【104】ペアリング

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助手席に乗って、シートベルトを締めた。
 
 
♡)はぁぁ……
臣)どうしたw
♡)だって…
  臣くんがここに連れて来てくれるなんて
  思ってなかったから…
臣)……。
♡)ほんとに嬉しくて♡
  ……ありがとう♡
臣)ん、///
 
 
すごいサプライズだったなぁ♡
 
 
臣)…俺も……
♡)え?
臣)ちゃんと…挨拶出来て良かった。
♡)…パパに?
臣)うん。
♡)なんて…言ったの?
臣)…ないしょーーー
♡)なんでーー!教えてよぉ!!
臣)泣き虫で…
♡)え?
臣)おっちょこちょいで
  どうしようもねぇから、
  俺が面倒見ますってw
♡)何それ〜〜!!
臣)あはははw
♡)もぉぉ〜〜〜
 
 
ほっぺを膨らませてると
むにってパンチされた。
 
 
臣)よし、行くか。
♡)うん。
 
 
走り出した車の中、臣くんがふと私を見た。
 
 
臣)…そろそろ腹減った?
♡)あ!そういえば!
  …でも…朝いっぱい食べたから
  そこまででもない…
臣)やっぱ?w
  俺もなんだよなー
♡)どうしよっか…
臣)なんか…道の駅とかで軽く食うー?
♡)わぁ!!それいい!!
臣)じゃあそうすっかw
♡)うん!!
 
 
また少し窓を開けると
気持ちのいい風が入ってきて…
 
 
♡)ほわ〜〜〜
臣)何してんのw
♡)マイナスイオン吸ってるー
臣)って言って気付いたら
  また寝てんだろw
♡)もう寝ないもんっ//
臣)ほ〜〜〜
♡)あ!疲れたら運転代わるから
  言ってね!!
臣)お前には運転させんっちゅーの!
♡)ぶぅ……
臣)お前はもう免許を返還しなさい。
♡)まだ若いのに!!!
臣)ぶはははw
 
 
それからしばらく走ってると…
 
 
臣)おわぁっ!!!!
♡)きゃあっっ!!!
 

キキーーッ!!!
 
 
脇道から車が一台飛び出してきて
臣くんが急ブレーキを踏んだ。
 
 
♡)…っ
 
 
本当にびっくりして…
 
ぎゅっと閉じた目をゆっくり開けると… 
臣くんの左腕が
私の身体を押さえてくれてた。
 
 
臣)大丈夫か!?
♡)う…ん…っ
臣)あっぶね……
  マジなんだよあの車!!
 
 
臣くんが睨むと
飛び出してきた車の運転席の人が
ペコペコ頭を下げてて…
 
よく見るとおじいちゃんだった。
 
 
臣)……じいちゃんかよ…
♡)一時停止、忘れちゃったのかな…
臣)忘れたで済まされるスピードじゃ
  なかったけど…
♡)びっくりしたね。
臣)…はぁ…、マジ焦った…。

 
臣くんはハンドルに頭をくっつけて
ため息をついた後、 
私を見て、頭をポンポンしてくれた。
 
 
臣)良かった、なんともなくて。


すごく優しい顔…。


臣)はぁ…、じゃあ行きますか。
♡)…うん、///
 
 
びっくりしたけど…
こんな咄嗟に…庇ってくれるんだ…。
 
本当に一瞬だったのに…、
 
 
臣)…どうした?
♡)え?
臣)なんか…見てるから。
♡)……///
 
 
守ってくれた臣くんの左腕の感触が、
まだ残ってて…
 
 
臣)なに。
♡)いーのっ//
臣)何がw
♡)勝手にキュンキュンしてるのー///
臣)はぁ?w
♡)……///
 
 
臣くん…ありがとう。
 
 
臣)お前、免許返還する時
  あのじいちゃん一緒に連れてけ。
♡)えええっ!!
臣)世の平和のためだ。
♡)私ちゃんと運転できるもんっ!
臣)……。
♡)標識だってちゃんとわかるもんっ!
臣)……。
♡)安全運転するもんっ!
臣)……。
♡)え…、シカト?
臣)ぶっww
♡)しゅん……
臣)しゅんとしてもダメ!w
  もう一回運転したかったら
  もう一回教習所通え。
♡)ひどーーい!!
臣)ひどくありません。
♡)ぷんっ
臣)あ、すねたw
♡)ぷんぷんっ
臣)あ、怒ったw
♡)……。
臣)……。
♡)すーき♡
臣)何やねんそれ!ww
♡)えへへ♡
 
