(119)岩ちゃんStory ①

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今日は事務所の近くのイタリアンで
マネージャーとスタッフさんと
打ち合わせを兼ねてのランチ。
 
 
マ)じゃあ岩ちゃん、
  来週のスケジュール変更は
  これでよろしくね。
岩)はい。
ス)いやーーー
  岩ちゃんもほんとこれから
  どうなってくんだろうなーー
ス)EXILEになったから
  またさらに人気出ちゃうんだろうな。
岩)いえいえ、そんなことないです。
ス)まったまたーw
ス)もともとEXILE入りも
  一番間違いないって
  言われてたしねーー
岩)いや、そんなことないです。
  少しでも貢献できたらなって
  思ってるんで…
ス)また若い層取り込めるといいよね。
マ)ファン層も広がりますよね。
 
 
そんな話をしながら
サラダを食べてると
 
俺はふと隣の席の女の子が気になった。
 
 
一人でランチしてるのかな?
 
料理が来るのを待っている間、
せっせと自分のジャケットの
ボタン付けをしてる。
急に取れたのかな?
 
 
キレイな手で器用に裁縫してる姿に…
気付いたら俺は見とれてた。
 
 
女の子が縫い物とか編み物とかしてる姿って…
なんかいいよなぁ…
 
癒される。
 
 
店)お待たせしました。
  アイスティーでございます。
 
 
店員さんが飲み物を運んできて
ふとその子が顔を上げた瞬間、
 
俺はびっくりして
また見とれてしまった。
 
 
岩)……///
 
 
すごく…可愛い…。
 
 
こんな可愛い子…、
久しぶりに見たな。
 
 
この業界の子かな??
 
グラスの持ち方もキレイだし…
 
 
あ、ボタン付け、終わった。
あ、裁縫セット片付けた。
 
 
マ)岩ちゃん…w
岩)え??
マ(隣の子、見すぎw)
岩(あ、バレた?w)
マ(すごいキレイな子だね。)
岩(うん、思わず見ちゃったw)
 
 
キレイなのは確かなんだけど…
それだけじゃなくて。
 
なんだか思わず見てしまう、何かがある。
 
 
どんな声で話すんだろう…
どんな顔で笑うんだろう…
 
 
俺は気付けばそんなことを考えてて
打ち合わせをしながらも
ずっと彼女を見つめてた。
 
 
 
それから焼きたてのピザが来て
みんなで取り分けてると、
 
彼女は隣でパスタをフォークに巻きつけてる。
 
 
テーブルに置いてる携帯が揺れると
食べるのを中断して、画面を開いて。
 
彼女はすぐに、笑顔になった。
 
 
岩)…っ///
 
 
わ…、こんな顔して笑うんだ…
 
めちゃくちゃ可愛い///
 
 
なんだろう…
 
彼氏から…?とかなのかな……。
 
 
 
それからしばらくして、
スタッフさんが電話を持って席を立った。
 
 
ス)うわぁっ!!!
 
 
びりびり、ぶちっ…
 
 
岩)えっ!!!
 
 
すごい音がして振り向くと、
スタッフさんが
店の木の枝にシャツをひっかけて
シャツは綺麗に裂けてた。
 
 
ス)うわーーーやっちゃった。
マ)見事に裂けてますね。
岩)あちゃーーー
ス)このシャツ気に入ってたのになぁ…
ス)上手く縫えばいけんじゃない?
ス)大丈夫かなぁ…
  とりあえず置いてくわ。
 
