(45)可愛い登坂ママ

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仕事を終わらせて
急いで待ち合わせ場所に向かうと
土曜だからか相変わらずの人ごみで。
 
母ちゃん大丈夫かな…。
 
 
待ち合わせ場所の前で
タクシーに待っててもらって、
俺は車を降りた。
 
 
臣)……あ。
 
 
キョロキョロ見渡すと
遠くに母ちゃんの姿を見つけた。
 
俺に全然気付かないで歩いてくる。
 
 
臣)ん…?
 
 
あれ?誰かと一緒にいる?
 
 
しばらくすると俺に気付いた母ちゃんが
でっかい声で手を振ってきた。
 
 
母)広臣~~!!!
臣)ばっか!声でけぇって!!
 
 
ってか…
え!?!??
 
 
♡!??
 
 
臣)…っ
 
 
俺がびっくりしてると、
♡も同じような顔で俺を見てる。
 
 
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
 
 
母)良かった、広臣見つけれたw
臣)え、え、え…
♡)わ、わ、わ…
母)♡ちゃん本当にありがとね♡
♡)…なん…で…
母)???
臣)なんで一緒にいんの!??
母)え???
♡)…っ
 
 
臣くんがびっくりしてる。
 
けどそれ以上に私の方がびっくりしてる。
 
 
♡)え…え…、っ
 
 
だって…
 
 
♡)コサカさん…ですよね?
母)そうよぉ!登坂!
♡)え?登坂!!?!
母)ええ。
♡)…っ
 
 
私…っ
ずっとコサカさんだと思って
コサカさんって呼んでたのに!!
 
コサカさん全然気付いてなかったし!!
 
っていうかコサカさんじゃないし!!
と、登坂って…
 
え~~~っっ!!!!!
 
 
臣)お前…なんで…??
♡)えっと…あの…
母)え…、知り合いなの??
♡)はい……
母)ええっ!!お友達??
臣)賢司の…友達。
母)まぁ!!賢司くんの?!
  わぁ!!おばさんびっくり!!
♡)私も…びっくりです…
  
 
まさか…臣くんのお母さんだったなんて…
 
 
母)わぁ!!すっごい偶然ねぇ!!
  すごーーい♡♡
臣)いや…すごーい♡じゃなくて…w
  なんで…
母)あのね?
  ♡ちゃんすごかったのよぉ!!
臣)はい??
母)私がね、ひったくりに
  バッグ取られたのよ!!
臣)ええっ!!!
母)そしたら♡ちゃん、
  すごいスピードで追いかけてって
  タックルしたの!!
臣)タ、タックル!???
♡)あ!!あわわ…っっ
 
 
どうしよう…
また怒られちゃう…っ
 
 
母)あれ、違うか。飛び蹴り??
臣)飛び蹴り!!?
♡)あ…違うの!
  えっと…体当たり…?
母)ああ、それだそれだw
臣)体当たりーー!!??
♡)えーと……はい…。
母)それでバッグ取り返してくれたのよぉ!!
臣)おーまーえーは~~!
♡)わわ…っ
 
 
やっぱり怒られた…!
 
 
臣)俺がいない時に無茶すんなって
  何回も言ってんだろが!!
♡)わ…わ…、ごめんなさいっ!!
臣)なんでいっつも…ほんとにもう…っ!!
♡)ごめんなさい…
臣)なんかされたらどーすんだよ!
  刃物持ってたりとか!!
♡)あ…でも持ってなかったよ!
  大丈夫だっ…
臣)それは今回の話だろ!
♡)はい…っ
臣)頼むから…無茶すんな。
♡)…はい…。
 
 
ごめんなさい…
しょぼん…。
 
 
母)ちょっと広臣!!
  何そんな怒ってんのよ!!
  ♡ちゃんスーパーマンみたいで
  カッコ良かったんだからね!!
  周りからも拍手喝采で!!
臣)拍手喝采て…w
  つーかなんで母ちゃんは
  ひったくりなんかに遭ってんだよ!
  気をつけろよ!
母)だって!
  袋が破れてオレンジがコロコロしちゃって
  それに気を取られてる隙に…
臣)ほんと鈍臭ぇなぁ、もう…
母)私たち似てるのよねー♡
臣)はい?
母)おっちょこちょい同盟なのw
♡)……//
臣)そんなもんで同盟組むなしw
母)とーにかく!
  ♡ちゃんは私を助けてくれたんだから!
臣)…ありがと。
♡)あ!ううん!!
母)それでね、お友達になっちゃったの♡
臣)は、はい?!お友達!?
母)ねーー♡♡
♡)…っ
 
 
えっと…ど、ど、どうしよう…っ
 
臣くんのお母さんだなんて
思いもしなかったし…
 
 
は!!!
 