 
それから二人で道の駅に寄って、
美味しいものをちょこちょこ食べて
車に戻ってきた。
 
 
♡)楽しかったぁ〜♡
臣)たまにはいーな、こーゆーのw
♡)ねっ、美味しかったね♡
臣)うん。
♡)…あれ?
臣)ん?
♡)ヘアクリップがないー!
臣)へ?
♡)バッグにつけてたやつー!
臣)落とした?
♡)そうかも…
  ちょっと見てきてもいーい?
臣)おう。
 
 
バタン。
 
 
車を降りて、来た道を少し戻ると…
 
 
♡)あっ!!あった!!
 
 
良かった〜!!!
 
 
急いで落ちてたクリップを拾おうとすると、


♡)あっ…


先に誰かに拾われて…
 
 
♡)え…?
 
 
顔を上げると、男の子が二人立ってた。
 
 
♡)あの…それ…私の…、
男)はい。
♡)ありがとうございます♡
 
 
頭を下げて引き返そうとすると
後ろから腕を掴まれた。
 
 
♡)え?
男)ちょっと待ってよ…
♡)???
男)このへんの子?
♡)え??
男)大学生?
♡)…違います!大人です!
 
 
むぅぅぅ!!
 
 
男)「大人です」ってww
男)ごめんごめんw
男)かーわいw
♡)あの、離してください。
男)友達と来てるんですか?
♡)え?
男)良かったら一緒に遊びません?
♡)遊びません。離し…

 
ぐいっ

 
♡)わっ!
 
 
男の子たちから引き離すように
目の前に回ってきた腕。
 
振り向かなくても、匂いでわかった。
 
 
臣)クリップあった?
♡)臣くん…っ
 
 
臣くんは私の手の中のクリップを確認してから
私の手を取った。
 
 
臣)行くぞ。
♡)はいっ
 
男)なんだよ…彼氏いんじゃん。
男)まぁ可愛いしな、いるよな。
男)じゃあ違う子探そうぜーー
男)だな。
 
 
臣くんが私の手を引いて、早足で歩く。
 
 
♡)臣くん…?
臣)……。
 
 
バタン。
 
 
車に乗っても
臣くんは何も喋らなくて…
 
怒ってるの…かな?
 
 
♡)ごめんね?
臣)…え?
♡)クリップ落として。


ほんと私、鈍臭いよね…。


臣)…いや、それはいいけど。


臣くんがチラッと横目で私を見た。


臣)つーかお前こんなとこに付けてっから
  すぐ落とすんだろーー
♡)だって使いやすいんだもんっ。
臣)はぁ…。
♡)…??


臣くんがため息ついちゃった…。
 
 
むにっっ
 
 
♡)んっ!!
 
 
今度はほっぺを摘まれた…!
 
 
♡)なぁにー!
臣)……もう、…俺の名前書いときたい。
♡)え??


名前って…、


♡)どこに???
臣)このほっぺ。
♡)えっ!!!
臣)……ぶはっww
♡)もう、離してよ〜〜///
臣)はいはいw
 
 
私のほっぺから離れた手が
そのままエンジンをかけた。
 
 
♡)……。
 
 
私のほっぺに…名前書いときたいって…
 
それって…
 
「俺の」って…こと??
 
 
♡)……///
 
 
なんか…ちょっと嬉しい///
 
 
臣)…何ニヤニヤしてんすかーー
♡)えっ!してない…もんっ///
臣)エロいことでも考えてたんだろ。
♡)考えてないしっ!//
  それは臣くんでしょっ!!
臣)うん。
♡)え??
臣)俺の頭ん中はエロ一色。
♡)え〜〜〜!!!!
臣)いや、男なんてみんなそうだな。
♡)何それ!開き直ってる!
臣)あははははw
 
 
臣くんは笑いながら車を走らせるけど
どこに向かってるのか、私はわからない。
 
 
♡)次はどこ行くのー?
臣)どこ行くのー?
♡)え??
臣)え??w
♡)もう何それー!!w
臣)ははははw
♡)ここから近い?
臣)うん、まぁ。もうすぐ。
♡)どこだろう。
臣)……。
 
 
それからしばらく
キョロキョロ景色を見てると、
 
車が停まったのは
ジュエリーショップだった。
 
 
♡)え?
臣)降りるぞーー
♡)???
 
