[251]心も身体も(岩&◇Side)

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◇)ん〜〜〜美味しい!
 
 
あたしの大好きなのどぐろ。
頼んで良かったぜ!
 
 
岩)俺も食いたい。
◇)どうぞ?
岩)あーん。
◇)は??
 
 
なんか口開けて来たんですけど。
 
 
◇)自分で食べなよ。
岩)ほぐすの面倒臭い。あーん。
◇)は??
 
 
何を甘えくさっとんじゃー!
 
 
◇)自分で食べなってば。
岩)ほら、ぽいっと入れてよ。
◇)〜〜〜///
 
 
ぽい、じゃなくて、ぷいっと反対を向いた。
人前であーんなんてできるか!
 
 
岩)オイ!
◇)知らん…///
悠)照れてるでしょーーーw
◇)…っ
 
 
向かいではニヤニヤ笑ってる悠くん。
 
 
◇)べ、別に照れてないしっ
岩)ほんと人前だとツンデレで困るよ〜
悠)二人だと違うんだ?w
岩)デレッデレだよ、デレッデレ。
◇)変なこと言うな!///
 
 
バシッ!
 
 
岩)いてぇ!暴力反対!
 
 
のどぐろ喉の奥まで突っ込んでやろうか…
 
 
◇)悠くんは彼女いるの?
 
 
話題を逸らしたら、隣で剛典が
ケチって文句言ってんのが聞こえた。
 
 
悠)残念ながら今はねーー
◇)いないんだ。
悠)うん。
◇)でもモテるでしょ。
悠)そう見える?
◇)うん。
悠)ははは、ありがとw
岩)なんで?どのへんがモテそうに見えんの?
◇)ん?
 
 
仕方なく自分でのどぐろに箸を伸ばした剛典が
不満そうにこっちを向いた。
 
 
◇)んーっと…
  男らしい感じだしー、頼もしそうだしー、
  優しそうだしー、色気もあるしー
岩)色気?!
◇)うん。
岩)俺の親友、変な目で見んのやめてくれる?
◇)別に見てへんわ!w
悠)あはははw
岩)俺は?
◇)は?
岩)色気ある?
◇)……
 
 
なんの質問やねん。
 
 
◇)剛典に色気なんて感じたことないよ。
岩)はぁ?!
◇)だっていっつもガサツで
  なんだかんだおっちょこちょいで
  大人の色気とはかけ離れてるじゃん。
岩)はぁぁぁ!!??
 
 
大人の色気っていうのは
Jさんみたいなのを言うんだから。
 
剛典なんてただの可愛い子犬だぜ。
 
 
岩)あったま来た。覚えとけよ。
◇)え?
悠)あらーー
  今日寝かせてもらえないんじゃない?w
◇)は!?
 
 
それって……、
 
 
◇)////
 
 
まずい。
最近色々すごいから
一気に顔が赤くなっちゃったのが
自分でわかった。
 
 
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
 
 
悠)いや〜〜〜面白いわw
 
 
顔を赤くしてトイレに逃げてった◇を見送って
悠がクスクス笑ってる。
 
 
悠)ほんとツンデレなのね〜〜〜
岩)うんw
悠)二人だとデレ?
岩)ほぼ。
悠)夜は?
岩)超デレ。
悠)ぶっ、かわい〜〜〜〜ww
  そのギャップたまんないっしょ。
岩)うん。マジで可愛いw
 
 
こんなこと言ってんの聞かれたら
またどつかれそうだけど。
 
 
悠)クールな顔しながら
  彼女の言葉に一喜一憂してるお前も
  面白かったわw
岩)え。
悠)最初見た時さ、
  あ〜〜お前が好きなお嬢様系〜〜
  とか思ったけど。
  話してみたらすげぇ気さくだし
  表情コロコロ変わって面白いし。
岩)うん。
悠)殺し文句サラッと言ってみたり
  すげぇサバサバしてんのに
  たまに急に可愛かったり。
岩)うん。
悠)あとさ、身のこなしがすげぇ綺麗。
岩)あ、気付いた?
悠)うん。グラスの持ち方とか
  魚の食べ方とかさ、
  座ってる姿勢とかまで
  全部綺麗なんだけど。
岩)そこまで見てたのかよw
悠)大事な親友の彼女だからね〜〜〜
  そりゃー品定めしますよ、悪いけど。
岩)で?した結果?
悠)ハマるのわかるわ〜〜って感じw
 
