(47)家族の絆

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また夢を見た。
 
 
明るいお花畑が見える。
 
 
遠くにいるのは…
パパ!?
 
 
いつもの雨の音も、怖い暗闇も、
足元のぬかるみもない。
 
 
私は必死に走って、
パパの元に辿り着いた。
 
 
♡)パパ!!
パ)♡!!
♡)どうして…
パ)♡、大きくなったね。
♡)え??
 
 
パパの言葉に驚いて自分を見ると、
私は今の私だった。
 
 
パパの夢を見る時はいつも
私は子供のままだったのに…
 
 
♡)パパ…
パ)うん。
♡)私がわかるの?
パ)何バカなこと言ってんだw
  わかるに決まってるだろ!
♡)だって…
パ)ずっと見てたよ…、お前たちのこと。
♡)…ほんと?
パ)ああ。
 
 
大好きな…パパの笑顔…
 
 
♡)私…ちゃんとパパが言ってたような
  娘になれてる…?
パ)何を言ってんだ。
♡)え?
パ)♡はどんな♡でも、パパの自慢の娘だよ。
♡)どんな…私でも…?
パ)そう。
 
 
そう言って、パパは優しく微笑んだ。
 
 
パ)だからお前は…
  無理をせずに、自分に素直に…
  ありのままで生きていきなさい。
♡)でも…
パ)……
♡)泣いちゃ…ダメでしょ?
  笑って…いないと…
パ)何を言ってんだ。
♡)え?
パ)泣きたい時は思いきり泣きなさい。
♡)…っ
パ)お前は…そんな場所を
  もう見つけたんだろ?
♡)えっ??
 
 
パパはニッコリ笑って
私の頭に手を置いた。
 
 
パ)それに…
  笑っていようと無理しなくても…
  お前がずっと笑顔で生きてきたのを
  パパは知ってる。
♡)……
パ)笑顔でいることがどんなことかは
  もうお前は知っているだろ?
♡)みんな…笑ってくれる。
パ)うん。
♡)私も嬉しい気持ちになれる。
パ)うん。
♡)パパが教えてくれた通りだったよ!
パ)うん。
 
 
パパは嬉しそうに笑って、
私の頭をポンポンしてる。
 
 
あ…
 
この感覚…どこかで…
 
 
パ)これからも…
  周りの人を大切にしなさい。
♡)うんっ!
パ)……
♡)あ…行っちゃうの?
パ)そんな顔するな。
  パパはいつでも
  お前たちを見守ってるから。
♡)ほんと?
パ)ああ。
♡)パパ…
パ)……
♡)パパ大好きっ!!
パ)……///
 
 
あ…
覚えてる…
パパのこの笑顔。
 
 
私が大好きって言ったら
少し照れたように、優しく笑うの。
 
 
♡)パパ!!
 
 
パパは最後にもう一度
私の頭をポンポンってすると…
 
とても晴れやかな顔で
向こうへと歩いていった。
 
 
 
 
………
 
 
 
……
 
 
 

 
 
 
 
目が覚めると、頭が少しボーッとしてて…
 
ゆっくり起き上がって、頭を整理した。
 
 
♡)……
 
 
なんでこんなにボーッとするんだろ…。
 
 
あ…
 
そっか…
 
昨日いっぱい泣いたから…。
 
 
♡)……
 
 
でも…
 
頭はボーッとしてるのに
心はとてもスッキリしてる。
 
 
♡)……
 
 
パパの夢を見た。
 
いつもと全然違う夢…。
 
 
パパは…
いつも背中をトントンってしてくれたけど
頭をポンポンって…する人だったっけ…
 
 
頭ポンポンは…
 
 
あ…
 
臣くんだ。
 
 
♡)……
 
 
思い出すのは、昨日の臣くんのぬくもり。
 
 
優しくずっとぎゅってしてくれてた。
 
背中…トントンってしてくれてた。
 
 
♡)……っ
 
 
私…
 
思わず大好きって
言っちゃったけど…
 
伝わってなかった気がする。
 
 
でも…
勢いで言ったんじゃなくて…
 
ほんとに大好きって思ったんだもん。
 
 
気付いたんだもん。
自分の気持ち…。
 
 
♡)……
 
 
臣くんといると
心があったかくなって素直になれる。
 
こんな風に思える人、初めて…。
 
 
臣くんに…
会いたいな…。
 
 
最近なんか…
いっぱいぎゅってしてもらってる///
 
 
いっぱい…
ぎゅってしてもらってるのに…
 
もう会いたいって思っちゃうなんて…
 
私贅沢だーーっ!!
うわーんっ!!!!
 
