[283]今市家(隆二&♧Side)

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ドームの出口前でむーこと別れて
隆二くんに言われてた場所に向かって
スタッフさんに声をかけたら
中に入れてもらえてた。
 
 
男)こちらですよ。
♧)ありがとうございました!
 
 
賑やかな部屋のドアを
コンコンとノックして開けたら、
 
 
♡)♧さんだーー!♡
 
 
飛び込んできたのは、
♡ちゃんの可愛い笑顔だった。
 
 
隆)あ、♧来た。
♧)きゃぁっ!///
 
 
振り向いたら、
腰にバスタオルを巻いただけの
隆二くんがいて。
 
 
隆)きゃあって何?!
♧)だ、だって…裸なんだもん…///
 
 
思わず両手で目を覆ったら、
臣くんと健ちゃんの笑い声が聞こえてきた。
 
 
臣)今更きゃあって、ねぇ?w
健)せやでw
臣)あんなことやこんなことしといて…w
健)せやんなぁ?w
♧)!?////
 
 
二人がニヤニヤして私を見てるから
私が隆二くんをもう一度見ると、
 
 
隆)言ってない!言ってない!
  俺マジでなんも言ってない!///
 
 
慌てたように両手で否定する隆二くん。
 
 
……びっくりしちゃった。
 
あんなことやこんなことって言うから…///
 
 
隆)♧のことそうやってからかうのやめてー
  この子ピュアなんだから〜
 
 
隆二くんが後ろから私をハグしてきたんだけど
上半身裸だから、
なんだか感触が生々しくて…
 
 
♧)あの、…早く…服着てくれる?///
 
 
そう言ったら、
また臣くんと健ちゃんが
ニヤニヤしてるのが見えた。
 
……もぉっ!///
 
 
隆)イヤリング?ピアスじゃないよね?
  珍しい。
♧)あ、うん。
 
 
隆二くんが私の耳たぶにそっと触れた。
 
 
隆)可愛い。
♧)あ、ありがとう///
隆)このネックレスは初デートの時
  付けてたよね。覚えてる。
♧)覚えてるの??
 
 
ネックレスまで見てたんだ…
私、隆二くんの格好、そこまで覚えてないや…
最初に変装スタイルで登場したのが
印象強くて…
 
 
隆)こういうの見るとやっぱ
  アクセサリーあげたくなるんだよなぁ…
♧)え?
隆)ううん、なんでもない。
 
 
隆二くんが何かぼそっと言ったけど
聞こえなかった。
 
 
隆)もうこのまま行こうかな。
♧)え!裸で!??
隆)違う違う、髪の話。
♧)ああ、びっくりした///
  ダメだよ、ちゃんと乾かさないと。
  風邪ひいちゃう。
隆)はーい。
臣)ぶくくく…w
♧)……何かな、臣くん。
臣)天然だなぁって思ってw
♧)うん。隆二くん天然だよね。
臣)違う違う、♧さんがw
♧)え!私は違うよ!
臣)天然の人ってそう言うんだよ。
♧)……。
臣)♡ーー、お前って天然だよなーー。
♡)え、どうしたの?急に!
  私は天然じゃないよ!!
臣)…ほらね、w
♧)……。
 
 
本当だ。
 
 
岩)あ〜〜!あいつ帰っちゃった!ひでぇ!
♧)ん…?
臣)どしたの岩ちゃん。
岩)◇…、一緒に帰ろうと思ってたのに
  お腹すいたから先帰るって。
臣)あはははw
N)ん?なになに?
  岩ちゃんはまた明日の朝2回ヤるって?
岩)んなこと一言も言ってないっすw
臣)え!岩ちゃん今日2回してきたの?!
岩)うん。
臣)朝からタフ〜〜〜w
岩)実家で朝からヤッてきた人に
  言われたくないよ…
臣)朝はしてねーよ!夜だけだよ!w
岩)でも実家でしょ!w
臣)……だって…我慢できなかったんだもん。
岩)ふーーん。
臣)昨日はねぇ、結ばれなきゃならない
  夜だったんだよ。
岩)なんだよそれw
臣)いや、ほんとに!w
♧)……
 