 
ここで降りるの…?
 
ジュエリーショップ…だよね??
何するんだろう??
 
 
よくわからないまま
臣くんと一緒にお店の中に入ると…
 
 
♡)うわぁ…
  キラッキラだぁ…///
 
 
天井には輝くシャンデリア。
 
 
フロアも綺麗な照明に彩られていて
 
ショーケースの中には
キラキラ光るアクセサリーたち。
 
 
♡)すごいね……
臣)なー。
 
 
こんなお店に…何しに来たんだろう。
 
 
店員のお姉さんにニコッと笑いかけられて、
臣くんも会釈した。
 
 
♡)何か買うの??
 
 
臣くんテイストなアクセサリーは
ない気がするけど…
 
 
臣)ペアリング。
♡)え??
臣)……。
♡)ペアリング?誰の?
臣)誰のって…
  俺ら以外、誰がいんだよw
♡)え??
 
 
ペアリング…??
 
俺…ら…??
 
 
♡)えええええ!!!!
臣)…なに。
♡)え、え、え、
  ……えええええ!!!!
臣)どんだけびっくりすんねんw
 
 
ビシッ
 
 
♡)いたっ
臣)ほら、選ぶぞーー
♡)え、え、え…
 
 
ペアリングって…、どうして…っ
 
 
♡)ペアリング…買うの??
臣)うん。
 
 
ほんとに…?
 
 
臣)やだ?
♡)え、え、やじゃないっ!!!
 
 
えっと…
 
 
♡)私と…臣くんの…ペアリング??
臣)そうだっつーのw
♡)……///
 
 
どうしよう…
嬉しすぎて頭がパニックだよぅ!!
 
 
♡)急に…どうして?
臣)だって、記念日じゃん。
♡)はっ!!そうだった!!
臣)忘れてたんかいw
♡)忘れてないけど…っ
  はわわわっ///
 
 
そっか…記念日!!
 
 
臣)ほんとは…
  昨日渡したかったんだけど…
♡)え?
臣)お前のサイズ、わかんねぇから。
♡)え…っ
 
 
臣くんが私の手を握った。
 
 
臣)うん。やっぱ見てもわかんねぇ。
♡)…っ
臣)それにお前…
  一緒に選びたいんでしょ?
♡)え!?
 
 
何の話??
 
 
臣)健ちゃんに言ってたじゃんw
♡)え!?
 
 
健二郎…くん??
 
あれ?
 
 
だって…
健二郎くんのあの話は
臣くんには内緒って…
 
 
あれ??
 
 
臣)ほら、選ぶぞーー
♡)…っ
 
 
臣くんがそのまま私の手をひいて
ショーケースの前に連れていってくれた。
 
 
はっ!!!!
 
 
でも…でも…
ペアリングって…!!
 
 
♡)ダメだよ!!
臣)はい?
♡)ペアリングなんて買ったらバレちゃう!!
臣)誰に。
♡)え…っ
臣)つーか誰がバラすんだよw
♡)え…っ
 
 
誰って…
 
 
ふと目が合うと、
店員さんはニコッと笑った。
 
 
店)私たちにも守秘義務がございますので
  ご安心くださいませ♡
♡)あっ、えっ、ごめんなさいっ
  そんなつもりじゃ…
臣)つーかまずサイズ測ってもらえば?
♡)えっ、あっ…
店)失礼します♡
 
 
店員さんが私の左手を握った。
 
 
店)わぁ…綺麗な手ですねぇ…
♡)えっ!!
店)華奢ですねー♡
  6号…くらいかな?
 
