小林直己 Xmas short story 〜残り傷〜

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私には気になる人がいる。
いつも友達と行くバーのカウンターで
一人でお酒を飲んでいる男の人。

名前も知らなくて
話したこともない。

でも…
なぜかわからないけど
ただ…気になるの。


友)マスターおかわりー!
マ)今日はペース速いねぇ?w
友)いーのっ♡
  ねっ、〇〜〜〜♡
〇)あはははw
  大丈夫〜??
友)だってや〜っと彼氏が
  出来たんだもん!
  今日は祝い酒〜〜♡
マ)ははははw


チリリリン…♪


マ)いらっしゃい。
直)どうも。


あ…あの人だ。


直)いつもの…
マ)はいよ。


あ…
またいつもの席に座った。


友)わぁ…背ぇ高い人だねぇ…
  初めて見た。
〇)……


ううん…いつもここに座ってる。
いつも来てる人なの。


マ)じゃあ彼氏ができたってことは
  Xmasはデートなのかな?
友)もちろんです〜〜
  えへへーー♡♡
〇)いいなぁw
マ)〇ちゃんは…?
  彼氏作らないの?
〇)…私は……
マ)気になる人とかいないのかい?
〇)……


気になる人なら…
隣にいます。


友)〇は理想が高いんだよぉ〜〜w
〇)そんなことないもん//
友)そーれーにーー
〇)え??
友)あの人のことが
  忘れられないんでしょ♡
〇)……っ
マ)あの人って?
友)〇のこと助けてくれた人〜♡
マ)何その話。聞かせてよw
〇)……



1年前のXmasだった。

道路を歩いてたら
道路脇に停まってたトラックの
荷物がほどけて…

私めがけて降ってきた荷物から
男の人が身体をはって
助けてくれた。

でも…
男の人はそのせいで怪我をした。
腕が切れて…血が出て…

私は自分が巻いていたスカーフで
必死に止血した。

男の人は
スカーフが汚れちゃうからって
そんなこと気にしてて

私が泣いてると
「大丈夫だから」って
すごく優しい声で

私の頭を撫でて
いなくなった。


お礼したかったのに
連絡先も…名前すら…
わからなくて…


マ)へぇ〜〜〜
  カッコイイ男だねぇ!!
友)身を挺して守ってくれるなんて
  素敵すぎるーー♡♡


私がそんな話をしてると
隣のあの人が
私の顔を見た。

初めて…目が合った。


〇)あの……何か?
直)…いえ……
マ)ああ、そういえば…
  二人とも常連なのに
  話したことなかった?w
〇)はい……


ずっと…気になってはいたけど…


マ)こちら直己くん。
  こちら〇ちゃん。
〇)どうも…初めまして…
直)……


その人は軽く会釈するだけで
挨拶はしてくれなかった。

でも…
ただ私の顔をじっと見てる。

直己…さん?


マ)じゃあ〇ちゃんは
  その人に一目惚れしちゃったって
  ことかい?
〇)えっ…
友)今もし現れたら
  絶対好きになっちゃうでしょ♡
〇)わかんない…けど…//
  でも…すごく会いたいな…
友)いやーーん♡

直)会いたいん…ですか?

〇)えっ……


直己…さん…が
初めて口を開いた。


〇)はい。
直)…どうして?
〇)……お礼を…
  言いたいんです。
直)……
〇)だって…
  あんな怪我までして
  私を助けてくれたから…
直)……



その日を境に
私はバーで会うたびに
直己さんと話をするようになった。

全然喋らないクールな人なのかなって
思ってたら

全然そんなことなくて…

面白いこと言ってふざけたり
いっぱい笑ったり

一緒にいるとすごく楽しくて

私は気付けばどんどん惹かれてた。


マ)二人はXmasの予定は?
〇)何もないですよ〜〜〜
  友達はみんな彼氏とデートだしw
マ)ああ、そうかそうかw
直)…俺も…何もないなぁ…
〇)……じゃあ
  二人でデートしちゃいますか?
  なーんてww
直)……
〇)またいつも通り
  ここで飲んでそうだけどw
マ)なーに、ここじゃ不満かーい?w
〇)あははははw
  そうじゃないですけどーー
直)じゃあ…違う店行く?
〇)え??
直)Xmas。
〇)……
直)二人で。
〇)え……


それって…


直)ここじゃなくて。
〇)……
マ)二人してここディスるの
  やめてよね〜〜w
直)いや、そんなんじゃないっすw
マ)まぁね、Xmasくらい
  もっとオシャレな店
  行ってきたらー?二人で♪
直)行こうよ。
〇)……はい//


どうしよう…
直己さんに誘われた。

深い意味は
ないのかもしれない。

ただ…お互い空いてるからって
それだけなのかもしれない。
でも…
すっごく嬉しい///



ーXmas当日ー


直)結局今日もバーだねw
〇)あははは♡
直)まぁいつもよりは
  オシャレなバーってことで。
〇)それ言ったら
  マスターに怒られちゃうw
直)内緒内緒w
〇)あはははw


二人でディナーを食べて
その後はバーでゆっくり飲んでた。


昨日までは
緊張でドキドキしてたのに
実際に会うと
やっぱりすごく楽しくて

時間が経つのがあっという間だった。


直)今日は…さ、
〇)はい…
直)渡したいものが…あって
〇)え…?
直)これ……


カウンターの上に置かれた箱。


〇)これ…
直)……
〇)プレゼント…ですか?
直)うーん……
  プレゼントなんだけど
  プレゼントじゃない。
〇)え??
直)ずっと渡したくて
  今日になっちゃったから…
〇)え…?
直)でも…Xmasだから
  Xmasプレゼントってことに
  しようかな…
〇)???


