【67】男たちの飛び散る火花

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なんか…
静まり返っちゃった…


♡)えっと…


な、何これ…
どうしたらいいの??
え?え???


Tくんが私のこと、
本気で想ってくれてたなんて
全然知らなかったし…

いつも…ただのノリだと思ってた。


てゆーか…
いきなり言われても…

どうしよう…


♡)あの…
T)好き。
♡)えっと…
T)好き!!
J)果敢に攻めるね?w
K)彼氏の前でね。
M)ハート強いですね。
♡)私、臣くんが好き。
K)ですよね。
J)そうだよね。
M)わかってましたけどね。
T)みんなして
  なんなんだよもう!!
♡)Tくん!!!!
T)は、はい!
♡)えっと…
  好きになってくれてありがとう。
  私、Tくんは同期として好き。
T)……
♡)……
T)それだけ?
♡)うん。
T)望みゼロ?
♡)私は臣くんが好きなの。
  他の人とか考えられないし…
  こんなに心が惹かれるの、
  臣くんだけなんだもん…


臣くんは特別なの。


T)この先も?
♡)うん。
  気持ち変わらないと思う。
T)可能性ゼロ?
♡)うん。
T)はぁぁぁぁ~~~


Tくんは大きくため息をついた。


T)…俺がさ、もし、EXILEだったら?
K)はぁ?
T)例えばの話だよ!!
J)すごい例えだねw
T)俺がもし…
  三代目より人気あって
  登坂さんより活躍してたりしたら?
K)何の話だよ!
佐)まぁ…Tくん相当カッコイイから
  ジャニーズに入ってたら
  ありえたかもね??
M)うんうん!


もしそうだったとしても…


♡)私、別に…
  臣くんが芸能人だからとか
  人気があるからとか
  そんなんで好きになったんじゃない。
T)え?
♡)そんなの関係ないよ?
T)じゃあ俺…
  何しても勝てねぇじゃん…
♡)勝つ勝たないとかじゃなくて…
  TくんにはTくんのいいところが
  たくさんあると思う。


それは比べることじゃないと思うし…


♡)でも…
T)……
♡)私がただ、臣くんを好きなだけ。
T)…っ
K)決定的にフラれたな。
M)ですね…
J)でも…
  「ごめん」って言わないところが
  姫らしいね?w


Jさんがそう言って優しく笑った。


♡)だって私…
  好きになってくれた人に
  「ごめんなさい」って
  思うような気持ちで
  臣くんのこと好きじゃない。
J)……
佐)…深いわね~~~
♡)え?
佐)好きな人を思うその気持ちが
  自分の誇りってことでしょ?
♡)え!!!
佐)え?違うの?
♡)あ、そういうことなのかな…
K)なんだよ!
  自分で言ったんだろ!w
♡)そうだけど…


そこまで深く考えてなかった。

でも…
臣くんを好きな気持ちは
自信があるもんっ


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


T)はぁ……
佐)Tくんまだ若いんだし
  そんなカッコイイんだし
  新しい出会いもたくさんあるわよ♡
K)あ、佐伯さんが慰めに入った。
M)あはははww
佐)なんなら同じ年代の
  モデルの子とか紹介するけど…
T)俺別に誰でもいいわけじゃないっす…
  こいつだから
  ずっと好きだったんだし…
臣)こいつ?
T)あ…
  つーかいいだろ!呼び方くらい!
J)あ、開き直った。
  人様の彼女を
  あいつ、こいつ呼ばわりするのは
  いけませんよー?
臣)……
T)さっきからなんか
  圧かけてくるし!
臣)別にかけてねーけど。


見てるだけですけど。


T)ほんとカンジわりぃな~~
  お前なんでこんな奴
  好きなんだよ!
♡)え??
K)おっと、八つ当たり?
臣)人の女、お前呼ばわりすんな。
K)ははっw
臣)なに。
K)自分がこんな奴呼ばわり
  されたことじゃなくて
  そっちなんだ?w
臣)……


だって…
なんか気に入らない。


♡)臣くんの好きなところ?
T)は?
♡)どうして好きかって?
T)え…
♡)えっとね…//
T)わーーーー!!!
♡)え?
T)いい!!
  言わなくていい!!!
M)自分から聞いといて…
K)勝手な男だね。
J)もう迷子だね。
T)あ~~もう……
臣)……


そんなに…
♡が好き?