 
……あの…///
 
男の子たちは
いつもこんな話をしてるのでしょうか。
 
気付けば♡ちゃんも隆二くんもいないし
私、小さくなって気配消してます。
 
 
でも…
2回することって普通のことなのかな?
私は今朝、びっくりしちゃったけど…///
 
 
♡)ねぇ、臣くーーん。
 
 
はっ!♡ちゃんが戻ってきた。
 
 
♡)ん?どうしたの、ニヤニヤして。
臣)ん?
♡)なんの話してたの?
臣)お前が可愛いって話ーー♡
♡)え?///
 
 
臣くんは♡ちゃんをぐいっと抱き寄せて
誤魔化した。
 
 
健)嘘やでーーー
  エロバナしてたんやで、エロバナ。
♡)えっ!!
臣)なんだよ健ちゃん!
  ゲームしてたんじゃねぇのかよ!
健)臣ちゃんが実家やのに
  我慢できひんかった話しててんでー
臣)ちょ、///
♡)……臣くん!!///
臣)…っ
♡)そーゆー話はしちゃダメって
  この間も言ったでしょ!///
臣)……ごめんなさい///
♡)もぉ…っ
臣)……でもさぁ…、
  お前も我慢できなかったっしょ?
♡)臣くん!!///
臣)はい、はい、ごめんなさい!w
♡)もぉっ!///
♧)……。
 
 
そうか、昨夜の二人は
お互いに我慢できなかったんだ…///
 
 
……って、三代目の楽屋は
いつもこんなに赤裸々なのかな?!///
 
ほんとに隆二くん、私の話してないよね?
そんなの私、恥ずかしくて死んじゃうよ?
 
 
隆)よっし、行こうかーー
♧)ひゃっ!!
隆)どうしたの。
♧)びっくりした…。
隆)何話してたの?
♧)な…にも…話してないよ。
臣)岩ちゃんが朝から2回した話ーーー
隆)えっ
♡)こら!臣くん!///
臣)俺らの話じゃないんだからいいじゃん!w
♡)ダメ!///
隆)……///
♧)……///
 
 
私と隆二くんは一瞬目を合わせて、
なんだかもじもじ。
 
 
隆)じゃあお先でーす。
 
 
隆二くんに手を引かれて、楽屋を出て。
 
迷路のような通路を歩いて
駐車場に出た。
 
そこから二人でタクシーに乗り込んで。
 
 
行き先を告げたら、
もう一度握られた右手。
 
 
隆)……
♧)……
隆)…今日…、ごめんね…?///
♧)ううん…、///
隆)……大丈夫…だった?
♧)え…?
隆)その、身体…、?
♧)だ、大丈夫だよ…///
隆)…そっか、良かった…///
♧)////
 
 
タクシーのラジオに紛れながら
小さな声で囁き合う。
 
 
隆)俺…おかしかったなぁ…///
 
 
ひとりごとみたいに呟く隆二くん。
 
 
隆)今までは…我慢出来てたんだけど…
♧)…っ
 
 
そ、それは…
今までも2回したい時が
あったということでしょうか…?///
 
なのに私を気遣って…
遠慮してくれてたのかな…?
 
 
♧)大丈夫だよ!!///
隆)え?
 
 
だって…
だって…
 
 
お互いに我慢できなくなることも。
2回することも。
 
みんな同じなんだって、わかったし…
 
愛し合ってたらきっと
普通のことなんだなぁって…。
 
 
♧)私はいつでも大丈夫!!
 
 
握ってる手にぎゅっと力を込めて
そう言ったけど…
 
 
隆)う、うん、わかった///
 
 
隆二くんの照れたような返事に、
我に返った。
 
 
♧)////
 
 
元気に宣言するようなことじゃ
なかった気がする…。
 
 
なんだか一気に恥ずかしくなって
小さく下を向いたら、
 
隆二くんがゆっくりと
耳元に唇を寄せてきた。
 
 
隆)ほんとに…大丈夫…?
♧)…っ
隆)そんなこと言われたら
  俺…もう遠慮しないけど…
♧)!!!
 
 
その言葉にドキッとして
隣を向いたら、
 
 
隆)へへ、冗談だよw
 
 
無邪気に笑う隆二くんがいて。
 
 
♧)////
 
 
またそのまま俯いたら、
 
 
隆)……なんて。
  少しは本気だったり。
♧)!!!
 
 
その言葉にまた顔を上げたら、
 
 
隆)……。
 
 
急に色気をまとった瞳で
私を見つめる隆二くんがいて。
 
 
♧)////
 
 
なんだか私、すごく振り回されてる!
転がされてる!
 
どうしよう!!
 
