【242】「泣いちゃうと思う」(岩ちゃんSide)

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二人でソファーに座り直すと
◇がまたクッションを抱えた。


◇)友達が…ね?
岩)うん。
◇)ハワイでの挙式を考えてるらしくて…
岩)へぇ!!
◇)その下見も兼ねての旅行なの。
岩)なるほど!
  ハワイで挙式とかいいねぇ〜〜
◇)ねっ!絶対キレイだよねっ♪
岩)うん!
◇)あたしも楽しみ♡
岩)お前も結婚式するならハワイ?
◇)うーーん…全然考えたことないや。
  でもハワイ素敵だよね♡
  南国の島はやっぱり憧れだし…
  ヨーロッパとかも素敵かもー!♡
  新婚旅行も兼ねて〜〜
  でも日本でも全然いいよっ♪
  その方が友達も来やすいだろうし…
  …てゆーか好きな人となら
  どこでもいいっっ♡♡
岩)……
◇)はっ!!
岩)……
◇)////


楽しそうに目を輝かせて話す◇を見てたら
突然我に返った。


◇)一人で…ごめん…//
  ついつい暴走…
岩)いや、可愛かったけど…ww
◇)……//
岩)結婚式はやっぱり
  女子の憧れでしょ。
◇)……(こくん)///


照れて俯く◇が可愛くて
そんな夢も叶えてやりたくなる俺は
暴走しすぎ…?


岩)◇は結婚願望あんの?
◇)そりゃー人並みには…
  剛典は?
岩)バリバリありますよw
◇)バリバリあるんだ!w
岩)うん。子供も欲しいしね♪
◇)そうなんだぁ〜〜
岩)◇は?なんか理想とかあんの?
◇)あたし?…は…、そうだなぁ…
  理想っていうか…子供が出来ても
  ラブラブな夫婦でいたいなーーって
  昔から思ってはいる。
岩)へぇ!
◇)旦那さんが仕事行く時にはねっ、
  必ず玄関でお見送りして
  行ってらっしゃいのチューがしたいの♡
岩)…俺にしてくれたみたいに?
◇)!!!!
岩)……ww
◇)////


バシッ!バシッ!!


岩)いてーな!いきなり何だよ!w
◇)////
岩)……


あ…またクッションに沈没した…ww


何気なく言ってみたものの
思い出して恥ずかしくなったパターンね、
はいはい。

あ〜〜もう、可愛い。


岩)でも…俺もさ、それ憧れなんだよね。
◇)……え?
岩)毎朝のお見送りチュー?w
◇)……
岩)うちの親がそんな感じだったから…
◇)えっ!うそっ!うちも!!
岩)えっ
◇)うちもね、お父さんとお母さんが
  そんな感じだから
  いいなって思うようになったの。
岩)おおっ、一緒じゃんw
◇)すごーい!
岩)やっぱ親の…っていうか
  家庭環境の影響って大きいよなw
◇)大きい!!
岩)……


やっぱり◇とは…
なんか色々似てるところが多いなぁ…


◇)ふふっw
  また実家に帰りたくなってくるーw
岩)…この間…帰ったばっかじゃんw
◇)そうでした♡
岩)あ、鹿サブレね、
  メンバーにも少しあげたら
  美味しいって喜んでたよ。
◇)あ、ほんと?良かった〜〜♪
  あっ、そーだ!
岩)ん?
◇)剛典、ケーキとクッキー、
  どっちが好き?
岩)えっ!どっちって…
  どっちも好きだけど…
◇)あ!間違えた!!
岩)へ?
◇)それでケーキって言われたら
  困っちゃうんだ…
岩)ん???


なんか一人でブツブツ喋ってる。


◇)とにかく剛典は甘いものが
  好きってことだもんね!
岩)はい、そうですが。
◇)ん、よし!もう忘れて!
岩)なんじゃいそりゃ!w
◇)忘れて忘れて〜〜〜w
岩)わぁっw


◇が俺の頭をわしゃわしゃしてきた。


◇)ん〜〜さらさら〜〜♪
岩)洗いたてですからw
◇)ん〜〜いい子いい子〜〜♪
岩)おい、犬扱いすんな。
◇)してないしw
岩)してんだろ〜〜!
◇)お〜〜よしよしよし♡
岩)ほらー!!w
◇)あはははっw
岩)お前の方が犬っぽいっつーの!
  うりゃっっ!
◇)やぁ〜〜!!
  やめろ〜〜〜!!//