 
店員さんが私の薬指に
6号のリングゲージを通した。
 
 
店)うん、やっぱり♡
臣)すげぇ…一発。
♡)6号…
 
 
知らなかった。
初めて測ってもらったし…
 
 
店)5号でも多分いけそうですけど
  あとはお好みのフィット感とか
  アイテムによりですね。
♡)なるほど…
  …あっ!臣くんは??
臣)俺15。
♡)あ、知ってるの??
臣)うん。
♡)そっか…
 
 
あれ?
ってゆーか…
 
 
♡)サイズって薬指?
臣)え?
 
 
今測ったのって…
 
 
♡)左手の、薬指??
臣)……。
店)ペアリングは人それぞれですが
  左の薬指につけることが
  一番多いですよー♡
♡)そうなんですか?
店)はい。
 
 
にっこり笑う、お姉さん。
 
 
店)左手の薬指は結婚指輪だけー!
  っていう強いこだわりがある方は
  右手の薬指につけることもありますが…
♡)なるほど…。
 
 
そんなこだわりは私はないけど…
 
 
店)右手も測りますか?
♡)あ…、えっと…
 
 
臣くんが私の薬指をトントンしてきた。
 
 
臣)俺はここにつけて欲しーんだけど。
♡)え…?
 
 
トントンされてる薬指は…
 
右手じゃなくて、左手。
 
 
♡)////
 
 
それがすごく嬉しくて…
 
 
♡)うん…、
 
 
胸がいっぱいで頷くしか出来なくて、
隣をチラッと見上げると
 
嬉しそうに笑う、
臣くんの口元だけが盗み見れて…
 
 
♡)////
 
 
きゅん…っ
 
 
胸が音を立てた。
 
 
店)気になるアイテムがございましたら
  サイズご用意いたしますので
  お声がけくださいね♡
臣)はい、ありがとうございます。
 
 
そう言って店員さんが一歩下がると
臣くんが私に身を寄せて
 
 
臣)どれがいい?
 
 
優しく囁いた。
 
 
♡)////
 
 
どうしよう…
 
ペアリングなんて…
ペアリングなんて…
 
 
嬉しくて…ドキドキするよぅっ!
 
ううう///
 
 
♡)全部…可愛い///
臣)全部かいw
♡)うん…っ
 
 
だって…
目の前にはズラリと並ぶ
キラキラのリングたち。
 
 
臣)これとかは…?
♡)可愛いっ♡
臣)こっち、ちょっと形違う。
  似てるけど。
♡)うん、これも可愛いっ♡
臣)お前は…w
  どれでもいいんかい!w
♡)だって〜〜!!//
 
 
臣くんとペアなんて…
お揃いなんて…
 
もうそれだけで嬉しくって…
 
 
♡)ううう///
臣)ふっw
 
 
わっ
臣くんが…
腰に手をまわしてきた。
 
 
臣)これはー?
♡)うん…可愛い…です//
臣)こっちはシンプル。
♡)うん…//
 
 
なんかもう…嬉しくて
キュンキュンするーー!!
 
どうしよう!!!
 
 
♡)あ…こっちにも
  可愛いのいっぱいある!
臣)ん?
♡)わぁっ♡
  可愛い…、あっ、これも!!
  わぁっっ♡
 
 
石がついてるリングがたくさん並んでて、
いろんな色があって、可愛くてキレイ♡♡
 
 
店)こちらはエンゲージリングですよ♡
♡)え…?
 
 
エンゲージリングって…
婚約指輪???
 
 
店)石がついているものは
  ほとんどそうです♡
♡)わ…そうなんだ…。
 
 
エンゲージリングかぁ…
可愛いけど…
 
 
臣)そっちがいい?
♡)え??
臣)可愛いって言ってたから。
♡)あ、ううん!!
  こっちはエンゲージリングなんだって!
  見てただけだよー!
臣)そっちがいいなら
  そっちでもいいけど。
♡)え??
  こっちはエンゲージリングだよ?
臣)うん。
♡)え?
臣)ペアリングより
  エンゲージリングがいいなら
  そっちでもいいよって。
♡)え??
  ……エンゲージリングだよ?
臣)わかってるっつーの!w
♡)え??
 
 
そっちでもいいよって…
 
え???
 