T)でも…
  おま…♡はゼロだって言ったけど
  この世にゼロな可能性なんてないって
  俺は思ってるから。
K)さすが営業マン。
J)さすがうちのナンバー2。
T)だから俺別に諦めねぇから。
♡)え?
T)別に好きでいるくらい…いいだろ。
♡)え…
M)僅かな可能性にかけて
  待ってるってことですか?
臣)いんじゃない?
  好きでいるくらい。
♡)え?
臣)どんなに待ってても渡さねぇけど。
T)…っ!


それでも好きでいるなら
勝手にすれば?


J)「僅かな可能性」って?
M)先輩の気持ちは変わらなくても
  登坂さんの気持ちが変わるとか?
J)他の女の子に心変わりってこと?
臣)ないね。
T)わかんねぇだろ!
臣)死んでもない。


あるわけねぇだろ。


M)ほわ~~言い切った。
  カッコイイ~~♡♡
K)じーーーん♡♡
臣)え?
K)って顔してますけど、お隣さん。
臣)え?


そう言われて隣に目をやると
♡がほんとに
「じーーーん♡♡」
て顔をしてた。


臣)なんなんだよお前はw
♡)だって…♡♡
M)まぁまぁTさん♡
  ほら飲みましょ!お酒どうぞ♡
K)この世の終わりみたいな
  顔してっけど…
T)え?
K)叶わない恋なんて
  この世にいくらでもあるからね?
T)……
佐)Kちゃんカッコイイわね~~
  名言出た!!
K)え?
佐)確かに!!
  叶わない想いなんて
  生きてたら、いくらでもあるのよね~
J)そうですね。ありますね。
佐)さすがJくん、
  みんなより長く生きてるだけあるわねw
J)あははw
  この中じゃ最年長ですからね。
T)叶わない想い…
  …それでも想うのが
  無償の愛なんだっけ?
K)そうね。
M)出たー!
  クリスチャンのお言葉!!

T臣)えっ!???

佐)あ、Kちゃんてクリスチャンなの?
K)そうです。

T臣)えーーーー!!!

K)仲良くハモんなよw

臣)そうなの?


初耳なんだけど!


T)あ、だからこないだ
  クリスチャンがどうのとか
  言ってたんだ。
K)うち教会だからね。
  お父さん牧師だし。

T臣)えーー!!!

M)クリスチャンって
  どんなカンジなんですか?
K)どんなって…w
M)隣人みな愛せよとか?
K)うーん…
M)結婚するまで純潔を守るとか?
K)あ、うん。それはそう。

T臣)えーー!!!

K)何回ハモんだよw
M)なんか二人、似てますねw

T臣)え!!!


それは全然嬉しくない。


T)俺…、似てる?
♡)え?
T)登坂さんに。
♡)似てない。
K)ぶはははww
  即答!!ww
T)なんだよーーー
K)もし似てるって言われたところで
  どうにもなんねぇだろが。
T)そうか…
K)あんたほんとアホだね?
T)てゆーかお前、
  マジで純潔守ってんの?
K)そうだけど。

T臣)うっそ!!!

K)そんな驚くとこ?w
臣)え、クリスチャンてみんなそうなの?
K)みんなじゃないよ。
  守ってない人もぶっちゃけいるし。
♡)そうなんだ…
K)でも基本の教えはそうだし
  うちは教会だから
  それが当たり前で育ってるからね。
臣)お前の彼氏、それで大丈夫なの?
K)だってポールもクリスチャンだもん。
臣)え!!!
J)へ~〜そうなんだ。
♡)ポールは今、アメリカの
  神学校に通ってるんだよ♡
臣)そうなんだ!!!
  留学してるとは聞いてたけど…
佐)お互いクリスチャンなのね~
  すごーい。