どういう…意味だろう…


〇)開けても…いいですか?
直)…どうぞ……


リボンをほどくと
中身は…


〇)わぁ!スカーフだ!!
直)……


エルメスの…スカーフ…
すごく高そう…


〇)こんなの…
  もらっていいんですか?//
直)うん…
〇)すっごく嬉しい♡♡
直)良かった…
〇)本当に本当に
  ありがとうございます///
直)…
〇)…
直)顔…赤い…
〇)…っ///


直己さんが
私の頬に触れた。


直)飲みすぎた?
〇)いえ…//
直)……
〇)これは…ドキドキしてるから…
直)え…?
〇)直己さんに…
  ドキドキしてるから///
直)…っ


わ、わ、言っちゃった!!
どうしよう!!

恥ずかしくて
顔を隠しながら
カウンターに肘をつく。


ドキドキドキ///


直)なんで俺に…
  ドキドキするの?
〇)えっ…


なんで…って…
そんなこと聞く?!///


〇)……
直)ねぇ…どうして?
〇)////


髪を耳にかけられて
ドキドキしながら直己さんを見ると
少し悪い顔をして笑ってた。


〇)!!!


この人…わざとだ!!


〇)意地…悪…///
直)……ははっw
〇)……
直)俺も…ドキドキしてるよ?
〇)え…っ
直)……
〇)どうして…ですか?
直)それ、聞く?w
〇)……///


だって…
先に聞いてきたのは直己さんなのに…


テーブルに置かれた
ゴツゴツした男らしい手。

私はその手にそっと触れる。


直)…っ
〇)……///


小指をきゅっと掴むと
上から手を握られた。


〇)////


ドキドキ…する…


〇)恥ずかしい…です//
直)そっちから…
  触ってきたのに?w
〇)……///


やっぱり私…
直己さんが好き…

繋いだ手から
伝わる熱で

それだけで
ドキドキして
おかしくなりそう…


手を繋いだまま
じっと直己さんを見つめる。

肩と肩が触れ合って…

直己さんの目に
私が…映ってる…


キス…したい……


私がそっと目を閉じると
直己さんが
触れるか触れないかの
優しいキスをしてくれた。


〇)////


私は顔を見れなくて
また俯く。


〇)ドキドキ…する///
直)……俺も…
〇)どうして…?
直)キス…したから…?
〇)どうして…キス…したの?//
直)それ…聞く?w
〇)////
直)〇は…どうしてキスしたの?
〇)……///


「好きだから」


その言葉を
お互いに言わずに

手を繋いだまま見つめ合う。


〇)もう一回…してください//
直)……キス?
〇)///
直)…どうして?
〇)……
直)……
〇)したく…ないですか?
直)…したいよ?
〇)どうして…?
直)……
〇)したいんですか?//
直)……


そのまま…
直己さんの唇が重なる。

今度は…
ちゃんとわかるくらいに
熱い…キス…

言葉なんかなくても
もう…お互い…わかってる。


このままもっと…
キスしたい。

直己さんが…欲しい…


〇)はぁ…//
直)……//


焦れったく見つめ合うと
直己さんが私の手を取った。


直)出ようか…
〇)はい…//


そのまま二人で
ホテルの部屋へ…

想いに身を任せて
お互いに求め合う。

触れ合えば触れ合うほどに
好きになっていくみたい…




朝…目が覚めて
私は直己さんにもらったスカーフを
もう一度眺めてた。

これ…私のために
選んでくれたんだよね?

すごく…嬉しい…///


直)おはよ……
〇)あ…っ


後ろから優しく抱きしめられた。


直)裸にスカーフですか?w
〇)今つけるわけじゃないもんっ//
直)はははっw
〇)嬉しいから…見てたのっ//
直)ん……
〇)……
直)お前のスカーフ…
  汚しちゃったから…
  ずっと渡したかった。
〇)……え?


私の…スカーフ??

え…??

……


…まさか……



バッ!!!


直)なにっ
〇)……!!


その腕には…
見覚えのある傷痕…


まさか…


〇)直己さん…だったの?
直)……
〇)どうして…
  言ってくれなかったの?
直)……
〇)どうして…


ぎゅっ…


優しく抱きしめられて
直己さんが耳元で

優しい声で言った。


直)そんなの関係なく
  好きになってほしかったから。
〇)え…?
直)俺のこと。
〇)……
直)……
〇)どうして…?
直)それ…聞く?w
〇)////
直)この状況で?w
〇)聞く!!!
直)えっ
〇)教えて!!!
直)……


直己さんが困ったなって顔で
照れくさそうに笑った。


直)わかるでしょ…//
〇)……
直)……

〇直)好きだから。

直)!!!
〇)////


私は直己さんに抱きついた。


〇)好きっっ
直)///
〇)大好きっっ
直)……うん///


優しく私を抱きとめてくれる
あたたかい腕。

あの日私を守ってくれた
力強い腕。

1年前のあの日…
もし出逢ってなくても
私は直己さんを好きになったけど

でも…
1年越しで巡り会わせてくれたのは

きっと
神様からのXmasプレゼント。

ねぇ、そうだよね?



ーendー

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  1. 三代目J Soul BrothersLOVE より:

    直己さん…!
    やばいかっこいい♥//////

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