーショットは
職員さんのおかげで無理矢理撮れた
奇跡の写真。
なんだか、私が瞬くんを好きなのは
バレバレみたいで
いつだったか
施設でイベントをした時に
丁度、瞬くんも来てくれて
その時、記念に撮ってもらいなよ!なんて
みんなに背中を押されて…
顔から火を吹きそうで…
どもりながらお願いした私に
いいですね、撮りましょう!
って、笑顔で返してくれて
一緒に写ってくれた。
♧)////
どうして瞬くんって
あんなに優しくて
カッコ良くて爽やかで…
素敵なんだろう。
♧)……大好き…///
写真になら、言えるのに。
♧)……はぁ、もう寝よう。
ベッドに入ると…
「……あんっ、…あぁんっ!!」
♧)?!!!
え、うそ…っ
まさか……
「あぁんっ!いやぁぁんっ!///」
♧)…っ
なん…で…?
さっき今市さんが言ってくれて
おさまったと思ったのに…
……やだ…すごく怖い。
「ありえないでしょ。
絶対わざとだよ、これ。」
♧)…っ
今市さんが、そう言ってた。
これ、わざとなの?
なんで?
何のためにこんなこと…するの?
「もしまた何かあったら
絶対、俺のこと呼んで?」
「すぐに飛んでくるから。
一人で無茶はしないこと。」
♧)…っ
そうは言ってくれたけど…
もうこんな時間だし…
こんなこと言ったら
今市さんきっと心配しちゃう。
甘えちゃダメだよ…
「あぁんっ、あんっ!あんっ!」
♧)…っ
私はイヤホンを耳につけて
ぎゅっと目を瞑った。
お守り代わりのように
瞬くんの写真を最後に見て
♧)……おやすみなさい…っ
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
ピポポポッ、ピポポポッ♪
♧)ん……
…もう…朝なの?
♧)……やだ……
もう少し寝たい……
ピポポポッ、ピポポポッ♪
♧)んぅぅ……
あれ…?
そういえば私今日、休みだよね?
あーーんっ
アラーム止めとけば良かったーー!
ピポポポッ、ピポポポッ♪
♧)寝かせてーーっ
スマホのアラームを解除して
布団を顔までかぶると…
ピロリロリロ♪ピロリロリロ♪
♧)…っ
あれ?違う音。
着信?
慌ててもう一度スマホを手に取った。
画面には「今市隆二」。
♧)えっ!!
こんな朝からどうしたんだろう?
昨日何か忘れ物したとか??
♧『はいっ!もしもし!』
隆『ああ、おはよ。』
♧『おはようございます!』
隆『今日、仕事だよね?』
♧『あ、いえ、お休みです。』
隆『あ!そうなの?
じゃあ…そっか、丁度いいや。』
♧『え?』
隆『今日、業者が行くけど
立ち会ってもいいし、
出かけてても平気だから。』
♧『はい??』
業者?!
何のこと!??
隆『大家さんにはもう話、してあるから。』
♧『えっ!??』
隆『あと、自転車届けておいたから。』
♧『え???』
隆『じゃあ、また夜連絡するね。』
♧『え、え、ちょ…っ』
ピッ。
♧)……
全く意味がわからない。
大家さん…?
って、誰?
1Fのおばあちゃんのこと?
うちの大家さん?
え???
♧)……
パジャマのまま、玄関のドアを開けて
下を覗くと…
♧)自転車……
戻ってきてる。
いつの間に、届けてくれたんだろう?
♧)……
寝起きで頭が働かなくて…
しばらくポーッとして。
ゆっくりと朝の準備。
今日は夜はむーこと約束してるから
それまでお裁縫してよう。
なんて思ってたら…
お昼前。
ピンポーン。
♧)!!!
え、誰だろう…
むーこが来るのは夜だし…
変な勧誘だったら困るから
無視しようっと。
ピンポーン。
男)……いないのかな。
男)じゃあ普通に開けるか。
男)おう。
ガチャガチャッ
♧)ひぃっっ
何!?
誰?!!!!