てゆーか!!!!
 
 
私知らないで
臣くんの相談いっぱいしちゃった!!!!
 
きゃーーーーっ!!!
信じられない///
 
どうしよう!!!
 
恥ずかしすぎる!!////
 
 
母)あ!そーだ!
  ♡ちゃん、この後用事ないなら
  一緒にご飯行かない?
♡)えっ!!!
母)だって広臣とも友達なんでしょ?
♡)えっ…と…
 
 
ど、どうしよう…
 
 
母)ねぇ?いいわよねぇ?
臣)いいわよねぇ…ってw
  ♡がいいんなら…
♡)えっ…
臣)なんか…
  母ちゃんが世話になったみたいだし…
  ご馳走しますけど。
♡)えっ!!
  えっと…あの…
母)ね!!♡ちゃんも行きましょ♡♡
  決ーまりっ♪
臣)じゃあタクシー乗って。
母)はーい♪
♡)え、え、ほんとに…
臣)来てよ。
♡)……うん///
 
 
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
 
 
つーか…なんだこの展開。
 
ええと…
頭が追いつかない。
 
 
急に♡に会えたのも
♡と飯食えんのも嬉しいんだけど…
 
 
母ちゃんと友達って…
 
そんな偶然あるんかい!!
 
何がどうなってそうなったよ!!
 
 
あ、そっか。
ひったくりつかまえて…
 
…って、それでそんな仲良くなるか??
 
 
臣)……
 
 
でも…
 
♡の人なつっこさっていうか…
社交性っていうか…
 
うちの母ちゃんもそんなとこあるし…
 
この二人なら仲良くなるのか…。
 
 
びっくりしすぎてなんかもう…
 
 
つーか♡だって
まさか俺の母ちゃんだとは
思ってなかっただろうな。
 
めちゃめちゃびっくりしてたし…。
 
 
この3人で飯って…
何話すんだよオイ。
 
 
臣)え?俺こっち?
母)うん。何か変?
臣)いや…いいけど…
 
 
店の個室に入ると
母ちゃんと♡が仲良く並んだ。
 
 
母)♡ちゃんの隣が良かった?w
臣)は?!!//
母)♡ちゃん、可愛いでしょーーw
臣)……///
母)もうお母さん、
  一目惚れしちゃったんだからー♡
♡)や、やめてください///
母)あはははw
臣)……
 
 
ヤバい…
無邪気な母、恐るべし…。
 
 
母)ここ…何のお店なのー?
臣)海鮮とかがめっちゃ美味いんだって。
  NAOTOさんに教えてもらった。
母)わぁ!いいわねぇ!!
 
 
それから適当に料理を頼んで乾杯すると
母ちゃんはめっちゃニコニコ楽しそうで。
 
 
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
 
 
母)ああ、美味しい♪
♡)美味しいですねー♡
母)ほら、♡ちゃん、いっぱい食べなさい。
♡)食べてますよぉw
  ありがとうございます♡
  あ、コサカ…じゃなかった…えっと…
臣)コサカ??
♡)あ…うん//
  私最初に名前聞いた時、
  コサカって聞こえて…
  ずっとコサカさんって呼んでたの。
母)え!!そうだったの??
♡)はい。
臣)母ちゃん気付かなかったの?
母)全然気付かなかったぁ~w
 
 
えっと…でももうコサカさんじゃないし…
 
でも…登坂さんて呼ぶのも変だよね??
臣くんだって登坂さんだし…
 
えっと…どうしよう!!
うわーーんっ!!
 
 
♡)あ、あの…
  お母さん、どうぞ。
 
 
鍋を取り分けて手渡してみた。
 
 
どうしよう!!
彼女でもないのに
「お母さん」って変だよね!!
 
でも…おばさんなんて呼べないし!!
うわーん!!誰か助けてー!!
 
