いつもは
朝ごはんできたよ♡
って起こされることが多いのに
今日は俺の方が先に目が覚めた。
臣)……
♡)……
まだすやすや眠ってる……
そんな愛しい寝顔を
どれだけ見つめていても飽きない。
臣)……
この二週間、♡ナシに
よく生きてこれたなと思うくらい
愛しくて…愛しくて…
仕方ない。
帰ってきてくれてありがとう。
臣)…はぁ……
なんで俺…
こんなに♡が好きなんだろう…
飽きもせず寝顔を眺めながら
そんなことをふと思った。
今更だよな…w
臣)……
♡がいなくなって
俺は何回泣いただろう…
自分が嫌になって
情けなくて
何度も自分を責めて
寂しくて苦しくて
夜も眠れなくて
♡がいないと
俺ってこんなに弱いんだって
何度も思い知らされた。
♡がいたから頑張れてたことが
♡がいたから笑えてたことが
♡がいたから強くいられたことが
どれだけあったんだろう。
本当にお前は…俺にとって…
太陽みたいな存在。
臣)はぁ……
愛しくて…たまらなくて…
またぎゅっと抱きしめると…
♡)ん…にゃ……
臣)あ……
起こしちゃった?
♡)臣…く…ん……
臣)ん…?
♡)あ…れ…?夢…じゃない…?
むにゃむにゃすり寄ってきた。
♡)臣くん…?
臣)うん。
♡)…本…物…?
臣)本物だよ…w
♡)……えへへ♡
すりすり…
♡)本物の…臣くん…♡
臣)……
♡)嬉しい…♡
臣)……//
♡)あったかいなぁ…♡
むにゃむにゃ言いながら
何度もすり寄ってくる。
♡)おひさまみたい…♡
臣)え…?
♡)臣くんは…
臣)……
♡)私の…おひさまなの…♡
臣)……
♡)だぁい…すき……
そう言って♡は…また眠った。
臣)……
お前は間違いなく
俺の太陽だけど
こんなどうしようもない俺でも
お前の「おひさま」に…なれてんの…?
お前が…側にいてくれるなら
俺は何にだってなるから…
だから…
ずっと…隣にいて。
臣)……
何度抱きしめても
やっぱり足りない。
こんなに誰かを…愛しく想うなんて
ああ、そうだ。
こんな気持ちも…きっと
♡が初めて俺に教えてくれたんだ。
好きだよ…
本当に…好きだよ…
あんな手紙じゃきっと足りない。
こんなに好きで…仕方なくて
こんなに大事なんだって
お前のことが好きなんだって
今度はちゃんと
俺の口から…伝えたい。
ちゃんと直接…伝えたい。
ーーー
♡のやわらかいぬくもりに
気付けば俺もまた眠ってて…
ぼんやり目が覚めた頃には
遠くから洗濯機の音がうっすら聞こえて
台所からほんのり出汁の匂いがして
ああ…いつもの朝だ。
♡がいる。
そんな安心感が
すごく心地良くて幸せで
ああ…もう俺…
ほんとにあいつと結婚したい。
まだ起きてない頭で
そんなことを思った。
パタパタパタ…
♡)臣くーんっ
ガチャッ
♡)臣くん、起きてー♡
臣)……
♡)ご飯できたよー♡
臣)……
♡)あのね、あまり食材なかったから
ほんとあり合わせなんだけど…
臣)……
♡)ね、一緒に食べよ?♡
臣)……
♡が布団を優しく揺らしてきた。
♡)聞こえてるー?
臣)……うん。
♡)も〜〜
待ってるから早く起きてねっ
臣)ん……今行く。
♡)うん♡
そう言って♡は寝室を出て行った。
臣)…っ
危ない。
泣いてるのバレるとこだった。
いつもみたいに起こしてくれる♡に
なんかすげぇ嬉しくなって
感動して…
俺…ほんとに寂しかったんだな。
ダメだ…しばらく涙腺弱いかも…
ーー
顔を洗いに行って
リビングに戻ってくると
♡がニコッと笑った。
♡)おはよ♡
臣)……おはよ。
俺はそのまま…♡を抱きしめた。
♡)どしたの…?まだ眠い…?
臣)ううん…
♡)……
臣)……
ただ…抱きしめたいだけ…
離したく…ないだけ…
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
テーブルにご飯を並べて
二人で向かい合って座る。
一緒にいただきますをすることが
こんなに嬉しい。
♡)簡単なご飯で…ごめんね?