 
♡)エンゲージリングって…
  婚約指輪だよ?
臣)わかってますw
♡)え…っ
臣)……最初は…
  そっち買おうと思ってたの。
♡)え?
臣)でも…お前がペアリングの方が
  いいって言ったから…
♡)え?
臣)健ちゃんがリサーチしたら
  そう言ったじゃん。
♡)…っ
 
 
健二郎くん…??
 
……リサーチって…
 
 
♡)えっ…だって…、健二郎くん…
  ……彼女に…指輪…、
臣)あれ、嘘。
♡)えっ!!!!
 
 
う、うそ?!!
 
 
臣)俺の代わりに聞いてくれただけw
♡)え〜〜〜っ!!
臣)ははっw
♡)うそ、だって…
  恥ずかしいから臣くんには内緒って…
臣)うん、それも嘘。
 
 
えええ!!!
 
 
♡)だ、だって…
  彼女と一生一緒にいたいと思ってるって…
臣)うーん…、それは…たぶん…
♡)たぶん?
臣)……なんでもない//
♡)え??
臣)まぁとにかく健ちゃんの話は
  もういいから。
 
 
臣くんは私の背中をトントン叩いて
ニコッと笑った。
 
 
臣)エンゲージリングでも
  ペアリングでも
  お前の好きな方でいいよ?
♡)…っ
 
 
好きな方って…言ったって…、、
 
 
♡)意味が…全然違うもん…。
臣)え?
♡)エンゲージリングとペアリングじゃ…
臣)なんで?
  俺的にはどっちも一緒だけど。
♡)え??
臣)一緒っていうか…、
  まぁどっち買っても気持ちは一緒って事。
♡)え??
臣)……だから…、〜〜〜///
 
 
どういう…意味??
 
 
臣)エンゲージリングを
  お前にあげたいと思った気持ちは
  お前がペアリング選んでも
  変わんないってこと。
♡)え…??
臣)……だーかーらー//
♡)??
臣)健ちゃんが言ってたやつ!///
♡)え…??
臣)……一生…、一緒にいたいと思うから
  プレゼントすんだろ?そっちは。
♡)…っ
臣)だから…
  その気持ちは変わんないって
  言ってんの!//
♡)…っ
臣)何回も言わせんな!///
♡)////
 
 
どう…しよう…っ
 
臣くんの気持ちが…嬉しくて…
 
 
♡)うううっ…
臣)はっ!!
♡)わーーんっ
臣)出たー!!泣くなっ!!
♡)だって〜〜〜
  ぐすっ、ぐすんっっ
臣)だ〜〜〜っ、もう!//
♡)うううっ、ふぇぇっ///
 
 
臣くんが眉を下げながら
私のほっぺを撫でてくれた。
 
 
だって…
一生…一緒にいたいって…
 
エンゲージリングって…
 
 
そんなの…
そんなの…
 
泣いちゃうに決まってるもん!!!
 
 
臣)泣ーくーなー//
♡)ううっ、ふぇっ
臣)恥ずかしいだろー//
♡)……っ
 
 
ふと振り返ると
店員さんはいなくなってて…
 
気を…利かせてくれたのかな?
 
 
♡)ぐす…っ
 
 
臣くんが優しく私の頭をぽんぽんして
涙を拭いてくれた。
 
 
臣)…で、どっちがいい?
♡)え…?
臣)指輪。
♡)……///
 
 
どう…しよう…、、
 
 
♡)エンゲージリングが
  すっごく嬉しかったけど…
  …おんなじ気持ちなら…お揃いがいい。
臣)……じゃあ、ペアにする?
♡)うんっっ♡♡
臣)ん。
 
 
そう言って臣くんはまた、優しく笑った。
 
 
♡)////
 
 
胸がじーんってなる…

あったかくて…大好きな笑顔。
 
 
私は嬉しくなって我慢できずに
臣くんの腕に飛びついた。
 
 
臣)おわっw
♡)えへへ…♡
臣)ほら、選ぶぞ、泣き虫。
♡)……//
 
 
だって…
感動したんだもんっ///
 
 
臣)どんなんがいい?
♡)臣くんは…?
臣)うーん…俺は…
  ……いや、だめ。
  お前すぐ俺に流されるからw
♡)え〜〜!!
臣)よし、じゃあお互いに候補を探そう。
♡)え??
臣)んで、その候補の中から二人で決めよ。
♡)…わかった!!!
 