 
悠は満足そうに笑った。
 
 
悠)なんかさ、あの子の前だと
  お前の「岩ちゃん」としての価値、
  良い意味でゼロになるね。
岩)……うん。
 
 
そうなんだよ。
良い意味でね。
 
 
悠)あ、おかえり。
◇)ただいま。
  ……何ニヤニヤしてんの?
悠)んー?楽しい話してたから。
◇)ふーん。なんの話?
岩)お前が口悪ぃって話だよ。
◇)はぁ?!
岩)悠が言ってた。
悠)言ってねーし!!w
岩)……ん?!
 
 
いきなりテーブルの下で手を握られた。
 
 
◇)ねぇ…
岩)…っ
 
 
なんだいきなりその甘えた声は!!
 
 
◇)なんか…酔っちゃったぁ…///
岩)ほえ!??
 
 
思わず変な声が出た。
 
だって。
すげぇ可愛く俺にしなだれかかってきて
目を潤ませながら
甘えるように俺を見上げてきて…
 
 
岩)////
 
 
え、急に何?
向かいに悠いるけど…
 
 
◇)飲みすぎちゃったのかも…///
岩)えっと…///
◇)……とか言って来る女に
  騙されんなよこの野郎!!
岩)いってぇ!!
 
 
今度は両頬、引っ張られた!!
 
 
岩)何すんだよ!!
◇)ふんっ
悠)あははははw
◇)こーゆー女にコロッと騙されそうだから。
岩)…っ
 
 
確かに…
今ちょっと可愛いなとか思っちゃったけど…
 
 
◇)こーゆーのが好きなんでしょ?
岩)はぁ?
◇)口悪くて悪かったな。
岩)…っ
 
 
ちょっと解釈が違います、お嬢さん。
 
 
岩)俺、「やべぇ」とか「すげぇ」とか
  言う女はやだけど
  お前はそうじゃないじゃん。
◇)え?
岩)まぁお嬢様っぽくはない喋り方だけど。
◇)……
 
 
俺の言葉に◇はむぅっと口を突き出して
わざとだもん、って拗ねた顔になった。
 
 
◇)お嬢様扱いされるのが嫌で
  わざとこうしたの。
岩)そうだったの?
◇)うん。すっごく怒られたけどね。
岩)……
 
 
反抗期のなごりなのかな。
  
 
悠)でも◇はどんな喋り方してても
  なんか品があるんだよなーー
◇)えっ
岩)うん、そう。
 
 
だから余計に気にならないのかも、俺も。
 
 
岩)てゆーかお前。
  よそでさっきみたいな真似
  してんじゃないだろうな。
◇)は?
岩)酔っちゃったー♡
  とか言って!
◇)するわけないじゃん!
  そーゆー女、一番嫌いだし。
岩)……ならいいけど。
 
 
あんなことしたら100%持ち帰られるぞ。
ぜっっっっってぇダメ。
 
 
悠)あーあ、引っ越しどうしようかなー
岩)ん?
悠)そろそろさ、更新なんだよ。
 
 
あれ?お前引っ越したばっかじゃなかった?
って顔をした俺に
視線で合図を送ってきた悠。
 
 
◇)部屋探してるの?
悠)うん、ぼちぼち。
  二人は一緒に住んでるんだっけ?
◇)ううん、住んでないよー
 
 
はっ、なるほど!
例の件、うまく切り出してくれんのか?!
 
 
悠)じゃあ全然会えなくない?
◇)んっとね、最近は剛典があたしの家に
  帰ってきてくれてる。
悠)そーなんだ。
  じゃあ近々、同棲?
◇)ううん、そんな話出てないよー
岩)は?
 
 
ついうっかり、口を挟んじゃった。
でも…
 
 
岩)この間言ったじゃん!
 
 
「そんな話出てない」は聞き捨てならん!
 
