臣くんにぎゅってされて…
臣くんの気持ちに気が付いて…
日曜日は一日中ずっと、
臣くんのことを考えてた。
月曜日…
朝目が覚めても
やっぱり臣くんの顔が浮かんできて…
優しくぎゅって抱きしめられてた感触が
今でもまだ残ってる…。
ドンッ
♡)わ!ごめんなさい!!
臣くんのことばかり考えてたら
ビルのエスカレーターの前で
男の人にぶつかった。
男)いえ!大丈夫ですか??
♡)すみません!!
男)あ、♡ちゃんだ!
男)なんだよお前ラッキーじゃんw
男)…可愛い///
♡)あの…すみませんでした!
頭を下げてそのまま行こうとすると
男の人たちに呼び止められた。
男)ちょっと待ってよ!
男)あの…▲▲の子だよね?
♡)えっと…
他の会社の人…だよね?
男)♡ちゃん…でしょ?
♡)はい…。なんで…名前…
男)だって♡ちゃんは有名だもんねぇw
男)そうそうw
男)良かったら今度俺たちと
飲みに行かない?
♡)え??
男)♡ちゃんの会社の子達とみんなでさ♪
男)それいいねぇ!
♡)えっと…
T)すいませーん。
うちのに手出さないでもらって
いいっすかー。
男)えっ
私がオロオロしてるとTくんが間に入ってきて
そのまま私の肩を抱いて、
エレベーターに乗った。
男)あ!
男)行っちゃったし!
♡)おはよ…。
T)おはよ。
♡)あの…ありがと。
T)別に。
♡)……
T)つーか…名前まで知ってんのかよ…
♡)え??
T)いや…なんでもね。
♡)??
オフィスに着くと
Tくんは私の背中をポンポンって叩いて
自分の部署に向かった。
♡)ふぅ……。
月曜日の朝は忙しいはずなのに…
仕事しながらも
やっぱり私の頭の中は臣くんのことばかり。
気付いたらあっという間に12時になってて
KちゃんとMちゃんと、
ランチに出かけた。
M)今日のランチはどこにしますかー?♡
K)何がいいかな~~
♡)…
M)先輩は何がいいですかぁ?
♡)…
M)先輩??
♡)…
K)おーい!どうした!!
♡)きゃあっ!!
K)おわ!びっくりした!
きゃあって何!w
♡)あ、ごめん…!
ボーッとしてた…!
K)うん。知ってる。
M)どうしたんですかぁ?
♡)……
K)あ、この店にしようよ♪
M)カレー屋さん!
珍しいですね♪
そうしましょ~~♪
それから私たちはお店に入って
ランチのカレーを注文した。
M)いや~~
沖縄ほんと楽しかったですよね~~
K)ほんと最高だったね~~
M)まだあの白い砂浜にいたかった…
K)ほんとあそこ、
天国みたいな場所だったよね!
M)ほんとにー!!
K)つーかそーいやさ、帰って来た日
すんげぇ雨だったじゃん!!
M)あ!そうだぁ!!
私ずぶ濡れになりましたもん!
K)あったしも!
お土産も濡れるし最悪だった~~~
何あれーー
M)先輩は大丈夫でしたぁ?
♡)……
M)もぉ~先輩ってば!!
♡)はっ!!!はいっ!!!
えっと…何???
M)もう!どうしたんですか?
今日全然心がここにないー!!
♡)あ…ごめんね?
K)なんかあったの?
♡)……
また臣くんのこと考えてた…。
M)そういえば例の人に
お土産渡したんですかぁ?
♡)うん…渡した…///
K)また赤くなってるし。
♡)……///
M)Hは…してないだろうから…
チューでもしたんですか?w
♡)し、してないっ!!///
M)じゃあ告白されたとか~♡
♡)…っ///
K)え、されたの??
♡)されて…ないんだけど…
K)…なに?
♡)えっと…
私は土曜日の出来事を二人に話した。
M)先輩…鬼ですね。
♡)えっ!!!なんで?!!
M)好きな女が横に寝てて何もしないなんて
マジで神ですよ。
♡)えっ!!