 
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
 
 
俺の言葉ひとつひとつに
照れたりうろたえたりする♧が可愛くて。
 
 
タクシーを降りて店に入る前。
階段の陰に隠れて、一度キスをした。
 
 
♧)////
 
 
♧はどうしたの?って顔で
俺を見上げるから。
 
 
隆)したくなったんだよ。
 
 
そう言って頬を撫でたら、
 
俺を見つめて
もう一度ゆっくりと閉じられていく瞼。
 
 
引き寄せられるように唇を重ねて、
その瞳の奥を見つめたら。
 
 
♧)してほしくなったんだよ?///
 
 
そんな可愛い返事が待ってた。
 
 
隆)////
 
 
もっとキスしたくなる気持ちを
ハグに閉じ込めて。
 
「大好きだよ。」って
ポンポンと背中を叩いた。
 
 
隆)じゃあ、行こっか///
♧)ま、待って!
  私…、顔赤くないかな?///
隆)んー、大丈夫。
  赤くても可愛いから。
♧)そういう話じゃなくて!///
隆)あはははw
 
 
店に入ると奥の個室に通されて
そのドアを開けると、
もうみんな揃ってた。
 
 
一斉にお疲れさま〜って言われて
ありがとうって答えながら、
♧の背中に手を添えた。
 
 
隆)♧。彼女。
 
 
少し照れくさくてそれだけ伝えたら
♧はニッコリ笑って
礼儀正しく挨拶してくれた。
 
 
父)初めまして。
兄)♧ちゃん、ね。
妹)お兄ちゃんがいつもお世話になってます。
母)あらやだ!
  それお母さんが言おうと思ったのに!
父)ははははw
兄)とりあえず座れば、二人とも。
隆)うん。
 
 
そう言われて腰掛けたら
肘でつんつんとつつかれて、耳打ちされた。
 
 
妹)綺麗な人だね。
隆)だろ。
妹)優しそう。
隆)超癒し系だよ。
妹)あはっw
 
 
それから俺たちも飲み物を頼んで
みんなで乾杯した。
 
 
母)料理も適当に頼んでるけど
  メニュー見る?ほら。
隆)ありがと。♧お腹空いてる?
♧)うん!ペコペコ!
隆)あ、ほんと?
♧)今日ホットサンドしか食べてなくて…
隆)え、なんで…
 
 
……って、俺のせいか!!
 
 
隆)そ、そっか…///
♧)う、うん…///
 
 
寝坊させてごめんね…?
 
 
母)じゃあいっぱい食べなさい♡
父)こっちは季節のオススメらしいよ。
♧)ありがとうございます!
 
 
それから追加で料理もいくつか注文した。
 
 
母)♧ちゃんは保育士さんなのよね?
♧)はい!
隆)あれ?俺言ったっけ?
 
 
彼女連れてくとは言ったけど
職業まで言った覚えは…
 
 
母)言ってたじゃない。
  保育士さんのプレゼントは
  何がいいかな〜〜って♡
隆)!!!
 
 
思い出した!
誕生日プレゼントのリサーチで
お母さんに相談したんだった!
 
 
母)あの時ってもう付き合ってたの?
隆)……まだ…だけど…
母)あら〜〜〜
  実って良かったわねーー♡
隆)……///
母)結局何もらったの?
♧)あ、ええと…
  エプロンとシュシュをいただきました///
母)あら、そう♡
  一生懸命探した甲斐があったわね♡
隆)そういう裏事情バラさないでよ///
兄)誕生日とかだったの?
隆)ああ、うん。
  俺と誕生日一緒なの、♧。
兄)え、マジ?!
妹)すごーーい!
父)それは運命感じるなぁ…。
隆)でしょ!
♧)……///
兄)お前はなんかもらったの?
隆)もらった!すっげぇの!
  手作りの…
♧)わわわっ///
隆)ん?
♧)////
 
 
隣で恥ずかしそうにしてる♧が
「言っちゃうの?///」
って顔してる。
 
 
隆)ダメ…?
♧)…恥ずか…しい///
兄)手作り…の、ケーキとか?
隆)あ、それはもらった!
  すっげぇ美味しかった!
兄)それだけじゃねぇの?
妹)手作り…
母)手作り…
父)手作り…の、マフラー?
母)あら、ちょっと早めの?
隆)惜しい!
妹)惜しいの?!
  じゃあセーター!
隆)ぶっぶーー
兄)帽子?
隆)ぶっぶーー
母)う〜〜ん、手作りの…服、とか?
隆)当たりーー!!
母)やったーー!
父)さすが母さん…
兄)手作りの服?すげぇ。どんなん?
隆)これーー!!
 
 
俺は胸を張って今着てるTシャツを
みんなに見せつけた。
 
 
皆)こ、これぇぇ!!!!??
 
