【152】ビーフシチゥ(岩ちゃんSide)

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◇『二日酔い大丈夫? 
  もう飲みすぎんなよ!👊』
岩『まだちょっと頭痛いけど大丈夫😅
  気をつけます笑』
◇『👍』
岩『◇ちゃんはお酒強いの?
  今度一緒に飲もうね🍻』
◇『次吐いたらコロス😄』
岩『もう吐かないよ!😂』
◇『👍』


そんな友達感満載のやりとりを経て
翌日。


◇『洗濯完了!』


一言だけLINEが来て、
俺はすぐに電話した。


岩『もしもし?』
◇『わ!びっくりした!え、電話?』
岩『あ、ごめん、かけちゃったw』
◇『うん。』
岩『洗濯ありがと♪』
◇『うん。』
岩『今日会える?』
◇『えっ!今日!?』
岩『うん。』
◇『今日は友達と約束あるー』
岩『あ…そっか。』


そういえば昨日
電話で話してたもんな…


◇『岩ちゃんちのポストに入れておこうか?』
岩『えっ』
◇『家覚えてるし。』
岩『……』


そんなことされたら会えないじゃん!


岩『いいよわざわざ!』
◇『でも割と家近いし。』
岩『え!そうなの?!』
◇『うん。』
岩『でもいいよ!また連絡する!』
◇『えっ…』

ピッ。


あ、切っちゃった。
何やってんだ俺。


近いって…どこに住んでんだろ?

聞けばよかったのに
なんかこのままだと
ポストに入れて終わりにされそうで
思わず切っちゃった。


岩)電話下手くそかよ…


電話越しに聞く彼女の声は
なんだかくすぐったかった。


次会える時は何しよう。
何したら喜んでくれるかな…
笑ってくれるかな…

そんなことを考えながら
俺は懲りもせず、翌日また電話をした。


◇『もしもし?』
岩『ういーっすw』
◇『どしたのー?』
岩『今何してる?』
◇『晩御飯作ってる。』
岩『え!何?』
◇『ビーフシチュー。』
岩『食べたいっ!!』
◇『は?w』
岩『俺も食べたい!!』
◇『……』
岩『ダメ?』
◇『…いっぱい作ったからいいけど…』
岩『やったぁ!!!』
◇『え、うち来るってこと?』
岩『うん。一緒に食べようよ。』
◇『……』


もしかして…
俺を家にあげることを警戒してる?


岩『何もしないから!!』
◇『何もって??』
岩『だから…その…変なこととか…』
◇『ああ!そんな心配してないよw』
岩『え?』
◇『友達になったんだし
  そんな風に疑ったりはしてません。』
岩『……』


それは喜んでいいとこなのか?


◇『来てもいいんだけど
  飲み物とかあまりないなぁって思って。』
岩『買ってく!!!』
◇『あははw お願いしまーす。』
岩『何か欲しいものある?』
◇『ううん、あたし水派だから。』
岩『あ、俺も全然水でいいけど。』
◇『あ、ほんと?じゃあ大丈夫か。』
岩『じゃあすぐ向かうー!住所送って!』
◇『はーい。』


送られてきた住所は
俺んちから本当に近くて
車で10分もかからないところだった。

途中ケーキ屋さんに寄ってもらって
スイーツだけ買って車に戻った。


M)今日は早く終わって良かったね。
岩)うん!!
M)まぁ明日はめちゃくちゃ早いけどw
岩)早起き頑張る!!!
M)あはははw お願いします。
  はい、着いたよーー
岩)ありがとう。
M)明日の迎えはどっち?
  ここ?岩ちゃんち?
岩)え…っ


まさか…泊めてくれるわけないだろうから


岩)俺んちでw
M)はいよー、お疲れさーん。
岩)お疲れさま!!


マネージャーに送ってもらって
車を降りると
綺麗なモスグリーンのマンション。

ドキドキしながらオートロックを抜けて
エレベーターに乗る。


なんだろう…
女の子の家なんてしょっちゅう行ってるのに
なんか緊張すんな…

なんであっさりOKしてくれたんだろ…

もしかして…もしかしてだけど…

◇ちゃんもちょっとは…俺のこと…


ガチャッ


◇)お疲れさま。
岩)……


「お疲れさま」って出迎えてもらえたのが
なんかすごく嬉しくて

言葉が出てこなかった。


◇)どうぞーー
岩)お邪魔…します。


エプロン姿で出てきた◇ちゃんは
そのままキッチンに戻っていった。

俺は勝手に手を洗ってリビングへ。


岩)洗面所借りましたーー
◇)はーい。
岩)めっちゃいい匂いする!!
◇)座っててーー今運ぶーー
岩)はい!!