 
♡)…は…ぁ…///
 
 
ベッドから起き上がって携帯を手に取ると…
 
 
♡)あ…
  ママからLINE来てる。
 
 
ママ…
瞬…
 
会いたいな…。
 
 
プルルルル…、プルルルル…
 
 
マ『はいよ!』
♡『あ、ママおはよw』
マ『おはよ。日曜なのに早起きじゃん。』
♡『ママこそw』
マ『今日は晴れてるから朝から洗濯してんの♪
  えらいでしょ~w』
♡『えら~い!w』
マ『どうしたの?』
♡『あ…LINEありがと。』
マ『大した用じゃないけどねw』
♡『ママ…今日何してるの?』
マ『今日は夕方まで仕事。
  ちょっと早く帰れそうだから
  夜は瞬とご飯食べようかって
  話してたとこ。』
♡『私も行くーー!!!』
マ『帰ってくんの??』
♡『うんっ!!!』
マ『じゃあ今日はあんたの好きな
  餃子にしよっかな♪』
♡『わぁ!やったぁ!!
  ママ特製の野菜餃子~!!♡』
マ『じゃあ待ってるわ。』
♡『うん!!♡♡』
マ『じゃあ夜ね~♪』
♡『はーい♡♡』
 
 
ピッ。
 
 
ママとの電話を切ると
すぐにKちゃんから電話がきた。
 
 
♡『もしもし!』
K『おいっす!』
♡『どしたのー?』
K『今日暇?
  夜、ご飯でも行かない?』
♡『あ…っ』
K『予定あり?』
♡『あ、Kちゃんも行こうよ!!』
K『え??』
♡『今日ね、実家に帰って
  ご飯食べようと思ってたの!
  Kちゃんも一緒に行こ~!♡』
K『お!マジか!!行く!!w』
♡『わーい!♡』
K『じゃあ16時くらいに
  品川駅待ち合わせでどう?』
♡『りょーかい♡♡』
K『じゃ、あとでね~♪』
♡『うん♡♡』
 
 
ピッ。
 
 
♡)えへへ♪
 
 
ベッドを降りて、リビングに出ると
目に入ったのは、昨日のオレンジ。
 
臣くんのお母さんにもらったやつ。
 
 
早速一つ切ってみると…
 
 
♡)わ…本当にすっごく甘い♡
  美味しい~~♡♡
 
 
食べ終えてすぐに、お礼のLINEをした。
 
 
♡『お母さん😆💕
  昨日はごちそうさまでした💕
  ありがとうございました!!
  オレンジ、すっごく甘くて美味しいです!!
  感激です~~✨✨』
母『♡ちゃんおはよ~~💕
  オレンジ喜んでもらえて良かった!
  昨日はほんと楽しかったよ~🎵
  またお茶しようね💕』
♡『私もすっごく楽しかったです💕
  ぜひぜひっ😊💕✨』
 
 
♡)ふふっ♡
 
 
臣くんのお母さん…
本当にいい人だったなぁ…
 
 
は!!でも…!!
 
私、臣くんのこと
いっぱい話しちゃったんだった…
 
 
触りたくなっちゃうとか…
わ~~~恥ずかしいよぉぉぉ////
 
 
絶対臣くんって
バレませんようにっ////
 
 
 
………
 
 
 
 
それから夕方まで家事をして
品川駅に早めに行って
ママと瞬が好きそうなケーキを買った。
 
 
それからKちゃんと合流して
電車に乗りながら…
 
私は自分の今の気持ちを話してみた。
 
 
K)……
♡)……
K)やっとハッキリわかったの?
♡)うん。
K)そっか…
♡)……
K)……
♡)大好き…なの。
K)……
 
 
私がそう言うと、
Kちゃんはすごく優しい顔で
笑ってくれた。
 
 
K)じゃあ…告白すんだ?
♡)えっ!?
K)しないの?
♡)え、え、えっっ!///
 
 
告白…?!!
 
