[77]嘘つきのキス(隆二Side)

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今日は杏仁豆腐とゼリー。

♧にチューしてもらうために
俺は毎回差し入れを持っていく。

へへへ…///

まぁチューが楽しみなのはもちろん、
実はもう一つ…

♧)あ、今市さん♡
隆)ういーーっすw
  今日はねぇ…、ハイッ。

袋からそれを取り出して
♧の前に並べると…

♧)……こっち♡

そう、これ。

小さな手をちょこんと置いて
可愛く選ぶこの姿が
すげぇお気に入り。

♧)ふふっ…いつもありがとうございます♡
隆)いえいえ。

俺こそいつも
ありがとうございます///

♧)あー、やっぱりゼリーも美味しそう…
隆)ん?

隣に座ってる俺のゼリーを
じーっと見てる♧。

隆)欲張り〜〜〜w
♧)えーーー
隆)それ、一口くれたらいいよ?
♧)え?
隆)あーーん♡

なんちゃって、
これはさすがに…

♧)はいっ♡
隆)!!!

口の中に広がる、杏仁豆腐。

隆)////

あーんしてくれちゃった。

これって…間接キス…

……って、俺は中学生かよ!
だっせ…///

♧)あーーん♡
隆)えっ///

今度は自分が可愛く口を開けて待ってる。

俺に、食べさせろと??

隆)……ハイ、///

ゼリーを一口、小さな口に運ぶと

ぱくっ♡

♧)ふふっ、美味しーーー♡
隆)////

ああ、もう…ほんと可愛い///

最近の俺は、毎日じゃないけど
こうしてここで♧と過ごす時間が
すごく癒しになってて、

幸せで仕方ない。

わかってるよ?
♧に好きな人がいるのは。

でもそれは次会った時に告白して
フラれる予定だからいいんだ。

気にしない。

俺はそんな♧を全力で包んでやるって
決めてるから。

♧)今市さん、あーーん♡

俺の腕をトントン叩いて
もう一口よこせと言わんばかりに
可愛く口を開けてる彼女。

隆)////

チューするぞ、ばかやろーー!!

隆)……ほら//
♧)んーーー♡
  ふふっ、美味しーーー♡
隆)……///

この無邪気さ、心配になるんだけど…

ほんとに、男友達…俺だけだよね?

こんなことしてるの、俺だけだよね?

ダメだよ、他の男とあーんとかしちゃ…

そんな可愛いことしたら
即行で取って食われるからな?わかってる?

♧)あ、そーだーー
隆)ん?
♧)ずっと言おうと思ってたんですけど…
隆)…っ

え、何?

ドキドキドキ……

♧)いつも私の恋の相談、
  聞いてもらってるから…
  今市さんのも聞きますよーー♡
隆)はい??
♧)交際経験ゼロの私じゃ
  役に立たないかもですけど…
  なんでも話してくださいっ♡
隆)……

ええと…

俺は一体どうしたら…

♧)好きな人はいるんですかー?
隆)ええと、ハイ。
♧)わぁ!どんな人ですか?
  いつから好きなんですかー?
隆)……

なんて答えようか俺が迷ってると…

♧)ん…?あれ……
隆)え?
♧)今市さん、好きな人いるんですか?
  え、…それなのに…
  私、ほっぺにキスしたら
  ダメじゃないですか?
隆)…っ

ほんとだ!!!

他に好きな女がいるくせに
毎回ほっぺにチューを強要してるなんて

俺、ただのチャラ男じゃん!!

隆)う、うそ!!!!
♧)え?
隆)好きな人がいるのは嘘。
♧)えーーー!!
  なんで嘘なんかつくんですかー!もうっ
隆)いや…えっと…
  ほら、♧に好きな人がいるのに
  俺だけいないのも、なんか悔しくて…

意味のわからない言い訳。

♧)ふふっ、恋愛は勝負じゃないですよー?
隆)……

わかってます。

誤魔化せて一安心。

てゆーかさ、
俺に好きな人がいたら俺にチューするのを
ためらうくせに

自分は好きな人いるのに
俺にチューしてくれんだね?