 
◇)へ?
岩)一緒に住もうかって言ったじゃん。
◇)ん?……あ、あれ?本気だったの?
岩)本気以外の何があんの…
◇)えーだってさー
  なんかノリみたいな軽い感じで言うから…
  思いつきっていうか
  なんとなく言ってみただけなのかなって。
岩)違ぇから!
◇)違うの?
岩)うん。
◇)じゃあ何?
岩)えっ…
 
 
じゃあ何、と言われると…
 
 
悠)まぁまぁまぁ、
  その続きは帰ってからやんなさいw
◇)えっ
悠)そろそろいい時間だしさ。
◇)あ、ほんとだ。
岩)……
 
 
ちゃんと伝わってなかっただけなら
もう一回ちゃんと話せばOKかな?
 
なんだよぉ〜〜〜
悩んでた俺の時間を返せ、ばかやろっ!
 
 
 
……
 
 
 

 
 
 
岩)で、一緒に住む?
◇)んーー…
 
 
あれ?
 
 
岩)一緒に住まない?
◇)んーー…
 
 
あれれ?
 
 
帰ってきて二人になったから
もう一回仕切り直してこの話してんだけど…
 
なんで「YES」が返ってこないんだ。
 
 
◇)なんで?
岩)はい???
 
 
「なんで」と来たか!
 
理由、要ります?
俺たち、付き合ってますよね?
 
 
岩)なんでやなの?
◇)え?やだなんて言ってないじゃん。
 
 
でも素直に「YES」とも言わねぇじゃん!
 
 
◇)なんで一緒に住みたいのかな、って。
岩)……今も一緒に住んでるような
  もんじゃん?
◇)うん。
 
 
最初は俺が元気になるまでって言ってたけど
その後も結局なぁなぁで◇の家にいる俺。
 
自分ちにはたまに寄る程度で。
 
 
岩)だったら一緒かなーって。
◇)……うちに来るの面倒臭くなったの?
岩)へ?
 
 
なんでそーなる!
 
 
◇)だったら無理して来なくても…
 
 
だからなんでそーなる!
 
 
岩)そうじゃなくて!
  こんな毎日一緒にいるなら
  一緒に住んだっていいじゃん。
◇)……
岩)……
 
 
なんすかその渋い顔。
 
 
岩)何がやなの?
◇)やだとは言ってないじゃん。
岩)何が気になんの?
◇)んーー…
 
 
◇は少し考え込んで、パッと顔を上げた。
 
 
◇)3点あります!
岩)…っ
 
 
なんだなんだ!理詰めで来る気か!?
 
 
◇)まず一つ!
岩)お、おう…っ
◇)同棲しちゃうと別れる時、やじゃん?
岩)はぁぁぁ!!??
  なんで別れること前提なんだよ!
◇)違う違う、前提じゃなくて、
  可能性の話。
岩)…っ
◇)今はお互い大好きでも
  この先何があるかわかんないじゃん?
 
 
出た出た。
 
 
◇)例えば剛典が変な宗教に騙されて
  トチ狂ってそのへんの女、手当たり次第
  妊娠させるかもしれないじゃん?
岩)例えがぶっ飛びすぎててわかんねぇわ!w
◇)まぁ、最悪の例よ。
岩)おう、それで?
◇)そうなったら別れたいじゃん?
岩)おう。
◇)今の状態だったら「出てけー!」って
  強気に言えるけど
  一緒に住んでたら名義の関係とか
  ややこしいじゃん?
岩)……
 
 
名義の話かよ。
てゆーかその前にこれはなんの話だよ。
 
 
◇)逆だってありえるよ?!
  あたしがトチ狂ってホスト通いして
  借金作りまくって破産したらどうする?
 
 
またぶっ飛んでんな、オイ。
 
 
◇)そしたら別れたいでしょ?
  一緒に住んでたら面倒くさいでしょ?
岩)……
◇)…とまぁ、そういう話よ。
岩)完結させんな!!w
◇)え?
岩)あーーー、じゃあわかった。
  どっちかがトチ狂った時のために
  協議書でも作っとこ。
 
 
とか言えば納得するかな。
 
 
◇)え、いいよ。
  そんなガチな話じゃないよ。
岩)はぁぁ!??
  なんなんだよ!もう!
 
