(43)振りほどかれる手

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収録が終わって事務所に戻って
月刊の仕事を済ませると
丁度MATSUさんと啓司さんに会った。
 
 
M)おう!登坂!
  今から軽く飯行くけど行く?
臣)え!いいんすか?!
啓)行こうぜ行こうぜw
臣)行きたいっす!!
M)ごちでーす♪
啓)ごちでーす♪
臣)え?!お、俺っすか!!??
M啓)あははははw
 
 
それから俺たちは3人で
事務所からすぐの居酒屋に入った。
 
 
M)はーいお疲れ~~♪
  かんぱーい♪
啓)おつかれっすー♪
臣)お疲れさまです!
 
 
レモンサワーが身体に染み渡るくらい
美味い。
 
 
啓)か~~っ!!
  うめぇ~~!!!
臣)最高っす。
M)登坂もう撮影始まってんの?
臣)え?
啓)ああ!ホットロードっすか?
臣)あ、来週からです。
M)じゃあもうすぐじゃん。
啓)ふぅ~~~っ♪
臣)いや、やめてくださいw
啓)まった登坂に惚れちゃう女の子が
  増えんじゃないの~?♪
M)啓司羨ましいんでしょw
啓)羨ましいっすよ!w
臣)いやいや、啓司さんの方が
  モテモテじゃないっすか。
啓)いやいや、
  ヴォーカルには敵わないっすよ。
M)三代目の人気も
  最近すごいじゃないっすか~。
臣)いや、まだまだ全然です!!
M)この間のファイナルだってねぇ?
啓)そうそう。
  三代目出て来た時の歓声ったら。
臣)いやいやあれは…
  EXILEのLIVEなのに三代目が出てきた
  意外性で湧いてるだけで…
M)じゃあ俺らも今度、
  三代目のLIVE出ちゃうー?
臣)えっ!!
 
 
そんなの、すごすぎる…!
 
 
啓)それで湧かなかったら凹むな~~
M)あはははw
臣)いや、そんなの会場割れますよ。
啓)え??
臣)歓声で。
M)ま~ったまた~~ww
臣)いや、ほんとに!絶対!!
M)そんなこと言って湧かなかったら
  登坂のマイク奪うかんな!
臣)えっ!!
啓)奪ってどうするんすかw
M)俺が歌う。
  パァッと咲いてぇ~~ってw
啓)あっはははw
  じゃあ俺、隆二のマイク奪おw
臣)えーー!!w
M)二人で歌ったるわ!w
啓)めっちゃスクリーン映ってやるわ!w
臣)あははははww
 
 
それから
適当な料理が運ばれてきて
腹が減ってた俺は勢い良くがっついた。
 
 
M)食わせてない子みたいじゃんw
臣)めっちゃ腹減ってたんすもん!
啓)いいよいいよ~~食え食え~~
M)だって登坂の奢りだしねw
啓)そうそうw
臣)えーー!!
M)あははははw
 
 
そういえば…
 
 
臣)MATSUさんて…
M)んー?
臣)今…一緒に暮らしてるんですよね?
M)彼女ー?
臣)はい。
啓)彼女じゃなくて婚約者ね?♪
臣)あ、そっか!!
M)一応元旦に籍入れる予定。
臣)え!!元旦っすか?!
M)そうそう。
臣)おわ~~~ついに…!!
M)うん。
臣)どんな…カンジっすか?
M)え?
臣)気持ちっつーか…
M)まだ入れてないからわかんないけどw
臣)あ、そっか…
M)でもなんか…
  改めて気が引き締まるカンジは
  あるけどね~
臣)……
 
 
そうなんだ。
 
 
啓)いいな~~~
M)とか言ってまだまだ
  結婚する気ないっしょ!w
啓)いや~~でも俺、
  子供欲しいんすよね~~
M)ああ、子供は欲しいねぇ。
啓)でも…まだぶっちゃけ遊びたいっすね…
M)チャラいな~~~w
啓)結婚は40前後でいいかな…
M)登坂は?
臣)え??
M)彼女いないんでしょ?
  まだまだ遊びたいカンジ?
臣)…いや……
 