 
目を丸くして驚いてるみんな。
ふっふっふ、そうだろう。驚くだろう。
 
 
兄)これ既製品じゃないの!?
妹)今日カッコイイの着てるなーって
  入って来た時、思ったんだよ!
隆)ふふんw
父)すごいなぁ♧ちゃん…
母)お裁縫得意なの?
♧)ええと…///
隆)すっげぇ得意なの!
  これから自分のブランドも始めるんだよ。
兄)マジか!!
妹)デザイナーさんってこと?!
父)おおお…
♧)そんなすごい感じじゃなくて…
隆)もうさ、ほんと何作るのも上手いんだよ。
  子供たちにも色々作ってあげてるし
  この間なんて、
母)ちょっとーー
  隆二ばっかり喋って。
  ♧ちゃんの話が聞きたいんだけどー?
隆)はっ…
   
 
俺ってばついつい。
 
 
♧)あ、あの…
  ハンドメイドで始めてみようかなって
  動き出したばかりで、まだ全然なんです。
父)でもこのセンスなら
  売り切れ間違いナシだなぁ。
 
 
親父が俺のTシャツを
マジマジ見ながら頷くから
なんか嬉しくなって…
 
 
隆)でしょ!!
 
 
そう答えたら、
お母さんがクスクス笑った。
 
 
母)大丈夫?
  家でも園児の相手してる気にならない?w
隆)ちょっと、どーゆー意味w
兄)あはははw
妹)お兄ちゃんはいつまで経っても
  少年だから…
母)仕事でも家でも子供の世話してたら
  疲れちゃうわよ、♧ちゃん。
♧)そんなことないです!///
母)ほんとー?
♧)隆二くんはとっても優しくて男らしくて
  頼り甲斐のある素敵な人です!
父)おおお…
母)ほんと?
兄)ほんと?
隆)ほんと…?
兄)なんでお前が聞くんだよ!w
妹)あはははw
 
 
♧は「ほんとだよ」って優しく笑ってくれて
その綿あめスマイルに
場がふにゃーんと和んだ。
 
 
母)てゆーかこの子、すごく食べるでしょ!
  大丈夫?困ってない?
♧)はい!いつもたくさん食べてくれて
  助かってます。
父)隆二の胃袋は底なしだからなぁ。
♧)いつも美味しそうに食べてくれるので
  とっても嬉しいんです♡
隆)だって美味しいもん!
  すごいんだよ、♧。
  料理もめっちゃ上手いの!
母)あら。素敵。
隆)何作っても上手で
  どれもほんと美味しいんだよ。
  栄養バランスも良くてさーー
妹)ヤバい。お兄ちゃんの彼女自慢が
  止まらない…。
兄)それなw
隆)……あれ。
母)あんたが♧ちゃん大好きなのは
  よーくわかったから♡
隆)////
 
 
俺また暴走しちゃった?
 
 
父)父さんも♧ちゃん大好きだぞ。
皆)あはははw
  
 
親父の言葉にみんな笑って。
 
隣を見たら♧も笑ってて安心した。
 
 
兄)三代目のことは知ってたの?
  ファンだったとか?
妹)それ私も気になったーーー
隆)全然!ファンどころか知らなかったもん!
妹)ええっ!
隆)ランニングマンのこと
  ジョギングマンとか言うしさーー
兄)ぶっww
♧)ちょっと、言わないでよーー//
隆)俺らのことなんて
  ジャムおじさんとか言ってたんだよ。
母)ジャムおじさん!?w
♧)なにそれ!言ってないよ!//
隆)あれ?違ったっけ?
  でもなんかそんな感じだったじゃん。
父)ジャム…ジャムおじさん…ww
 
 
あ、親父がツボって笑ってる。
 
 
母)芸能界に興味ない感じ?
♧)あ、えっと…
  私…トレンディーなことに疎くて…//
兄)トレンディー?!w
隆)芸能人好きじゃないんだもんね。
妹)ええ!じゃあなんでお兄ちゃんと?!
  いいんですか?芸能人だけど…
隆)いいのっ!
妹)びっくりしました?
  三代目ってわかった時…
隆)そうでもないよね?
母)もう、なんで全部あんたが答えるのー!
  ♧ちゃんの話が聞きたいんだってばー
隆)はっ
 
 
また俺暴走しちゃった。
 
 
♧)……えっと…
  びっくりはしたけど…
  隆二くんは…隆二くんだから
  嫌な気持ちにはならなかったです。
兄)よかったなーーお前。嫌われなくて。
隆)うん。
母)でも…色々大変じゃなぁい?
  大丈夫?
隆)大変って何が?
母)だから♧ちゃんに聞いてるのっ
 