 
誰か助けて。
俺、完全に振り回されてる。
 
 
◇)二つ目!
岩)…ぉぅ…
◇)家族とか友達を呼べなくなるのが
  なんかなーー
岩)……
 
 
今度のはガチっぽいな、よし。
 
 
岩)今まで通り好きに呼べばいいじゃん。
◇)二人の家に?
岩)うん。
◇)やじゃないの?
岩)……男連れ込まれんのは
  ちょっとあれだけど…
◇)連れ込むって何!
岩)今日連れ込んだんでしょ?
◇)人聞き悪いわ!
  一緒にご飯食べただけ!
岩)……
◇)ほらね、自分の家だったら
  嫌なんでしょ?
岩)……
◇)あたしも自分の家ならいいけど
  二人の家だと気ぃ遣うし…
岩)いいよ!いい!いいと思う!
◇)へ?
岩)好きなだけ連れ込め!
 
 
もうヤケだ。
 
 
◇)……ねぇ。
岩)はい。
◇)あたしの友達、
  全員剛典に会わせてもいいくらい
  ほんとに100%絶対何もないから。
岩)…っ
◇)元カレが紛れ込んだりもしてないから。
岩)……
◇)ほんっとにただの友達。全員。
岩)……
◇)それでももし剛典が嫌な思いするなら
  もう家には呼ばないよ。
岩)……
◇)一緒に住む住まないは別にして。
岩)……
 
 
ほんとにただの友達なんだろうな。
 
なんでだろ。
異性の友達がたくさんいるっていいことだし
そんな◇を誇りに思った時もあったのに…
 
 
………あ。
わかった。
 
 
「◇ちゃんは本当にモテるからねー
 会社でも狙ってる男多いのよーー
 彼氏がいたって関係ないの。」
 
 
あれだ!
多田さんがあんなこと言ってたからだ!
もう多田さんのせいにしちゃうぞ!
 
 
◇)やっぱりやだ…?
岩)…っ
 
 
そんな可愛い子犬みたいな目で
俺を見んなよ。
 
 
彼氏だからって
あたしの友達付き合いに口出ししないでよ!
とか言いそうなキャラのくせに
 
俺が嫌だったらやめる、って。
 
すげぇ譲歩してくれてる。
 
 
岩)……ん、ごめん、いいよ。
◇)え…?
 
 
隣に座ってる◇の小さな身体を
ふわっと腕の中に抱き寄せた。
 
 
岩)今まで通りでいいよ…。
◇)いいの…?
岩)うん。
  お前が矢口真里になるとは思えないし。
◇)ぶっ
岩)信じてるから大丈夫。
◇)……ねぇ、あたしさ、
  浮気とか低次元なこと絶対しないから。
岩)……
◇)するなら先に剛典と別れるから。
岩)その一言はいらん。
◇)あ、ごめん。
 
 
くすくす笑い合って、
◇を膝の上に抱き上げた。
 
 
岩)で?最後の三つ目は?
◇)んーー…
  もし一緒に住むなら、
  あたし部屋は別がいいの。
岩)ん?
◇)それぞれの部屋が欲しいってこと。
岩)そうなの?
◇)うん。
  剛典は一人の時間も
  絶対必要なタイプだから
  自分の部屋があった方がいいと思うし
  あたしもそうだから。
岩)……
 
 
よくわかってくれてますね。
 
 
◇)でも、そうなると…
  んーー…
岩)ん?
◇)この家ね、家賃が半額なの。
岩)うん。
◇)すっごいお得でしょ?
岩)うん。
◇)すっげぇお得でしょ?
岩)わざと「すげぇ」言うなw
◇)いたっww
 
 
◇はてへっと笑って部屋全体を指差した。
 
 
◇)なかなか良い家でしょ?ここ。
岩)うん。広いしね。
◇)そう!素敵な1LDK!
岩)でも二人で住むにはちょっとね。
◇)……
岩)お互いの部屋作るなら最低2L、
  理想は3Lくらい欲しいよね。
◇)……
岩)よし、じゃあ部屋は俺がさが…
◇)ちがーう!
岩)ん?
◇)広さの話じゃなくて、家賃の話。
岩)うん?
◇)ここは、この広さで家賃半額なの!
  それもこれも全部、
  うちの太っ腹社長のおかげ!
岩)うん。
◇)3Lなんかの半分払ったら
  絶対貯金できない!
岩)半分?
  折半するつもりなの?
◇)うん?
岩)いらないし。俺出すよ。
◇)え、やだ。
岩)は?
 