キッチンをちょこまか動き回る◇ちゃんが
小動物みたいで可愛い…w

美味しそうな匂いに
思わず腹の音が鳴る。


◇)あっはははw
  そんなお腹空いてたの?w
岩)聞こえた…?w
◇)うんw


なんか恥ずかしいな…
飯目的で来たみたいじゃん。


◇)はい、どうぞ♪
岩)……いただきます。
◇)あたしもいただきまーす♪


テーブルに向かい合って手を合わせる。

熱々のシチューを少し冷まして
口の中へ運ぶと…


岩)美味いっ!!!
◇)……
岩)あっつ…w
◇)ゆっくり食べなよw
  誰も取らんわいw
岩)ぶはっw
  そっか、そうする。
◇)うん。


とは言ったものの
美味しくてついガツガツ…


◇)どんだけ腹ペコだったの…w
岩)違うよ!美味しいから!
◇)……
岩)このビーフシチ…ュ…
◇)へ?
岩)ビーフ…シチウ…
◇)はい??
岩)ビーフシチゥ!!!
◇)ぶっっww
岩)……
◇)「ビーフシチュー」って言えないの?
  あっはははww
岩)……//


大笑いされた…

なんか悔しいのにそれよりも
楽しそうに大笑いする◇ちゃんが可愛くて

まぁいいやって思えてしまう。


◇)「ビーフシチュー」!
岩)ビーフ…シチゥ…
◇)www
岩)もういいよ!
  ビーフシチゥ言えなくても
  人生で困んないし!
◇)まぁそうかもねw
岩)おかわりーー!!
◇)え、ほんとに?w
岩)うん!美味しい!
◇)はいはいw


2杯目のシチューを食べながら
部屋をチラッと見渡す。


彼氏いないって言ってたもんな…
いつもみたいな男の痕跡は…

…って、あーーー!!!


岩)あの腕時計、何??
◇)へ?


明らかに男物なんですけど!!

俺がローテーブルの上を指差すと
◇ちゃんが不思議そうに答えた。


◇)友達の忘れ物だけど。
  知ってるメーカーなの?
岩)……


そうじゃなくて!

でも今
「友達」って言った。


◇)昨日忘れてったんだーー
岩)昨日??
◇)うん。


昨日は俺を断って
女友達と遊んでたんじゃないんですか!!


◇)昨日久々に10人も遊びに来て
  家壊れるかと思った。
岩)じゅ、じゅうにん?!
◇)うん。
岩)それは…すごいね…


決して狭くないけど…
10人も入ればさすがに
ぎゅーぎゅーになっただろうことは
想像できる。


◇)昔のバイト仲間で集まったの♪
岩)へぇ…


楽しかったんだろうな…
ニコニコ可愛く笑ってる。


岩)友達とか…
  よく遊びに来るの?
◇)10人はさすがにないけどw
岩)ああ、うんw
◇)でもよく来るよーー
岩)へぇ…
◇)女子会もよくするしーー
  男友達だと…岩ちゃんみたいに。
岩)え?
◇)タイミング合えば飯食わせろーって
  遊びに来る。
岩)へ、へぇ……


何それ!!

男友達そんなにいっぱいいんの?!
つーか簡単に男を家にあげるなよ!!


ちょっとしたヤキモチと

今俺もしかして、ただの友達の一人ですよー
って遠回しに言われた?
っていうガッカリ感。


岩)……
◇)多かった?残していいよ?
岩)あ、違うよ…
◇)??


手が止まってたのはそうじゃなくて…

誤解されないように
スプーンを口に運ぶ。


岩)じゃあ…さ…
◇)んー?
岩)俺もまた…「飯食わせろー」って言ったら
  食べさせてくれんの?
◇)……何それw
岩)……
◇)今みたいな可愛い顔で言うならいいよ?
岩)……
◇)お腹空いて拗ねてる子供みたいで
  可愛かったw
岩)……


なんじゃいそれは。

完全に子供扱いされとるがな。


岩)料理…得意なの?
◇)得意って…誰かが「美味しい」って
  評価してくれないと言えないよね。
岩)めっちゃ美味しいけど!!
◇)じゃあ得意♡


にんまり笑った。


岩)……//


か、可愛い…
何その笑顔!!反則なんですけど!!