 
しまった。
また出しゃばっちゃった。
 
 
母)芸能人相手だったら
  大変なこともあるでしょ。
隆)……
父)人の目も気にしなきゃならないしなぁ。
母)そうそう。
父)まぁ一般人よりは不便もあるわな。
♧)そんなことないです。
  大変って思うことよりも
  幸せって思うことの方が
  毎日たくさんあって…
隆)……
♧)隆二くんと一緒にいられて、
  私本当に幸せなんです///
隆)……///
 
 
照れたように、でも素直に
そう言ってくれた♧に
なんだか胸があたたかくなった。
 
 
兄)そうだよね、大変とかってより
  自慢だよねー、こんな彼氏。
隆)え?
兄)さっきもあんだけキャーキャー
  言われてさー
  友達とかびっくりしてない?
  隆二と付き合ってんの?って。
♧)ええと…友達は、親友しか知らないです。
兄)そうなんだ。
♧)はい。
  隆二くんと付き合ってることは…
  自慢というか…
  隆二くんのことはもちろん
  すごいなって尊敬してるんですけど
  「自慢」ではないです。
兄)え?
♧)私は何もしてないし…
  隆二くんが今こんなに輝いてるのは
  隆二くんがこれまでに積み重ねてきた
  努力があるからだと思うので…
隆)……
♧)そんな姿をこんな近くで見させてもらえて
  ありがたいなって…
  そういう感謝の気持ちならあります。
隆)……
 
 
♧がそう言ってくれて…
なんだか胸が熱くなった。
 
これからももっと頑張って
そういう姿を♧に見せていきたいなって
そう思った。
 
 
兄)……そっかぁ…。
妹)そうだよ、だって元々
  芸能人好きじゃないんだから。
  そーゆーの自慢に思う人じゃないんだよ。
兄)……なるほど。
母)芸能人だからって寄ってくるような女の子
  嫌よ、お母さん。
妹)あたしもやだよそんなミーハーな人。
隆)もうそんな心配いらないからいいじゃん。
母)え?
隆)♧はそんな子じゃないし、
  ♧が最後の彼女だもん。
 
 
俺がそう言うと、
家族はみんな俺をじっと見た後、♧を見た。
 
 
兄)なんか…勝手に言ってるけど大丈夫?
♧)えっ
兄)隆二が最後の彼氏でいいの?w
 
 
兄貴が笑いながらそう言うと、
 
 
♧)私…は、隆二くんが初めての彼氏なので…
  最後というか…
  ずっと隆二くんだけが…いいです、///
隆)……///
 
 
可愛すぎるその答えに
俺は口元がニヤけるのを必死に隠した。
 
 
けど、
 
 
妹)お兄ちゃんニヤニヤしてる…。
 
 
隠せてなかった。
 
 
隆)だって…可愛いじゃん…///
 
 
ずっと俺だけがいいって。
可愛すぎるじゃん。
 
二人きりだったらもう今すぐ抱きしめてるよ。
 
 
兄)初めての…彼氏…なんだ。
 
 
兄貴はポカーンと驚いてるし。
 
 
母)お付き合いしたこと…なかったのねぇ…
♧)はい…、すみません…///
隆)謝ることじゃないじゃん!w
父)うんうん。
  清らかなお嬢さんで
  素晴らしいじゃないか。
兄)清らかって!w
  いきなり昭和出してこないでw
父)なんだよ。父さんは昭和の男だぞ。
妹)お兄ちゃんだって昭和生まれのくせに。
兄)お?なんだ?自分だけ平成自慢か?
 
 
よくわかんない会話を無視して
お母さんが俺を見た。
 
 
母)あんたはもうご挨拶したの?
隆)え?
母)♧ちゃんのご家族に。
 
 
そう言われて、
♧が今日初めて俺より先に答えた。
 
 
♧)はい、来てくれました。
  先日、私が育った施設に
  一緒に来てくれて…
  みんなとても喜んでました。
父)施設?
♧)はい。
  私、施設で育ったので
  家族はいないんです。
母)そうなの?
  ご両親、お亡くなりになってるの?
♧)いえ。わかりません。
  小さい頃に捨てられていたので
  生きているのかどうしているのか
  わからないんです。
 