 
K)あんた…自分からしたいって
  言ったじゃん。
♡)わ、え、言ったけど…っ
K)好きだって確信したんなら、告白でしょ?
♡)わ、ちょ、待って…///
 
 
そんな…いきなり…?!
 
 
♡)だって…
  やっと自分でハッキリ気付いたばっかりで
  まだいっぱいいっぱいなの!///
K)うん。
♡)だから…まだ…告白は…
K)テンパりすぎw
♡)だって…///
K)ま、いいんじゃない?
  あんたなりのスピードで。
♡)え?
K)好きって気付いたからって
  慌てて告白する事もないし…
♡)…っ
K)自分が伝えたくなった時に
  伝えたらいいよ。
♡)……
 
 
トリちゃんとおんなじこと…言ってる…。
 
 
♡)私なりのスピード…?
K)うん。
♡)そっか…
 
 
そうだよね。
焦らなくたっていいんだもん…。
 
 
♡)告白って…
  好きですって…言えばいいのかな?
K)はい??
♡)どんなタイミングで
  言ったらいいんだろ…//
K)何それw
♡)だって…!
  したことないんだもん!///
K)したことなくても
  嫌ってほどされてんだろがw
♡)は!!
  私に告白してくれる人も
  こんなドキドキしてたのかな?
K)そりゃそうじゃない?
♡)…っ
 
 
そうだったのか…
 
なんか…なんか…
 
 
♡)やっぱりまだ想像できないかも!!
  うわーーん///
K)だから無理すんなっつーのw
♡)…ううう…///
K)向こうからもし言って来たらどうすんの?
♡)え??
K)好きだって。
♡)え!やだ!私から言いたい!
K)あはははw
 
 
だって…
 
 
♡)ちゃんと…
  ちゃんと伝えたいもん!
K)うん。
♡)よしっ!!
K)頑張れw
♡)うんっ!!
 
 
私、頑張るっ!
 
今はまだちょっと勇気出ないけど…
待っててね!臣くん!!
 
 
 
 
瞬)ねーちゃん!!!
♡)わ!!びっくりした!!
 
 
電車を降りて家に向かう途中、
瞬にバッタリ。
 
 
瞬)Kちゃんも久しぶり!!
K)ういーっす!
瞬)1年ぶりくらい?
K)だねー♪
瞬)相変わらず美人だね♪
K)褒めてもなんもやんねーぞw
瞬)あはははw
♡)ママもう帰ってきてるかな?
瞬)あ、うん!さっきLINE来て
  先に作り始めるって言ってたわ!
K)レイコさんも一年ぶりだなー♪
♡)ママね、
  Kちゃんも一緒に行くって言ったら、
  喜んでたよー♡
K)あはは、ほんと?ありがたいわ♪
瞬)荷物貸せよ。
♡)え?
瞬)それ。
♡)そんな重くないよ?
瞬)いいから。
♡)ありがと♡
 
 
瞬ってば臣くんみたいw
 
 
♡瞬)ただいまー!!
マ)お帰りーー!!
K)お邪魔しまーす!!
マ)お!K!!
 
 
玄関に入ると、
ママがキッチンから走って来た。
 
 
マ)ひっさしぶりじゃん!
  元気だったか?
K)めっちゃ元気っすw
マ)あっはははw
  まぁ上がんな上がんな!
K)はーい!
♡)ママー!私も手伝うよー!!
マ)お、じゃあそっち包んで。
♡)はーい♡
K)じゃああたしも。
瞬)じゃあ俺も?
♡)あはは♡
  じゃあみんなで包も~♡
 
 
手を洗ってきて、
いそいそ餃子を包む準備♪
 
 
マ)でも…どうしたの?あんた。
♡)え?
マ)この間会ったばっかなのに
  帰って来るとか言うから
  びっくりしちゃった。
瞬)だよな。
  3人で飯食ったばっかじゃん。
♡)別にいいでしょっ//
瞬)いや、いいけどさ…
♡)ママと瞬に会いたくなったんだもん//
瞬)何それ//
♡)ママと瞬が大好きってこと!
マ)なんなのあんたは~~
  もうもう~~♡♡
 