 
スタッフさんは
シャツを自分の席に置いて
そのまま電話をかけに行った。
 
 
……あ。
 
 
女の子が席に置かれたシャツを
じっと見てる。
 
 
そんな彼女を見てると
彼女はふと俺の顔を見て…
 
目が合うと、遠慮がちに口を開いた。
 
 
♡)あの…
岩)……
♡)良かったら…
  私、縫いましょうか?
岩)え??
♡)丁度、今日…
  ソーイングセット持ってるんです♡
 
 
うん、知ってる。
さっきまでめっちゃ見てたし。
 
でも…
それよりも…
初めて耳に届いた彼女の声が
想像通りの声で…//
 
 
ス)ごめんごめん、お待たせー。
ス)あ、なんか…
  シャツ縫ってくれるって言ってるよ。
ス)え?
ス)お隣さん。
 
 
スタッフさんが振り返ると
彼女はにこっと笑った。
 
 
♡)良ければ…ですけど
ス)え、いいんですか??
♡)はい♡
ス)え…じゃあ…
  お願いしちゃおっかな…
  なんか…すみません//
♡)いーえ♡
 
 
そう言って彼女はまた
スイスイ慣れた手つきで
シャツを縫い上げた。
 
 
ス)一人でランチされてたんですか?
♡)あ、はい♡
ス)職場、このへんとか?
♡)いえ、今日はアポでたまたまこのへんに。
ス)あ、そうなんですねー。
♡)美味しそうなお店がたくさんあって
  迷っちゃいました♡
ス)あはははw
♡)はい、出来ましたよー♡
ス)え、もう?!
♡)似たような色の糸があって
  良かったです♡
ス)うわ、すごい!
  全然目立たない!!
♡)大丈夫かな…
ス)全然大丈夫です!!
  すごいありがたいな…これ…//
♡)良かったぁ♡♡
 
 
そう言って笑った彼女の笑顔が
ものすごく可愛くて
 
俺たちは全員、釘付けになった。
 
 
ス)よ、良かったね///
  こんな可愛い子に縫ってもらえてw
ス)なんかついてるなー、俺…///
ス)シャツ破けたけど?w
ス)うんw
ス)ははははw
 
 
その後もさりげなく彼女を見てると、
 
手帳を開いて何かメモしたり…
携帯を開いて何かメモしたり…
 
どんな仕事してる子なんだろう?
 
 
♡)よしっ♡
 
 
あ…、
 
彼女が席を立った。
 
 
ス)あのっ…
  ありがとうございました!
♡)いいえ♡
 
 
お礼を言ったスタッフさんにニッコリ微笑むと
彼女は伝票を持ってレジに向かった。
 
 
岩)…っ
 
 
どうしよう…
 
どうしよう…
 
 
ドクン。ドクン。
 
 
話しかけたい…!
 
このまま、終わりにしたくない。
 
 
マ)岩ちゃん…?
岩)……っ
 
 
俺が席を立とうとした、その時だった。
 
 
♡)あれっ、どうしよう///
 
 
レジから聞こえてきた、彼女の声。
 
 
♡)財布が…ないよぉ…っ
  あれ、なんで?
  ………あっ!!
岩)いくらですか?
店)1080円です。
岩)じゃあこれで。
店)ありがとうございます。
♡)え、え、わ、どうしよう、
  ごめんなさい!!
岩)いえ…
♡)ほんとにごめんなさい!!
  どうしよう…
  あの、お金、返します!!
岩)いいですよ、これくらいw
♡)でも…っ
岩)シャツ…直してくれたから…
  そのお礼ってことでw
♡)え…、でも…っ
 
 
その時やっと、
彼女がハッキリ俺の顔を見た。
 
 
♡)あ…れ…?岩…ちゃん?
岩)え…っ
 
 
俺のこと、知ってる?
 
 
♡)えっと…、本物…?
  岩ちゃん?
岩)はい。
 
 
俺がサングラスを外すと
彼女は目を丸くした。
 
 
♡)わ!!本物だ!!!
岩)あはははw
♡)わ、わ、え、…どうしようっ
 
 
なんかあたふたしてる。
 
 
まさか…
まさか俺のファンだったり…
 
ないよな、
都合良くそんなこと。
 
 
♡)あの、お金絶対返すから!!
  ごめんね??
岩)いいよ、ほんとにw
♡)でも…、、あーーっ!!
岩)え??どうしたの??
♡)ど、ど、どうしよう。
岩)???
 
 
彼女は泣きそうな顔をしたあと、
すがるような目で俺を見た。
 
 
♡)岩ちゃん…一生のお願い…っ
岩)え??
 
 
泣きそうっていうか、もう半泣きだし!  
 
 
岩)どうしたの?
♡)絶対絶対返すから、
  お金貸してください…
岩)え!!!
 
 
必死に頭を下げられた。
 
 
♡)このあと、アポで
  タクシー乗らないといけないんだけど
  財布…たぶん会社に忘れてきちゃって…
岩)ああ!そういうこと?
♡)絶対絶対返すから!!
  えっと…怪しい者じゃないです…
  私…、あの…、どう…しよう…
  あ、そーだ!
 
 
彼女は慌てながら
名刺ケースを取り出した。
 
 
♡)これ、私の連絡先…
  あ、でもダメだ!!
  私の伝えても…っ
  あの、岩ちゃんの連絡先…
 
 
俺の連絡先を聞こうとして
ハッとする彼女。
 
 
♡)私っ…、ますます怪しい?
  うわーん!!
  違うの、絶対お金返すからー!!
岩)あははは、怪しんでないよw
  いくらいるの?
♡)い、一万円…貸してください…
 
 
眉をしょんぼり下げて
すごく申し訳なさそうなのが、可愛くてw
 
 
岩)はい、じゃあこれ。
♡)ありがとうっ!!
  本当にありがとう…!!
 