 
♧がそう言うと
みんなが言葉を失ったけど、
お母さんだけは普通に会話を続けた。
 
 
母)そうなの…、苦労したわね…。
  でも…。
  ご両親はいなくても、
  今まで出会いに恵まれてきたんじゃない?
隆)え?
母)性格って顔に出るって言うけど
  顔に出るのは性格だけじゃないって
  お母さん思うの。
隆)……
母)その人の生き様とか人生とかが
  その人の表情とか雰囲気を彩ると思う。
隆)……
母)♧ちゃんはとても優しい目をしてるし
  柔らかい雰囲気に包まれてるでしょう?
隆)うん。
母)きっとたくさんの人に愛されて
  たくさんの人を愛してきたんじゃ
  ないかなって…。
♧)…っ
 
 
お母さんの言葉に
♧は優しく微笑んで、「はい」と頷いた。
 
 
♧)両親がいない分も…
  私にいろんなことを教えてくれて
  育ててくれて、愛してくれて、
  側にいてくれて…
  そういう人たちがたくさんいました。
隆)……
♧)心から感謝してるし…
  私も少しでも返していきたいって
  いつもそう思っています。
母)そう。
 
 
お母さんもニッコリ微笑んで…
 
二人の間には
すごく優しい空気が流れてる。
 
 
生き様や人生が、その人を彩る。
 
俺は一体どんな風に
周りから見えてるんだろう。
 
 
♧の隣にいても
恥ずかしくないような男でいたい。
 
♧のことを尊敬してるから
余計にそう思う。
 
 
 
 
それから俺が会計を済ませて
部屋に戻ってくると
 
なぜかスマホをいじってるみんな。
 
 
隆)何してんの…?
母)♧ちゃんとLINE交換しちゃったー♪
父)俺もーー♪
兄)俺もーー♪
妹)私もーー♡
隆)……
 
 
みんなるんるんしながら
俺に画面をドヤって見せてくる。
 
 
♧)ふふふ♡
 
 
♧も嬉しそうに笑ってるから、いいや。
うん。
 
 
♧)あの、これ…良かったら。
  シュトーレンなんです。
 
 
最後に♧が作ってきたお菓子を手渡すと
家族はみんな大喜び。
 
 
妹)シュトーレン大好き!
兄)俺もーー
父)♧ちゃんが作ったのかい?
♧)はい。
母)あらあら、わざわざありがとうね〜〜
 
 
いつの間に作ってたんだろうって思って
「俺の分もあるの?」って耳打ちしたら
「ちゃんとお家にあるよ。」だって。
 
へへへへ♡
 
 
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
 
 
隆二くんとお家に帰って来て
お風呂の用意をしたら
先に入って、って言われて。
 
お言葉に甘えて先に入らせてもらった私。
 
 
シャワーで綺麗に身体を洗い流して
髪には丁寧にトリートメント。
 
その日の気分で香りを変えたいから
3種類おいてるうちの、
今日はざくろを選んだ。
 
 
♧)ふぅ……。
 
 
ゆっくりと湯船に身体を沈めると
すご〜〜く気持ち良くて。
 
目を閉じた、その時だった。
 
 
ギィ…、バタン。
 
 
♧)!!!
 
 
その音に目を開けたら
こっちを見もせずに、
普通にシャワーを浴び始めた隆二くん。
 
 
♧)何…してるの?!///
隆)シャワー浴びてるーー
 
 
それは見ればわかります!
 
 
♧)ど、どうして今なの!!
隆)んーー?
♧)私が入ってるよ?!
隆)それは見ればわかります。
♧)…っ
 
 
隆二くんが一体どういうつもりなのか
わからなくて
 
私は一人で動揺しながら
必死に身体を隠してる。
 
 
今日は乳白色の入浴剤で良かったって
心からそう思った。
 
 
♧)私が上がるまで待てなかったの…?
隆)んーー?
♧)だったら先に入れば良かったのに…
隆)んーー?
 
 
適当な返事しかしてくれない隆二くんは
薄眼を開けてチラッと私を見た。
 
 
隆)前から思ってたんだけどさー
  なんでトリートメント3本もあるの?
♧)…っ
隆)混ぜるの??
♧)違うよ!
 
 
そんな変な使い方、しません!
 
 
♧)その日の気分で…香りを変えたくて…
隆)……今日の気分は?
♧)ざくろ…。
隆)じゃあ俺もざくろ使っていーい?
♧)いいよ…?
 
 
隆二くんが手のひらに出した
トリートメントを見て
男の人だとそんな少しで済むんだぁ…
なんて思った。
 
……って、そうじゃなくて!
 
 
♧)ねぇ、どうして入って来たの…?
隆)しつこいなぁ。
♧)!!!
 