撫で回した亜麻色の髪からは
甘い花の香り。


ピロリロリロ♪ピロリロリロ♪


◇)あれっ、…あ、桜だ。
岩)えっ…
◇)出てもいい?
岩)うん、もちろん。


ピッ

◇『もしもし?』
桜『うわーーん!!お姉〜〜!!』
◇『ちょ、何急に。』
桜『先輩がまた浮気しててん〜〜!!』
◇『はぁ??』
桜『信じられへん〜〜!!』
◇『ちょっと、落ち着いて。』
桜『うわーーん!!』
◇『てゆーか「浮気」って…
  その後付き合ったん?』
桜『うん……
  先輩な?やっと言ってくれてん!
  「桜のこと好きやで」って!!
  それで付き合うことになってん!!』
◇『ふんふん。』
桜『せやのに…
  また違う女の子とHしててん!
  うわーーん!!』
◇『ゲス野郎だな…』

岩)……


桜ちゃんの声がすごく大きくて
普通に会話が聞こえる。


◇『そんな男、やめたら?』
桜『ひっく、ひっく…』
◇『全然桜のこと大事にしてへんやん。』
桜『でも…
  桜が一番大事やって…一番好きやでって…
  言ってくれんねんで?』
◇『何やねんそれ。
  口で言うてるだけで
  行動が伴ってへんやん。』
桜『…っ』
◇『好きや、大事やって言いながら
  他の女とそーゆーことしてんねんで?
  そんな男の言うこと信じたらあかん!』
桜『せやけど…、ぐすっ、ひっく…』
◇『そんな男のどこがええねん。ほんまに…』
桜『いっぱい…可愛えって言うてくれる…』
◇『……』
桜『いっぱい…好きやって言うてくれる…』
◇『……』
桜『一緒におる時…ほんまに優しいねん…』
◇『何か言ってくれるとか
  優しくしてくれるとか
  自分に何かしてくれるところやなくて
  人としてどこが好きやねん。』
桜『えっ…』
◇『……』
桜『……わからへん。』
◇『はぁ??』
桜『考えたこともない…』
◇『……』
桜『……』
◇『もう一回ちゃんと見てみたら?
  その先輩のこと。』
桜『…っ』
◇『それでもどうしても
  桜が好きやって言うんやったら
  もう止めへんけど…
  あたしはやっぱりあんたには
  ちゃんと幸せになれる恋愛を
  してほしいって思うてるよ。』
桜『……』
◇『辛い思いはしてほしくない。』
桜『…っ』
◇『……』
桜『お姉っ!!好きぃっ!!!』
◇『は?!』
桜『お姉大好きっ!!』
◇『いきなり何やねんw』
桜『……』
◇『……』
桜『…ありがとう。』
◇『……』
桜『また近いうち…
  遊びに行ってもええ?』
◇『ええよ…』
桜『お姉…♡』
◇『……ほんならもう切るよ?』
桜『うんっ♡ありがとう♡
  お姉…だいすき♡』
◇『はいはい、おやすみw』
桜『おやすみなさい♡』

ピッ。


◇)はぁぁ……


どっと疲れた様子の◇。


岩)お疲れさんw
◇)もう…なんであんな
  男見る目ないんやろ…
岩)うーーん…
◇)てゆーかほんまはな!
  そんな男ギッタンギッタンに
  してやりたいんやで!!
岩)えっ…
◇)うちの桜に手を出しておきながら
  他の女にまで…
  そんな男は死んでしまえ!!
岩)……
◇)ああ、ほんま腹立つ!!


◇は水を一気に飲み干すと
少し落ち着いたのか標準語に戻って

また俺の隣に座った。


◇)ほんとろくでもない男だ…
岩)……あの…さ、
◇)ん?
岩)今…友達が…彼女と喧嘩してて…
◇)あら。
岩)彼女、家出しちゃってんだよねぇ…
◇)えっ…
岩)ずっと帰ってこないみたいで。
◇)家出…流行ってんのかな。
岩)え?
◇)いや、なんでもない。
  家出するってよっぽどだね。
岩)……やっぱりそういうもん?
◇)顔も見たくない、話したくない
  同じ空気を吸いたくない
  …ってことでしょ?
岩)そこまで?!!
◇)極端に言えば。
岩)……
◇)どんな悪さをしたんだか。
岩)え、…やっぱり男が悪いのかな?
◇)家出させるくらい
  傷つけたんじゃないの?
岩)……
◇)あれ?違った?
岩)うーーん……