 
ママが笑いながらぎゅむぎゅむしてきた。
 
 
♡)マ、ママ!餃子落ちる~~!!
マ)あははは、ごめんごめんw
瞬)変なねーちゃん//
K)お前は相変わらずシスコンだなw
瞬)なんだよ!//
K)可愛い奴w
瞬)別にそんなんじゃねーし!
K)はいはいw
♡)ママ、こっち出来たよ♡
マ)お!さんきゅー!
K)包むの速くね?!
♡)得意なんだもーん♡
K)餃子はあんま作んないからな~~
瞬)Kちゃん下手すぎっしょw
K)はぁ??
瞬)つーか欲張りすぎw
  全部はみ出してっしw
K)いいじゃん!具だくさんなの!
瞬)はいはいw
K)つーか瞬も上手いな…
瞬)俺も餃子は昔から手伝ってるもん。
マ)パパが大好きだったのよね~
  野菜餃子♡
♡)私も大好きだよ~~♡♡
瞬)俺も!!
K)そんな美味いの??
  早く食いてーし。
瞬)あはははww
 
 
それから鉄板で餃子を焼いて
みんなでいただきますをすると
Kちゃんは一口食べて目を輝かせた。
 
 
K)何これ!!ウマ!!!!
♡)あははは♡
瞬)美味かろう。
  我が家特製の野菜餃子は。
K)うん!マジで美味い!!
マ)Kもい~っぱい食べなね~~w
K)食べる!!!!
瞬)はははっww
 
 
ピロリロリロ♪ピロリロリロ♪
 
 
マ)あ、電話だ。
  …げ。またこいつ!
♡)え?
マ)シカトしよ。
♡)だぁれ?
瞬)この間の男?
マ)違う。
瞬)はぁ?他にも言い寄られてんの?
マ)そ。
♡)何それ何それ!
マ)ママはモテモテって話♪
♡)えーーー!!
K)レイコさんキレイだもんな~~
マ)Kもっと言ってもっと言ってw
瞬)催促すんな!w
K)あはははw
♡)ママのこと好きって言ってるの?
マ)うん。
♡)ママは…?
マ)興味ない。
 
 
ママはキッパリそう言った。
 
 
K)再婚とか…しないんすか?
マ)しないね!
瞬)即答w
K)いいなと思う人…いないんすか?
マ)う~~ん…
  イイ男だなって思う奴は
  たまにはいるけど…
♡)えっ
マ)一番イイ男は
  やっぱりパパだからね~♪
♡)…っ
 
 
その言葉に少しほっとした。
 
 
マ)パパよりカッコイイ男なんて
  世界中どこ探してもいないもん♡♡
瞬)もう聞き飽きたってw
マ)だってほんとに大好きなんだもん!
瞬)知ってるって。
  父ちゃんがどんだけ
  レイコ好きだったかも。
K)そんなラブラブだったの?
瞬)俺まだ小さかったのに
  鮮明に記憶に残ってるくらいねw
K)そうなんだ…
♡)パパは…ママを見る時いつも
  すっごく優しい顔してたもんね♡
  大好きなんだなぁって
  ほんと伝わってきたもん♡
K)いいなぁ…
  なんか理想の夫婦♡
♡)そうなの!!
  私パパとママみたいになりたいんだもん♡
瞬)うん。そう言われると俺もそうかも。
マ)え?
瞬)いつか結婚するとしたら
  そんな風になりたい。
マ)もう何なのよあんた達~!!w
 
 
バシッッ!!
 
 
瞬)いてぇし!!w
K)あははははww
 
 
ママは照れたような顔をして…
その後、優しく笑って言った。
 
 
マ)ママは一生パパ一筋♡♡
♡)…っ
 
 
その言葉に…じーんとして…
 
 
瞬)…っておい!!
K)あ…、
瞬)なんで泣いてんだよ!!
♡)…だって…ぐすっ
マ)なーんなのあんたはw
♡)…ううっ
マ)ママとパパの深~い愛に
  感動しちゃったのー?w
♡)うんっっ
マ)ほんとしょーがない子w
 