 
しつこいって言われた!
 
だって…
隆二くんが答えてくれないから…
 
 
隆)こうしたかったから!
 
 
ザパーン!!!
 
 
♧)きゃぁっ!///
 
 
強引に湯船に入り込んで来た隆二くんは
お湯を大量に溢れさせて。
 
私の背中側に身体を沈めて
後ろから私を抱きしめてきた。
 
 
♧)!??////
 
 
どうしていいのかわからない私は
少々パニックで…
 
そしたら隆二くんが
今度は囁くように優しく、
同じ言葉を繰り返した。
 
 
隆)こうしたかったから…。
♧)////
 
 
ドキン…、ドキン…、ドキン…
 
 
バスルームの中だと
私の心臓の音にまでリバーブがかかりそう。
 
 
隆)……怒ってる…?
♧)……(ふるふる)///
 
 
今度は少し甘えたような声で
私に頬を寄せてくる。
 
ずるい…。
 
 
隆)今日はなんか一緒に入りたかったの。
  すごく。
♧)…っ
隆)でも最初にそう言ったら
  絶対恥ずかしいとかやだとか
  言われそうだったから…
♧)…っ
隆)強行突破しちゃった…。
♧)……///
隆)怒ってる…?
♧)……(ふるふる)///
隆)なんでなんも喋んないの…?
♧)…っ
 
 
だって…
どうしていいか、わからないんだもん。
 
 
♧)男の人とお風呂に入ったことなんて…
  ないもん…。
隆)……
 
 
普通の人はお父さんとか元彼とか
そういう経験があるのかもしれないけど…
 
 
隆)だからさっきからこんな固まってんの?w
  ほら、リラックスリラックス〜〜♪
♧)……///
隆)いつもの気持ちイイお風呂だよぉ〜?
  はぁ〜〜、気持ちイイなぁ〜〜〜♪
♧)……///
隆)俺が気持ちイイのはお風呂もだけど
  ♧ね。
♧)え?
隆)こうやってくっついてんの…
  ほんと癒される…。
♧)……///
 
 
私は…
耳元で聞こえる
リバーブのかかった隆二くんの声にも
 
お湯の中で密着してる肌と肌にも
 
ドキドキして、仕方ないです。
 
 
隆)今日、ありがとね。
  家族に会ってくれて。
 
 
そう言われて、後ろを振り向いたら、
 
 
♧)…っ///
 
 
濡れた肌と濡れた瞳で
私を見つめる隆二くんが
 
想像以上に優しい顔をしていて、
思わずまたグインと前を向いた。
 
 
隆)ん…?
♧)////
 
 
な、なんか…
お風呂に入ってる隆二くんは
色気がいつもの2倍増しな気がします!!
 
 
♧)…わた…しも……、
隆)ん?
♧)会わせてくれて…ありがとう。
隆)……
♧)すごく嬉しかった。
隆)嬉しかった?
♧)うん。
  みんな優しくてあたたかい人だった。
隆)へへへ、そう?w
♧)うん。
 
 
隆二くんが家族を大好きで
家族も隆二くんが大好きなんだなぁって
見てて伝わってきて、あたたかかった。
 
 
隆)今度は実家行こうね、一緒に。
♧)うん♡
 
 
今度はゆっくり遊びに来なさいって
最後にそう言ってくれたお母さん。
 
隆二くんの可愛い写真を見せてくれるって
こっそり私にだけ耳打ちしてくれたんだ。
 
ふふふふふ♡
 
 
隆)はぁぁぁ………。
♧)どうしたの…?
 
 
二日間LIVEして疲れちゃったかな?
 