 
やだとはなんだよ、やだとは。
 
 
◇)ちゃんと半分こしたいもん。
岩)いや、いいって。
◇)やだ。じゃないと対等じゃない。
岩)……
 
 
自立してる女はこういう時面倒臭いな。
 
普通さ、
「家賃払わなくていいの?やったーラッキー」
とかってなんない?
素直に喜んでくれないもんかな。
 
 
◇)今、面倒臭い女って思ってるでしょ。
 
 
ギクギクッ!!
 
 
◇)お金出してもらったりするのってやなの。
岩)俺別に「俺が金出してんだから」とか
  偉そうにふんぞり返ったりしないよ?
◇)……
岩)その分、家事やれとかも言わないよ?
◇)……
岩)対等じゃないとやだって言うけどさ、
  明らかに稼ぎに差があるのに
  折半にする方が対等じゃないでしょ。
◇)差があるって何ーー!
  あたしだって結構稼いでるもん!!
岩)え、そうなの?
◇)そうだよ!
  会社の中でも一番給料いい部署なんだから。
岩)えっ…
  部署で違うの?
  じゃあ♡ちゃんよりもらってんの?
◇)……うん。
岩)いくら?
◇)んーー、……たぶん1.3倍くらい?
岩)マジか!
◇)会社の給料だけの話ね。
岩)へーーーーー
  ……って、なんか生々しい話だな!
◇)剛典が聞いて来たんでしょ!
 
 
ええと、なんの話だったっけ?
 
ああ、そうだそうだ。
 
 
岩)だからさ、お前がいくらバリバリ
  稼いでるって言ったって
  俺と差があるのは仕方ねぇじゃん!
  職種が違うんだし。
◇)……ちっ。
岩)ちっ?!
  ちって言った!?今!!
 
 
彼氏の稼ぎが良くて
舌打ちする女なんて、いるのかよ!w
 
なんでそんなとこまで無駄に
負けず嫌い発揮するかな…w
 
 
◇)そんなにもらってるの?
岩)……うん。明細見る?
◇)……いらない。
  なんとなく想像つくし。
  見たら悔しいから。
岩)だからなんで悔しがるんだよ!w
 
 
変な女だな!もう!
 
 
岩)だから、家賃とか光熱費とか
  そういう生活費は俺が出すから。
◇)うーーん……
岩)お前のことだから今度は
  稼ぎを比べてその割合で生活費割るとか
  言い出しそうだけど、そこはさ…
 
 
そろそろ折れてよ。
 
 
◇)ううん。
岩)え?
◇)そこまで言わない。
岩)…っ
◇)……ありがとう。
 
 
ん?
可愛く抱きついてきたぞ??
 
 
◇)そうだよね、
  剛典は坂本三朗じゃなかった。
岩)誰それ。
◇)誰のおかげで飯が食えると思ってんだーー
  が口癖の人。
岩)だから誰それ。
◇)友達の旦那さん。
岩)知らねーよ!!ww
  矢口真里くらいわかりやすい奴
  持ってこいよ!ww
◇)だってーー
 
 
可愛くふくらんでるほっぺをむにっと潰して。
もう一回、抱きしめた。
 
 
岩)俺は変な宗教にハマらないし
  お前もホスト通いなんかしない。
◇)……
岩)友達も家族も好きな時に呼んでよし!
◇)……
岩)金は全部俺が出す!
◇)……
岩)だから一緒に暮らそ。
◇)……
岩)……俺さ、今も忙しいけど
  これからもっと忙しくなると思う。
◇)…っ
岩)だからなかなか二人の時間とか
  作れなくなるかもしれないけど…
 
 
出来るだけ寂しい思いはさせたくない。
 
 
岩)ちゃんと一緒に暮らしてたら
  例え寝顔しか見れないような日でもさ、
  帰ったらお前がいて、そこが自分の家で…
  なんてゆーか「帰る場所がある」って
  すごい安心するから。
◇)……
岩)俺はお前がいる場所に帰ってきたい。
◇)…っ
 
 
俺が素でいられるのも
素の俺を受け止めてくれるのも
お前だけだから。
 
 
岩)俺はお前と一緒にいたいんだよ。
◇)……
岩)だから…一緒に暮らそ…?
◇)……
 
 
……返事がない腕の中を
そっと覗き込むように身体を離したら…
 
 
◇)ぐす…っ
岩)は?!
 