 
ママが優しく頭を撫でてくれた。
 
 
K)♡のお父さん、
  あたしも会ってみたかったなぁ。
マ)ほんっとにカッコイイんだから~♡
K)どうやって付き合ったんすか?
マ)あたしの猛アタック♡
K)え!そうなんすか?詳しく聞きたい!
♡)私もー♡
瞬)姉ちゃん何回も聞いてんだろw
♡)何回聞いても楽しいもん♡
 
 
ママがパパと出逢った頃の話や
付き合うまでどれだけママが頑張ったかとか…
 
付き合って結婚して…
どれだけ幸せだったかとか…。
 
私は昔から
この話を聞くのが大好きで。
 
 
ママがパパをどれだけ好きなのか
パパがママをどれだけ好きなのか
 
すっごくよくわかるから…。
 
 
K)なんか…運命の相手ってカンジっすね、
  ほんとに…。
マ)そう♡
  あたしにはあの人だけなの♡
瞬)父ちゃんも言ってたもんな。
マ)え?
瞬)俺は生涯レイコだけだって。
マ)やめてよもう~~///
瞬)自分で散々ノロケといて今更照れんなw
K)あたしもそんな夫婦になろう。
♡)え?
K)いつかポールと。
♡)わ…♡♡
  Kちゃん結婚するの?!
K)いや、そりゃいつかすんだろうよw
♡)やーん!!♡♡
  私絶対泣いちゃう!!
瞬)だろうねw
マ)あはははw
瞬)いや、笑ってっけど
  レイコだって絶対泣くっしょ。
マ)え?
瞬)姉ちゃんの結婚式。
マ)泣くに決まってんでしょーが!
瞬)ははははw
マ)変な男だったら絶対許さねぇからな。
♡)えっ!!
マ)ぶっ飛ばしてやる。
K)レイコさん、レイコさん、
  ヤンキーに戻ってます。
マ)え?ああ!ごめんごめんw
  あははははww
 
 
それからみんなでケーキを食べて
コーヒーを飲んでると
 
瞬がふいにピアノを指差した。
 
 
瞬)弾いてよ!
♡)え??何いきなり。
瞬)聴きたい!
♡)えー!何がいいの?
 
 
突然瞬にねだられて、
私はコーヒーカップを置いて
ピアノの前に座った。
 
 
マ)Kいるしたまには賛美歌聴きたいw
瞬)お!いいね!
K)最近そんな歌ってねぇな~w
 
 
私がピアノを弾くと、
Kちゃんが綺麗な声で
賛美歌を歌ってくれた。
 
 
瞬)すっげぇソプラノ!めっちゃキレイ!
マ)さっすが神の子やねぇ!
K)神の子ってww
♡)Kちゃんの歌、私も好き♡
K)ありがとw
瞬)姉ちゃんも何か歌えよ。
♡)え??
瞬)EXILE弾いて!♪
♡)え?EXILE?!
瞬)あ、やっぱやめた!三代目!!
♡)え!!
瞬)こないだ出た新曲!弾ける?
♡)…うん。
瞬)じゃあ弾いて!歌って!
K)瞬が子供みたいになってるw
マ)甘えん坊かってw
 
 
私は冬物語を弾いて、
サビを少しだけ歌った。
 
 
♡)~♪優しい言葉なんかで 伝わらないよ
  凛とした強さで伝える
  生温く愛していたいわけじゃない
  今ここに誓うんだ
  Because of you♪~
 
 
K)何それ。
  めっちゃいい歌じゃん。
マ)上手いね、あんたはほんと。
瞬)やっぱ好きだなぁ姉ちゃんの声。
♡)ありがとw
瞬)つーかなんか…姉ちゃんの声って
  女版登坂さんみたい。
♡)え?!!
瞬)切ない繊細さとか…
  ビブラートとか
  高音のキレイさとか…
  そーゆーのすげぇ似てる。
♡)…っ
マ)登坂くんって
  どんどん歌上手くなるよねぇ?
瞬)そう!!
  つーか俺は声がほんと好き!!
マ)あ、やべ、また始まった。
 
 
そんな二人のやりとりに、
 
 
K)え?…ってか…登坂って…
 
 
Kちゃんが私をじっと見た。
 
 
♡(しーーーっ!!)
K(…あんたの好きな人でしょ?)
♡(そうだけど!!
  ママにも瞬にも言ってないの!///)
K(内緒なの?)
♡(そーゆーわけじゃないけど
  多分びっくりすると思うから…)
K(だって瞬なんて
  EXILEの大ファンじゃん。)
♡(だから余計言えないの!
  知り合いだなんて知ったら
  びっくりすると思うもん!)
K(ましてや姉ちゃんの彼氏になるかも
  しれないなんて言ったらねw)
♡(ちょ、ちょっと!!///)
K(だってそうじゃんw)
 
 
瞬)なぁ姉ちゃん!違うの弾いて!
♡)え??
瞬)一千一秒!!
♡)あ!!
 