 
隆)ほんと好きだなーって思ってさ。
♧)……え、?///
 
 
隆二くんはしみじみそう言うと
愛おしそうに後ろからすりすりしてくる。
 
 
隆)だからね、一緒にお風呂入りたかったの。
♧)////
 
 
なんか…ドキドキしてるせいで
よくわからないけど…
 
胸がトクントクン言ってるのは、
きっと嬉しいから。
 
 
隆)……俺が…、
♧)……
隆)最後の彼氏で…いいの…?
♧)…っ
 
 
……わざと、もう一度言わせようとする
隆二くん。
 
 
♧)ずっと隆二くんだけが…いい///
 
 
もう一度同じ答えを伝えたら…
 
隆二くんの腕に、ゆっくりぎゅっと、
力がこもった。
 
 
隆)それ、すげぇ嬉しかった///
♧)////
 
 
だって、本当だもん。
本当にそう思ってるから。
 
 
♧)……大好き…、///
 
 
その腕を、きゅっと掴んだ。
 
 
♧)大好き///
 
 
今度は顔を見て伝えたくて、
ゆっくり後ろを振り向いたら…
 
 
♧)////
 
 
そうだった。
お風呂の隆二くんは
色気が2倍増しなんだった。
 
 
慌てて顔を前に戻したけど
隆二くんの指先が私の顎をそっとなぞった。
 
 
隆)なんで前向いちゃったの。
♧)……///
隆)キスしたかったのに。
♧)////
 
 
顎をなぞっていた指先が
そのまま優しく唇の上を滑っていく。
 
 
隆)ねぇ。
 
 
ドキン…、ドキン…、
 
 
隆)……ほんと…好き、///
 
 
甘く囁かれて、
ほっぺとほっぺが柔らかくくっついた。
 
 
隆)俺も、……ずっと♧がいい。
♧)////
隆)ずっとずっと、♧がいい。
♧)////
 
 
……胸がきゅぅぅっと苦しくなる。
 
 
隆)ねぇ。
 
 
ドキン…、ドキン…、
 
 
隆)キスしたいってば///
♧)////
 
 
だって…
だって…
 
 
隆)髪濡れてんの、なんか可愛いね…。
♧)え…?///
 
 
隆二くんは私のサイドの髪を耳にかけて
唇を寄せた。
 
 
隆)髪も肌も…濡れてて…
  なんかすごく色っぽい…。
♧)…っ
隆)いつもの2倍増しな感じ。……ずるい。
 
 
同じこと…、思ってるのかな?///
 
 
隆)♧……、
 
 
一段と甘くなる、隆二くんの声。
 
 
隆)♧……、
 
 
甘やかすようなその手つきに
後ろを向かされて…
 
 
隆)♧。
 
 
私の名前を呼びながら
甘い瞳が「好き」だと伝えてくれてる。
 
 
高まる気持ちに素直に従って
目を閉じたら…
 
 
触れ合うキスは最初から濡れていて…
 
音を立てて、絡み合う。
 
 
動くたびに水面が揺れて
音を立てるお湯みたいに…
 
二人の唇から、同じような音が漏れて
熱い吐息が、こぼれ出す。
 
 
隆)ん……、
 
 
グイッと私を抱き込むようにして
更に深まったキスに
 
隆二くんが本気になったのがわかった。
 
 
ゆらゆら揺れる、お湯の中で…
隆二くんに、溺れていく…。
 
 
♧)……は、ぁ…///
 
 
今日は私と同じ香りのその髪に
指を差し込んだら…
 
色っぽく濡れた瞳が、私を見つめた。
 
 
隆)こんなことしたくて
  一緒にお風呂入りたかったんじゃ
  ないよ…、///
♧)////
隆)でも…、
  好きだなぁって思ったら…
  抱きしめたくなるし
  抱きしめたらまた好きだなぁって思うし…
  キリがないんだよ、♧は。
♧)////
 
 
まるで私を責めるようなその口ぶりが
なんだか可愛くて。
 
 
隆)キリがなくて…
  欲しくて欲しくて、仕方なくなる。
♧)////
隆)好きで好きで、仕方ない。
♧)////
 
 
熱いその想いが、
瞳から真っ直ぐに伝わってきて
触れられてる頬が、焼けてしまいそう。
 
 
隆)♧……、
 
 
今日は、初めて知ることがいっぱい。
 
 
♧)…っ
 
 
お互いに我慢できなくなることは
愛し合ってたら、自然なことで…
 
 
隆)♧……!
 
 
回数も、場所も、関係ない。
 
 
♧)…っ////
 
 
求めて、求められて。
 
 
リバーブがかかるお風呂の中。
 
 
隆二くんは何度も私を呼んでくれて…
 
……跳ねる水の音。
 
 
隆二くんの荒い息遣いを聞きながら
私が何度も隆二くんを呼ぶ頃には
 
 
目眩を覚えるような
甘い熱に、侵されて。
 
 
もうのぼせてしまいそうなくらいに、
 
心も身体も、
隆二くんでいっぱいになっていた。
 
 
 
 
 
 
ーendー

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  1. きよママ より:

    あたし、この2人のstoryが一番好きです(*´ω`*)
    キュンキュンするし、ホッこりもするし、ドキドキですわ(*^▽^)/★*☆♪
    最近リュウジ激しいんだもんっ(ノ´∀`*)

    • マイコ より:

      確かに最近フル稼働してますもんね、リュウジ。゚(゚^∀^゚)゚。笑

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