岩)ほんとに食べに来よ…
◇)図々しいやつーーw


とか言いながら笑ってくれてるから
ちょっとホッとする。


◇)でも、いいよ♪
岩)え?
◇)あんなにいっぱい買ってもらって
  なんか申し訳ないなーって思ってたから。
岩)いや、悪いのは俺だし…
◇)ありがとね♡
岩)……


なんか…◇ちゃんが素直で可愛い…!
何これ!!


◇)ほんとはあの後…
  ちょっと悪かったかなぁって
  反省してたの。
岩)え???
◇)キレすぎたかなって。
岩)……
◇)ごめんね?
岩)いや、ほんと悪いのは俺だから!
◇)……
岩)むしろ…見捨てないで送ってくれて
  ほんとにありがとう。
◇)ううん。


迷惑かけたのは反省してるけど

酔っ払いながらも無意識に
◇ちゃんを引き止めた一昨日の俺を
今は褒めたい気分。


◇)ごちそうさまでしたーー
岩)あ!スイーツ買ってきたよ!
◇)え??
岩)あれ??どこやったっけ??
◇)え??


確か…リビングに入ってきて…
そのまま…


岩)あ、あった!これ!w
  置きっぱなしだった!
◇)なんで!w
岩)忘れてたw
◇)あはははw
岩)食べようよ♪
  ケーキ、どっちがいい?
◇)あ……
岩)??


好みがわかんないから
ショートケーキとティラミスを
買ってきた。


◇)どっちでも…いいよー
岩)好きな方選んでよ♪
◇)じゃあ…ショートケーキ。
岩)うん♡


それからソファーに移動して
二人でケーキに口をつけた。


◇)美味しい。
岩)ほんと?
◇)うん。
岩)良かったーー♡♡
◇)……


少しだけニコッと笑ってくれて
それだけで俺は嬉しくなる。


◇)あ、そーだ。


ケーキを食べ終わると
◇ちゃんが何か思い出したように
立ち上がった。


◇)はい、これ。
岩)へ?
◇)一昨日のタクシー代のお釣り。
岩)…ああ!いいよ、いらないよ!w
◇)なんで!
岩)なんでって…
◇)返すよ!ありがとう。
岩)……うん。


無理矢理、手に乗せられた。


◇)あとね、はい、これ。
岩)あ。
◇)ちゃんと綺麗に洗ったよーん♪
岩)うん、ありがとw


いい匂いがする自分の服を受け取って
なんか少し寂しくなる。

別にこれで終わりじゃないんだけど…


◇)はーあ、お腹いっぱーい…


◇ちゃんはそう言って
ソファーの背もたれに頭を乗せた。


岩)俺もお腹いっぱーい…


隣で俺も天井を仰ぐ。


◇)帰んないの?
岩)へ??


俺は体勢を戻した。


岩)帰れってこと??
◇)そうじゃないけど…
  いつまでいんの?


ひ、ひでぇ!!
「いつまでいんの」とか
女の子に言われたことねーし!!


◇)お風呂入りたいんだもん。


◇ちゃんがチラッと時計を見た。
まだ21時。

帰ってたまるか。


岩)入ってくればいいじゃん。
◇)は?
岩)どーぞ?
◇)岩ちゃんは何してんの?
岩)ここでゴロゴロ。
◇)だったら帰れよ!w
岩)なんで!!
◇)なんでって…
岩)いいじゃん、別に。
◇)いいけど…、いや、いいのか?
  なんで帰んないの?
岩)居心地いいから。
◇)あっはははw
  そうなの?じゃあ好きにすれば?
岩)……
◇)お風呂入ってこよーっと♪


るんるんと着替えを持って
バスルームに消えていった。


ちょっと待て。


滞在許可は取れたものの…
ちょっと無防備すぎねーか?

男友達が遊びに来てんのに
普通に風呂入るか??

俺のことなんだと思ってんだ??


よくわかんないモヤモヤを
クッションと一緒に抱えながら
ゴロゴロ…ゴロゴロ…



ー続ー

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