 
◇は涙を浮かべてて。
 
 
岩)なんで泣いてんの!!
◇)……なんか…感動した…。
岩)はぁ?!
◇)剛典がすごく忙しいのに
  こうしてあたし達が会えてるのは
  剛典がうちに来てくれてるからだもんね…
岩)……うん。
 
 
それは俺が好きで来てるだけだから
いいんだけどさ。
 
 
◇)剛典が二人の時間を
  そんな風に大事に思ってくれてたのが
  嬉しい。
岩)…っ
◇)最初からそれ言ってくれてたら
  すぐにうんって言った。
岩)はぁぁぁ!?
◇)えへへ♡
岩)なんだよもぉぉぉ〜〜〜
 
 
ほんと振り回されてんな、俺。
 
 
◇)ね、じゃあ部屋探そうね♡
 
 
お、可愛い。
 
 
岩)うん。いくつか候補見繕ってもらうわ。
◇)うん♡
 
 
あ、嬉しそう。
 
 
◇)剛典ぃーー
岩)んー?
◇)……大好き♡
岩)////
 
 
はいはい、デレタイムですか。
 
 
◇)んーー♡
岩)////
 
 
可愛くチューされましたけど。
 
 
◇)んーー♡
岩)////
 
 
可愛くすりすりされてますけど。
 
 
じゃあ一緒に住む話はOKってことだよな?
ふぅ、やれやれ。
 
……でも…
なんか嬉しいな。
 
 
◇)なんか楽しみになってきちゃった♡
岩)うん、俺もw
 
 
二人で始める新生活に
期待とわくわくしかない。
 
 
◇)ね、剛典……、///
 
 
あーーーーーもうさっきから可愛いな。
そろそろベッドに…
 
 
◇)ベッド…行こ…?///
岩)…っ
 
 
以心伝心だった。
じーーん♡
 
 
◇)ね、剛典。
  今日悠くんに紹介してくれてありがとう。
岩)ああ、うん。
  来てくれてありがとね。
 
 
ベッドに入ったら
◇が俺に甘えるようにすり寄って来た。
 
 
◇)のどぐろ美味しかったなーー♡
岩)な、俺もあれ大好き。
◇)へへへ♡
岩)誰かさんはあーんしてくれなかったけど。
◇)悠くんいたでしょ…//
岩)いなかったらしてくれた?
◇)……いくらでもする///
 
 
ぎゅ…っ
 
 
岩)////
 
 
可愛くしがみついてきた。
 
 
岩)引っ越したら大きいベッド買おうな♡
◇)え?
岩)このベッド小さいじゃん。
◇)うん。
岩)俺のももう年季入ってるし。
 
 
てゆーかあのベッドじゃ
お前絶対寝てくれないし。
 
 
岩)どっちももうポイして新しいの買お♪
◇)え、あたしはポイしないよ?
岩)え?
◇)ベッドは別がいいもん。
岩)はぁぁぁ?!
 
 
今度は何を言い出すんだコイツは!
 
 
岩)別って何、別って!
◇)だって部屋は別にするでしょ?
岩)うん。
◇)あたしは自分の部屋にそのまま
  このベッド置くよ。
  寝るのは別がいいな。
岩)はぁぁぁ!?
 
 
だから何言ってんのコイツ!
 
 
岩)それじゃHできないじゃん!
◇)する時は一緒に寝ればいいじゃん。
岩)……
◇)毎日一緒に寝るのはあかんよ。
 
 
なんでだよ。
今だって毎日一緒に寝てるじゃん。
 
 
◇)ときめきがなくなる。
  あたしのこと女として見れなくなるよ。
  あたし結婚してもベッドは別がいいもん。
 
 
……それは…友達も言ってたかも…
 
 
◇)あたしの統計ではね、
  ベッドを別にしてる夫婦の方が
  ちゃんと「恋愛」として続いてるの。
  逆に一緒に寝ちゃうとレスになりがち。
岩)…っ
◇)男側は大体
  「毎日隣で寝てるとドキドキしない。
   女として見れなくなった。」
  とか言うことが多いんだよねーー
岩)……
 
 
さっきまで可愛く甘えてきてたのに
急に現実的な俺の彼女。
 
 
◇)家族みたいになっちゃうのやなの。
  剛典にいてもいなくてもどうでもいい旦那
  みたいな存在になってほしくないし。
岩)え。
 
 
そうか。
ときめきが薄れるのはお互いなのか?
 