 
♡に会ってから…
全然ないもんな、そーゆーの。
 
 
啓)なーんだよ~~
  遊びたいだろ~~?
臣)うーーん…
啓)MATSUさん!
  登坂が好感度UP狙って
  真面目ぶってます!
M)あっはははw
臣)MATSUさんも…
  昔は遊んでましたよね?
啓)話変えたーー!
臣)いや…そうじゃないんすけど…
M)いきなりぶっこむねぇw
臣)すんません。
M)遊んでましたけど?w
臣)いつから遊ばなくなるんすか?
  我慢してるわけじゃないんすよね?
M)うーん…
  若い頃はタイプの女だったら
  誰でも良かったけど…
臣)……
M)今でも女に興味なくなったわけじゃ
  ないけどね?w
臣)……
M)でも今はあいつが一番大事だからなぁ。
臣)……
 
 
「一番大事」か…。
 
 
なんか…今なら少しわかるかも…。
 
 
別に…
他の女に興味なくなったわけでも
遊びたくないわけでもないんだけど…
 
 
啓)かっけぇなぁ…
  俺もそう思えるくらいの女に
  出逢いたいっす!
M)彼女いんじゃんw
啓)ああ、そうだったw
臣)……
M)登坂…?
臣)あ、はい!!
M)どうした、真剣な顔してw
啓)あの店員さん落とそうとしてんだろ~
臣)違いますよ!!w
M)あ、ほんとだ、ちょっと可愛い。
臣)違いますって!!w
啓)ほんとヴォーカルってやらしいよな~
臣)ちょっと!一括りにしないで下さい!w
  ヴォーカルに対する偏見だし!w
M)いやいや、ヴォーカルはやらしいよ。
臣)え!?
M)だってまず声がいいからね。
啓)耳元でちょっとやらしい声出すだけで
  女落ちんだろーー!
臣)やらしい声ってなんすか!!w
啓)あ~~やだやだ。
M)やだやだ。
臣)ちょっと!!!ww
 
 
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
 
 
修)いや~~久々に話せて良かったわ!
♡)ね!楽しかった!♪
修)付き合ってくれてさんきゅーな。
♡)ううん!私こそ!ありがとね♡
修)そーいや瞬元気?
♡)あ、元気だよー!!
修)よろしく言っといて!
♡)うん!!
修)じゃあまたな!
♡)うん!!
 
 
私は修ちゃんと別れて
家までの帰り道、
 
小学校の頃のことを思い出してた。
 
 
♡)……
 
 
ハルくんとは…
家が近かったから
いつも一緒に遊んでて…
 
将来の夢を話すことも、何度もあった。
 
 
いつもお互いに
二人の夢が叶いますようにって
お祈りしながら。
 
 
ハルくんは…
お父さんをすごく尊敬してて
お父さんみたいになりたいって
絶対会社継ぐんだって…そう言ってた。
 
 
私は…
 
そんなハルくんを応援したくて…
力になりたくて…
 
 
♡)……
 
 
ハルくんは…
ちゃんと夢を叶えたんだよね。
 
 
私も…頑張らなくちゃ!!
 
 
 
それに…
 
私が今応援したいのは…
力になりたいって思うのは…
 
 
ピロリロリロ♪ピロリロリロ♪
 
 
♡)わっ!!!
  あ…!臣くんだ!!
 
 
♡『はい!もしもし!!』
臣『俺。』
♡『…うん。』
臣『あれ…外?』
♡『うん。』
臣『珍しいね、こんな時間に。』
♡『今日は飲んでたのー!』
臣『あ、そうなんだ!』
♡『臣くんは…?どうしたの?』
臣『いや…別になんもないけど。』
♡『……』
 
 
何もないけど電話くれたのかな…?
 
 
臣『もう家着く?』
♡『ううん、今丁度駅出たとこ。』
臣『え??どっちの駅??』
♡『地下鉄だよ?』
臣『え!!じゃあ送る!!』
♡『えっ…』
臣『俺もさ、さっきまで飲んでて
  今帰ってきたとこだった。』
♡『わ、そうなの?』
臣『うん。いつもの道で帰ってきて!
  今から行くから。』
♡『えっ…』
臣『もう遅いのに
  なんでそっちから帰ってきたし。』
♡『だって…JR遠かったんだもん。』
臣『じゃ一回切るわ。』
♡『え…、あ…っ』
 
 
……切れちゃった。
 
 
♡)……
 
 
もう0時前なのに…
ほんとに来てくれるのかな…??
 