K)うん、ちょっと見直した。
♡)…っ
K)あたしのイメージだと
そんなチャンスがあろうもんなら
即行で手出してきそうな
イメージだったから。
♡)…っ
臣くんは…そんな人じゃないもん…
M)本人が言ってる通り
本当に耐え抜いたんでしょうねぇ~〜
かわいそーーw
K)なかなかやるじゃん。
♡)……///
K)でも…好きとは言わずに気付けよっつって
優しくぎゅーかぁ~~
M)ヤバいですね~♡
K)やりよる。
♡)ほんとに心臓止まるかと思った///
K)そりゃ~うわの空にもなるわな。
M)先輩今日ずっと
思い出してたんでしょー♡
♡)だって…//
頭から…離れないんだもんっ///
気付いたら臣くんのこと…考えてて…
♡)なんか…何回思い出しても
心臓がぎゅーってなって
ドキドキしちゃうの///
M)いいなぁ~~♡
そんな優しく抱きしめられたい♡
K)ほんとに…
あんたのこと大事なんだねーー
♡)え?
K)え?
♡)……
K)そういうことじゃないの?
M)そういうことでしょうね。
♡)……///
M)それなのに…
太もも触られたくらいで
ほっぺた叩くなんて…
♡)…だって!///
びっくりしたんだもん!!
M)相当我慢したんだろうから
太ももくらいいいじゃないですかぁ。
減るもんじゃあるまいし~
♡)減る減らないの問題じゃないもんっ///
K)まぁ…そこで叩いてなかったら
そのまま襲われてたかもしんねーしなー
♡)えっ!!!!
M)うーん…確かに。
抵抗しなかったらOKだと
思っちゃいますよね~♪
♡)え、え、えっ
そんな意味で触られたの?!
M)それか単に我慢できなくて触ったかw
♡)え、え、えっ
M)要は先輩のことが
好きで好きで仕方ないってことじゃ
ないですかぁ?♡
♡)~~~///
顔が…熱い…
K)でも…
もし言葉で「好き」って言われてたらさ、
あんたのことだから…
♡)……
K)「好き」って言われたから
自分も気になってるだけかも…とか
また変な風にこじらせそうだから…
♡)……
K)言葉なくて良かったのかもね。
その方が冷静に考えれんじゃない?
♡)……
確かに…そうかも…。
♡)言葉が…ないのに…
ちゃんと「好き」って感じられたの…
初恋の人以来かも…
K)ああ…ハルくん?
♡)うん…。
M)何ですか何ですかそれ~!!初耳~!!
先輩の初恋って!!
♡)うん。
M)教えて下さい~!!!!
♡)えーと…小学校の時に…
ずっと好きだった男の子がいたの。
M)ほぉぉ!
♡)その子は…
お互い一度も「好き」って
言ったことなかったけど
気持ち伝わってたなぁって。
M)え~~~♡♡
ふとそんなことを思い出した。
K)あんたずっと引きずってたもんね。
♡)引きずってたっていうか…
M)その人は今どうしてるんですか?
♡)全然知らないの。
M)そうなんだぁ~~
小学校の時ですもんね…
♡)うん…。
もう遠い遠い、昔の思い出。
K)でも…
♡)……
K)言葉にしてたって
伝わらない思いなんて
いくらでもあるのに…
♡)……
K)言葉にしなくても伝わるって…
よっぽど真っ直ぐで
強い気持ちだと思うな。
♡)…っ
よっぽど…強い気持ち…
M)なんか…素敵…♡
K)上手くいくといーね♪
♡)えっ…
初めてKちゃんがそう言ってくれた。
M)Kさんがやっと前向きに応援してる!
K)だって…
そんな悪い奴じゃなさそうだし//
♡)えへへ…ありがとう♡
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今日は番組収録の日。
リハが終わって休憩してると
健ちゃんが後ろから首を絞めてきた。
臣)ちょい!!ギブギブ!!
健)あっはははw
臣、コーヒー買いに行かへん?
臣)あ、行く行く。
つーか首絞める意味!w
健)あはははw
健ちゃんと一緒に楽屋を出て。
コーヒーを買いに行ったら
天気がいいから
外で喋りながらちょっと一息。
健)臣…そろそろ忙しなってきたやろ?
臣)そーだね。
健)大丈夫か?
臣)全然大丈夫。
健)としか言わへんやろな臣はw
臣)だって大丈夫だし。
健)そうでっかーw
臣)NAOTOさんとか直己さんなんて
ずっと兼任でやってきてんだしさ。
健)まぁ…リーダー二人は
ほんますごいけどな。
臣)だから…俺も大丈夫。
ありがと。
健)ん。
これから年末に向けて
めちゃめちゃ忙しくなるけど…
ちゃんと全部こなさなきゃ。
健)あっちの方はどうなん?
臣)はい??あっち??
健)好きな子…
臣)ああ、そういう意味?