 
母)きゃー♡
  こんな可愛い子に
  お母さんとか呼ばれちゃったぁ♡
臣)……//
♡)ご、ごめんなさいっ
  なんて呼んでいいのかわかんなくて…
母)なぁんでもいいのよぉ!
  お母さんで全然いいわよ~~
  広臣のお母さんだしww
♡)あははは♡
 
 
そう言ってもらえて少しほっとした。
 
 
母)あ~あ、ほんと♡ちゃんみたいな子が
  お嫁さんとかに来てくれたら
  お母さんすっごく楽しいんだけどなぁ~
臣)は!??//
母)ねぇねぇ、どう?うちの子。
  私が言うのもなんだけど、
  カッコイイでしょ?w
♡)え…っと…///
母)どうどうー?w
臣)おい!!w
♡)あの…///
母)あ、でもダメかぁ。
♡)え?
母)♡ちゃんには気になってる人が
  いるんだもんねぇ♡
臣)え…っ
♡)きゃあっっ////
  お母さんっ!!!////
 
 
その話は…!!!
 
 
母)え?
♡)わ…わ…わ…っ////
母)ん?
♡)ダメですっ!!!
  臣くんには絶対ダメー!!///
母)ああ、ごめんごめんw
  これは女同士の秘密だったわねー♡
  ってことだから広臣。
臣)は??
母)♡ちゃんはダメだからねー♡
  こーんな可愛いけどw
臣)…っ
♡)わ、違うんですっ、わ…わ…///
 
 
その気になる人は
目の前のこの人なんですー!!!
 
うわぁぁんっ!!!!
恥ずかしすぎるーー!!///
 
 
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
 
 
母)広臣も早く彼女作ればー?
  もしかしているの??
臣)いねぇよ。
母)あーら。
臣)……
 
 
つーか…
気になる人ってなんだよ!!
 
そんなん母ちゃんと話してたのか??
 
俺には絶対ダメって…なんだよそれ!
 
 
臣)…っ
 
 
気になる人って…
あのプロポーズ男…??
 
 
臣)……
♡)////
 
 
♡は顔を真っ赤にして恥ずかしがってて…
 
俺がじっと見てると
プイッと目を逸らした。
 
 
臣)…っ
 
 
うわ…もう…
なんかすげぇモヤモヤしてきた…
 
 
くそーーーーーッ!!
 
 
母)やっぱり仕事が忙しいの?
臣)は?何が?
母)何がって…
  彼女いないって言うから…
  仕事忙しいのかなって。
臣)ああ、うん…
  年末までビッシリ。
母)そうなんだ。
  映画の撮影はいつから?
臣)来週。
  今日から演技指導してもらってる。
♡)わ!今日だったんだ!
臣)うん。
♡)どうだったぁ?
臣)めちゃくちゃ緊張したし…
  まだ全然手探り状態。
母)他のキャストの人たちに会ったの?
臣)あ~~、能年さんだけ。
母)そうなの?
臣)ほんとは…俺だけの予定だったんだけど
  能年さんが付き合ってくれてさ。
母)わ!そうなの?良い子ねぇ~~!
臣)でも…全然掴みどころない子だったw
母)そうなの?
臣)うん…、ほとんど喋んないし。
♡)和希みたい?
臣)うん、ほんとそんなカンジ。
  和希としていてくれてるカンジがしたから
  逆に俺もやりやすかったけど。
♡)そうなんだぁ…。
母)あ!!広臣…ヒゲ!!
臣)え??
 
 
急に目を丸くしてる母ちゃん。
 
 
母)ヒゲないじゃない!!
臣)え…今このタイミングで…?w
  さっきから散々見てんじゃん。
母)今気付いたのよぉ!!
臣)俺の顔見てなかったんかい!w
母)わ、わ、ちょっと♡ちゃん!
  ヒゲないわよ!!
♡)私も最初びっくりしましたw
母)ない方が絶対いいわ~~
臣)え…
母)そう思わない?♡ちゃん。
♡)私もどっちかというと
  ない方が好きです。
母)そうよねぇ?
  なーんかあのヒゲ、
  チャラかったんだもん。
臣)おい!!w
♡)あはははw
母)ない方がぜーんぜん爽やか♪
臣)そりゃどーも。
 
 
それからしばらくすると
母ちゃんがトイレに行って
♡と二人になった。
 
 
臣)……
♡)……
 
 
俺は…さっき母ちゃんが言ってた
♡の気になる人が
気になって気になって、仕方ない。
 
 
臣)今日…ずっと母ちゃんといたの?
♡)あ、ううん!
  お昼はトリちゃんとランチしてたの!
臣)は??トリちゃん?!
♡)うん♡
 
 
ほんとに仲良くなったんだな…
 
 
♡)それから一人でお買い物してて…
  夕方くらいに偶然お母さんに会ったの。
  なんかオレンジが転がってきて…
臣)あ、さっき言ってたやつ?
♡)うん。買物袋に穴開いちゃってたみたいで
  それを一緒に拾って…
  そこで初めて話したのー。
臣)そうだったんだ。
♡)うん。
臣)鈍臭い母ちゃんですいません。
♡)あははは、なんか同じ匂いしたよーw
臣)なんだっけ。
  おっちょこちょい同盟?だっけ?w
♡)あははは、そうそうw
  それからカフェでお茶してたのー♡
臣)何話してたの?
♡)えっ…!!////
臣)……
 