ほんとびっくり。


臣)でもすげーなーーー
K)何が?
臣)結婚するまで
  好きな女と出来ねぇとか…
  信じらんねーー
K)無理?w
臣)絶っっ対ムリ!!
K)ぶっww
  あはははww
臣)耐えらんねぇ!!
K)そんな?
臣)想像しただけで無理!!
♡)ちょ、ちょっと、臣くん!//
臣)え?
♡)恥ずかしい…//
臣)え?……あっ!!
  ごめん…//
M)あはははww
  登坂さんらし~~♡
佐)あはははww
臣)すいません…
T)何なんだよー!!!
臣)何が!
T)俺の傷をえぐる気か!!!
臣)は?!
T)想像させんなバーカ!!
臣)想像すんなバーカ!!
T)ムカつくな~!!!
臣)こっちのセリフ。
T)はぁ??
K)やーめろw
  小学生のケンカかっつーの!
T)だってよー!
佐)まぁまぁまぁ!w
  そろそろみんなデザートでもどう?
M)あ、食べたーい♡
J)いいですね。
K)あたしアイスがいい!
M)ほら、Tさんもw
T)くそー…
  俺もアイス。
♡)う~ん…
  う~~~ん……


隣でうんうん唸りながら
♡がメニューを見て険しい顔をしてる。


臣)ぷっww
♡)なーにー!
臣)どうせ迷ってんだろw
♡)え?
臣)これとこれで。
♡)えっ!!!!
  どうしてわかるの?!!
臣)どうしてって…
♡)すごーい!!!!
臣)わかるわそれくらい!w
♡)どっちも美味しそうなんだもん。
  どうしよう~~~~
臣)どっちも頼めば?
♡)え?
臣)俺も食うし。
♡)半分コずつにしてくれるのー?♡
臣)うん。
♡)やったー♡♡♡


注文したデザートが運ばれてくると
♡は目を輝かせて喜んだ。


♡)美味しそう~~♡♡
佐)♡ちゃんは甘いものが好きなの?w
♡)大好きです♡♡
T)いっつも美味そうに食うもんなーー
臣)どっちから食うの?
♡)こっちー♡♡
臣)はいはいw
M)でもこのお店、
  お料理もデザートも全部美味しい~♡
佐)でしょー??
  私のイチオシのお店だもん♪
J)佐伯さん、色んなお店知ってそうだな~
佐)食べるのが趣味ですからw
J)あっはははw
♡)ちょっと臣くん!!
臣)ん?


♡に腕を掴まれた。


♡)それ、食べ過ぎじゃない?
臣)あ?おわっ
  お前あっぶねーな!
  こぼれるこぼれる!!
♡)なくなる~!!
M)なんかホットロードで
  見たようなシーン…
♡)え?
佐)あっ!!
  焼きそばのシーンだ!!
臣)え?
M)佐伯さんも観たんですか?
  ホットロード!!
佐)もちろん観たわよ~!!
臣)マジっすか?!
佐)マジっす!
  もうキュンキュンよ~♡
M)ですよね~!!
  私もほんと
  キュンキュンでした~♡♡
臣)えーーー
  ありがとうございます…//
♡)映画、Mちゃんと一緒に観たんだよ♡
臣)あ!一緒に行ったのMちゃんだったの?
M)そうですよー♡♡


みんな観てくれてんだ…

なんか照れる。


M)もう登坂さん、
  あれはヤバいです♡ずるいです♡
♡)あはは♡
J)姫は…
♡)え?
J)そーゆーの、ヤキモチ妬かないの?
♡)ヤキモチ…
  妬かないですけど…
佐)まぁあれはそんな
  ラブシーンなかったしねぇ。
M)チューもしてるフリでしたもんねぇ。
♡)というか…
  そーゆー観点で見てなかったかも。
M)え?
♡)なんか…物語に入り込んで
  見ちゃってたから
  春山にしか見えなかった。
佐)あはははw
  それは…登坂くんの演技力が
  それだけ素晴らしかったってことね♡


えっ…


♡)うん!!!
  そーゆーことかも♡♡


♡がニッコリ笑った。


臣)あっそ//
♡)あ!!
臣)え?
♡)臣くんごめん…
  半分以上食べちゃった。
臣)ぶっww
  別にいいけどw
♡)はい。
臣)ん。
M)なーんかほんと
  仲良しですよねー♡
T)ほんっとにな!
K)いちいちキレんなw
佐)なんか二人は不思議ねー?
臣)え?


不思議?