 
臣くんに言われた通り
いつもの道をしばらく歩いてると、
 
向かいから走ってくる
臣くんの姿が見えた。
 
 
臣)はぁっ…、はぁ…っ
♡)わ、わ、走らなくて良かったのに!
臣)…なんでっ
♡)だって…
臣)…だって心配じゃん。
♡)え?
臣)俺みたいな変質者いたらどーすんの?
♡)え???
  臣くんみたいなって何?!!
臣)いきなり太もも触ってくる奴とかー?w
♡)!!!
臣)あはははw
♡)もう…ばかっ!///
 
 
臣くんはそんな冗談を言って
笑いながら歩き始めた。
 
 
♡)ほんとに送ってくれるの?
臣)うん。ラッキー。
♡)え??
臣)電話して良かった。
♡)……
   
 
ラッキー…なの…?///
 
 
♡)遠いのに…ごめんね?
臣)そう思うんなら…、ん。
♡)え?
 
 
目の前に差し出された手。
 
 
臣)繋いでよ。
♡)えっ!!
臣)送ってやっから。
♡)え、え、え…///
臣)早く。
♡)…っ///
 
 
私が戸惑ってると、
臣くんは私の左手を掴んで
 
そのまま手を繋いで、歩き出した。
 
 
♡)え、え、やだっ///
臣)はぁ?!
 
 
私は思わず
臣くんの手を振りほどいた。
 
 
♡)……///
臣)やだって…
♡)……///
臣)昨日から…傷つくんですけど…
♡)えっ…
 
 
そっか…
昨日、映画見てる時も…
手…振りほどいたんだった…。
 
 
だって…
恥ずかしいんだもん!!///
 
 
臣)はぁ…、俺走ってきたのに…
♡)…っ
臣)……はぁ…、嫌われたんかな。
♡)えっ…と…
臣)太もも触ったから…
♡)え、ち、ちがっ…
臣)違うの?
♡)違うよ!
  嫌いになんてなってないもん!
臣)セクハラしたのに?
♡)セクハラって…///
臣)じゃあまた触っていいってこと?
♡)はい!?
臣)ぷっw
♡)違うでしょー!!もうっ!!///
 
 
私が臣くんの背中を叩くと
臣くんがイタズラな顔をして笑った。
 
 
臣)はいはい、すんませんしたw
♡)もうっ…
 
 
なんか…昨日のこと、
もうネタみたいになってるし…//
 
 
♡)今日は…何の仕事だったのー?
臣)今日ー?はねぇ…
  番組収録と、事務所で色々ちょこちょこ。
♡)ちょこちょこ?
臣)明日メンバー会議だからその準備とか。
  明日やっとツアーのこと話し合うんだ。
♡)わぁ!
臣)めっちゃ楽しみ。
♡)そうなんだぁ♡
臣)絶対観に来てね。
♡)え??
臣)LIVE。
♡)うん!行きたい!!
 
 
絶対行くもんっ!!
 
 
♡)楽しみだなぁ♡
臣)前回のZEROはさ、全部
  HIROさんプロデュースだったんだけど…
♡)うん。
臣)今度は全部俺たちでやんの。
♡)え!!そうなの?!
臣)うん。
♡)わぁ!すごーい!!
臣)期間も大分空いたから…
  待っててくれてる人も
  たくさんいると思うし…
♡)うん!
臣)ぜってぇすげぇステージにする!!
♡)うん!!
 
 
臣くんはそう言うと
振り返ってニコッと笑った。
 
 
臣くんが笑ってると…
私もなんか嬉しくなる。
 
 
♡)頑張ってねっ♡
臣)うん。
♡)応援してる!
臣)うん。
♡)何か…できることないかなぁ…
臣)え?
♡)私に…。
臣)……
 
 
私に出来ることってなんだろう…
差し入れ…とか?
 
いやいや、高校の部活じゃないんだし!!
 
えっと…じゃあ…
疲れた臣くんをマッサージ!!
 