俺はソファーの背もたれに頭を乗せた。


岩)なんかさぁ…
  俺的には全然わかんないの。
◇)え?
岩)男側に非があるとも思わないし
  家出ってちょっと
  大袈裟じゃないかなーって。
◇)……
岩)かわいそうだよ…
◇)男側が?
岩)うん。
◇)非がないの?
岩)…てゆーか…うーん…
  まぁざっくり言うとさ、
  その人、昔すげぇチャラくて。
◇)あら。
岩)女遊びしまくってて。
◇)げっ。
岩)でもさ、その彼女と付き合ってから
  もうびっくりするくらい
  真面目で一筋で。
◇)えーー!何それ!!
  そーゆーの好きだよ!!
  キュンキュンじゃん!
岩)でしょー?
◇)うんっ!!
  それだけその子に
  惚れてるってことでしょ?
岩)もうベタ惚れだよ。
◇)きゃーーー♡
岩)でもさ、今になって
  その昔の女遊びがバレたらしくて…
◇)……ん?
岩)ん?どうした?
◇)なんか…どっかで聞いたような話だな…
岩)え?
◇)いや、なんでもない。
岩)で、今は浮気もなんもしてないのに
  そんな過去のことで喧嘩になって
  家出されちゃってるわけ。
◇)あらら……
岩)かわいそうすぎるよ。
◇)それはちょっと不憫だねぇ…
岩)どう説得したら戻ってくると思う?
◇)え?
岩)女子の意見、ください。
◇)女子……
岩)女子じゃんw
◇)そうだけどw


◇は考え込むように
ソファーにもたれた。


◇)うーーん……
岩)ぶっちゃけさ、付き合う前なんて
  絶対元カノとか元彼がいるわけで
  そんな自分と出会う前の話なんか
  どうでもよくない?
◇)どうでも…よくはないけど
  まぁ確かに過去のこと
  あれこれ言ってもね。
岩)そうだよ。
◇)よっぽどひどい内容なら
  チャラには出来ないかもしれないけど
  でも自分と付き合い始めて
  真面目になってくれたんなら
  あたしだったらOKだなーー
岩)だよね?!
◇)うん。
岩)はーあ……


♡ちゃんはそうはいかないのかなーー
ピュアだから余計になのかなーー


◇)あ!でも!
岩)え?


◇が何かを思い出したように
俺の顔を見た。


◇)最近友達とも
  こんな話、してたんだけどね?
岩)うん。
◇)付き合う前でも、出会った後だったら嫌!
岩)……え??
◇)自分と出会ってから
  付き合うまでのグレー期間?
  そこでも女遊びとかしてるんだったら
  最悪!!!!
岩)…っ
◇)ありえないね。
岩)…付き合って…なくても?
◇)ない!!
岩)……
◇)そのへん、どうなの?そのお友達。
岩)……
◇)…剛典…?
岩)ああ!えっと…
  いや、うん、ないと思う。
◇)なーんだー!じゃあ無実じゃん!
岩)……
◇)でもまぁ…その彼は…
岩)……
◇)バレちゃったところが残念だね。
岩)……
◇)今はその彼女のこと
  大事にしてたんでしょ?
  なのに…
岩)……
◇)悪いことって…全くバレないことって
  ほとんどないよね〜〜〜
岩)え……?
◇)絶対どこかで誰かにバレて
  下手するとそこから
  大事な人にもバレる。
岩)……
◇)隠し通せる方が少ないと思うな〜〜
岩)……
◇)バレて困ることはしない!!
  これに限るね。
岩)……
◇)その彼女、早く戻ってくるといいね。
岩)……
◇)あたしの友達も今
  彼と喧嘩してるんだ。
岩)え…?
◇)早く仲直りできるといいなって
  思ってるんだけど…
岩)……
◇)仕方ないから
  剛典の友達の分も
  一緒に祈っといてあげる!w
岩)……
◇)みんな早く仲直りできますよーにっ!!