男)失礼しまーす、っと、いるじゃん。
男)あ、ほんとだ。
♧)え、え、えっ
作業服を着た男の人が…
1、2、3人……
男)すみません、
作業始めさせてもらいますね!
男)ちょっとうるさいかもしれないですけど。
♧)は、はい…っ
「はい」って言っちゃったけど…
これは一体…
男)つーかヤバくね?このドア。
男)一発で外れんぞ。
ガコンッ
男)ほら。
男)ボロすぎ…
男)チェーンもついてないってマジかよ…
男)ああ、それあいつ一番キレてた。
男)これはないわー
♧)?!!??
うちの玄関のドアが…
なくなっちゃった…
男)中もお邪魔しますねーー
♧)!!!
男の人が一人、靴を脱いで上がってきて…
男)うおっ!びびった!
床が軋む音に驚いたみたいで、
そーっと歩いて窓に近付いた。
男)うわーマジかーー
これ、簡単に入れちゃいますねー
♧)?!!
何が!??
男)よし、じゃあ…これをこうして…
なんだか現状を把握できなくて
あっけにとられてポカン状態の私。
そんな中で思い出した、今朝の電話。
『今日、業者が行くけど
立ち会ってもいいし、
出かけてても平気だから。』
『大家さんにはもう話、してあるから。』
♧)……
これって、今市さん?
なんだか大家さんに怒られそうなくらい
ドアも窓もなくなっちゃったけど…
話、してあるって…このこと??
男)あー、つーか無理だコレ。
男)うん。土台がもろすぎ。
男)どーする?
男)大体さ、あいつがつけようとしてんのが
レベル違いすぎだから。
男)ちょっと電話してみっか。
男)だな。
♧)…っ
部屋の隅で小さくなって
男の人たちの作業をハラハラ見守ってると
玄関で始まる電話。
男)ああ、出た、良かった。
あのさぁ、お前が言ってるドア
無理だから。
……いや、土台が負ける。
こんな古い木造にこんなドア、
つけれねぇよ。
……あーー、その鍵も厳しい。
え?…いやー、ちょ、待って。
なんか金ならいくらでも出すって
言ってんだけど。
男)いや、金の問題じゃなくて、無理w
男)だって、聞こえた?
あー、……うん。
……うーーん、厳しいけどそれなら。
ああ、わかった。はいはい。
ピッ。
男)とにかく、できる範囲内で
一番頑丈な鍵、つけろって。
男)……了解w
男)つーかあいつならもう
このアパート建て替えた方が
早いんじゃね?w
男)同感。
男)ま、やってやるか、仕方ねぇ。
男)よっし。
♧)……
あの……
今の電話のお相手は…今市さんですか…?
違うのかな?
いや、違わない…よね?
お金ならいくらでも出すって…
今市さんは一体…何者なの?
……
私がポーッと見てるうちに
作業はあっという間に完了して…
男)よっし、これでいいだろ。
♧)あ、あの…っ
男)ああ、終わったよー
もう安心してね。
♧)え…?
男)一応前よりマシにはなったけど…
でも、できればもうちょっと
安全な家に住んだ方がいいよ?
女の子なんだし…
♧)……
私の家、そんなにひどいのかな…?
男)これはあいつも心配するよ、うん。
大)おお…立派なドアになったねぇ…
男)ああ、大家さん。
作業完了しました。
これがマスターキーです。
大)はいはい、どうもねぇ…
男)これ、スペアキーね。
♧)あ、はい…っ
前とは全然違う、なんだか立派な鍵。
男)じゃあ俺たちはこれで…
♧)あ、待ってください…っ
男)ん?
♧)あの…今市さんの職場の方々ですか?
男)え??
男)……「元」ね?
♧)え…?
男)え、だって知ってるでしょ?w
♧)……
何を…??
男)あれ…?
男)余計なこと言わない方がいいのか?
男)よくわからん。
♧)…っ
私の質問に少し困った様子の男の人たち。
男)えっと…とりあえずこれで
俺たちは失礼します!
♧)あ、はい…っ、えっと…
ありがとうございました!