…って、それはプロの人がいるだろうし…
う~~~ん……
 
 
臣)ある。
♡)え?
臣)ん。
 
 
私があれこれ考えてると、
臣くんがまた手を出してきた。
 
 
臣)これだけで元気になんだけど。
♡)えっ…
臣)ダメ?
♡)…っ
 
 
これだけって…
手…繋いだら…元気になるの?///
 
 
臣)……
♡)……///
 
 
そんな顔して…
ダメ?って聞くの…ずるいもん…///
 
 
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
 
 
手を繋ぎたくて、差し出した手。
二度目のリベンジ。
 
 
♡の顔をじっと見てると…
 
♡は少しためらいながら
俺の手をキュッと掴んできた。
 
 
臣)やった!!w
 
 
思わず心の中でガッツポーズ。
 
 
♡)ずるい…///
臣)え?なんてー?
♡)何でも…ないっ///
 
 
恥ずかしそうにぷくっと膨らんだほっぺが
可愛くて。
 
ちょっと無理矢理だったかな…w
 
 
でも…
やっと繋げた手が、ほんとに嬉しくて。
 
 
へへへ…///
 
 
俺は♡が繋いできた手をすぐ組み替えて
指を絡ませてギュッと握った。
 
 
♡)……///
臣)……///
 
 
ああ…ほんと嬉しい。
 
 
臣)今日は…会社の飲み会?
♡)…ううん、違うよ!
  友達とバッタリ会って
  そのまま飲みに行ったの。
臣)バッタリ?すげーな。
♡)うん!小中一緒の子で
  ずっと仲良しだったんだけど
  今日は一年ぶりに会えたのー!
臣)おお、そうなんだ!
♡)うん!すっごく楽しかった♪
臣)そっかw
 
 
めっちゃニコニコ笑ってる。
可愛い。
 
 
臣)……
 
 
つーか…
 
そーいえば…
気になってるアレ…
 
聞いてみようかな…。
 
 
臣)……お前…さ…、
♡)うん?
臣)……
♡)……
 
 
やっぱり…
折角一緒にいんのに
他の男の話すんのとか嫌だな。
 
 
気にはなるけど…
 
 
♡)なぁに?
臣)なんでもねぇ。
♡)え!何それ!
臣)……
♡)気になるよぉ!
 
 
気になってんのは俺だっつーの!
 
 
♡)ねぇ、なぁに?
臣)なんでもない。
♡)ぶーーー
臣)なんで!w
♡)だって…気になるもん。
  あ…もう着いちゃう。
 
 
角を曲がって
♡のマンションが見えた。
 
 
♡)……
臣)……
 
 
まだ…手離したくないし…
一緒にいたいけど
 
もう時間も遅いもんな。
 
 
♡)えっと…送ってくれてありがとう。
臣)ん。
♡)……
臣)……
 
 
♡が…
手離してくれないの?みたいな顔して
俺を見上げてきた。
 
 
♡)……
臣)……
 
 
離したくないんだっつーの!
 
 
♡)臣…くん?
 
 
俺は繋いでる手をそのまま引き寄せた。
 
 
♡)きゃっ
 
 
俺の目の前まで来た♡を
抱きしめようとした瞬間、
 
♡がまた一歩後ろに下がって
手をほどいてきた。
 
 
♡)わ、あっ、えっと、あのっ///
臣)…っ
♡)おやすみなさいっ!!!///
 
 
そう言って♡はダッシュで逃げていった。
 
 
臣)……
 
 
また逃げられた。
あの時と一緒だ。
 
 
初めてあいつに会った日。
 
付き合ってって言ったら
手を離して逃げられた。
 
 
なんだよこれ…
何も変わってねぇってことかよ…
 
ちょっとショックなんだけど…。
 
 
臣)……
 
 
♡の後ろ姿を見てると、
 
♡がドアの隙間から
チラッと俺を見てきた。
 
 
チラッじゃねーよ!w
 
 
恥ずかしそうに
手を小さく振ってるし…
 
あ~~~もう///
 
 
臣)はぁ……。
 
 
俺は手を振り返して、来た道を戻り始めた。
 
 
なんか…俺…
焦ってんのかな…?
 
 
はぁ……
 
やっぱり聞けばよかった。
プロポーズされたこと。
 
 
いや…でも…
 
う~~~~ん…
 
 
ってゆーか…
焦ってるとかよりも…
欲張りになってるかも。
 
 
昨日あんなに抱きしめて
ずっと一緒にいたから…
 
もっと触りたい…
手繋ぎたい…
抱きしめたい…って。
 
 
臣)……
 
 
でも…
 
俺はそう思ってるけど…
 
あいつの態度見てたら
明らかに避けてるよな、俺のこと。
 
 
このまま避けられ続けたらどうしよう。
 
 
でも…
さっきは♡から手繋いできてくれたし…
 
まぁなかば強制だったけど…
 
う~~~~ん…
 
 
やっぱ…
プロポーズの男のこと、
気になってたりすんのかな。
 
つーか一番気になってんのは
お前じゃなくて俺だけどな!!!
 
くっそーー
 
 
何で見たことも会ったこともない男のことで
こんなにモヤモヤしなきゃなんねぇんだよ…
 
 
結婚なんか…
 
死んでもさせっか!!バーカ!!!
 
 
 
 
 
 
ーendー

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