佐)なんてゆーか…
  別にイチャついてるわけじゃ
  全然ないんだけど、それなのに
  すごい幸せそうなラブラブな
  雰囲気を作り出すっていうか…
M)見てるとお互い大好きなのが
  伝わりますよねー♡♡
佐)そう、そうなの。
♡)……//
臣)……//
佐)ふふふ♡
臣)やめてください…//
佐)かわい~ww


佐伯さんがニヤニヤしてる。


T)アイスおかわり!!!
K)はぁ?!
T)もう一個食う!!
K)なんでだよ!w
M)ヤケ食いですか…?w


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


J)ちょっと失礼します。
佐)はーい。
臣)トイレ行ってくる。
♡)うん。


薔薇男が席を立ったから
後を追いかけると…

あ、やっぱり。


臣)俺が出します。
J)あ、登坂くん。
  いいよ、俺が出すから。
臣)いいです、俺が出します。
J)いいっていいって。
  ほら、俺、最年長だし。
臣)歳とか関係ないんで。
  出します。
J)俺に奢られんのなんて
  冗談じゃないってカンジ?w
臣)……
J)俺も登坂くんにご馳走になるなんて
  冗談じゃないってカンジだけどw


とか言って
俺を見下ろしてきた。


臣)…ほんとあんたムカつくな。
J)こっちも君にはずっと
  ムカついてますよ?


とか言って
にっこり笑ってんじゃねーよ。


店)あの…
  後ろのお客様のお会計から先に
  よろしいでしょうか…?
J)ああ、すみません!
  こんなところで。


俺たちはレジ横の
ウェイティングスペースによけた。


J)第一印象からカンジ悪いな~って
  思ってたけど…
臣)それはこっちのセリフ。


あの日…
入ってくるなり挑戦的な目で
俺を見てきた。


J)姫のこと、
  本当に大事にしてんのかな~って
  思ったけど…
臣)……
J)とりあえず本当に好きなんだね。
臣)は?
J)今日見ててそれはわかった。
  姫の前じゃ全然違うし。
臣)……
J)でもさ、登坂くんなら
  他にいくらでも女の子
  いるんじゃないの?
臣)は?
J)寄ってくるでしょ?たくさん。
臣)それが何の関係あんだよ。
J)姫じゃなきゃダメなの?


それもこっちのセリフ。


臣)逆にあんたは何でそんな
  あいつにこだわるわけ。
J)俺は…まぁ言葉悪いけど
  最初はアクセサリー感覚だった。
臣)は?
J)こんなキレイな子が
  隣にいたら自慢だなーぐらいの。
臣)……
J)でも…知れば知るほど…
  鈍臭いのに一生懸命だし
  不器用なのになんでも全力だし。
臣)……
J)可愛いだけじゃなくて…
  自分の芯をしっかり持ってる。
  優しくて強い。
臣)……


こいつ…
あいつのこと、すげー見てんだな…


J)女なんていくらでもいるけど
  もう他の子じゃダメなんだよね、俺。
臣)ダメなんだよねって言われても。
  そんなん知らねぇし。
J)……
臣)あんたが本気なのはわかったけど。
J)登坂くんに俺の本気が伝わってもな~w
臣)……
J)肝心の姫は全然わかってないし
  彼氏のことしか見えてないし
  俺を好きになることは絶対ないとか
  気持ち悪いとか
  散々言われてるけど…


あいつそんなボロクソ言ってんだ!


臣)だったら諦めろよ。
J)好きでいるのは
  自由なんじゃなかった?
臣)あれはあんたに言ったんじゃない。
J)俺はダメなの?w
臣)あんたはタチ悪そうだから。
J)あっはははw
  失礼しちゃうな~
臣)……
J)Tくんも言ってたけど
  これから先、何が起きるかなんて
  誰にもわからないんだよ?
臣)……
J)姫はこの先も君といて
  本当に幸せになれると思う?
臣)は?


何が言いたいんだよ。


J)だって君、そういう仕事してて
  何かあった時に
  姫を一番に守れるの?
臣)…っ
J)姫が一番大事だって言える?
臣)……


くそーーー

痛いとこついてくるし…
なんなんだよこいつ!マジで!!!