 
私も好きな曲!
 
 
瞬)このTAKAHIROさんの歌声も
  マジで神なんだよな~~
♡)いいよね!♡
マ)あんたTAKAHIROくんが
  一番好きなんでしょ?
瞬)好き!!!
K)タカヒロって誰??
♡)そんなん言ったら怒られるよ!!
瞬)ちょっとKちゃん本気で言ってんの?!
  EXILEだって!!
K)え?サングラスの人しかわかんない。
瞬)もう一人のヴォーカルだよ!!
K)ふーん。
瞬)ふーんって!!
  じゃあ三代目も知らねぇの?
K)あ、それはわかる。
瞬)何でだよ!!w
K)だって…
 
 
Kちゃんがチラッと私を見てきた。
 
 
♡)……///
K)じゃあ歌ってよ、それ。
瞬)え?
K)タカヒロって人のやつ。
瞬)よっしゃ、じゃあ姉ちゃん弾いて!
♡)はいはいw
 
 
それから色々ピアノを弾いて
みんなで歌って
 
あっという間に22時になって
私とKちゃんは帰る準備をした。
 
 
マ)Kもまたいつでもおいでね!
K)はい!ありがとうございました。
瞬)じゃあまたな!
K)おう!
♡)またご飯行こうねー♡
瞬)おう!
マ)身体に気をつけなさいよ?
  寒くなってくるから。
♡)はーい♡
  じゃあまたねー♡
K)お邪魔しましたー!!
 
 
 
それからまた電車で帰ってきて…
 
私は家に着くとすぐお風呂に入って
ベッドにダイブした。
 
 
♡)ふぁ~~~~~♡
 
 
今日は…
すっごく楽しかったなぁ♡
 
 
ママも瞬もKちゃんも…
みんな大好き♡
 
みんな…私の大切な人。
 
 
パパに言われた通り、
ずっとずっと大事にしよう。
 
 
♡)……
 
 
…なんか…
 
 
臣くんの…
声が聞きたいな…
 
 
まだお仕事中かな?
 
 
ベッドから起き上がって
携帯を手に取ると…
 
 
ピロリロリロ♪ピロリロリロ♪
 
 
♡)わ!!臣くんだ!!
 
 
♡『もしもし!』
臣『おう。今家?』
♡『うん!』
臣『そっか。』
♡『臣くんは?』
臣『俺も今帰ってきた。』
♡『わ、お疲れさま!!』
臣『ありがと。』
♡『臣くんの声聞きたいなって思ってたら
  かかってきたから
  びっくりしちゃった!』
臣『えっ?』
♡『えへへ♡嬉しい♡』
臣『////』
 
 
すごいタイミングだぁ♡
 
 
♡『今日ね、実家に帰ってたのー!』
臣『あ!そうなの?』
♡『うん!♡』
臣『この間も飯食いに行ってなかった?』
♡『うん!』
臣『すげぇ仲良いなw』
♡『この間会ったばっかりじゃんって
  二人に言われたけど…』
臣『あはははw』
♡『でもね、なんか会いたくなったの♡』
臣『そっか…』
♡『うん♡』
 