 
なんだよそのリアクション。
 
 
♡)な、な、なんで?!///
  何でもいいでしょ!!
臣)何話したかくらい聞いてもいいじゃん!
♡)秘密っ!!///
臣)……
 
 
くそぅ……
 
 
臣)さっき言ってた、気になる人って…
♡)きゃーーー/////
  し、知らない!!絶対言わない!!
臣)…っ
 
 
なんか両手で顔隠してるし…
 
 
臣)…お前…いきなり結婚したり…
  しないよな?
♡)???
 
 
俺の質問に、♡は目を丸くして…
 
 
♡)え?は、はい???
臣)……
 
 
プロポーズ男のこと、
相談してたんじゃねぇのかよ…。
 
 
♡)え…っと、何の話???
  け、結婚???

母)お待たせーー♡

♡)あ…、お帰りなさい。
母)なになに何の話~~?♪
臣)……別に。
母)なーによ~~
  教えてよ~~~
臣)いいからもうデザート頼めば?
母)あらっ、そうね!
 
 
俺がメニューを渡すと
二人で仲良く覗き込んで…
 
 
母)♡ちゃんどれにするー?
♡)わ…どうしよう…
  いっぱいあるー♡
母)私たちさっきも食べたのにね♡
♡)あはは、ほんとだぁー♡
母)うーん…迷っちゃうわ…
♡)私もーーー
  どっちにしよう…
母)♡ちゃんも2つで迷ってるカンジ?
♡)…お母さんも?
母)うん。ちょっといっせーのーでで
  指してみない?
♡)え?
母)いっせーのーでっ
♡)あっ!!一緒だ!!w
母)あはははw
  ほんと気が合うわね、私たちw
♡)じゃあ…
母)半分こずつにしちゃうー?♡
♡)しちゃうー♡♡
母)あはははw
臣)……
 
 
おい…
仲良しかよ…
そこの女子二人。
 
 
二人してにっこにこ笑ってるし。
 
なんか変なカンジ…//
 
 
母)広臣は?
臣)俺はいいわ。
♡)え?いいの?
臣)うん。
♡)そんなこと言って
  あとからあげないからね?
臣)はいはいw
 
 
それから二人がデザートを
食べ終わるのを待って
会計を済ませて外に出ると
母ちゃんがよろけて俺に激突してきた。
 
 
臣)いてぇっ!
母)あははは、ごめんごめんw
臣)ちゃんと前見て歩けよ。
母)はーいはいw
  ごめんなさい~~~
♡)あはははw
臣)笑ってっけどお前もだからな?
♡)えっ!!
臣)ほんと鈍臭いんだから。
♡)ひどーい!!
臣)ひどくねぇだろ!
  ほんとのことだろ!
♡)ぷんっ!!
臣)ぷんじゃねぇっつの。
 
 
そんな俺たちのやりとりを見て
母ちゃんがクスクス笑ってる。
 
 
母)二人とも仲良いのね~~ww
臣)……//
母)でもほんとに…
  広臣にこんな素敵なお友達がいて
  嬉しいわ♡
臣)あっそ…//
母)私ももうお友達になっちゃったしー♪
♡)はい♡
母)じゃあ♡ちゃん、またね?
♡)はい♡
  お気をつけて。
  今日はごちそうさまでした♡
母)いいのよあんなの~~w
  こっちこそ本当にありがとう♡
♡)はい♡
母)広臣も…
  身体に気をつけて頑張りなさいよ?
臣)ん。
母)映画、お父さんと観に行くから!
臣)まだまだ先だけどな?w
母)もう10回くらい観に行くわよ!w
臣)いや、行きすぎだしw
母)じゃ、頑張って。
  お正月、待ってるから。
臣)ん。わかった。
母)じゃあね!
臣)あーい。
 
 
俺と♡は母ちゃんを見送ってから
二人でタクシーに乗りこんだ。
 
 
 
 
 
ー続ー

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