J)俺はいつでも姫を一番に守れるし
  今自分が持ってるもの、
  いつでも全部投げ出せる。
臣)……
J)それぐらい姫が大事ってこと。
臣)……


俺だって…


J)だから…この先もし姫が
  泣いたり傷ついたりするような
  ことがあったら…
臣)ねーよ!
J)もしあったら…
  かっさらうから。
臣)ふざけんな。
J)……
臣)……


んなことさせるか!!


J)俺は別に姫を困らせたいわけじゃない。
  だからいいんだよ、別に今は。
  姫が登坂くんしか見えてなくても。
臣)は?


「今は」って…


臣)これから先も
  他の男なんて見させねぇけど。
J)うわ~~
  そーゆーことサラッと
  言えちゃうところが
  カッコイイんだろうな~~
臣)……
J)……
臣)……
J)ってことで、
  平行線なら今回は割り勘でどう?
臣)は?
J)会計。
臣)……


ここでこいつと睨み合ってても
しょうがねぇし…


佐)あ!!やっぱり!!
臣)え?
佐)遅いと思って来てみたら!
  いいのよー!!
  ここは私が出すからー!!
J)いえいえw
佐)いーの!!
  もう伝票返してっ!!
  経費でおとすんだから
  もう!ほら!戻った戻った!!
J)すみません…
臣)ごちそうになります。
佐)はーい♡


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


遅いなと思ってたら
臣くんとJさんが二人で戻って来た。


K)あ、やっと帰って来た。
J)ごめんごめんw
♡)何してたの?
臣)トイレ行ってただけだけど。
♡)そ??
臣)うん。


臣くんをじっと見ると
頭をポンポンされた。


臣)なーに
♡)…なんでもないけど…
T)触んな!!
臣)は?
T)俺の前で触んなー!
K)あんたは何言ってんの?
M)酔ってるんですか?
K)あんたの前で触んなくても
  いくらでも触れんだよ、
  彼氏なんだから。
T)お、お、お前はほんとに鬼か!!!
K)事実を言ってるだけですー
佐)みんなお待たせ!
  それじゃあそろそろ
  行きましょうか!
臣)佐伯さん、ごちそうさまでした。
♡)あ!!ごちそうさまです!!
K)ありがとうございました。
M)とっても美味しかったですー♡
J)ありがとうございます。
T)ごちそうさまでした…
K)あんたは暗いんだよ!
M)もう~~~
  元気出してくださいよ~~
T)……


エレベーターを降りると
みんなは駅に向かって

佐伯さんはタクシーに乗った。


佐)じゃあ♡ちゃん、
  また連絡するわ!!
  今日はありがとね!!
♡)はい!!
  ありがとうございました!!
佐)登坂くんは明後日よろしくね!!
臣)はい、お疲れさまです。
佐)それじゃ!!

バタン。


臣)じゃ、俺らも乗るか。
♡)うん。


私たちは一緒にタクシーに乗った。


♡)臣くんの撮影、明後日なんだ?
臣)そう。
♡)今回は一人なんだっけ?
臣)あ、違うみたい。
♡)え?
臣)…モデルのLと一緒。
♡)あ!そうなの??
  あのね!!
  今日Lさんと話したんだよー!
臣)え!!!
♡)すっごく気さくで
  優しい人だったー!♡♡
臣)優しい人?!!!
♡)うん♡♡
臣)へーーーー
♡)なぁに?
臣)いや、別に…


ポージングのコツも
いろいろ教えてもらったし

私ももっと頑張らなくっちゃ♡


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


♡)は~~~でも…
臣)ん?
♡)今日はほんと疲れたな~~~
臣)撮影?
♡)うん。緊張したもん。
臣)お疲れw
♡)臣くんはいつも
  こんなことしてるんだね。
  すごいなーーー
臣)いや、最初は俺も緊張したけど。
♡)ほんと??
臣)うん。
  指示されても簡単にポーズ取ったり
  出来なかったし…
♡)そうなんだ…
  ほわぁぁ……
臣)お前は…練習の成果はあったの?w
♡)あ!うん!!
  表情はいっぱいダメ出し
  されちゃったけど
  ポージングは上手って言ってもらえたよ♡
臣)おお!
  お前頑張ってたもんなーw
♡)へへへ♡


家に着くと
♡は先に風呂に入って
ストレッチをはじめた。


臣)じゃあ俺も入ってくるわ。
♡)うん!