にごすから下ネタかと思ったわw
健)ちゃうわ!w
臣)あはははw
健)上手くいきそうなん?
臣)うーーん…
ずっと考えてるんだけど…
臣)健ちゃんさ…
健)うん。
臣)プロポーズとかしたことある?
健)あるかいな!!
臣)だよねーー……
健)なんや!!
プロポーズする気なんかい!!
臣)いや、違う違うw
健)ほんなら何やねん!
臣)うーーん…
なんか…
俺今までちょっと油断してたのか
わかんないけど…
他の男に取られるかもって思ったら
最近ちょっと焦ってきて…
健)そんなん取られる前に行ったらええやん。
臣)そうなんだけど…
そのつもりで
積極的に頑張ってたんだけど…
臣)あんまり行きすぎると引かれるっつーか
逃げられるっつーか…
健)なんやそれ!
ま~た難しい子やなぁ?
臣)そうなんですわ。
健)無理矢理なんかして逃げられたん?w
臣)無理矢理なんてしてねーし!
…あ…、した…のか?
健)何したん!?
臣)うーん…セクハラ?
健)おい!お前は何してんねん!!w
臣)いや、違うんだって!!
あれは不可抗力だったし!!
臣)つーか…
俺のセクハラに警戒してんのか…
他の男が気になってんのか…
一つ一つのリアクションの
真意がわかんねぇっつーか…
健)聞けばええやん。
臣)はい???
聞くって…
健)他の男、気になってんのー?って。
臣)え…、そんなストレートに?!
健)うん。
臣)カッコ悪くない…?
健)でも気になってんねやろ?
臣)うん。
健)ほんなら聞けやw
臣)……そっか。
考えもしなかった。
聞いたら…
あいつ普通に答えんのかな?
あいつ…素直だから
「気になってる」とかそのまま言われたら
俺立ち直れるかな…。
でも…
「臣くんは…、モテるの?」
「遊んでる??チャラいですか??」
確かにあいつもストレートに聞いてきたよな。
俺は…ごまかしたけど…
…ってことは
あいつも嘘つくかもしんねぇじゃん!
いや…それはないか…
あいつ…嘘とかつかなそうだし…
って…じゃあ俺は最低か!って…
はぁ~~~~
健)よっしゃ!
健ちゃんはいきなり立ち上がって
飲んでたコーヒーの缶を
ゴミ箱めがけて投げた。
カンッッ!!!
臣)おわ!!入った!!
健)さすがやな~~俺♪
臣)すげぇ。
健)臣もやれや。
臣)え?
健)入ったら付き合える。
はずしたらフラれる。
臣)嫌だわそんなん!!w
健)チャレンジする前から何言うてんねん。
根性なしやな~~w
臣)はぁ?
じゃあ入れてやるし。
健)ふはっww
俺は立ち上がって
めっちゃ集中して狙いを定めた。
健)どんだけ集中すんねんw
臣)ちょ、健ちゃん、うるさい!
健)はいはい、すんまへんw
カンッッ!!!
臣)入った!!!!!
よっしゃーー!!!!
健)ぶははははw
臣)……なに。
健)いや…ぶくくくww
ほんまにお前好きやわww
臣)なんだよっ!///
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仕事帰り、会社を出て駅に向かう途中で
急に後ろから呼び止められた。
男)♡!!
♡)え??
男)♡!久しぶり!
♡)あ!!修ちゃん!!
修)もしかして帰るとこ?
♡)うん。
修)じゃあ飲みに行かない?
♡)うん!いいよー!
小学校と中学校が一緒の修ちゃん。
偶然バッタリ会えたから
私たちはそのまま近くの居酒屋に入った。
♡)一年ぶりくらい??
修)そうそう!
彼女出来たのそんくらいだから。
♡)あ!そっか!
修)元気してたー?
♡)うん!!
修)前はよく飲みに行ってたのにな~
♡)あはは、そうだよね♪
彼女とは上手くいってるのー?
修)うーん…
でも…内緒ね、今日の。
♡)え??
修)女友達とでもさ、
飯とか行くと泣かれるから。
♡)えーー!!そうなの?!
修)そーだよ~~
ヤキモチっつーより
なんかすぐ不安になるみたいで。
♡)修ちゃん、絶対浮気なんてしないのにね?