臣)ううん…
♡)今日また買い出ししてくるね。
臣)……
♡)……
臣くんが
私の顔をじっと見てる。
♡)どう…したの…?
臣)……
♡)美味しく…ない?
臣)……いや…
♡)……
臣)お前がいるだけで…美味しい。
♡)…っ
泣きそうな顔で笑うから…
私まで…泣きそうになる。
臣くんは…ずっとこの家に
一人だったんだよね…
一人でここで…
ご飯…食べてたのかな。
ごめんね…
そうだ。
ちゃんと臣くんに…話さなくちゃ。
♡)お迎え…何時?
臣)ああ、今日はタクシーで行く。
11時に出るよ。
♡)そっか…
じゃあ行く前に話せるかな…
昨日は…二人とも泣いちゃって
なんだか胸がいっぱいだったけど
私の気持ち…
まだ何も伝えられてない。
ちゃんと…伝えなくちゃ。
ご飯を食べ終わって
私が洗い物をしてると
臣くんが隣でそれを拭いてくれた。
♡)量少ないし大丈夫だよ?ありがとう。
臣)…ん、手伝う。
♡)……
臣)…うざい?w
♡)えっ…
笑ってそう言ってるのに
臣くんの顔はなんだか泣きそうで…
私は水を止めて
臣くんに抱きついた。
♡)うざくなんかないもんっ
臣)…っ
♡)ありがとう…
臣)……
♡)……
臣)俺こそ…ご飯ありがとう。
♡)ううん…
臣くんがタオルを置いて
私を抱きしめ返してくれた。
ぎゅっ……
なんとなく…
側にいたいんだって…
離れたくないんだって…
そんな臣くんの気持ちを
愛しく思うのと同時に
それくらい寂しい思いをさせて
臣くんを傷つけたんだって…
その事実に胸が痛くなる。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
臣)俺さ、話したいことある。
♡)……
二人でソファーの前に座った。
♡が帰ってきてくれた。
俺の隣に帰ってきてくれた。
俺はもう
絶対♡を失いたくない。
ちゃんと…伝えたいんだ。
俺の気持ち。
♡)臣くん……
臣)……
♡)私ね…?
臣)……
♡の大きな瞳が
まっすぐに俺を見つめた。
♡)臣くんに…話したいことが…
たくさん…ある…っ
臣)…っ
♡の目が潤んでいくのがわかった。
♡)私…っ
抱きしめたいのをこらえて
♡の手を握ると
♡も両手で握り返してくれた。
♡)自分が…弱くて…情けなくて…っ
臣くんと離れてる間…
自分が嫌で嫌で…仕方なかった…っ
ぽたっ…
♡)色んなことから逃げて…
泣いて…ばっかりで…っ
ぽたっ…
臣)…っ
♡の涙が…一つ…また一つ…
こぼれていく…
♡)臣くんがくれた手紙…
何回も…読んだよ…
臣)……
♡)臣くんの気持ち…いっぱい伝わった。
臣)…っ
♡)本当に本当に…ありがとう…っ
臣)……
ああ…ダメだ…
俺まで…泣きそうになる……
♡)本当に嬉しくて…
私もいっぱい考えたの…
臣)……
♡)私…1年前に臣くんに好きって言った時…
ちゃんと強くなるからって…
成長できるように頑張るからって
そう言ったのに…
臣)……
♡)結局付き合ってからも…
いっぱい心配かけたり…
へなちょこなままで…っ
臣)そんなこと…ない…
お前はいつだって一生懸命で
俺に弱いとこも見せないし
いつも頑張ってた……
♡)早くここに…帰ってきたかったけど…
自分が弱くて情けなくて
帰ってくる自信がなかったの…っ
臣)…っ
♡)臣くんのこと…
もう傷つけたり…したくなくて
でも…自信がなく…て…っ
臣)…っ
傷つけたのは俺なのに…
なんでお前が…泣くんだよ……
♡)こんな私が…ここに帰ってきても
いいのかなって…
勝手に出て行ったのに…って…っ
臣)…っ
出て行かせたのは…俺なのに…
♡)ごめんね…っ
臣)…っ
♡)ごめんね…臣くん…っ…
泣きながら♡がそう言うから
俺まで…
我慢してた涙がこぼれた。
♡)どうしていいのか…わからなくて…
苦しくて…
臣)……
♡)答えが全然…見つからなくて…
臣)……
♡)きっと…一人じゃ…
何も出来なかった…
臣)……
♡)何も…気付けなかった…
臣)……
♡)でも…色んな人が…助けてくれた。
臣)……
♡がまた
俺の手をきゅっと握る。
♡)色んな人の考えとか言葉とか
気持ちに触れて…
臣)……
♡)色んなこと…たくさん教えてもらった。
臣)……
ああ…俺も…同じだ。
一人じゃ…乗り越えられなかった。
みんなが側にいてくれて
隣で支えてくれて
考えさせられることもたくさんあって…
何度も自分が嫌になった。
弱くて…情けなくて…
でも…
それでもやっぱり俺は…
♡が好きで…側にいたくて…
お前を諦めたくなくて
もっと自分を…頑張りたいって…
そう思った。
♡)私…頑張りたいの。
臣)……
♡)やっぱりへなちょこだし…
また泣いたり…しちゃうかもしれないけど
臣)……
♡)それでもやっぱり…
臣くんが好きで…側にいたいって
思うから…
臣)…っ
♡)頑張るから…
臣)……
♡)側にいても…いい?