そこの矛盾に全く気付いてなさそうだから
絶っっ対、教えないけど。

♧)じゃあもし好きな人ができたら
  教えてくださいねー♡
隆)……うん。
♧)私、今市さんがいっぱいお話聞いてくれて
  本当に感謝してるんです。
隆)……
♧)だから私も、今市さんの力に
  なりたいです。
隆)……
♧)今市さん、だーいすき♡
隆)////

はぁ、ほんともう…

いつも深い意味もなく
言ってくれるよね、それ。

俺がどんだけ嬉しいか、全然わかってない。

隆)ねぇ…
♧)なんですかー?

デザートを食べ終えて
いつものように裁縫を始める♧。

隆)ちょっと気になったんだけどさ、
  いつもここ来るじゃん?
♧)はい。
隆)今はあったかいからいいけど…
  冬とかはどうしてるの?
♧)はっ!!!

♧が俺の顔をパッと見た。

♧)ほんとですね…どうしましょう。
隆)……

何が??

隆)寒い…、よね?
♧)はい。
隆)冬は来てなかったの?
♧)……はい。
  私がここに来るようになったのは
  春からなんで…
隆)あ、そうなんだ!
♧)はい。

確かに…

俺が一番最初に歌声に気付いたのも、
4月くらいだった。

隆)なんで春から…?
♧)……
隆)……

最初は…
夫婦仲が上手くいってなくて
ここに避難してるのかなんて勘違いも
したりしてたけど…

一人暮らしなんでしょ?

なんでこんなとこで裁縫してんの?

♧)言ったじゃないですかーー
  川の流れる音が好きだって。
隆)……ああ、そっか。

そういえば言ってたか。

でも…

暗いのになーー

もっと明るいところで顔が見たいなーー

俺んちでやればいいのに。
すぐそこなんだし。

あ、でもそしたら川の音は聞こえないか。

窓開ければ聞こえるかな?

てゆーかうちに来たら
俺が三代目だってバレちゃうか。

バレないように色々片付ける?

てゆーかいい加減、話す?
本当のこと。

うーーーん……

まだ今じゃない気がする、うん。

♧)よし、完成♡
  じゃあそろそろお片付けーー
隆)えっ!!もう?!早くない!?

すぐにこぼれた俺の本音に
彼女はふふっと笑って俺を見た。

♧)だって終わったんですもん。
隆)じゃあ喋ろうよ!
♧)……

♧は荷物をまとめてチャリのカゴに入れると
俺の隣に戻ってきた。

♧)甘えんぼさん…♡
隆)はー?!///
♧)ふふっ…♡
隆)////

なんだよそれ……

隆)今日のチューは?
♧)あ…っ
隆)まだしてもらってないもん。
♧)……ふふっ
  じゃあ目、閉じてください。
隆)ん…、

……この瞬間は、いつもドキドキする。

チュッ…

ゆっくり目を開けると…

絶対恥ずかしそうにしてる
可愛い♧が視界に入って

それがまた、俺をニヤけさせる。

隆)なんか今日、短くなかった?
♧)えっ!長さなんてあるんですか?
隆)あるよーー
  短かった気がするーー
♧)えーーー
隆)ね、もっかいして…
♧)……///

♧と向かい合わせに座り直して
その手を握った。

隆)ね、もっかい。
♧)もう……///
隆)いいじゃん…、して?
♧)……ん、

……チュッ

隆)へへへ♡
♧)……///

なんかさ、
こんなやりとりしてると

俺たちもう普通にカップルじゃない?
なんて思うんだけど…

側から見たら
夜に川辺でイチャつくただのカップルじゃん?
って思うんだけど…

だから…

今日はもうちょっとワガママ言ってもいい?

隆)ねぇ…
♧)なんですかー?
隆)……

♧の手を両手で握ったまま
少しだけクイッと、手前に引いた。

隆)…いつも…キスしてくれるじゃん?
♧)はい……
隆)いつも…♧がしてくれるから
  今日は俺も、していい?
♧)……

俺の目の前で
たれ目の可愛い瞳がパチパチして…

♧)え?!!///

慌てたように俺から離れようとしたけど
握ってる手が、そうはさせない。

隆)ね、していい…?
♧)え、ちょっと待ってください…
  それはよく…わからないです…
隆)うん。

わからなくていいから…
♧がパニックなうちに…しちゃっていい?