彼女いると一途だもんね。
修)そうだよ~~~
でも何言ってもダメ。
絶対やだって言われた。
♡)ひゃ~~~
よっぽど修ちゃんのことが好きなのかな。
修)でもさ、彼女出来たからって
今までの友達付き合いなくすのも
俺やだし。
♡)うん。
修)だから前より回数は減ったけど
内緒で飲みに行ってる。
♡)あらら…
修)だってやましいことなんて
何もねぇしさぁ。
♡)そうだよね…
じゃあ悪い嘘じゃなくて
不安にさせない為の嘘かぁ…。
修)そ!
修ちゃんはゴクゴクッとビールを流し込んだ。
修)お前はー?今彼氏いんの?
♡)いないよー!
修)そーなんだ。
♡)うん。
修)あ!そーだ!
俺さ、半年前から会社変わって…
♡)え?
修)今ハルキんとこで働いてんの!
♡)ハル…キ…?
その名前に、一瞬手が止まった。
修)お前が好きだったハルキだっつーのw
♡)え、ハルくん?!!
修)そ。Facebookで見つけてさ。
連絡して久々に会って。
♡)…っ
修)俺、丁度転職考えてる時だったから
修二よかったらうちに来ないかって
言ってくれて。
♡)え…?うちって……
修)あいつ、親の会社継いだんだよ。
♡)えっ!!
修)1級建築士も取ってさ、今は社長だぜー?
すげーよな。
♡)す、す、すごーーい!!!!
修)マジかっけーよ。
ハルくん…
夢を叶えたんだ…
♡)ずっと…継ぎたいって…
小さい頃から言ってたもんね…
修)いや、それは知らないけど…
お前にしか話してないんじゃね?
♡)え…っ
修ちゃんが真っ直ぐに私を見た。
修)あいつ…
♡)……
修)今、彼女いないよ。
♡)…っ
修)会いたい?
♡)……
ハルくんは…
小学校の6年間ずっと好きだった人。
好きだったのに…
卒業の直前にハルくんが急に引っ越して
連絡が取れなくなって…
それっきりだった。
修)お前ずっと会いたがってたじゃん。
♡)……
修)中学でも高校でもずっと引きずって…
♡)……
修)ずっと…好きだったんだろ?
♡)……わかん…ない…
修)え?
わかんないよ…。
♡)ハルくんは初恋の人だし…
ずっと好きだったけど…
修)……
♡)ハルくんが忘れられなくて
中学でも高校でも恋愛出来なかったけど…
修)なら会えよ!
♡)でも…っ
大好きだったけど…
本気の恋って呼ぶには、幼すぎた恋愛。
何もかもが子供だった…。
♡)私…今、気になる人がいるの。
修)え…っ
♡)……
修)ハルキに…
会わないままでいいの?
♡)……
臣くんに出逢ってなかったら…
私はハルくんに会いたくなったかな…
わからない…
でも…
♡)ハルくんには会わないよ。
修)……
♡)……
修)もったいねぇな~~~~
♡)なぁにそれw
修)だって…お前らほんとに
公認の仲だったじゃん。
♡)え?
修)クラスの男子とかさ、
お前のこと好きだった奴多かったのに
ハルキがいるから諦めてたんだぜ?
♡)え??そうなの!?
修)そうだよ。
♡)えーーー!!
修)俺は違うけどな。
♡)あはははw
修)お前はほんといい友達だし。
♡)うん♡
修ちゃん大好きだもん♡
修)そっか~~~~
でも…ハルキに会わねぇのかぁ…
♡)うん。
修)もし…
ハルキが会いたいって言っても?
♡)え…っ
修)……
ハルくんが…
私に…?
♡)……
そう聞かれて、一瞬心が揺れたけど…
♡)……会わ…ない。
そう答えた自分に、少し驚いた。
あんなにあんなに
会いたくて会いたくて
ずっと好きだったハルくんなのに…
会いたくないって言ったら嘘になるけど…
今頭に浮かんだのは、臣くんだった。
♡)ハルくんは…
思い出のままでいいや…
修)ふーーーん…
♡)なぁに?
修)めっちゃカッコ良くなってんぞ?
あいつ。
♡)そうなんだ…。
修)背も高いし。
♡)え!!背高いの!?
修)うん。
私が知ってるハルくんは…
最後まで私と同じくらいの身長だったのに…
修)仕事もバリバリできてさ。
♡)…頑張ってるんだね♡
修)……
♡)私も頑張ろうっと!!
修)ほんとに…思い出にすんの?
♡)うん!!
もう決めたの。
修)ほんとに?
♡)うん。それでいいの。
修)わーかりましたよ~~~
♡)えへへ♡
ー続ー
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