臣)…っ
泣いてる♡を
思わず抱きしめた。
臣)……っ
涙が…また…
♡)臣く…ん……
♡の声が…震えてる。
ありがとう…
ありがとう…
臣)そのままで…
♡)……
臣)そのままのお前でいいから…
側に…いて…
♡)……っ
無理しなくていい。
頑張らなくていいから。
お前は自分を…全然わかってない。
頑張るのは…俺だから…
♡)ダメだよ…
臣)…っ
♡)臣くんが…一生好きって言ってくれて
すごく嬉しかったから…
臣)……
♡)私はちゃんと…
一生好きでいてもらえる自分でいたいの。
臣)……
♡)臣くんに好きでいてもらえる
私でいたい。
臣)……
今のままで…こんなに好きなのに…
お前はいつもそうだ。
いつも…眩しくて…
♡)私ね、臣くんと出会って
変わったこともたくさんあるし…
臣くんと付き合って変わったことも
たくさんあるの。
臣)……
そんなの俺も同じだ。
♡に出逢わなかったら…
♡を好きにならなかったら…
知らなかったものが…
見えなかったものが…
たくさんある。
♡)失敗したり間違ったり…
そんなことを繰り返しながら
きっと人は成長していくんだって。
臣)……
♡)大事な人と一緒に
笑ったり泣いたりしながら
成長していくんだって。
臣)……
♡)私は…へなちょこだけど…
臣くんの側で…臣くんと一緒に
成長していきたい…
臣)…っ
二人で一緒に…
泣いて…笑って…いつも側で…
二人…一緒に…
臣)一人じゃ…ないから…
♡)…っ
臣)一緒に…
♡)……うん…
臣)……
♡)一緒に歩いていきたい。
臣)…っ
俺が言いたかったことを…
全部♡が言ってくれた気がした。
俺の気持ちは…♡の気持ちだった。
♡の気持ちは…俺の気持ちだった。
ああ…
昨日から俺たち…
どれだけこんな風に抱き合ってるだろう。
言葉もなく
しばらく抱きしめ合って
自然とゆっくり身体が離れて
お互いの顔を見合わせて、俺たちは笑った。
臣)お前…撮影なんだろ?w
♡)はっ、忘れてた!
臣)…メイクで隠してもらえよ?
♡)臣くんだって…目赤いもん…
臣)俺はいいの。
♡)……
臣)……
♡の頬を包んで額を合わせた。
臣)はぁ……
♡)……
臣)結婚したい。
♡)……
臣)……
♡)え?!!!
♡がパッと離れて俺を見上げた。
♡)え!???
臣)……
♡)…っ
臣)なんで…そんな驚くの。
♡)…っ
ぎゅっ……
♡)////
臣)……
思わず出た言葉だけど
思わず出るくらい…本当に思ってる。
今は無理だってわかってるけど
俺は♡と結婚したい。
結婚っていうか…
一生…一緒にいたい。
臣)好き……
ぎゅっ……
♡)////
臣)好き……
♡)……
臣)……
♡)…好き…//
臣)……
♡)……//
臣)好き……
♡)…好き……
臣)好き……
♡)……好き///
チュッ…
臣)好き。
♡)////
チュッ…
♡)好きっ//
臣)……//
俺からキスして…
♡からキスして…
チュッ…
♡臣)好き…っ
同時に…キスした。
笑い合って抱きしめ合う。
あたたかくて…幸せで
かけがえのない時間。
また二人で…ここから始めよう。
ここから二人で一緒に
歩いて行こう。
ー続ー
コメントを残す