♧)え、え、えっ///

少しずつ、近付いて…

コツン。

ぶつかった、おでことおでこ。

お互いの息が、触れ合いそうなほど
近い距離。

緊張してるのか、♧の手に力が入ってる。

大丈夫。
俺も同じくらい、ドキドキしてるから。

ああ…ほんとは…
口にキスがしたい。

だってこんな距離、してもおかしくない。

隆)////

心臓がバクバクいってて
キスしたくて仕方ないって言ってるけど…

そんなことして
避けられても嫌われても、意味がないから

今はほっぺで我慢。

♧の右ほっぺを手のひらで包んで
左ほっぺにそっと、口付けた。

チュッ

柔らかい肌から、そっと唇を離すけど…

まだ右頬に触れてる手のひらが、
「もっと」って…
俺を掻き立てる。

こんな風に一度キスしたら…
愛しさがこみ上げてきて、ダメだな。

抑えられなくなりそ…///

グッとこらえて距離を開けると
ポーーッとしてる♧の目が潤んでるのが
暗くてもわかる。

隆)どうした…?w

そっと頬を撫でると…

♧)……///

何も喋らなくて…

それをいいことに、
俺はずっと♧のほっぺをなでなで。

可愛いなーー

柔らかいなーー

食べちゃいたいなーー

もっかいチューしたいなーー

……てゆーかいつまでそんな顔で
俺のこと見てんの?///

隆)♧……?
♧)…っ///

名前を呼ぶと、ぴくんと反応して
頬を撫でてる俺の手を、きゅっと掴んだ。

♧)どうして…キス…したの?///
隆)////

え、このタイミングで
タメ口になんの?

ずるくない?///

♧)初めて…男の人に…キスされた…///
隆)////

いや、ほっぺだよ??

そんなぽわんぽわんされたら
俺までめっちゃ照れんじゃん!

♧)どう…して…
隆)…っ

……また騙していい?
ごめんね?

隆)男が女にご馳走したら、
  女の子はキスしてくれるでしょ?
♧)…うん……
隆)そのキスが何度かたまったら、
  そのお返しに男からもキスするの。
♧)……
隆)知らなかった?
♧)……

そんなわけあるかよって
心の中で自己ツッコミするけど…

♧)知らなかった…///

そう言って恥ずかしそうに俯く彼女が
可愛すぎて…

隆)じゃあ、覚えてね。

俺は我慢できずに、♧を抱きしめた。

♧)わぁ…///
隆)……///

はぁ…、離したくない。

ドキドキ…ドキドキ…

♧)……あったかい…///
隆)うん…、///

今、♧を抱きしめてることが…

今、♧が俺の腕の中にいることが…

嬉しくて、愛しくて。

この鼓動が…
♧に聞こえませんように。

そう願いながら
ただ、目を閉じて
♧のぬくもりを確かめる。

……しばらくすると、♧が静かに呟いた。

♧)私たち、本当に仲良しですね///
隆)……

あーあ、敬語に戻っちゃった。

隆)そうだよ?何か困る?
♧)困らないですw
隆)でしょ?
♧)ふふっ…
隆)……

そろそろ離した方がいいかな…
でもまだ抱きしめてたいな…

俺がそんな葛藤をしてると
♧が初めて俺をキュッと
抱きしめ返してくれて…

♧)今市さん…だいすき…♡
隆)////

爆弾、二連弾に
また天に舞い上がりそうな俺。

こんな…
抱きしめ返してくれて…
「大好き」って…

俺、期待するよ?
何度も言うけど。

……

♧)じゃあ今市さん、おやすみなさい♡
隆)うん、…おやすみ///

今日も俺はメロメロにされて
♧の背中が見えなくなるまで見送った。

隆)……はぁ///

すごくあったかい。

胸が…ポカポカする。

やっぱり…
そういう成分、何か出してるでしょ?

俺を癒して、ふにゃんふにゃんにしちゃう
何か。

ねぇ…
ほんとに好きだからさ、
絶対俺のこと、好きにさせるからさ、

覚悟しといてね?

ーendー

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