大)お疲れさまですーーー
大家さんと一緒に
男の人たちをお見送りして…
改めて外から見てみると…
♧)……立派すぎる…
なんだろう、このドア。
大)良かったねぇ…
♧)あの…良かったんですか?
勝手に替えちゃって…
大)ぜーーんぜん、いいんだよーー
うちはもうオンボロだからねぇ…
♧)……
大家のおばあちゃんは
にっこり笑って
そのまま階段を降りていった。
♧)……
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
夜、約束してたむーこがうちに来ると
目をパチクリさせて
窓やドアを確かめて
む)何があったの??
そう聞かれた。
そうだよね。
私もまだびっくりしてる。
今日一日の出来事を話すと
最初は驚いてたのに、
む)髭おじさん、最高!ww
そう言って、むーこは大笑いし始めた。
む)髭おじさん、お金持ちと見たね。
さすがおじさま♡
♧)あ…っ
そういえばまだ、
今市さんがおじさんじゃないって
説明してなかった。
む)そんでもって、すごい心配性。
♧)……
む)まぁこんなとこに住んでりゃ
誰でも心配するけどねw
♧)……そんなに…ひどい?ここ…
む)うん。もっといいとこ探しなって
ずーーーっと言ってたじゃん。
♧)……そうでした。
だってここ…
家賃が安いから、即決めしたんだもん。
む)まぁでも…なんか前より立派になったし
とりあえず床抜けるまでは
いいんじゃない?w
♧)……うん…w
お相撲さんとか来たら
多分無理だけど…
私が一人で暮らす分には
きっと大丈夫よね。
ピロリロリロ♪ピロリロリロ♪
♧)あ、電話だ!
む)うん。出ていいよ。
♧)あ!髭おじさんだ!
む)えっ!!
ピッ。
♧『もしもし!』
隆『俺ーー』
♧『はいっ!』
隆『今日休みってことは川にはいないよね?』
♧『はい!家にいます。』
隆『じゃあ今から行くねー!』
♧『えっ、あのっ』
隆『あと10分くらいで着くーー』
♧『あの、…っ』
隆『じゃ!』
ピッ。
♧)……
どうしよう。
何も言う隙も与えてもらえず、切れちゃった。
む)髭おじさん、なんて?
♧)……今から来るって…
む)え、ここに?
♧)うん。
む)え、あたし帰った方がいいかな?
♧)ううん!大丈夫だよー
むーこに会ってみたいって言ってたし。
む)え??
♧)親友なんですって話したら、
すごくいい友達だねって…
挨拶したいって言ってくれてたの。
む)ええっ!そうなんだ…
なんかドキドキしてきた…w
♧)ふふっw
む)お金持ちの髭おじさん♡
♧)……
友達が来てるって言えば良かったかな?
今市さんびっくりしちゃうかも。
てゆーか何しに来るんだろう??
む)早く来ないかな〜〜わくわく♪
♧)……
……
ピンポーン。
む)来たぁっ!w
♧)……
目を輝かせるむーこを残して
玄関の鍵を開けに行く。
__ガチャッ
ドアを開けたそこに待っていたのは
ふにゃんと笑う、いつもの今市さん。
隆)へへー、こんばんは♡
♧)こんばんはーー
隆)うん、よしよし。
ああ、なるほど…
ここはこうしてくれたのか。
♧)……
玄関に入るなり
ドアの取り付け方や鍵を
細かくチェックしてる。
そっか!
これの確認に来たんだ!
隆)窓も見ていい?
そう言って靴を脱いだ今市さんは
ようやくむーこに気付いて…
隆)あっ…
む)えっ…
ちょっと驚いてる二人。
む)え、え、ちょっと待って、うそっ!!
隆)!!!!
ー続ー
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なんか全部つながるような気がする…
瞬くんって弟の…
いや〜╰(*´︶`*)╯♡
展開のドキドキが止まらない❤️
♧ちゃんの憧れの瞬くんって、まさか!(◎_◎;)のワクワクも止まんない❤️
楽しみにしてます╰(*´︶`*)╯♡
あ、むーこちゃんは、気づいたww
これは、傑作だww