 
それから二人で真剣にデザイン選び。
 
 
♡)絞ったぁ!!
臣)何個に?
♡)3個ー!!!
臣)俺も3個!!!
♡)おおおっっ
臣)かぶってんのあるかなw
♡)ドキドキ…//
  じゃあ…せーのね!!
臣)3つあんのにせーの?w
♡)頑張って指して!!
臣)はいはいw
♡)じゃあ…せーのっ!!
 
 
二人で指差したリングは1つだけかぶってた。
 
 
臣)おおおお!!!
♡)わぁっっ♡
臣)じゃあもうこれに決定じゃんw
♡)うんっっ♡
 
 
おんなじの選ぶなんてすごーいっ♡♡
 
 
臣)すみません、これ試着いいですか?
店)かしこまりました♡
 
 
店員さんがガラスケースから出してくれて
私たちは自分の指に、リングをはめた。

 
臣)お、ぴったり。
♡)私もぴったり!♡
臣)じゃあこれにする?
♡)うんっ!!
店)刻印は何か入れますか?
臣)え?
店)こちらのデザインでしたら
  内側に16文字まで入れられますよ♡
臣)どうしよっかな…、、
♡)臣くんの名前ー!!!
臣)はい??w
♡)私のには臣くんの名前ー!!
臣)入れたいの?w
♡)うんっっ♡♡
臣)じゃあ…俺のには、お前の名前?
♡)…それは…お任せします//
臣)なんだよそれ!!w
♡)だって…恥ずかしい//
臣)ペアなんだから揃えようよw
 
 
「ペア」っていう響きに
また胸が嬉しくなる。
 
 
♡)じゃあ…入れる…//
臣)おうw
店)ではこちらの用紙に、
  ご記入お願いいたします。
臣)はい。
 
 
臣くんが
自分の名前と私の名前を
アルファベットで書いてくれて…
 
 
臣)日付も入れる?
♡)え?
臣)記念日の。
♡)入れるーー!!!
臣)はいはいw
♡)わぁぁ♡♡
 
 
「2014.04.01」
 
 
臣くんの右手がそう綴るのを
私は幸せいっぱいに横で見つめてた。
 
 
店)では先にお会計失礼いたします。
臣)はい。
♡)あっ!!
 
 
私が慌てて財布を出そうとすると
臣くんにデコピンされた。
 
 
♡)いたぁいっ
臣)同じこと何回も言わせんな。
♡)え…?
 
 
財布をぐいっとしまわれた。
 
 
♡)…っ
臣)これは記念日のプレゼントーー
♡)えっ、だって…ペアリングだよ?
臣)だから俺からの
  プレゼントなんだっつーの!w
♡)え…っ
臣)お前だってくれたじゃん、アルバム。
♡)あ…っ
臣)あーあ、俺もほんとは
  サプライズにしたかったのになーー
♡)えっ
臣)サイズわかんないせいで…
  くそーーー
♡)……//
 
 
口を尖がらせてる臣くんが
すっごく可愛い//
 
 
臣)ま、でも…
  一緒に選べたからいっか♡
♡)////
 
 
臣くんの気持ちが…すっごく嬉しい。
 
 
私のために…いっぱいいっぱい
考えて…くれてたのかな。
 
 
私は…
臣くん大好きって…、喜んでほしいって…
そう思ってアルバムを作ったけど
 
臣くんも同じ気持ちで
いてくれたのかな。
 
 
なんか…
それがすっごく嬉しい♡
 
 
♡)両想いだ♡♡
 
 
臣くんの腕に、きゅっと掴まった。
 
 
♡)両想い♡♡
臣)…何を今更w
♡)そうじゃなくてー♡
臣)なーにw
♡)なんでもないもんっ♡
臣)ふっw
 
 
店)では仕上がりは2週間後になります。
臣)はい。
♡)そっか、今じゃないんだぁ。
臣)すぐ欲しかった?w
♡)ううん、待ってる間もわくわくするから
  我慢するー♡
臣)はははw
店)どうもありがとうございました♡
 
 
 
 
 
 
 
 
ー続ー

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