俺だってやだよ、そんな風に見られるの。
 
 
◇)ずっとときめいてずっと恋してたいもん。
 
 
お……なんか可愛いこと言い出したぞ。
 
じゃあ今は
俺にときめいてくれてるってことで…
 
 
◇)剛典…大好き……
岩)////
 
 
また甘えてきた。
 
もう俺完全に振り回されてる。
でもいい!
 
よし、わかった!
ベッドの話はまた今度にして今日はもう…
 
 
◇)……ね、///
岩)////
 
 
可愛くつんつん引っ張ってきて、
チューのおねだり。
 
 
うん、今日はもうこのまま…
 
 
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
 
 
甘いキスはあっという間に深くなって…
 
 
◇)はぁ、…っ///
 
 
酸素を求めて離れた瞬間、
余裕がなさそうな表情の剛典と
目が合った。
 
 
岩)俺…ほんと転がされてるわぁ…
◇)え?
岩)心も身体も。
 
 
その言葉の次には、また唇を塞がれて…
 
 
◇)んんっ…ん、んっ…///
 
 
こんなキス、ずるい。
 
……って、ほんの少し抵抗したら…
 
 
岩)覚えとけって、言ったよな?
 
 
もう一度見つめ合った瞳には
とっくに色が差していた。
 
 
◇)////
 
 
「剛典に色気感じたことなんてないよ。」
 
「あったま来た。覚えとけよ。」
 
 
あれ、撤回…してもいいかな…?
 
 
だって…///
 
夜の剛典は、全然違うんだもん…///
 
 
◇)…や、っ……待って、///
岩)いいから…
◇)あ、……っ
 
 
剛典のキス一つで息が上がるあたしの身体は
もうふにゃふにゃに溶かされる準備を
始めちゃってる。
 
 
◇)……は…ぁ、っ……剛典…ずる…いっ///
岩)何が…?
◇)こういう…時だけ…
 
 
そんなに色っぽくなって
あたしをドキドキさせてきて…
 
 
岩)ずるいのはお前じゃん…?
◇)…っ、
岩)夜はこんなに可愛くなって…
◇)あっ……、んん///
 
 
………ダメ。
もう…剛典の思うがままだ…。
 
 
◇)は…ぁ、っ……///
 
 
どんどん熱くなって……
 
 
岩)ほんとずるいよ、お前……
◇)あ…っ///
 
 
ふわふわ……
 
クラクラ……
 
ゆらゆら……
 
 
甘い波に…ゆっくりゆっくり、
飲み込まれていく…。
 
 
岩)……やめる…?
◇)…っ
 
 
浮かされる熱の中、何を聞かれたのか
一瞬わからなくて…
 
でも、勝手に潤んでくる視界。
 
 
岩)泣くなよ…w
◇)……意地悪…しないで…、っ…
 
 
そんな優しく微笑むくせに、
こんな意地悪……
 
 
◇)やめ…ない…で…っ
岩)……ふ、…かわい…w
 
 
満足そうに笑った剛典が
またあたしをおかしくする。
 
 
岩)……やめる…?
◇)…っ
 
 
繰り返される意地悪に、勝手に涙がこぼれた。
 
 
岩)あーーー……、ごめん、
  すっげぇ可愛い…///
◇)////
 
 
どうしよう。
 
もう剛典でいっぱいだよ…。
 
 
◇)剛典……好き。大好き……///
 
 
ぎゅっとしがみつけば…
俺も大好きだよって、優しいキスをくれた。
 
 
岩)……やめる…?w
◇)……(ふるふる)///
 
 
もう一度ぎゅっと、抱きついた。
 
 
◇)…や…だ、……したい…、///
岩)////
 
 
もっともっと、剛典のこと感じたい。
 
 
◇)……ね、…お願い……///
岩)////
 
 
素直に甘えたら、
剛典が愛おしそうにあたしを抱きしめてくれて
 
 
大好き。
 
って心が思ったのと
 
 
やっぱり今日は寝かせてもらえなそう。
 
って身体が悟ったのが
 
 
……ほぼ同時だった。
 
 
こんなに大好きでいっぱいだから…
ねぇ、お願い。
 
 
あたしを剛典で満たして…?
 
 
 
“心も身体も”
 
 
 
 
 
 
 
ーendー

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