 
きっと今朝、パパの夢を見たから。
 
 
♡『臣くん…』
臣『んー?』
♡『昨日はありがと…///』
臣『何がー?』
♡『……』
臣『……』
♡『そばに…いてくれて…』
臣『俺…なんもしてないよ。』
 
 
あ…
声がすっごく優しい。
 
 
♡)……///
 
 
なんもしてない…って…
 
あんな優しくぎゅって…
背中トントンってしてくれてたのに…
 
 
とくん…
 
とくん…
 
 
♡『会いたいなぁ…』
臣『え…?』
 
 
臣くんに会いたい。
 
 
臣『…お父さん?』
♡『あ…違うよっ』
臣『え?……俺?』
♡『…うん。』
 
 
臣くんに会いたいの。
 
 
♡『……はっ!!』
 
 
そう言って、我に返った。
 
 
♡『わ…ごめんっ、何言ってるんだろ///
  ち、違うの!!!』
臣『違うの?』
♡『わ、わ…っ///』
臣『俺に会いたいって意味じゃないの?』
♡『あっ、えっと…そうだけど…///
  だって昨日会ったばっかりなのに
  ごめんね?間違えた///』
臣『……///』
 
 
ほんと何言ってるんだろう、私…
 
 
♡『いっぱいぎゅってしてくれたのに…』
臣『え…?///』
♡『もう会いたいとか…私ワガママだよね…』
臣『~~~///』
♡『////』
臣『もうお前なんなのさっきから!///』
♡『えっ?』
臣『会いたいんなら今から行くけど!!』
♡『えっ!!』
 
 
今から?!!
 
 
臣『行っていい?』
♡『あっ!わっ!違うのっ!!』
臣『何が!』
♡『そういう意味じゃ…』
臣『どういう意味だよ!
  俺に会いたいんだろ?』
♡『う…うん///』
 
 
そう…だけど…
 
 
臣『じゃあ今から行くから待ってて。』
♡『えっ…ま、待って!ダメ!!』
臣『何が!』
 
 
だって…っ
 
こんな時間だし…
臣くん…仕事で疲れてるのに…
 
 
♡『ダメ!来ないで!』
臣『はぁ?!』
♡『会いたくないもん!』
臣『どっちやねん!!』
♡『だって…』
 
 
会いたいって言ったら…
そんなすぐ来てくれるの…?///
 
余計ワガママ言えないよ…
 
 
臣『会いたいって言ったり
  会いたくないって言ったり…』
♡『はっ…』
臣『お前俺のこと弄んでる?』
♡『ちがうよぉ!わわわ…っ
  そんなんじゃなくて…!!』
臣『はぁ……』
 
 
小さく聞こえたため息。
 
 
臣『次お前に会えんの…いつ?』
♡『えっ?!』
臣『……』
♡『……』
 
 
いつって…
いつなんだろう…?
 
 
臣くん忙しいから
またしばらく会えないのかな?
 
 
会いたい…。
 
 
やっぱり…ワガママ言いたいけど…
でもダメ。
 
 
臣くんの負担になるようなこと
絶対したくない。
 
 
臣『鍋かなぁ。』
♡『え??』
臣『次。』
♡『あ…そっか…』
 
 
そういえばさくちゃん達と
約束してたんだった。
 
 
臣『そーいやさくちゃんの誕生日、
  来月でしょ?』
♡『あ、うん!そうだよ!』
臣『何日?』
♡『ポッキーの日だよー♡』
臣『え!!ゾロ目?!w』
♡『うん!w』
臣『おお!すげーな!w』
♡『ね!覚えやすいよね♡』
臣『プレゼント何がいいかな。』
♡『私もう買ったよー♡』
臣『お、マジ??』
♡『うんっ♡♡』
臣『俺も買いに行こっと。』
♡『リクエストされてたもんねw』
臣『うんw』
♡『さくちゃん喜ぶよー♡』
臣『だといいけどw』
 
 
私も早く渡したいなっ♪
 
 
臣『あ……』
♡『ん?』
臣『…0時だ。』
♡『あ、ほんとだ。』
 
 
時間経つの早いなぁ…。
 
 
臣『もう…寝る?』
♡『…うん。』
臣『……』
♡『……』
臣『最後に…もっかい聞くけど
  会いに行っ…』
♡『だめーーっ!!』
臣『…っ』
♡『だめ。』
臣『……』
 
 
そんなワガママは、我慢するんだもん。
 
 
♡『明日も…お仕事頑張ってね?』
臣『……』
♡『来週会えるの楽しみにしてるね♡』
臣『……///』
 
 
早く会いたいな。
 
 
臣『……ん。』
♡『じゃあ…おやすみなさい。』
臣『……おやすみ。』
 
  
 
 
 
ーendー

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