 
深々と頭を下げられて。
 
 
お金は返さなくてもいいよって
言いたいけど…
 
また会える口実になるから…。
 
 
岩)何か書くもの貸して?
♡)あ、はい…
 
 
俺は自分の連絡先を書いて
彼女に渡した。
 
 
♡)あ、ありがとう!!
岩)これ、さ、
 
 
彼女の名刺の電話番号を指差す。
 
 
岩)連絡してもいいの?
♡)え、いいけど…
  私から連絡するよ!!
岩)え??
♡)会社に戻ったら
  財布絶対あると思うから
  そしたらお金返しに来るね!!
岩)……
♡)あとでまた連絡するね!!
岩)うん。
 
 
そう言われたのが
なんかすごく嬉しくて…
 
ニヤけそうになる口元を、さりげなく隠した。
 
 
♡)本当にありがとう!!
 
 
ペコリと頭を下げて
慌てて店を出ようとした彼女は
透明のガラスに思いきり顔をぶつけた。
 
 
♡)いっっったぁぁい……
岩)ぶっっww
♡)ううう…っ
岩)あはははww
 
 
思わず声を出して笑うと
彼女が振り返った。
 
 
♡)岩ちゃん笑いすぎだし…///
岩)あはは、ごめんww
  だって…ww
 
 
顔を真っ赤にして
痛そうに鼻をおさえながら
俺を見てる。
 
 
岩)大丈夫?w
♡)痛い……
岩)だろうね、ぶくくくw
♡)もう!岩ちゃん笑いすぎだよっ///
 
 
ぱしっと叩かれた左腕。
 
 
なんか…
今日初めて会ったのに
初めてなカンジがしないくらい
親しみやすくて…。
 
 
気軽に俺を叩いてきたのも、すげぇ可愛くて。
 
 
♡)あ、行かなくちゃ…
 
 
そう言って店を出ようとした彼女が
今度はヘアクリップを落としていって、
俺は慌てて追いかける。
 
 
岩)待って!!
 
 
とっさに掴んだ華奢な腕の柔らかさに
思わずドキッとして、
 
俺はすぐに、手を離した。
 
 
岩)あ、ごめん…//
♡)???
岩)これ、落としたよ。
♡)あっっ!!
岩)はい。
♡)これ…よく落としちゃうの。
  ありがとう。
岩)よく落とすんかいw
♡)うん。
 
 
そう言って彼女は
ヘアクリップをバッグにつけ直した。
 
 
岩)おっちょこちょいw
♡)あ、またばかにしてるでしょ//
岩)うんw
♡)もう〜〜!!//
岩)あはははw
 
 
ああ、ほんと可愛いな。
 
 
♡)あ、タクシー来た!!
 
 
タクシーに乗り込もうとした彼女は
くるっと俺を振り返った。
 
 
♡)岩ちゃん、本当に本当にありがとうっ!
岩)うん。
♡)岩ちゃん…
  思ってた通りの人だった♡
岩)え??
♡)本当にありがとう♡♡
岩)……///
♡)じゃあ、また連絡するね?
岩)うん。
 
 
バタン。
 
 
風のようにいなくなった彼女。
 
 
車が見えなくなるまで見送って。
 
というより、
気付いたら車が見えなくなってて。
 
 
それくらい俺はその場に呆然と
立ち尽くしていた。
 
 
最後に笑ったとびきりの笑顔が
頭から離れない。
 
 
あんな…明るい太陽みたいに
笑う女の子がいるんだ…。
 
 
ほんとに…可愛かった///
 
 
 
マ)遅かったね?大丈夫?
 
 
店に戻ると
心配そうな顔をしたマネージャー。
 
 
岩)大丈夫だよ。
マ)なんか…
  レジですったもんだやってたから。
岩)ああ、全然大丈夫。
マ)そう。
岩)……
 
 
なんか…これって…
運命の出逢いな気がする。
 
 
岩)♡ちゃん…、か…。
 
 
彼女にもらった名刺を見つめて、
その名前を何度もなぞって。
 
 
今日…
連絡くれるのかな?
 
なんて、そわそわしっぱなし。
 
 
 
それから俺は事務所に戻って、
メンバーミーティングが終わったのが
夜の19時。
 
 
彼女からの連絡は、まだない。
 
 
健)なーんや今日えらい携帯ばっか
  見とんなー?岩ちゃん。
岩)え、うそ、マジっすか?
健)おん。
 
 
完全に無意識だったけど…
俺、そんなに見てた?
 