俺は風呂に入りながら
目を閉じた。


臣)はぁ……


今日はなんか目まぐるしかったな。

思い出しても
ほんっっとにあいつムカつくけど。


でも…

♡の良さをわかってて
♡のことを好きになる奴なんて

今もこれからも
いくらでもいるんだろな…


だってあいつ、
本当にいい女だし。


臣)……



でも…


どんな男が現れても
絶対誰にも渡さねぇ。

一年前にあいつに言った気持ちも
今でも何も変わってないし。


ーーーーーーー


♡)あ、おかえり♡
臣)おう。
♡)どうしたの?
臣)え?
♡)なんか今から試合出るみたいな
  顔してるけど。
臣)はい??
♡)戦闘モードというか…
臣)そんな顔してた?
♡)うん。
臣)……


俺がソファーに座ると
♡が隣にきた。


♡)ぴとー♡
臣)何それw
♡)ほかほかを堪能中♡
臣)今日はあったかい?w
♡)うん♡


髪を撫でると
肩に頭を乗せてきた。


♡)今日ね?
臣)うん。
♡)Kちゃんが…
  叶わない恋なんて
  この世にいくらでもあるって…
  言ったでしょ?
臣)うん。
♡)なんか身に染みたというか…
臣)え?


♡の顔がこっちを向いた。


♡)私は臣くんが大好きで
  臣くんも…
  私を好きになってくれたけど
  でも…
  臣くんのことを好きな人は
  たくさんいるでしょ?
臣)え?ファンってこと?
♡)うーん…
  ファンの人たちもそうだし
  そうじゃなくても…
  臣くんのことを
  本当に本気で好きな人なんて
  たっっっくさんいると思うの。
臣)……
♡)だから…
  そういう人たちに対して
  恥ずかしくない自分でいようって
  改めて思った。


♡が拳を握った。


♡)臣くんのことがただ
  大好きっていうだけじゃなくて。
臣)……
♡)色んな人の真剣な気持ちに対して
  恥ずかしくないように
  人としてちゃんと努力し続けようって
  思ったの。
臣)……
♡)だって…
  もし臣くんが違う人のことを
  好きだったとしてね、
  その相手が
  臣くんの気持ちに甘えて
  努力しないような女の子だったら
  なんか許せないなって思って。
臣)……
♡)だから私は
  今自分にできる全力で頑張る!!
臣)お前は…
♡)え?
臣)ほんとにすごいなー……


そんな風に考えるんだ。


俺なんて…

独占欲が先行して
自分の気持ちばっかりだったのに…


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


♡)それにね…
  私は…臣くんが私のこと
  好きでいてくれる気持ちにも
  本当にありがとうって思うから…
臣)……
♡)そんな臣くんの気持ちに対しても
  ちゃんと胸を張れる自分でいたい。
臣)……
♡)……
臣)それは…俺も思う。


臣くんの手が、
優しく頬に触れた。


臣)お前が想ってくれてんのは
  すげぇわかるから
  感謝してるし…
  努力もし続けようって…
♡)……


臣くんの瞳が
優しくて、あたたかい。


♡)へへ…♡


そんな風に言ってくれて
すごく嬉しい。

臣くん、大好き♡


臣)俺、もっといい男になるわ。
♡)え?!!
臣)お前が俺しか見えないくらい。
♡)え!!!
  私臣くんしか見てないけど…


急に何??


♡)臣くんがこれ以上
  いい男になっちゃったら
  私の心臓、持たないよ…//
臣)なんだよそれ!ww
♡)ほんとだもん…//


私がいつも
どれだけドキドキしてるか

全然わかってないんだから…


臣)あ~あ、でも…
♡)?
臣)ほんとお前には敵わねーわw
♡)なぁに?それ。
臣)いや?


臣くんは笑いながらそう言うと
私を抱き寄せた。


あ…
頭なでなで…気持ちいい…


臣くんの匂いに包まれて
そっと目を閉じた。


♡)……


臣くんが好きになってくれて
臣くんを好きになって

私、本当に幸せ。


感謝の気持ちを
絶対忘れないでいたい。


臣くん、いつもありがとう♡
ずっとずっと…大好きだよ♡




ーendー

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