そう言って◇は手を合わせた。


岩)……


その横顔を静かに見てると
◇がパッと振り向いてニコッと笑った。


◇)これでよしっ!!
岩)……
◇)……
岩)……
◇)どうしたの…?
  やっぱり心配…?
岩)あ、いや…そうじゃなくて…
◇)……??
岩)……


もしも……


岩)あの…さ、
◇)んー?
岩)もしも◇の好きな相手が
  そーゆー男だったらどーすんの?
◇)え〜〜〜?
岩)さっき言ってたみたいな…
  ゲス野郎?だったら…w
◇)えーー!最悪じゃん!何それ!w
岩)最悪…だよなw
◇)そんなん正体がわかった瞬間に
  ぶっ飛ばすね!!!
岩)おおっ…
◇)ぶん殴って蹴り倒して
  もうギッタンギッタンにしてやる!!
岩)……だよなぁ!!
  お前怒ったら怖そうだし!!w
◇)そうだよっ!!w
岩)……


俺は…
ギッタンギッタンにされるんだろうか…


◇)……
岩)……
◇)でも…
岩)……え?
◇)そんなこと言いながら…
岩)……
◇)本当にそんな場面になったら
  たぶん…
  怒るよりも悲しいだろうな……
岩)え…っ
◇)泣いちゃうと思う……
岩)…っ


そう言って
すごく悲しそうな表情を浮かべる◇に
喉がきつく締まって

息を吸えなくなった。


◇)なんてねっ、へへっ…
  そんな男好きにならないからいいけど!
岩)……
◇)あ…でも…
岩)……
◇)好きになっちゃってから
  知るってこともあるんだよね。
岩)……
◇)うーーん……
岩)もういいや!この話、終わり!
◇)えっ…
岩)自分に置き換えて考えたって
  仕方ないしね!
◇)まぁ…確かに…
岩)よっし、そろそろ寝るかーー
◇)うん。


立ち上がると
◇はハッとして俺を見上げた。


◇)剛典は…ここだよね?
岩)……


◇の小さな手がソファーを指してる。


岩)なんでや。
◇)えっ…
岩)一緒に寝るわい。
◇)なんでや。
岩)えっ…
◇)……
岩)◇が一緒に寝たいだろうから。
◇)はぁ?!!
岩)ほら、行こ。
◇)ちょ、待ってよ!何その理由!//


俺は勝手に寝室に向かって
ベッドに入った。


岩)あ〜〜気持ちぃな〜〜〜♡
◇)信じらんない//
岩)なにがーー?w
◇)…っ


◇がほっぺを膨らませながら
反対側からベッドに入ってきた。


岩)だってお前が言ったんじゃん?
◇)は?!
岩)一瞬でもいいから会いたいって。
◇)!!!
岩)ほんとは一瞬なんかじゃ嫌。
  いっぱいぎゅってして
  撫で撫でして
  朝までずっと抱きしめててーーって。
◇)はい?!!///
岩)そう送ろうとしたけど
  途中で送信しちゃったんでしょ?
◇)全然違うっ!!!///
岩)ぶはっww
◇)勝手に変な設定にしないで!!///
岩)はいはいw
◇)もう…//
岩)…今のは俺の気持ち。
◇)え…?
岩)……
◇)……
岩)いっぱいぎゅってして
  お前のこと撫でて…
  朝までずっと…抱きしめてたいって…
◇)…っ
岩)俺の気持ち。
◇)////


だから…


岩)ん。
◇)…っ
岩)来て。
◇)////


俺が腕を伸ばすと
大きな瞳をキョロキョロさせながら
恥ずかしそうに潜り込んできた。


岩)おとなしく来た…♡
◇)////
岩)んーー♡いい子♡♡
◇)////


腕の中にぎゅっと◇を閉じ込める。


ああ…心地いい…

ずっと…こうしてたいな…


こんなにドキドキして
心臓がうるさいのに

さっき予定してたシナリオ通りに
動こうとしないのは


「泣いちゃうと思う」


そう言った◇の悲しそうな顔が
頭から離れないから。


岩)……


ギッタンギッタンにされる方が
まだマシだ。

あんな顔で泣かれる方が…
耐えられない。


どうして…

悲しむんだろう。
泣くんだろう。


好きなのは◇で
他の女になんか興味ないし

こんなに大事に思ってんのに

どうしてあんな意味のない行為が
◇を傷つけるんだろう。


どうして…

どうして傷つくんだよ。


岩)……◇…?


静かに名前を呼ぶと
小さなお姫様は
もう俺の腕の中で寝息を立ててた。


岩)……


もう一度抱きしめて、髪を撫でる。


こんな…愛しい気持ち…
お前にしか感じないのに…

傷ついたり…すんなよ。

あんな顔…すんなよ。


大事じゃないなら
この場でとっくに襲ってる。

自分の欲望に任せて好きにしてる。


他の女とお前は…全然違うんだ。

これは…
男にしかわかんない気持ちなんだろうか。



ーendー

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