 
臣)なーにー、女ーー??w
岩)うん…
隆)え、マジ?!
健)なんやなんや、
  昨日の今日で彼女出来たんかい!!
岩)いや、違うけど…、なんか…
健)なんや。
岩)俺…、好きになっちゃうかも…。
隆)え!!何それ!!
岩)……
 
 
「なっちゃうかも」なんて言ったけど…
この感覚は…
 
 
こんなに気になって
彼女の笑顔が頭から離れなくて…
 
この感覚は…
 
 
隆)ちょっと、気になる!教えてよーーw
岩)なんか…
  運命的な出逢いな気がして…
臣)何それ!めっちゃ気になる!!
健)いつ!どこで!!
隆)え、え、ピンと来たの!?
臣)岩ちゃんが遂に?!
健)ちょ、詳しく教えてや!!
岩)んーと…、、
 
 
三人がすごい勢いで食いついてくるから
俺は昼の出来事を話した。
 
 
隆)何それーー!
  そんな出逢い、俺も欲しい!
臣)ほんとに運命的だなーーー
  そんなことあるんだなーーー
健)ほんまにそんな可愛かったん??
岩)めっっっちゃ可愛かった!
臣)すげぇ力入れたねw
  めっっっちゃ?
岩)うん!!
  今まで生で見た子で1位かも。
臣)すげーなそれw
健)見てみたいわぁ〜〜〜
 
 
ほんとみんなに見せてあげたい。
それくらい可愛かった。
 
 
隆)でもさ、その子、岩ちゃんのこと
  知ってたんでしょ?
岩)うん。
隆)岩ちゃんのファンとかじゃないの?
岩)うーーん…
  そんなカンジでもなかったんだよなーー
健)それでもし岩ちゃんのファンやったら
  即行いくやろw
岩)うんw
臣)やーらしーーーw
岩)いや、俺のファンじゃなくてもいきたい。
健)おおお!!!
岩)なんか…
  ほんと惹かれたんだよな……
  一気にぐあーーって。
臣)へぇ〜〜〜〜
 
 
こんな感覚、初めて。
 
 
岩)でも…彼氏いるかもしんない。
隆)なんで?
岩)誰かとメールしてて楽しそうに笑ってた。
健)友達ちゃうのー?
岩)わかんないけど。
隆)指輪は?
岩)してなかったから
  結婚はしてないと思う。
健)ほんなら可能性があるとしたら
  彼氏ぐらいか〜〜
臣)いいじゃん、奪えば?
岩)え??
臣)彼氏いたとしても。
岩)……
臣)岩ちゃんがそこまでピンと来たなら
  それもアリでしょってこと。
岩)…そっか…。
隆)まぁでも、彼氏いるかは
  聞いてみないとわかんないしね。
健)せやな〜〜
岩)いませんよーにーー!!
 
 
思わず声に出して祈った。
 
 
健)でもそんな可愛え子なら
  モデルさんとかなんかなぁ?
隆)何の仕事してる子なんだろね?
岩)あ!そういや名刺!
 
 
慌ててポケットから取り出した。
 
 
岩)…えっとね、いや、普通の会社みたい。
隆)へぇー見せて見せて。
  あ、ほんとだ。
健)ふーーん、
  ♡ちゃんって言うんか。
隆)♡…ちゃん??
臣)え???
健)あ!!…あれ??
隆)え、臣、♡ちゃんの苗字って…
臣)……っ
 
 
隆二さんが言い終わる前に
臣さんが名刺を奪っていって…
 
それを見た途端、真顔になった。
 
 
臣)……っ
隆)え……
健)まさか……
 
 
え…?
 
 
臣)だめ!!!!!
岩)え???
臣)これ、だめ!!!!!
岩)え???
 
 
ダメって何が……
 
 
隆)もしかして…
健)♡ちゃんなん?
臣)…っ
岩)え?え?え??
 
 
いきなり焦りだした臣さんを
意味がわからず見つめてると、
 
 
隆)…岩ちゃん、これ、…臣の彼女。
 
 
隆二さんの声が、静かに響いた。
 
 
岩)……
 
 
え?
 
 
そう言われた瞬間、
思考回路が停止して。
 
 
岩)……
 
 
………臣さんの…
 
彼女……??
 
 
……え?
 
 
臣さんの……
 
 
隆)岩ちゃ…
岩)えーーーー!!!
 
 
思わず大きな声が出た。
 
 
 
 
 
ー続ー

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